世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●安倍官邸が桟敷席にまで“とく俵”を伸ばした時の防衛費

2018年01月29日 | 日記
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●安倍官邸が桟敷席にまで“とく俵”を伸ばした時の防衛費

 遂にジャパンの軍事費(憲法上の理由で防衛費と呼ぶ)が、初めて5兆円を突破した。昨日のコラムのように、予算員会で、野党が怒涛の安倍包囲網をもって攻め続ければ、あえなく落城という僥倖もある。しかし、二枚舌や二枚腰、時には柳腰まで加わって、永田町でスイスイ泳ぐ安倍官邸に、平気で塩を送る似非野党も存在するので、予断は許さない。

 機をみて敏な、卑怯で姑息で図々しくもある安倍官邸に巣食う住民のことだから、その機会を見逃さず、“とく俵”を桟敷席まで延長して、勝負を長引かせる可能性も捨てきれない。現時点で野党が安倍政権を倒そうと思うなら、ケタぐりや引き落とし、はたき込み、猫騙し等々、捨て身戦術に出るしかないだろうが、最近の野党はお公家様のように理性的で品がいい。逆に、政権側に居座る面々には、ヤクザやマフィア、詐欺師と云った」風味の面々が鎮座しているのだから、世は逆転だ。

 ところで、以下のように、防衛費が際限なく伸びていくのも問題だが、防衛費が本当に自国の防衛に役立つのかどうかと云う議論は、もっと大切である。日本の防衛省の予算要求、装備品の要求は、陸海空がバラバラに、自分達の欲しいものを要求してまとめているので、そもそも、陸海空の連携が取れた防衛装備の調達になっているかが疑問である。この陸海空の要求を、専守防衛上の観点から、その防衛力が有効に機能するように、合理的に整合性を持って統括する部署の不存在が重大な瑕疵になっている。現状の自衛隊の形態は、戦前の陸海空軍にがみあい時代と同じ過ちの延長線上にある。

 仮に安倍政権が、オリンピックイヤーになっても座りこんでいたら、防衛費は8兆円とか10兆円に達する可能性までが見えてきている。仮に10兆円であっても、専守防衛に有効なものであれば、その必要の議論を行うことは問題ないが、防衛に役立たない防衛費の使い道と云う問題に、もう少し国民はコミットしておく必要がありそうだ。防衛費の半分くらいは、無用の長物的となる印象が濃厚だ。おそらく、陸海空の各自衛隊の面々は、本当に自分達が、それらの戦闘機や武器弾薬を使って、北朝鮮軍や中国軍と戦闘になるリアリティが欠如しているというのが一般論だ。

 防衛大綱の流れから見ても、安倍の改憲スケジュールは有効に機能しているのだから、改憲も上手く行く、と高を括られている雰囲気もあるのだから、野党諸君は、どんな手でも構わないが、安倍内閣を倒閣する心構えで予算委員会に望んでもらいたい。卑怯と言われても気にする必要はない。森友問題に集中砲火を浴びせるのが得策だ。或る意味で、昭恵夫人と云うターゲットがあり、官僚機構の足並みも乱れている森友に集中砲火だ。新聞テレビも、おっとり刀で後ろから追いかけてくる可能性もある。


≪ 史上最大の防衛費は日本の安全に役立っているのか
 高額兵器と攻撃的兵器。これが今年度の防衛予算の特徴のようだ。
 1月22日に開会した通常国会では主に来年度予算案が審議されるが、中でもとりわけ過去最高となる5兆円を突破した防衛関係費(防衛予算)が大きな争点となる。
 確かに北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射実験を繰り返し、中国の軍備拡大も続くなど、東アジアの安全保障は新たなアプローチが必要な情勢ではある。しかし、そうした中で打ち出された史上最高額の5兆1911億円の防衛予算の内訳を見ていくと、必ずしも緊迫の度合いを増す東アジア情勢に対応した装備が計上されているようには見えない。
 端的に言えば、F-35A戦闘機やV-22オスプレイ、イージス・アショアなど必ずしも日本のニーズに合致するとは思えない高額の兵器を次々とアメリカから買わされている一方で、現行憲法の枠を超える弾道ミサイルのような攻撃的兵器の研究費が、十分な議論もないまま計上されているのだ。
 安倍首相は国会で「専守防衛の精神にいささかの変更もない」と述べる一方で、「従来の延長線上ではなく国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていく」と語り、日本の防衛政策の基本方針を定めた防衛大綱を見直す意向を表明するなど、日本の防衛政策が大きな転換点を迎えていることは間違いなさそうだ。
 防衛政策に詳しい東京新聞論説・編集委員の半田滋氏は、安倍政権は憲法改正を念頭に置いた防衛装備の整備を進めていると指摘するが、憲法改正をめぐる議論はまだ何も始まってもいない。そうした状況の下で日本が敵基地攻撃能力を持てば、当然周辺国はそれに対応した防衛体制を整えてくる。果たしてそれが日本の真の安全保障に資するかどうかについては、慎重な判断が必要だ。
 史上最高額となった来年度の防衛予算とその中身の妥当性について半田氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。

*半田 滋(はんだ しげる) 東京新聞論説兼編集委員 1955年栃木県生まれ。下野新聞社を経て91年中日新聞社入社。92年より防衛省担当記者。93年防衛庁防衛研究所特別課程修了。2007年より編集委員。11年より現職。獨協大学非常勤講師、法政大学兼任講師を兼務。著書に『闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶』、『日本は戦争をするのか――集団的自衛権と自衛隊』など。
 ≫(ビデオニュースドットコム)

 http://www.videonews.com/marugeki-talk/877/


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