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物ごとには、見る人、経験した人それぞれの側からの視点、事実があります。
一方から見ただけでは分からない事実が隠されていることもあるのです。
ウジンは、自分の所為でソリの人生を狂わせてしまったという罪悪感から、立ち直れないでいます。
でもそれは、ウジン側からの事実に基づく感情であって、ソリ側にはソリの感情ゆえの別の事実があったのです。
ソリがウジンの存在に気づいたのは、ウジンよりずっと前だったようです。
ドイツに試験を受けに行こうとしていた時、偶然空港で迷子になってるチャンと出会ったのです。
チャンの世話をしている間に、バイオリンを置き忘れてしまったソリ。戻ってみると、そこに既にバイオリンはありませんでした。
忘れ物としてカウンターに届けられていたのです。届けたのが、ウジンでした。
お礼を言おうと後を追ったソリですが、結局、ウジンは気付かずに行ってしまいました。ソリの記憶には、少年が背負った絵筒とそれに貼られているキャラクターシールだけが残りました。
後日、歩道橋の上で偶然耳に留まった自転車のベルの音。そこには、あの少年がいたのです。
ソリは恋をしました。
名前を知らないので、クレッシェンドと名付けました。
ソリは、自分が持っているキーホルダーと同じモノを作ってもらいました。そして、バイオリンのお礼に渡したいと思い、毎日持ち歩いていたのです。
そしてあの事故の日、ソリの願いが叶ったのです。
バスの中でウジンと出会ったのですから。
声をかけようかどうしようか、ソリは迷いました。でも、意を決して声をかけたのです。本題とは程遠い、美術ホールへの最寄りバス停のことしか聞けませんでしたが。
そのことで、ウジンはソリに気づき、今度はウジンが迷い始めました。絵を渡そうかどうしようか・・・と。
ソリが渡そうと決心した瞬間、今度はウジンが声をかけたのです。次のバス停の方が近いから、そちらで降りてください・・・と。
でも結局、スミが来たため、絵を渡せずにバスを降りちゃったウジン。
そして、ウジンの目の前で事故が起ってしまったのです。
その事実を聞いても、ウジンの心は晴れません。
どちらにしても、ウジンが引き留めたから、事故に遭ってしまった事実は変わらないのだから・・・と。
でもね、それもウジンの誤解でした。
実は、そのルートは、ソリにとって通い慣れた練習場への道だったのです。美術ホールに通っていたのですから。
バス停を聞いたのは、話しかける口実に過ぎなかったというわけです。
降りるバス停は、ウジンが指摘したバス停でした。つまり、ソリは降りようとしてベルを押していないし、ウジンが言ったバス停で降りるのが習慣だったということです。
事故に遭うのは必然だったのです。
「あなたの所為じゃない。私はいつも通り次のバス停で降りてた。すごく不幸なことだけど、私は事故に遭う運命だったの。あなたの所為じゃ無い。」
私が先にあなたを知って、私が先にあなたにときめいて、私が先にあなたに恋をした。
コン・ウジン。あの子の名前はコン・ウジンだったのね。
「13年間17歳のままだったのは、私だけじゃ無かった。」
このセリフの瞬間、泣けました
やっと本当のコン・ウジンとウ・ソリになれました。
チャンは、ウジンを固く抱きしめました。
甥っこの方が大きい身体で、叔父さんを包み込んだように見えました。
そしてそれは、彼の初恋を終わらせる決定打となったようです。ソリがウジンを連れ戻したってことが・・・。
チャンは翌日、ソリと出かけました。ちゃんとウジンに許可を取って。
チャンがソリを連れて行ったのは、彼が毎日練習している川べりでした。
背伸びせず、チャンなりのソリとの別れの儀式だったようです。
チャンは、きちんとソリに想いを伝えました。
大人のように上手く振る舞えるソリではありません。戸惑いました。
でも、チャンは言いました。初恋をきちんと終わらせたいから告白した・・・と。
「俺とは良い友達になりましょう。叔父さんのことをたくさん愛してください。お願いします。」
ソリは涙がこぼれました。
話して良かった、気分爽快だ・・・とチャンは笑顔で言いました。勿論、まだ嘘が交じってます。泣きたいのはチャンも同じでした。でも、少しだけ大人になったチャンです。
ウジンに主治医から連絡が入りました。
舞台デザイナーとしてのウジンへの仕事の依頼でした。
ウジンは、別人のように明るい顔でソリとの事を話しました。饒舌でした。
主治医も心からほっとしたようです。これで完治だと思えたのでしょう。
ヒョンテから入院費用を支払った男性の事を聞いたウジン。
直接謝りたいと言うその男性に、ソリを会わせました。
ソリの前に土下座する男性。なんと、飲酒運転だったそうなんです。
自首する前に謝りたかった・・・と言いました。
ソリは怒りをぶつけました。
だからと言って、何も状況は変わりません。
ずっとソリを見ていたと言う男性に、叔父夫婦のことを聞いたソリ。
分かったのは、転院して数カ月で連絡が取れなくなり、費用の支払いも滞ってしまったということだけ。
だから、男性が代わりに支払い続けたのです。せめてもの罪の償いになるかと思って。
その時、買い物から帰って来たジェニファーが男の胸倉をつかみました。
なんと・・・ジェニファーの夫もその事故で亡くなっていたのです。
ジェニファーはもうすぐ生まれる子供と夫と幸せな暮らしをしていました。しかし、それがある日突然奪われてしまったのです。何の過失もないのに。
事故の二人の死者、一人はノ・スミ。もう一人が彼女の夫キム・テジンだったのです。
それがショックでお腹の子まで失ってしまったジェニファー。
だから、婚家を出て来たのでしょう。
夫を失ったことで子供を死なせてしまったのは自分の罪だとジェニファーは思って来ました。だから、平気になる資格や恋しがる資格はないと思ってきたのです。ましてや家族を持つ資格なんて・・・。
私は何時も大丈夫・・・とジェニファーは言いました。
でも、ソリは大丈夫じゃ無くていいとジェニファーを抱きしめました。平気なフリをしないでください・・・と。
ジェニファーは泣けました。心から泣けました。
そして男性は、自首しました。
叔父夫婦を探すチラシの効果が現れました。
一人の女性が、叔母を知っていると連絡して来たのです。
その女性は、引っ越す前の家に何度も配達をした事があると言いました。そして、最後に聞いたのは、二人が離婚したということだと言いました。
家の売買契約書では、売主は叔父ではなく叔母の名前になっていました。
ウジンは、その事と、叔父の会社が破産したことを、ソリに打ち明けました。
ソリは、自分の所為かも知れない・・・と罪の意識にさいなまれました。
叔母さんに会う決心をしたソリ、花屋を訪ねました。
でも、店は休んだままでした。
途方に暮れて家に帰って来た時、後ろから声をかけた人が。
叔母でした。
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