世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

なぜ、悲劇のロイヤルファミリーのキャロライン・ケネディが駐日大使に浮上したのか

2013年04月08日 | 日記
親米と反米―戦後日本の政治的無意識 (岩波新書)
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●なぜ、悲劇のロイヤルファミリーのキャロライン・ケネディが駐日大使に浮上したのか

 故ケネディ元大統領の長女、キャロライン・ケネディが米国の駐日大使に就任するのではないか、と云う確度の高い情報が米国メディアから発信されている。ジョン・ルース駐日大使の後任に起用する見通しだと云うもので、米民主党の関係者は1日、ケネディ氏が大使就任を打診され、身辺調査などが進んでいることを明らかにした。単純な感想としては、ケネディ神話に心酔している多くの日本人にとっては朗報である。

 特に日本の地位を表層的に見たがる無教養な保守層やネット右翼な人々にとっては有頂天な出来事だ。アメリカの外交の切り札とも言える、一番有名なケネディ家のキャロラインが駐日大使になるのだから、有頂天になる気持も判らんではない。おそらく、彼らは、いかに米国が、オバマが日本を重視しているかの証左に他ならないと自慢したくなるだろう(笑)。

 しかし、具体的政治経験が殆どなく、ハーバード大とコロンビア大を卒業後、ジョン・F・ケネディ図書館やアメリカン・バレエ・シアターなど、ニューヨークを拠点とする各種の非営利組織の弁護士として関わり、プライバシー保護に関しての厳しい考えやリベラル度はかなりのもので、日本の無教養保守層やネット右翼や安倍自民が手放しで歓ぶのは、勘違いになる可能性も相当ある。 春名幹男氏は日刊ゲンダイで以下のように評している。

≪ 「ケネディ大使」で赤坂にパパラッチ集結か [春名幹男「国際情報を読む」]
 次の駐日米大使への指名がほぼ確実な故ケネディ大統領の長女キャロライン・ケネディ氏(55)。 父が暗殺された悲劇は5歳の時。そして1969年、11歳の時に彼女をモデルにしたニール・ダイアモンド作の「スイート・キャロライン」がヒットした。
 弁護士にして作家、そして与党民主党の有力者。まさにアメリカを代表する超セレブだ。 菅義偉官房長官は「日本でケネディ大統領は非常になじみがあり、あこがれを持っている」と歓迎を表明した。日本側の受け止め方はいつも、そんなふうに情緒的だ。
 だが、彼女は単なる名家出身のエリート女性ではない。自立心が強く、政治的には非常にリベラル。歯に衣着せぬ発言が時に物議をかもす。
 2008年米大統領選予備選ではクリントン氏を支持せず「人々をこれほど鼓舞したのは父親以来」とオバマ氏を支援した。 しかし就任後のオバマ大統領は、期待したほどリベラルではなかった。彼女は失望し「彼の声に我慢できない。彼は嘘つきより悪い」と語った、とホワイトハウ スの内幕を描いた本「アマチュア」(2011年)で紹介された。
 09年クリントン上院議員が国務長官に転出後、空いた議席を狙ったが、選挙区のニューヨーク州内で反対も出て、断念。オバマ大統領に教育に関する提言を出 したが、無視されて不満を募らせたとも伝えられていた。 そんな中での大使起用。大使人事は通常、論功行賞か邪魔な大物を海外に放り出すかのいずれか。彼女はその両方、と言えるかもしれない。
 クリントン国務長官 だと実現不可能だが、ケネディ家に近いケリー国務長官の就任で本人の希望と大統領の意向がうまくマッチさせられたようだ。 だが、彼女が日本で自民党政権とうまくやれるかどうかは別問題。 何せ彼女のリベラル姿勢は半端ではない。同性婚にも自動車産業支援にも全面賛成だが、自由貿易には条件を付ける。環太平洋経済連携協定(TPP)に対する姿勢は未知数だ。保守の自民党にどう対応するか、注目だ。
 もうひとつの難問は、パパラッチ対策。3月中旬、デザイナーの夫(67)と2人の娘と過ごしたカリブ海の仏領の小島で水着姿を撮られ、英紙に掲載された。 大使公邸は東京・赤坂の大使館裏。警察の警備はさらに大変になる。≫(日刊ゲンダイ)

 キャロラインは、2009年にオバマ米大統領が、バチカン(ローマ法王庁)の大使にケネディ元大統領の長女キャロライン・ケネディ氏を任命しようとしたところ、同氏がカトリックの反対する人工妊娠中絶を容認してきたことを理由に、バチカン側から受け入れを拒否されていた。又、駐カナダ大使は格が納得出来ずキャロラインが辞退したとも伝わる。駐英大使の話もあった模様だ。いずれにせよ、春名氏が指摘するように、リベラル色が強く、自立自尊の精神性に満ち溢れている女性なのだ。彼女は強い味方であった反面、政治的妥協を通じて政権を維持するオバマとしては、目障りな存在でもあるわけだ。スケールこそ違うが、真紀子と純一郎の関係に似ている(笑)。

 まぁ、オバマとケリー国務長官の思惑が一致し、日本に存在する一定の強固な嫌米層の懐柔にも、何らかの効果を期待しているかもしれない。TPP、オスプレイ、辺野古移設強行と米国との距離の取り方を考え出す属国の国民の目を誑かす(たぶらかす)狙いもあるだろう。中国や北朝鮮に、日本との同盟は強く存在する、と云う外交上のメッセージにはなるだろう。しかし、逆に沖縄の置かれている立場や日本の男社会に対する嫌悪があからさまにキャロラインの口からほとばしらないとも限らない。実現すれば、かなりのインパクトを日本社会に振り撒くだろうし、話題性はつきないのではないのだろうか。

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