世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●プーチンの勝利 トルコ・エルドアンは親米で親IS、米とISの関係は?

2015年12月08日 | 日記
戦国武将の実力 - 111人の通信簿 (中公新書 2343)
クリエーター情報なし
中央公論新社


応援に感謝、励みになります!
にほんブログ村 政治ブログへ

●プーチンの勝利 トルコ・エルドアンは親米で親IS、米とISの関係は?

「やっぱりな」と云う事実が、徐々に明らかになってきた。シリアを巡る米ロの鞘当て合戦は、どうもロシア・プーチン大統領の大勝利で終わる按配だ。おそらく、ウクライナ問題における、クリミアのロシア併合、東ウクライナの事実上のロシア帰属も決定的になっている。アメリカとしては、CIAや多額の資金援助を通じて、親欧米NPO団体などを蜂起させ、反米政権を潰す工作を、未だに平気で行うのだから、どう考えてもアンフェアだ。

どうも、アメリカ人の思考には、自分たちの価値観が「善」であり、他の価値観は、概ね「デビル」だと云う意識が猛烈に存在しているようだ。その考えと云うか傲慢さは、現在では「思考停止」のレベルに達しており、病的でさえある。しかし、そのアメリカ的な価値観を、曲がりなりにも国連に加盟している独立国に対しても、「善行」をほどこす「正義の味方」気取りで、、アメリカ的価値観に従順でない国々の政府に対し、民衆(雇われ軍事力付き)が、放棄する寸劇を演じるよう手立てして、革命、乃至は政権の退陣を余儀なくさせる。

このあまりにも常套的「反米政権潰し」は、ノーム・チョムスキー氏が言うところの、メディア・コントロールによって、一般市民の耳と目を完璧に塞ぐのである。ロシア・トゥデイ(RT)等に目を通していれば、ロシア側の主張の方が論拠が明確であり、怪しさは少ない。しかし、日本人の多くも、日本の親米マスメディアの思考停止の中では、プーチンは世界平和の「魔女」であり、旧ソ連のKGB出身の、諜報活動のボスのように報じられているので、そのように思ってしまっても致し方ない面はある。

しかし、欧米的「普遍的価値」に準ずる国でなければ、地球上に存在することさえ認めようとしない、アメリカ政府の独善性は、まさにアメリカ教と言って過言ではない。アメリカのコンプレックスは、そもそも国家の歴史がないこと、そして、民族的な伝統文化を尊重するような物言いをしながら、人工的な移民国家システムの歯車に、自国民すら嵌め込んでしまう国家のパワーが存在する。非常に明晰な部分があると思うと、あっけらかんと嘘八百な作り話を鵜呑みにしてしまう“馬鹿まるだし”な弱点を持つ。

ウクライナは、米(NATO)・ロシア共に“おしくらまんじゅう”状態で、動きが双方で取れなくなっているが、最終的には、ウクライナと云う国が、ロシアあっての国家だっただけに、ロシアの抜けたウクライナには、これといった人材もなく、早晩、崩壊してしまうのだろう。どこかで、和平交渉が最終決着して、線引きがなされるだろうが、西ウクライナはドイツの安価の労働力を提供するだけに国になるだろう。また、NATOの最前線基地が対ロとして生まれるだろうが、安価な労働力と最前線基地維持は利害得失がイーブンになるのだろう。ロシア側も、経済的には東ウクライナを抱えることはマイナスなので、つかず離れずのバックボーンな存在に徹するかもしれない。

まあ、このようにして、独善的善行にひた走るアメリカ教の教条性が、アフガン、イラク、リビア、エジプト、シリア等々、内戦状態を惹き起こしているのだから、トンデモナイ「正義の使者」と云うことだ。今回の、トルコ・エルドアン現政権の命運は、ほぼ尽きたと言えるだろう。このトルコのエルドアンを、ここまで持ち上げたのは、NATO勢力、延いてはアメリカ教のなせる業だなのだが、エルドアンのパフォーマンスは、アメリカとの関係で、尻尾を出さなかったが、遂に正体を見せてしまったようだ。今や、西側のメディア・コントロールによって、世界の最大の敵とまで持ち上げられた「イスラム国IS」とトルコ・エルドアンの関係が、ただならぬものであった事実は、アメリカ・オバマを困惑させているだろう。

おそらく、オバマ自身も、トルコ・エルドアンとISの蜜月関係を知らなかった可能性は高い。しかし、CIAや一部共和党政治家は、相当のところまで知っていた筈だから、エルドアンと共犯である。つまり、トルコ・エルドアン政権は親米政権であり、親イスラム国政権でもある、そう云うことだ。だからと言って、見出しのようにすべてを等式で表すのは酷だが、それでも、アメリカ教の「善行」に必要であればと思っている、アメリカの権力的地位にいる勢力が加担しているのも事実だろう。

考えてみてくれ、わが国の50%と云う捏造であろうがなかろうが、高支持率を得ている安倍内閣は、イスラエル以上に超親米に傾斜している。おそらく、米国務省と日本外務省による、事実の歪曲が公然と永田町を闊歩し、ここでも「思考停止」が起きているから、二重の事実が見えないプロパガンダが展開される。こうなると、こうなると、真剣に考えれば考えるほど「うつ病」になってしまうので、小利口な連中は、なるほど「こういう風向き」だと察知して、それに合わせて言動するようになる。そして、その言動を、記者クラブを通じて、アベチャンネル(NHK)等々から、まことしやかに垂れ流される。ニュースを読む奴も、解説する政治部や国際部の記者連中も、担当省庁のブリーフィング通りの事を言っているに過ぎない。

まあ、今回のトルコのロシア機撃墜は、エルドアンの命令だったようだが、エルドアンが、自らの利益だけで、大国ロシアを敵に回すとことはなわけで、それを唆した大きなバックボーンが存在するのは当然だ。そのバックボーンは、ロシアよりも強力である必要があるわけで、EUとか中国であるわけがない。安倍もエルドアンと仲良しらしいが、安倍であるわけもない。そうなると、或る一国か、乃至は、その一国のある勢力が後ろ盾てでなければ、エルドアンが、みすみす自殺行為に出るのは変だろう?

筆者の早々の結論だが、シリアアサド政権はロシアの後ろ盾で、生き残るだろう。プーチンは、ウクライナでの自制が、相当の混乱を招いた反省は強いわけで、徹底的に、国際法と軍事力を行使して、売られた喧嘩を買うと決意している。現実的には、シリア軍に、シリア・アサドの了解を得て地上軍を大量に送れるのは、ロシア軍でしかない。つまり、オバマは、シリアで、凝りもせずに二度目の敗北を目の前にしている。どうも、負けを自覚したようで、オバマはヒステリックに、イスラム国殲滅を宣言した。

念のため、言っておくが、米国中心の有志連合の空爆は、イスラム国の中枢(石油基地とインフラ)は外して空爆をしていたのだから、いまさらアリバイ作りの空爆を、ロシアが空爆したアナポコ狙って空爆している。日々、シリア問題など追いかけていれば、西側陣営の嘘八百世界は、本当に御しがたいレベルに達し、人間味も、徳もあったものではなくなっている。イラク側から、トルコへの抗議などが出てきたが、おそらく、アメリカ教の狂信者たちは、これ以上、自分たちの画策がばれないために、エルドアン切りに動きだした。エルドアンの政治生命ばかりか、命の方も怪しくなっきた風向きだ。プーチンに「助けてくれと」と泣きついたら、どんな世界が出現するのか、個人的には見てみたい(笑)。


≪ 乱射事件、テロ断定=「イスラム国」を壊滅-真の脅威、過激主義と対決・米大統領
【ワシントン時事】オバマ米大統領は6日夜(日本時間7日午前)、ホワイトハウスの執務室から国民に向けて演説し、カリフォルニア州の銃乱射事件を「無実 の人の殺害を目的としたテロ行為」と強く非難した。その上で「この数年間でテロの脅威は新たな段階に入った」と指摘。「テロは真の脅威だが、われわれは打ち勝ち、過激派組織『イスラム国』を壊滅させる」と言明した。
 大統領が事件を「テロ」と断定したのは初めて。ただ、容疑者2人が国際テロ組織から指示を受けていた証拠は見つかっていない。
 大統領が日曜夜に演説するのは異例。乱射事件で動揺する米国民に直接語り掛け、「政府の取り組みを説明し、団結を求める」(米政府高官)狙いがある。
  大統領は演説で、軍によるテロリストの追跡や有志連合による軍事圧力、反体制派支援、シリア危機の外交解決などの戦略を継続すると説明。日本を含む38の 国・地域を対象とする「ビザなし渡航」の審査強化にも着手していると述べるとともに、テロリストによる技術の悪用を防ぐ取り組みをハイテク企業に要請した。
 議会に対しては、旅客機への搭乗が禁止されている人物が銃を購入できないようにし、事件で使用された攻撃的な武器の入手を困難にする措置を求めた。  さらに、「イラクやシリアで再び犠牲の大きい地上戦に踏み込むべきではない。それは『イスラム国』が望んでいることだ」と明言。大規模地上部隊を派遣しない方針を堅持すると強調した。
 オバマ氏はまた、対テロ戦を「米国とイスラム教徒の戦い」と捉えて互いに敵対すべきではないと訴えた。一方で「過激思想は一部のイスラム社会に拡大している」とも述べ、「イスラム教徒が釈明せず対決しなければならない深刻な問題だ」と呼び掛けた。 ≫(時事通信)


 ≪ イラク、トルコ軍の撤退要求 IS拠点モスル近郊に派遣
 トルコ政府は、過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点、イラク北部モスルの近郊に、戦車などを装備した部隊を5日までに派遣した。ISと戦うイラクのクルド地域政府の部隊を訓練する目的という。だが、イラク政府から「主権侵害」として即時撤退を要求され、トルコのダウトオール首相は6日、「(新たな)増兵はしない」とする書簡をイラク側に送った。 アナトリア通信などが報じた。ロイター通信によると、イラク側は派遣された部隊の規模が、訓練目的にしては大きすぎることを懸念しているという。
 トルコのメディアによると、トルコ政府はモスル北東約30キロのバシカに、戦車20~25両を擁する150人規模の部隊を派遣。クルド地域政府の治安部隊「ペシュメルガ」を訓練するため、数年前から派遣してきた部隊の交代としている。
 トルコは、国内のクルド系非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)とは武力衝突が続くが、イラク北部3州のクルド地域政府とは石油を輸入するなど良好な関係を維持し、派遣は地域政府との合意に基づくとしている。
 一方、イラク政府はバグダッド駐在のトルコ大使を呼び出し、「イラク政府は許可していない」と抗議。イラクのアバディ首相は6日、トルコ軍が48時間以内に撤退しなければ、国連安全保障理事会の緊急招集など「あらゆる選択肢を検討する」と述べた。
 ダウトオール氏は5日の会見で「(派遣は)イラク政府も了解している。(トルコ軍によるイラクでの)地上戦の準備ではない」と説明していた。既に派遣した部隊の撤収には応じないとみられる。 ≫(朝日新聞デジタル:イスタンブール=春日芳晃)


≪ 「大半がトルコ経由」=「イスラム国」の石油密輸-イラク首相
 【バグダッドAFP=時事】イラクのアバディ首相は7日、ドイツのシュタインマイヤー外相との会談で、過激派組織「イスラム国」が密輸している石油は「大半がトルコを経由している」と述べた。
 首相府の声明によると、アバディ首相は「テロ組織による石油密輸の阻止が重要だ」と強調した。イラクとトルコの関係は昨年のアバディ首相就任後、改善しているが、イラク北部へのトルコ軍派遣などで緊張が続いている。 ≫(時事通信)

食をめぐるほんとうの話 (講談社現代新書)
クリエーター情報なし
講談社


応援に感謝、励みになります!
にほんブログ村 政治ブログへ

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よろしくお願い

https://blogimg.goo.ne.jp/img/static/admin/top/bnr_blogmura_w108.gif