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ソは、人々の歓喜の中、儀式を進めました。
雨はますます激しくなり、民は大喜びで雨に濡れました。
ユ氏は、悔しそうに唇をかみしめ、とうとう儀式の場から出て行ってしまいましたよ。
ヨがチャンスを逃した事に激怒したのです。
まさか、雨が降り出すとは思ってもみなかったでしょうが、あのままヨが祭主を務めていれば、ヨこそが天の意志を表す者として、正胤交代のチャンスも出て来たかも知れませんからね。
これではそれは望みようもありません。
皇子たちも、これでソに対する見方が変わりました。
スだけが、呆然としていました。
ソが光宗・・・、兄弟を皆殺しにする光宗・・・と。
ウクが、雨が降った事で、還俗が可能になる・・・と喜んで言うのも、耳に入らない状態です。
「私の所為で皆殺しに?あの人・・・私の所為で・・・皇子様は死なないで。」
ソを見つめながらうつろに呟くスを、ウクは見つめるだけでした。
「皇子ワン・ソ、国を救った。」
と、ワン・ゴンが嬉しそうに言いました。
「正胤に代わり務めました。」
と、ソ。
お前の顔を見るのは、何年ぶりか・・・と感慨深げにワン・ゴンが言いました。
「ご心配おかけしました、父上。」
ソが“父上”と呼ぶのも、いったい何時以来だったでしょう。心を込めて言うソでした。
「今後は素顔で堂々と生きよ。国を担う正胤を助け、活躍してほしい。父は信じているぞ。」
ソは勿論、ワン・ムも、ジモンも嬉しそうでした。
スが不安に押しつぶされそうになっているのを見て、ウクは言いました。
ソの顔に触れたのは問題だが、良い事をしたのだから問題は無いし、ソは正胤の代役をしたのだから、何も変わらない・・・と。
それを聞いてスは、少しだけほっとしました。
でもやはり不安は消えず、確かめなくては、ジモンの元に走ったのです。
「次の皇帝は?その次は?・・・。」
と矢継ぎ早に突然聞いてきたスに、ジモンは一瞬驚きましたが、冷静に答えました。
「何もなければ、正胤が継ぐ。」
そして、
「光宗と言いましたよね、ソ皇子様の事を。」
スは、慌てて、うっかり出た言葉だ・・・と誤魔化しました。
ジモンは、話し出しました。4~5歳のころ、水におぼれて一度死んだと思われたが・・・いや、死んだが、一日で生き返った・・・と。母に別人になったようだと言われた・・・と。
スと・・・いえ、ハジンと同じ経験です。
夢かうつつかわからないが、時々頭の中に甦る光景がある、人を乗せて空を飛ぶ鳥や動く階段や部屋、高くそびえる家には人々が住む・・・。
現代です
この人も?・・・とスは驚きました。
「あなたも一度死んだそうですね。」
ジモンが言いました。何もかも分かってるというような眼差しです。
「本当に知りたい事を質問してください。」
“ソ皇子が光宗で皆殺しに?”“ウク皇子はどうなりますか?”
たくさんの質問がスの頭にありましたが、言葉になったのは
「私はどうすれば?」
と言う一言だけ。
「何もしないでください。何もしてはいけません。何を見ても放っておくのです。」
「変えられたら?今後、事故も防げますし、悪いことを良い事に・・・。」
「あなたは、ソ皇子の顔を変えました。」
「皇子様の未来が変わりますか?。」
おそるおそる聞いたス。でも、ジモンは、それは分からない・・・と言いました。万事流れに任せるのです・・・と。
スのソに対する態度が変わりました。
恐れはじめたのです。
ただ、何年かぶりに父と呼んだ・・・としみじみと喜びを語るその表情からは、兄弟を殺すことなんて想像が出来ないのです。
関わるなとジモンには言われたけど、もしかしたら自分が関わる事でその歴史が変わるかもしれない・・・とスは思いました。
雨が降ったことで、ワン・ゴンは祝いをどうするか考えていました。
で、パク将軍の娘スンドクの婚姻を考えたのです。パク将軍は、良い機会だと捉え、ウンとの婚姻を望みました。
それが娘の揺るがぬ想いだからです。
あまりにも正反対な二人ゆえ、ワン・ゴンは驚きましたが、快く許しました。
ところが、ウンは、それを拒否。
皇帝に背くなんぞ、命にかかわる事です。
ワン・ムがとりなし、ウンは渋々それを受ける事にしたのですが、式の当日、部屋から出て来ません。
スンドクは、スを呼びに来ました。
スしかウンを説得できる人はいないと考えたのです。ウンの気持ちを充分分かっているのです。
スは、ウンに会いました。
ウンの自分に対する気持ちを知っていると言いました。
だったら・・・と側室にならないかと言うウン。でも、断りました。
今でも大好きだと言いながら・・・。
ウンは、スの気持ちを理解し、婚姻を受け入れました。
ウンの婚姻準備で、茶美院は大忙しとなり、スの還俗は不可能となってしまいました。
それを告げるウクも辛そうですし、スは希望が消えたと、流石にショックを受けました。
「皇子様が待って下さるなら、私は待てます。」
不安だとは言えなかったのです、スは。すれ違いになってしまいそうな不安がスの心を過ぎったのです。
オ尚宮は、スに、ソと距離を置くよう言いました。
スが傷を隠したことで、ソが近づくのは想像が出来たのでしょう。
「あの方の人生を変えられても?」
と、スは聞きました。
「人の力で人は変えられない。誰かを変えられるとは思わないように。」
ワン・ゴンは、ヨに、各地方を回り、浦を点検せよ・・・と言いました。浦とは、国で徴収した穀物を保管する水路に置かれた要衝地の事です。
そして、これまだヨが担当していた軍需品の管理は、ソに任せると言ったのです。
ヨはショックを受けました。ワン・ゴンが自分を捨てて、ソを重用しようとしている・・・と。
突然、ソは、ユ氏やヨ、ジョンと一緒の食事の席に呼ばれました。
かつてない事です。
これまでの事を水に流し・・・とにこやかに言う母に、つい、ソも心がほぐれそうになりました。
ところが、彼女には魂胆があったのです。
ワン・ムを殺せ・・・。
これからムの傍に居る事が多くなるソは、適任者だと言うのです。
ショックを受けたソ。そして聞いていたジョンも、あまりに事に、ショックを受けました。
やっぱりね・・・とソは思いました。
この母が、突然自分を息子扱いするなんて、あり得ないと思いました。
スに会いたいとソは思いました。
スは、やはり気になって眠れないでいました。
で、部屋を出たのです。
そしたら、突然、ソがバックハグ
ソは、スに癒してほしかったのです。
だけど、スはその時、そんな心の余裕は無くて・・・。
ソを拒絶したのです。
突然、自分を拒絶し、怖がるスに、ソはいっそうショックを受けました。母ならともかく、スだけは違うと思ってきましたから。
スだけは、自分の傷を怖がらず、真っ直ぐに見詰めてくれましたから・・・。
「俺を避けるな。遠くへ行けと言うな。不幸をもたらすと獣扱いするな。お前だけはダメだ。お前は俺のモノだから。」
私は皇子様のモノじゃありません・・・とス。
ソは、そんなスにkissしました。
あいやぁ・・・
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