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ウンが居たのは、会社。
なんと、ウン、自宅を売ってしまっていました、ユミに何の話もせず。
会社の経営が思わしくなく、事務所の家賃を払うので精一杯になっていました。だから、自宅を売り払うしかなかったようです。
一介の社員ならば、毎月ある程度の額のお給料を貰えますが、経営者となって見て初めてそれが如何にありがたいものだったかをウンとルイは思い知らされていました。
とにかく、ユミに何も報告していなかったウンは、慌てふためいたってわけです。
ユミは慌ててウンの会社にやって来ました。
大事な事を恋人の自分に何も話していなかったことを、ユミは怒りました。
自分の存在がそこまで大きく無いと思い知らされた気がしたのでしょう。
情けなくてユミは泣きそうでした。
こういう時のために、ウンの修行細胞はある言葉を練習して来ました。
“どうした?”と言う言葉です。
“どうした?”と言う言葉には、相手を落ち着かせるだけじゃなく、自分にとって大事な相手だと伝える事が出来る技だと修行細胞は師匠から教わっていました。
真の“どうした?”には、恐れを込めなくてはならず、相手が去ってしまうかもしれない恐れを伝えなくてはならないと。
修行細胞は、修行の成果を込めて言いました、“どうした?”と。
「ユミ、どうした?」
ウンのその言葉で、ユミの緊張が解け、怒りも和らぎ、その代わりに涙がこぼれました。
ユミは、先日、ウンが新しい部署に移ることを手放しで褒めたり勧めたりしなかった理由がこれだと気付きました。
人生は思い通りにはいかないから、最悪の結果に備えておくべきだ・・・なんてね。
自分の選択を後悔したり諦めるつもりはないけど、苦労の連続だということを、ユミに伝えたかったのです。
ウンの心からの言葉だったと言う事が分かりました。やっぱりウンは誠実です。
ユミは、自分の家に行こうと言いました。
でも、ウンは行く宛てが無いからと言って恋人の家に転がり込むということはプライドが許しません。頷きませんでした。
ユミはこのままウンを置いて帰ることは出来ませんでした。
半ば脅しのようにウンを説得し、自分の家に連れて行ったのです。
ユミは、マーケティング部に行く決心をしました。
やってみないと好きかどうかも分からないし、目標も定まらないからとウンに言いました。
ウンは、ユミの決心を認め、背中を押してくれました。
一緒に暮らして見て、ウンの几帳面さをユミは改めて知りました。
朝に強いので、ユミのために朝ごはんを作ってくれますし、部屋の片付けもしてくれます。
家事細胞が少々怠け者なユミ。
大助かりです。
ユミの理性細胞は、ウンの家事細胞に、このノウハウを教わろうと思いました。
でも、ウンの細胞村に行った事のある愛細胞は、ウンの細胞村には家事細胞はいないと言いました。
代わりに、人工知能細胞がいてアルゴリズムを実行していました。つまり、そこですべての問題を処理しているのです。家事の問題も勿論そこで解決していました。
理性細胞は、そんな世界が羨ましいと思いました。科学と論理が支配し、理性がトップの世界が。
で、ワームホールを通ってウンの細胞村に行ってみたのですが・・・。
そこでは科学的な思考と下心サウルスのような獣が共存するカオスだと言う事が分かっただけでした
マーケティング部に異動することで、ユミは年俸がアップすると聞かされました。
嬉しくなって、食材をたくさん買い込みました。
ところが、支払いの段になって、急な腹痛でトイレに駆け込んじゃって。
その間に、ウンが支払ってくれたのですが。どうも、ウン、経済的にまだまだキツイようですね。
でも、ユミにはそんなことは何も言いません。
ユミはウンと一緒に暮らすことが楽しくて嬉しくて、毎日が充実していました。
そうなると、頭にチラつくのが『結婚』の二文字。
さりげなく、結婚についてどう思っているのか、ウンに聞いてみたいのだけど、やっぱりなかなか口に出せません。
細胞村の掲示板にも、このところ結婚に関する貼り紙ばかりがあります。
でも、ウンの気持ちもあるからと、理性細胞はそれらを剥がしてもらいました。
愛細胞に相談しました。
すると、愛細胞が言いました。ウンの村の海の底に“結婚したい気持ち”の箱が沈んでいたと。
ウンの誕生日になりました。
ユミはサプライズで誕生会の準備をしました。プレゼントも用意しました。
友達と食事して帰るとメールしておいて、本当は部屋のクローゼットの中にケーキを持って隠れました。
タイミングを見計らって飛び出そうと計画していたのです。
ところが、一旦家に帰って来たにもかかわらず、ウンはすぐにまた家を出て行ったじゃありませんか。
ユミが驚かせるチャンスも与えてくれないまま・・・。
ユミは不審に思い、クローゼットから出ました。
すると、そこには、新しいキーボードが。
意味が分からないので、すぐにウンに電話しました。
なんと、それは新しい部署に移ったユミのためにウンがプレゼントしてくれた物でした。
一番性能が良いキーボードだと言いました。
仕事が終わらないから、それを置いてまた会社に戻ろうとしていたのです。
ユミのサプライズには全く気付いていませんでした。
それどころか、自分の誕生日だということも忘れていました。
自分の誕生日は忘れていたのに、ユミの部署異動の日は覚えていてくれた・・・。
ユミは感動しました。
ウンは、ユミが用意してくれたワカメスープをはじめとした料理に驚き大喜びしました。
美味しい、美味しいとほおばるウンを見て、ユミは愛しさが溢れてきたようです。
「私たち、結婚する?」
思わず口走っていました。
ウン・・・噴き出しちゃった。
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