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●20世紀の処方箋で21世紀に立ち向かう 藪医者ならぬ胡散臭い“有識者”と云うヤツラ
日本と云う国はなぜ、想像力の欠片もない学者や評論家を有識者として優遇するのだろう。まぁ優遇するだけなら、然したる被害はないが、コイツらが諮問会議などと云う会議を開き、“ああでもないこうでもないと”古びた知見をひけらかす。挙句に、その諮問機関等と云うヌエのような立場からの助言を吟味し、政治上乃至は政党上、不都合な部分を省いて内閣が閣議決定し、マスメディアに、如何にも確定的に実行するレジュメのように報道させる。実際には、“骨太の方針”等と云うものが、まっとうに実現した試しは、一度もない。経済財政改革の諮問機関の骨太方針を日経は以下のように報じている。
≪ 財政健全化を「第4の矢に」 諮問会議、骨太方針策定へ
政府の経済財政諮問会議は28日、経済財政改革の基本方針である「骨太の方針」のとりまとめに向けて議論した。第3の矢である「成長戦略」を軌道に乗せるため、民間議員は地方の歳出抑制を含めた財政健全化が必要だと強調。金利上昇が企業の設備投資などに与える悪影響を避ける「第4の矢」として財政再建に取り組む方針を確認した。
伊藤元重東大教授ら民間議員4人が今後10年の経済財政運営について提言した。人件費や社会保障関係費などの義務的経費や、地方歳出も含めて抑制を目指す。政策の実施にあたりPDCA(計画・実行・検証・見直し)を徹底。甘利明経済財政・再生相は28日の諮問会議後の会見で歳出削減について 「聖域をつくらず、しっかりメリハリをつける」と述べた。
日本の財政再建への道のりは厳しい。安倍晋三政権は国と地方を合わせた2015年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を3.2%と10年度の半分にする目標を閣議決定している。達成には2年で約17 兆円の大幅な収支改善が必要だ。14年4月、15年10月と2度の消費税率引き上げを見込んでも、目標達成は容易ではない。
財政再建の成否につながる焦点の一つが長期金利の先行きだ。これまでは貸出先の乏しい銀行などが国債を買い支えてきた結果、国債価格は高止まりし、長期金利は低く抑えられてきた。だが、日銀が異次元緩和を発表した4月4日以降、長期金利は乱高下している。23日には一時1年2カ月ぶりに1%に上昇した。
日本の国債や借入金など「国の借金」の総額は12年度末で991兆円。金利上昇で利払いが増えれば財政が急速に悪化し、経済を下押しする。 金利上昇は安倍政権が掲げる「設備投資を3年で1割増やす」という目標にも障害となる。民間議員は「デフレからの脱却と中期的な成長を果たすためには、金利上昇が民間投資を抑制しないように、財政健全化を図るべきだ」とし、景気の観点でも財政再建が欠かせないとした。
今回の民間議員提言は政府が6月中旬に閣議決定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針」のとりまとめに向けた議論の土台となる。だが、膨らむ社会保障費への切り込みなど具体的な歳出改革への言及は避けた。7月の参院選と来春の消費増税を控え、負担増となる歳出改革は8月にも策定する「中期財政計画」まで先送りする。
甘利経財相は、成長戦略の3本の矢に加えて財政健全化を「第4の矢」と語る。市場の不安を払拭するには、4本目の矢についても市場の信頼を得られる具体策を出す必要がある。≫(日経新聞)
この、年がら年中、同じことを念仏のように繰り返す有識者と云う人種は何者なのだ。逆に考えると、ここ20年財政悪化を食い止める答申は毎年繰り返されたが、一度たりとも実現の方向に行ったことが無い、ゆえに年中繰り返されるのだろう。財政再建をしなければと云う前に、必ず財政のバラマキをした後で“反省猿”のように、懺悔のように財政再建こそ喫緊の課題だ、と念仏を唱える。もう、“財政再建は待ったなし”のフレーズは、野田佳彦で終わりにしてくれ。増税の前にやるべきものが沢山あるのに、増税する。その上、社会保障を削らないと云々等という戯言なら、子供でも言える話だ。この有識者代表の立場、東大教授・伊藤元重という人のコラムは、時折目にするが、ハタと膝を叩くようなフレーズに出会ったことがない。
現在の日本経済をブッチャケタ見方をすれば、個人消費はそこそこ堅調だが、輸出産業は円安の分だけ売り上げが伸びているが、数量的には減少傾向を見せている。輸入産業はどうかと云うと、当然のように円安分だけ輸入額が増えている。その上、システム的にLPGガス等々カテゴリーの異なる輸入品の増加で、数量的にも輸入は伸びている。このような現象は、20世紀には見られない現象だったが、今や、その現象が起きるのは、当然過ぎるくらい当然である。日本がもはや輸出立国である筈もなく、輸入大国であることを前提にした、経済財政政策が求められているのである。
にも拘らず、日本の既得権益のおこぼれを蝕み生きている有識者と云う胡散臭い奴らは、未だに輸出製造業を中心に日本が成り立っている前提条件で、政策を練ろうとしている。勿論、これら有識者にせよ、官僚にせよ、自民党中心の政治家にせよ、考えた政策が未来型のビジョンを持った政策だとは、誰も考えていない。むしろ逆行した政策なのだろうな?程度の認識は持っている。しかし、今日の利権、明日の利権の為には、20世紀の既存利権システムを引きずって生きる方が得策だからである。困った事に、小利巧な奴ほど、東大の教授であったり、売れっ子評論家だったり、経営者だったりするのが悩ましいのだ。この既得権益層が我が国の統治システムを占有している限り、21世紀型の価値観を持った政治が行われることはないだろう。これを壊すのは、暴力的革命か国民の覚醒なのだが、どちらも期待はできそうもない。
あきらかに、我が国は内需大国なのである。つまり、輸出型製造業を優遇しても、その投資に見合うゲインはないのである。にも拘らず、僅かなゲインしか見出せないTPP等と云う、“苦し紛れのパックスアメリカーナ”につき合わされ、膨大な国内市場を、内需系産業に充分な準備期間と競争力を身につけさせず、外資の餌食として差し出すとは、まったくもって国賊的行為である。正直、日本の市場は日本企業に提供しよう、と云う気分になる。TPPや政府の輸出産業一辺倒の視野狭窄が治らないのであれば、「国産品購買運動」、「地産地消運動」でも始めなければならないのかのしれない。
TPPの悪魔が勢いづけば、この「国産品購買運動」、「地産地消運動」などが市民運動化した場合、その市民運動自体もTPPの条項に反すると云うことで、参入障壁と看做されるかもしれない。つまり、その運動のリーダー達を取り締まる法律まで作り出されるに違いない。21世紀の我が国は、如何に”適切な豊か度”で福祉などセーフティネット全体を俯瞰的に眺望出来る“哲学”が求められている。そして、そのような立場に、最も近い政治的主張をしているのが「生活の党」「みどりの風」だが、いまだ政党としての認知度は低い。筆者も、「生活の党」の認知度を高める方法と云うのを色々考えるのだが、これだ!というものを見いだせていない。 「生活の党」の知名度アップに関してだけは、電通の知恵を借りたい気分になる(笑)。
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