団体として活動をする中で、広報は大切な仕事。知らないうちに、ひとりよがりになったり、読みづらい文章を書いたり・・。そこで、いま一度広報について学んでみたいと、広報について「こうだったのかNPOの広報」NHK記者 武永 勉著を読んでみた。
その中で学んだ3つのポイントを紹介したい。
複雑な活動やテーマを「短くわかりやすく説明する」力
強い思い入れを大切にしながら「相手の立場で考える」力
ブランド力がない分「団体紹介で信頼を得る」力
(1)短くわかりやすく書くコツ
○小学校時代にならった5W1H
1,Who 誰が、2,What 何を、3,When いつ、4,Where どこで、5,Why なぜ(どんな目的で)6,Howどのように+入りきれなった内容は、7,追加アピールポイントで書く
(例)50代からの生き方を考える会、ゆけゆけ50代「お茶の間出版」クラブは、平成25年1月20日(日曜日)午前10時より宮崎市民活動センター3階大会議室にて、世界で1冊、ひとりでつくる自分史講座を開催します。
こうすると最初の2行で誰が何をするのかが、はっきり伝わる。
そして次の行で、「なぜ」「どのように」は段落を変えてから書く。7のアピールポイントは、もう一度、段落を変えて書く。
○団体の目的と内容をつないでみる。
団体の「何故」「どのように」がうまく書けずに悩んでしまうときは、団体の本来の目的と、今度することについて、書き出してみる。一度、目的と実施内容をつないで何が足りないのかを考えるだけで説明力がついてくる。
(例)50代からの生き方を考える会、ゆけゆけ50代「お茶の間出版」クラブは、平成25年1月20日(日曜日)午前10時より宮崎市民活動センター3階大会議室にて、世界で1冊、ひとりでつくる自分史講座を開催します。
人は皆、自分という歴史と経験を持っています。それらをキャリアと捉え、さまざまな角度から見つめ直すことで、明日へのヒントが生まれてくるかもしれません。この講座では、KJ法等のスキルをつかって現在・過去・未来を考えてみます。それらは、これまで100名以上の参加者が新しいチャレンジへと歩み始めた大きな力にもなっています。
(2)相手の立場で考える。
○広報誌全体に言えること3つ
①専門用語、業界用語の取り扱いには注意する
②数字を活かす。(例:毎年100人の方に参加しています)
③漢字などは正確に(間違うと信頼性も失われる。
○文字の力
キャッチコピー(文章を考える)
相手に目を向けてもらうひとこと(新聞に見出しにあたる)
ひとことでズバッと、ひとことで伝わるキャッチコピーを考える。
日曜朝市を開催 → 朝どれ野菜が卸値で買える「日曜朝市」
(見る人の立場で、お得感や臨場感を感じられるように考える)
キャッチコピーは15文字以内(長くなる程、インパクトが薄れる)
焦点を絞って、地域を限定したり、年齢を限定しても面白い。
○レイアウト
①大事なことは上部の1/3に(最低限言いたいことが伝わるように1/3に簡潔に述べる)
②書体は3書体内に
③装飾はしない
④余白は上手に使う(相手がぱっと見やすいのが大切)
紙幅いっぱいにつかわない。
(3)団体紹文で信頼を得る
ブランド力(あまり知られていない)がない場合、より団体を理解してもらうためにも、どんな団体であるのかをコンパクトにまとめて説明する必要がある。
(例)
宮崎の歴史遺産から未来を考える NPO法人 宮崎歴史クラブ
(NPO法人 宮崎歴史クラブだけでは理解できないので、説明文を付ける)
○団体紹介文「40秒」が信頼を生む。
文字にすると160文字。話せば40秒で説明できる紹介文とは・・。(150文字から200文字というのは、対して関心の無い人でもざっと斜め読みしてくれる字数)
(掲載内容)
1,団体名 2,設立 3,会員 4,目指すもの 5,活動(1) 6,活動(2) 7,公的機関との連携等(信頼感)
(例)生涯学習(しょうがいがくしゅう)を進めるグループ「キャリア・レインボー」は、2010年50代のメンバーで設立。会社員や公務員、看護師、自営業の50代メンバー15名が、生き生きと楽しい50代からの生き方を学ぶグループです。月毎に「自分史作成コーナー」「右脳に効く音読講座」「5歳若返る健康講座」「好感度があがるコミュニケーション講座」を宮崎市民活動センターを拠点に開催し、県内からこれまで500名の方が参加している。これらは、宮崎市からの後援を受けており、宮崎県との協働事業も行っている。
(4)更にレベルアップのために・・
「声」に出して読む。
人は文章を読む時には、無意識にこころの中で必ず声に出して読んでいる。
このため自分の書いた文章を声に出して読むことで、リズムに乗っているかどうか、つまり相手が読みやすいかどうか分かる。
「印刷」して読み返す。
漢字の変換ミスや余白が少なくて見づらいことなど、パソコンだと気づかない点が見えてくる。一日置いてから見直すとより効果的。
(最後に)
広報誌は、自分が伝えたいことを伝えるのではなく、読んでくれる相手の立場に立って短く分かりやすくが広報の鉄則とのこと。深く考えさせられた本でもあった。