劇場版『空の境界 俯瞰風景』を見て来ました。
事前にWebから予約して行ったのですが、テアトル新宿がそんなに席数のある劇場ではないため、平日の月曜日(21:15の回)にも関わらず、チケットは完売、立ち見で一杯、そんな状況でした。
#そもそも予約自体も完売状態だったので、僕はこの日しか選べなかったわけですが。
そんな状況なので、本日は万難を排して、19:00には打ち合わせを終了させ、その後に打ち合わせを入れようとする陰謀を打ち砕き、忘年会という名の誘惑を断り、一路新宿へ、という感じでしたよ。
21時前には劇場に居たのですが、すでに行列状態。
パンフレット買うのが間に合わないかと思いました。
#結構女性比率も(個人的予想より)高く、ぱっと見8:2くらいな感じでしたかね。
そう、この劇場版『空の境界』は予告編なく始まりますので、ジャストに席についてることは必須なのですよ。
#じゃないと、素晴らしいクレイアニメーションを見逃すことになりますよ(笑)。
#ネコアルク、可愛かった。
* * *
さて、本編の方ですが、その美しい映像もさることながら(鳥肌が立つかのような美しさ)、改めてこの『空の境界』の構造の凄さに感心しまくった、というところです(か・な・り・しびれた)。
恐らく(僕の個人的な予想では)この劇場版を観るにあたって、原作を読んでない人は身に来てないんじゃないかなぁ(ひょっとしたらいらっしゃるかもしれないけど)と思うんですね。
だからこそ、というか、ラストまで読み終わっているからこそ、この「俯瞰風景」から既に描かれ始める『空の境界』ワールドの映像美を楽しめる、というわけなんですが。
(普段こういうことはあまりしないけど)一言で僕がこの劇場版の感想を表すならば、「これは映像化による叙述トリックの種明かしだ、しかも相当に美しい」と、なるわけです。
分かるかなぁ、これ。
#自分で言っていても説明できた感じがしないんだけど(笑)。
僕はこの劇場版を観終わった後、直前に購入していた文庫版『空の境界 上』を帰りの電車で読み返していたんですよ。
#ちなみにノベルス版はもう何度読んだか分からないくらい読み返してます。
そこで「俯瞰風景」だけ読み返した後、あとがきを読んだわけです。
今回のあとがきは綾辻行人さん。
そこで語られたのは奈須きのこさんが衝撃を受けたという綾辻行人さんの叙述トリックだった、という話があり、この『空の境界』においてもその衝撃を受けたという叙述トリックが散りばめられているわけなんですよね。
#そう、だからこの『空の境界』は「俯瞰風景」だけ読んでも分からないのです。
いみじくも、綾辻行人さんが最初に「俯瞰風景」を読んだときの感想と、その後全部読んだときの感想は全く僕も同じだったのだけれども。
ここでの思いつくわけです。
「これは映像化による叙述トリックの種明かしだ、しかも相当に美しい」
と。
活字媒体には活字媒体にしかできない表現。叙述トリックもその一つ。
映像化(ビジュアライズ)されたものにしかできない表現。
この2つは本来同時に成り立たない、いわばダブルバインドな関係なんですよね。
何故なら叙述トリックは映像化された時点でトリックでなくなってしまうから。
#限られた情報量で思い込ませる、というのは確かに映像でもできるんだけど。
でも、多分この劇場版『空の境界』では、その両方をやっていて、さらにどちらもが種明かしの関係になる、という非常に複雑な、しかしかなり意図的な演出がなされていると思っていて、そこにしびれまくってしまった、というわけなんです。
つまり、どちらかだけを見ても活字と映像のトリックにはまるけれども、その両方を見たならば、その演出の謎解き、種明かしになっていて、それが活字と映像が一つに混ぜ合わさって、また違う風景を見せるんですよ。
多分、劇場版単体で見ると、ああ映像が綺麗だな、式のアクションシーンは圧巻だな、でも、映画としては短いし、「俯瞰風景」って世界観も小出しだし、まだまだこれからが本番だよな、みたいな感じになっちゃうんじゃないかと思うんです。
でも、これ両方見た(読んだ)ならば、また新たな風景が見えると思うんですよね。
活字では意図的に順序を入れ替えた。
映像では意図的に順序を並べ直した。
この演出は面白かったとも言えるし、こうしないと映像として成立しなかった、とも言えますね。
映画単体としての面白さ、というよりも、活字で魅せた風景と、映像で魅せた風景、これらを足すことによって、視聴者(読者)が俯瞰してこの作品を楽しめるという、まさに「俯瞰風景」。
#原題の意図は違うんだけれども、でもやはり「俯瞰風景」ともいえるでしょう。
#そして本当に恥ずかしい話、僕はこの映画を観るまで、幹也が「八人目・・・?あれ。六人なんじゃないですか?」と言った意味に気が付けずにいたんですよ。
#ああ、恥ずかしい(笑)。でも、おかげで時系列をきちんと組み直すことができました。
本当に何度となく読んで、何度となく味あわせてくれる作品です。
「俯瞰風景」は、まだまだ序盤。挨拶程度です。
僕は今回、こういう演出、構成にしびれてしまったけれども、本編が持つ面白さとしては、これからもっと加速していくでしょうから、非常に楽しみです。
早くも次の「殺人考察(前)」の予約をしなくては。
* * *
あと面白かった点、というか萌えポイント。
■裸ワイシャツ
この劇場版『空の境界』では、式の裸ワイシャツ姿が拝めます(ありがたや)。
恐らくこれは奈須きのこさんが何かのインタビューかでコメントしていたのですが、裸ワイシャツ最高、男のロマンだみたいなことを言っていて、アルクが確かそういう感じになっていたと思うんですよね(確か月姫読本だったか?)。
そのこだわりを遺憾なく発揮したと見た(笑)。
■黄色いレインコートはセイバー
この劇場版『空の境界』では、式の黄色いレインコート姿が拝めます。
・・・・・・ってこれ、セイバーじゃん!!
ぐはぁ。
#素晴らしい。
#ここでセイバーを拝めるとは(違)。
■ハーゲンダッツ
ハーゲンダッツを食べる式はエ○イ(笑)。
これは必見ですね。
とにかく見るべし。
■蒼崎橙子さま
新たに書き下ろされた橙子さん、素敵過ぎる。
素敵過ぎる。
素敵過ぎる。
しかも、ノベルス版では髪は短いと表現されているけれども、新しく出た文庫版は劇場版に合わせて髪が長い(しかも結っている)と表現されている。
まさかと思ってチェックしてみたけど、そのまさかだった(笑)。芸が細かいです。
つか、映像化された橙子さんは素敵過ぎる。
■バトル
これは圧巻。
凄まじい。
活字では一瞬の出来事のように描かれますが、これぞビジュアル化した真骨頂とでも言えましょうか。
魔眼を行使する式、駆け抜ける式、戦う式、どれをとっても素晴らしいです。
これは凄まじかったですね。
* * *
最後になんだけれども、僕はこの『空の境界』という作品は、式と幹也の純愛物語だとも思っています。
実はその片鱗を最後の2~3分間で垣間見ることが出来て幸せだった。
つか、あのラストを見るために映画館に行ったのかもしれない(笑)。
「今日は泊まっていけ」という台詞のあたりの式の表情は最高に良いです。最高に良いです。
個人的にはDVDで一気に見た方が面白いんじゃない?という気もしますが、文庫版をしっかりとまた読みこんで、この叙述トリックと映像トリック、そしてこの二人が辿り付く純愛の果てを楽しみに待ちたいと思います。
つか、この感想を誰かと語りあいたいがためにオフ会とかしたいかも(笑)。
参考感想1:空の境界 The garden of sinners 下 読了
参考感想2:超個人的お勧め小説 第3位 『空の境界』
■文庫版 空の境界 上
■文庫版 空の境界 中
■ノベルス版 空の境界 上
■ノベルス版 空の境界 下
事前にWebから予約して行ったのですが、テアトル新宿がそんなに席数のある劇場ではないため、平日の月曜日(21:15の回)にも関わらず、チケットは完売、立ち見で一杯、そんな状況でした。
#そもそも予約自体も完売状態だったので、僕はこの日しか選べなかったわけですが。
そんな状況なので、本日は万難を排して、19:00には打ち合わせを終了させ、その後に打ち合わせを入れようとする陰謀を打ち砕き、忘年会という名の誘惑を断り、一路新宿へ、という感じでしたよ。
21時前には劇場に居たのですが、すでに行列状態。
パンフレット買うのが間に合わないかと思いました。
#結構女性比率も(個人的予想より)高く、ぱっと見8:2くらいな感じでしたかね。
そう、この劇場版『空の境界』は予告編なく始まりますので、ジャストに席についてることは必須なのですよ。
#じゃないと、素晴らしいクレイアニメーションを見逃すことになりますよ(笑)。
#ネコアルク、可愛かった。
* * *
さて、本編の方ですが、その美しい映像もさることながら(鳥肌が立つかのような美しさ)、改めてこの『空の境界』の構造の凄さに感心しまくった、というところです(か・な・り・しびれた)。
恐らく(僕の個人的な予想では)この劇場版を観るにあたって、原作を読んでない人は身に来てないんじゃないかなぁ(ひょっとしたらいらっしゃるかもしれないけど)と思うんですね。
だからこそ、というか、ラストまで読み終わっているからこそ、この「俯瞰風景」から既に描かれ始める『空の境界』ワールドの映像美を楽しめる、というわけなんですが。
(普段こういうことはあまりしないけど)一言で僕がこの劇場版の感想を表すならば、「これは映像化による叙述トリックの種明かしだ、しかも相当に美しい」と、なるわけです。
分かるかなぁ、これ。
#自分で言っていても説明できた感じがしないんだけど(笑)。
僕はこの劇場版を観終わった後、直前に購入していた文庫版『空の境界 上』を帰りの電車で読み返していたんですよ。
#ちなみにノベルス版はもう何度読んだか分からないくらい読み返してます。
そこで「俯瞰風景」だけ読み返した後、あとがきを読んだわけです。
今回のあとがきは綾辻行人さん。
そこで語られたのは奈須きのこさんが衝撃を受けたという綾辻行人さんの叙述トリックだった、という話があり、この『空の境界』においてもその衝撃を受けたという叙述トリックが散りばめられているわけなんですよね。
#そう、だからこの『空の境界』は「俯瞰風景」だけ読んでも分からないのです。
いみじくも、綾辻行人さんが最初に「俯瞰風景」を読んだときの感想と、その後全部読んだときの感想は全く僕も同じだったのだけれども。
ここでの思いつくわけです。
「これは映像化による叙述トリックの種明かしだ、しかも相当に美しい」
と。
活字媒体には活字媒体にしかできない表現。叙述トリックもその一つ。
映像化(ビジュアライズ)されたものにしかできない表現。
この2つは本来同時に成り立たない、いわばダブルバインドな関係なんですよね。
何故なら叙述トリックは映像化された時点でトリックでなくなってしまうから。
#限られた情報量で思い込ませる、というのは確かに映像でもできるんだけど。
でも、多分この劇場版『空の境界』では、その両方をやっていて、さらにどちらもが種明かしの関係になる、という非常に複雑な、しかしかなり意図的な演出がなされていると思っていて、そこにしびれまくってしまった、というわけなんです。
つまり、どちらかだけを見ても活字と映像のトリックにはまるけれども、その両方を見たならば、その演出の謎解き、種明かしになっていて、それが活字と映像が一つに混ぜ合わさって、また違う風景を見せるんですよ。
多分、劇場版単体で見ると、ああ映像が綺麗だな、式のアクションシーンは圧巻だな、でも、映画としては短いし、「俯瞰風景」って世界観も小出しだし、まだまだこれからが本番だよな、みたいな感じになっちゃうんじゃないかと思うんです。
でも、これ両方見た(読んだ)ならば、また新たな風景が見えると思うんですよね。
活字では意図的に順序を入れ替えた。
映像では意図的に順序を並べ直した。
この演出は面白かったとも言えるし、こうしないと映像として成立しなかった、とも言えますね。
映画単体としての面白さ、というよりも、活字で魅せた風景と、映像で魅せた風景、これらを足すことによって、視聴者(読者)が俯瞰してこの作品を楽しめるという、まさに「俯瞰風景」。
#原題の意図は違うんだけれども、でもやはり「俯瞰風景」ともいえるでしょう。
#そして本当に恥ずかしい話、僕はこの映画を観るまで、幹也が「八人目・・・?あれ。六人なんじゃないですか?」と言った意味に気が付けずにいたんですよ。
#ああ、恥ずかしい(笑)。でも、おかげで時系列をきちんと組み直すことができました。
本当に何度となく読んで、何度となく味あわせてくれる作品です。
「俯瞰風景」は、まだまだ序盤。挨拶程度です。
僕は今回、こういう演出、構成にしびれてしまったけれども、本編が持つ面白さとしては、これからもっと加速していくでしょうから、非常に楽しみです。
早くも次の「殺人考察(前)」の予約をしなくては。
* * *
あと面白かった点、というか萌えポイント。
■裸ワイシャツ
この劇場版『空の境界』では、式の裸ワイシャツ姿が拝めます(ありがたや)。
恐らくこれは奈須きのこさんが何かのインタビューかでコメントしていたのですが、裸ワイシャツ最高、男のロマンだみたいなことを言っていて、アルクが確かそういう感じになっていたと思うんですよね(確か月姫読本だったか?)。
そのこだわりを遺憾なく発揮したと見た(笑)。
■黄色いレインコートはセイバー
この劇場版『空の境界』では、式の黄色いレインコート姿が拝めます。
・・・・・・ってこれ、セイバーじゃん!!
ぐはぁ。
#素晴らしい。
#ここでセイバーを拝めるとは(違)。
■ハーゲンダッツ
ハーゲンダッツを食べる式はエ○イ(笑)。
これは必見ですね。
とにかく見るべし。
■蒼崎橙子さま
新たに書き下ろされた橙子さん、素敵過ぎる。
素敵過ぎる。
素敵過ぎる。
しかも、ノベルス版では髪は短いと表現されているけれども、新しく出た文庫版は劇場版に合わせて髪が長い(しかも結っている)と表現されている。
まさかと思ってチェックしてみたけど、そのまさかだった(笑)。芸が細かいです。
つか、映像化された橙子さんは素敵過ぎる。
■バトル
これは圧巻。
凄まじい。
活字では一瞬の出来事のように描かれますが、これぞビジュアル化した真骨頂とでも言えましょうか。
魔眼を行使する式、駆け抜ける式、戦う式、どれをとっても素晴らしいです。
これは凄まじかったですね。
* * *
最後になんだけれども、僕はこの『空の境界』という作品は、式と幹也の純愛物語だとも思っています。
実はその片鱗を最後の2~3分間で垣間見ることが出来て幸せだった。
つか、あのラストを見るために映画館に行ったのかもしれない(笑)。
「今日は泊まっていけ」という台詞のあたりの式の表情は最高に良いです。最高に良いです。
個人的にはDVDで一気に見た方が面白いんじゃない?という気もしますが、文庫版をしっかりとまた読みこんで、この叙述トリックと映像トリック、そしてこの二人が辿り付く純愛の果てを楽しみに待ちたいと思います。
つか、この感想を誰かと語りあいたいがためにオフ会とかしたいかも(笑)。
参考感想1:空の境界 The garden of sinners 下 読了
参考感想2:超個人的お勧め小説 第3位 『空の境界』
■文庫版 空の境界 上
■文庫版 空の境界 中
■ノベルス版 空の境界 上
■ノベルス版 空の境界 下
あー、やっぱり大阪でも上映するんですね!!
春だとちょうどこっちで5話目やってる頃じゃないですかね。
文庫版の方がですね、正直読みやすいです。
ノベルス版で最初あれだけ苦戦したのが嘘のようにスラスラと。
不思議だ。
というかスラスラ読めるほど何度も読んでいるという噂も(笑)。
テアトル梅田にも来年の春くるらしいですね!
・・・・・・・・・・・・・・・長いなあ。
とにかく楽しみですよ。
しかし「空の境界」はほんと、那須さんのすべての原点的な感じがしますね。
文庫版買うかどうしようか悩み中です。
確かめたわけじゃないんですが、噂によると大阪でも上映するっちゅーことをちらっと聞いたような・・・。
でもDVDで一気に続けて観るってのも、僕は有りかなー、とも思います。
やっぱり「俯瞰風景」とかから始まるので、最初の立ち上がりって(凄く仕掛けも凝ってるけど)静かなので。
動いている式は凄いっすよ。
超・動くし、超・かわいいし、超・エ○イっす(笑)。
魔眼が発動するときの式の動きとか、まじ感動ものです。
つか、ほんと第2章のチケットが取れないんですよ。いやーん。
いやー、最近のRadiotomさんの記事を読んでいたらどんだけはまっているかが分かっちゃいますね(笑)。
でしょー、はまっちゃうでしょー。もう僕もどっぷりですよ。
中毒性あるので要注意ですね。
『空の境界』はですね、是非何度か読み返して頂きたいと思います。
実はかなり精巧に構成が練られていることと、意図的に時系列を組み替えていることによって、何度読んでも新しい発見・解釈があったりします。
けれども、一番は式と幹也の関係性に尽きるわけで、その関係性の構築、帰結をまた味わいたくて何度も読んでいる気がしますね。
映画は多分年内は当日券か立ち見しか難しいかも(予約は完売でした)。
つか、第2章の予約が既に取れないんだけど・・・(ぎゃー)。
何で大阪ではやんねえんだよー!!
羨ましすぐる、テアトル新宿。
本当、『空の境界』は好きすぐるので見たかったんですが、どうもDVD待ちっぽい…。
どんな風に動いて、那須きのこさん特有の叙述トリックを殺すことなくどう映画化するのかすごく見たかったのに!!!
いや、もう、ぶっちゃけ動く式見れるだけでもおっけーみたいな(えー)。
続きの感想もお待ちしております。
「Fate~」をやりはじめて、すっかり奈須さんの
とりこになりました笑。「Fatehollow」までしっかり
やりこなし、完全に漬かりました。
元々、ミステリー好きなので、奈須さんの、どこぞにいっぱい仕掛けがある文章が非常に好みです。
「空の境界」も現在、鋭意精読中です。
しっかし、面白すぎて、どこで読むのを止めればいいのか分からなくなるのが困りどころ。
現在、「忘我録音」の中ほどまで進みましたー!
映画見に行きたいのですが、そんなに混んでるんですね~。