2006/8月上旬 仙ノ倉川・西ゼン
開幕
梅雨が明けた。実に今日明けた。(と思われる)
ようやくの夏空山行の開幕である。
西ゼンは以前から気にかかっていた。それはなぜかと言うのは良く思い出せない。
ただいつも思うのは「ゼン」って何?ということ。
林道終点から橋の落ちた毛渡沢出合を越え、ダイコンオロシ沢出合までは登山道。遭難碑でもあるケルンが目印。
シバラクは何の変哲もなく、流れにキラメキもない。
めがね橋
覚悟はしていたが谷に残雪が残っていた。ボロボロ、かつドロドロ帯を抜けると下部のナメに見事なブリッジ がかかっている。まさに雪橋である。
そこはスラブとブリッジ右のコンタクトラインでやり過ごすが折角のナメがドロドロで怖いったらありゃしない。
さらに行くと第一スラブ下には雪の三連橋。パ-トナ-は「まるでめがね橋だね-」といったがなるほどまさにその通り。 それはそれで見事な造形に歓声を上げる。
めがね橋の第一架橋をすばやく潜り抜け、第二架橋は草つきでやり過ごす。第三架橋は橋上端っこを渡れば第一スラブ。
入り口の滝は行く先の状態もわからないのでロ-プを出す。 登りはなんてことないが、所々浮きや泥で悪い。
なんとなく数ピッチ伸ばすがいい加減もういいんじゃないの?って傾斜になったのでロ-プをたたむ。
結構な手間隙かけて第一スラブを終了しいくつかの滝を越え、屈曲を折れるとともに思わず声が出る。
第二スラブ
第二幕の始まりは梅雨明け一番の青空にワイドな第二スラブが広がる
入り口の二段15mはフォロ-。
もう1ピッチ伸ばすが、フリクションが随分効くのでロ-プはたたむコトとした。
水流を左に右に行けばスラブも最上段。 見上げればそうでもなかったが、見下ろせば随分な傾斜だ。この高度感、気分がイイ。 「いまさらながら、滑ったらヤベ-よな。」と少々緊張。
スラブも終わり流れも平穏になれば潅木の木陰で一休み。
涼しい風が流れるたびに笹原の葉音が心地いい。
語るも語らずも
あとは流れを詰めて適当に左岸のヤブに分け入る。
ヤブと急登が大腿部に堪えながらも黙々と行けば池塘が労をねぎらってくれる。
平標は目の前にあるもののとてもそれを踏む気にはなれず、その分ここで大休止とした。
富田新道は踏み跡がか細く足元も悪い。加えて急激な下りは膝に来る。
過去の経験からここはスロ-ペ-スで辛抱辛抱。それでも随分痛めつけられたのは数日たってわかるのであるが。
鞭打って想いを遂げるに一体何の意味があるかは今もってわからない。
あっちが痛い、コッチが痛いと弱音を吐きながらくらいの気楽さが丁度いい。
その実、決してそんな気はないんだけどね。
語るも語らずも自分次第。地味に地味に次の一歩を踏み出すだけなのです。
sak