世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

農地接収の野望・成長戦略第二弾 農民から農地を召し上げ法人化、企業参入そして・・・

2013年05月18日 | 日記
日本農業の真実 (ちくま新書)
生源寺 眞一
筑摩書房


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●農地接収の野望・成長戦略第二弾 農民から農地を召し上げ法人化、企業参入そして・・・

 安倍内閣の経済政策の3本目の矢・成長戦略の第二弾が出た。
『設備投資:1割増、 文化輸出:63億から163億、 インフラ:10兆から30兆、 食料輸出:4500億から1兆円、 6次産業化:1兆円から10兆円、 大学世界ランキング100位以内:2校から10校、 訪日外国人:800万人から2000万人』
早い話がこれもある、あれもあったの印象だが、インフラ輸出はトップセールスが言いたい為に、原爆ではなく、原発を輸出した記憶が消えないうちに手柄を自慢しておきたいだけだろう(笑)。作文では駄目だ、実行しないと、と言いながら、あまり出来そうのない目次が並んでいる。

 もっとも、今回の成長戦略第二弾は目玉(企業特区構想)を温存した形跡があり、第三段に乞うご期待の印象もある。おそらく、アホノミクスの好感度を維持する為に、小出しにする戦術のようだ。(6月に三弾目)しかし、今回にも一つだけ、非常にリスキーな戦略が埋め込まれている。それが農業の6次産業化による成長である。これは「農地の集約化」であり、TPPの真の姿は、農業分野の聖域を徐々に破られる運命である、と白状しているようなものである。また、この市場原理や合理性の追求から、合法的な外観は見せるだろうが、農家が農地を手放さざるを得ない方向に導こうと云う罠である。市場原理主義とか、企業の利潤追求の様を観ていると、市場原理主義とかグローバル企業の欲望は、資本主義の基本概念まで破壊する思考が強いようだ。

 その飽くなきグローバル企業の食欲を満たす事のみに終始したアホノミクスの推進者である安倍晋三は、奇妙なことにウルトラ右翼の心情の持主で、グローバル世界に反旗も掲げている。市場原理に委ねる経済やマーケットが、如何に国境を無力化させるものかに気づいていない。この滑稽なあべこべの方向性は、国粋的政治思考を持ちながら、国家の再生を市場原理主義者に委ねたために、テクニカルに逆方向に走る結果になっている。農業の6次産業化における「農地の集約化」は国家が召し上げるのなら国粋主義にマッチするが、民間法人化しようと云うのだから、その先にはTPPによる参入障壁の議題にされ、集約農地が外資のものになるリスクを潜在的に持ってしまった。安倍と極めて蜜月の読売新聞は早速、農地集約を急げとぶちあげている。

≪農業の成長戦略 「所得倍増」へ農地集積を急げ
 一層の市場開放に備えて、日本農業をどう再生するか。小規模農家から生産性の高い大規模営農へ、転換を促す施策の実効性が問われよう。
 安倍首相は、成長戦略第2弾の柱として「攻めの農業」の実現を打ち出した。「農業の構造改革を今度こそ確実にやり遂げる。農地の集積なくして、生産性向上はない」と述べた。改革の方向性は間違っていない。
 目玉となるのは、首相が「農地集積バンク」と呼んだ新たな農地仲介制度である。農林水産省が早期導入を目指している。  現在、農地売買などを行っている都道府県の農業公社に強い権限を与え、農地を管理する機構に衣替えする。機構が小規模農家などから土地をいったん 借り上げ、大規模化を目指す農家や農業法人に橋渡しする仕組みだ。
 耕作せずに放置されたままの放棄地は20年で倍増し、滋賀県全体とほぼ同じ規模にまで拡大した。深刻な状況といえる。  焦点は、新制度が大規模農家の育成につながるかどうかだ。
 借り手が見つからないと機構が農地を丸抱えすることになり、その間も、機構は農地の貸し手に賃料を払い続ける必要がある。農地を維持管理し、用排水路を整備する費用もかかる。
 財政負担は年数千億円と見込まれている。仲介がうまく進まなければ、巨額の国費を投入するだけで終わりかねない。
 借り手を確保するには、企業などの新規参入を後押しする政策が不可欠だ。集約しやすい優良農地を仲介することも求められる。
 農地の賃貸や売買の許可権限を持つ農業委員会を見直さないと、農地集積の支障となろう。
 農業を成長戦略と位置付ける以上、農水省はメリハリの利いた制度設計を行い、農協などの既得権に切り込んでもらいたい。  首相は「10年間で農業・農村の所得倍増目標」を掲げたが、効果的な施策をテコに農業従事者も努力しないと高いハードルだ。
 自民党がコメ農家などを対象とする所得補償制度を拡充し、農地を維持している全農家に補助金を支給する制度を検討していることも問題である。
 零細農家でも補助金をもらえるなら、農地の出し手は増えまい。農地集約の方針に妨げとなる政策は再考すべきではないか。
 農地の規模拡大は長年実現できなかった。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加をにらみ、改革を加速しなければならない。≫(5月18日付・読売社説)

 読売は最後の方で馬脚を現している。
≪農地売買などを行っている都道府県の農業公社に強い権限を与え、農地を管理する機構に衣替えする。機構が小規模農家などから土地をいったん 借り上げ、大規模化を目指す農家や農業法人に橋渡しする仕組み≫
≪借り手が見つからないと機構が農地を丸抱えすることになり、その間も、機構は農地の貸し手に賃料を払い続ける必要がある。農地を維持管理し、用排水路を整備する費用もかかる。≫
この農地集約の賃貸料と維持管理には年数千億円かかる。役人の介在も見逃せない。最終的には“民で出来ることは民で”の話になり、TPPと相まって外国企業の参入の方向が生まれるだろう。その先は、モンサント農薬!この一言で充分だろう。

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