文化庁の国語世論調査(2008年度)の結果が公表された。1995年から毎年行われているこの調査。今回は、全国2000人近くから回答を得たという。いわゆる「若者の言葉」の傾向が覗けそうだが、爺さんの日本語も結構あやしいということもバレそうだ。
まず、故事成語の意味や慣用句の使い方を問う問題では、「破天荒」の「誰も成し得なかったことをする」という正しい意味を選んだのは17%。しかし「豪快で大胆」という回答が64%に達し、年代別では16~19歳が75%、20代から40代が73~77%だった。自分も「豪快」回答だから間違い組である。
「時を分かたず」では、「いつも」という本来の意味を選択したのは14%だけで、「すぐに」という回答が67%を占めた。自分もこちらに含まれそうだ。「指示・指揮すること」は「采配を振る」だが、58%の人が「采配を振るう」を選び、「目上の人に気に入られること」を示す「お眼鏡にかなう」を「お目にかなう」と間違った割合は40%だったという。こちらも「采配を振るう」とつい云ってしまいそうだ。
「来られる」を「来れる」とするような、いわゆる「ら抜き言葉」の使用に対しては、日本語の乱れとする者は24%、日本語も変化しているのだから構わぬという考えの者が70%と多数派を構成している。
さらに「日本語を大切にしているか」という問には、「大切にしている」という回答が77%と前回調査よりも増加していることが報告されているが、こうした感覚的な設問では感覚的な回答にしかならないだろう。「大切」の意味や基準が回答者それぞれに違う訳だから。
小説演習の時間には、「集中してます」「とか~とか~」といった若者のしゃべり言葉が多用されるという、作家養成専門学校へのNHKTVの取材では、「主人公が高校生に設定されることも多く、文法どおりの日本語だと、そのひとたちらしさが感じられなくなるので、わざと《いを抜く》ことなど、登場人物によって使い分けている」という作家の卵たちのコメントがあった。これが、彼らなりの「言葉を大切にする感覚」だというわけだ。
調査対象のうち、電子メールをする人は5年前より15ポイント増え63%で半分以上。そのうちの92%が携帯電話を主に使うというから、毎日帰りの電車で眺める一斉メールの光景が、いまや世間の常識化しているということになる。自分のメールはPCだが、調査ではパソコン使用は48%とマイナーである。
電子メールのしゃべり言葉が、若者のコミュニケーション標準として、若者小説にも採用され活字化されるということになれば、「ら抜き言葉」が当り前になり、言葉の用法や慣用句の意味も旧来とはズレてくることは致し方のないことなのだろう。
「本を読む人が減っているから慣用句を知らない若者が増えてきている」というNHKニュースのコメントだったが、それはなにも若者に限ったことではなさそうだ。人並み程度には本も読み、故事成語や慣用句などの意味や使い方を知っているつもりの爺さんも、結構いい加減な理解でしかないのだから。
まず、故事成語の意味や慣用句の使い方を問う問題では、「破天荒」の「誰も成し得なかったことをする」という正しい意味を選んだのは17%。しかし「豪快で大胆」という回答が64%に達し、年代別では16~19歳が75%、20代から40代が73~77%だった。自分も「豪快」回答だから間違い組である。
「時を分かたず」では、「いつも」という本来の意味を選択したのは14%だけで、「すぐに」という回答が67%を占めた。自分もこちらに含まれそうだ。「指示・指揮すること」は「采配を振る」だが、58%の人が「采配を振るう」を選び、「目上の人に気に入られること」を示す「お眼鏡にかなう」を「お目にかなう」と間違った割合は40%だったという。こちらも「采配を振るう」とつい云ってしまいそうだ。
「来られる」を「来れる」とするような、いわゆる「ら抜き言葉」の使用に対しては、日本語の乱れとする者は24%、日本語も変化しているのだから構わぬという考えの者が70%と多数派を構成している。
さらに「日本語を大切にしているか」という問には、「大切にしている」という回答が77%と前回調査よりも増加していることが報告されているが、こうした感覚的な設問では感覚的な回答にしかならないだろう。「大切」の意味や基準が回答者それぞれに違う訳だから。
小説演習の時間には、「集中してます」「とか~とか~」といった若者のしゃべり言葉が多用されるという、作家養成専門学校へのNHKTVの取材では、「主人公が高校生に設定されることも多く、文法どおりの日本語だと、そのひとたちらしさが感じられなくなるので、わざと《いを抜く》ことなど、登場人物によって使い分けている」という作家の卵たちのコメントがあった。これが、彼らなりの「言葉を大切にする感覚」だというわけだ。
調査対象のうち、電子メールをする人は5年前より15ポイント増え63%で半分以上。そのうちの92%が携帯電話を主に使うというから、毎日帰りの電車で眺める一斉メールの光景が、いまや世間の常識化しているということになる。自分のメールはPCだが、調査ではパソコン使用は48%とマイナーである。
電子メールのしゃべり言葉が、若者のコミュニケーション標準として、若者小説にも採用され活字化されるということになれば、「ら抜き言葉」が当り前になり、言葉の用法や慣用句の意味も旧来とはズレてくることは致し方のないことなのだろう。
「本を読む人が減っているから慣用句を知らない若者が増えてきている」というNHKニュースのコメントだったが、それはなにも若者に限ったことではなさそうだ。人並み程度には本も読み、故事成語や慣用句などの意味や使い方を知っているつもりの爺さんも、結構いい加減な理解でしかないのだから。
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