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ヘウォンは、唯一信じ、頼ってきたミョンヨが、実は父を殺した犯人だったこと、そして母共々ずっと自分に隠し続けて来たことがショックでした。
自分が見て来たミョンヨの姿は、本物じゃなかったと思いました。
だとしたら、誰もが真実の姿を見せていないんじゃないかと思えました。何を信じればよいのか、分からなくなってしまいました。
ウンソプは、そっと手を握ってあげました。
家には帰れないとヘウォンが言いました。
家では、ミョンジュとミョンヨが向かい合っていました。
今からでも罪を償いたいと、ミョンヨが言いました。いつか、ヘウォンにも伝えるべきだと思ってた・・・と。
ミョンジュは言いました。
「あなたが私の妹じゃなければ、家に来なくて済んだ。私があんな男と結婚しなければ、私を庇わずに済んだ。アクセルを踏むこともなかった。あなたが自首したら、私はまた罰を受けた気分になる。」
でも、ミョンヨは償いをしないまま生きて行くことの辛さを訴えました。過ちを責めてほしいんだと。
平行線です。
罪を犯した者も、庇った者も苦しんでいるのです。なのに、お互いの苦しみを理解出来ないのです。
でも、ミョンジュがミョンヨの思いを受け入れました。
自首しなさい・・・と言いました。そんなに辛いならと。
ミョンジュは気づいていなかったのです。ミョンヨの苦しみに。
ミョンヨはどんなに辛くても手紙に弱音を書いて来ませんでした。だから幸せになってくれるもんだと、ミョンジュは思っていたのです。
「本当にごめんね。」
と、ミョンジュは言いました。
ヘウォンは、ウンソプに、事件まで住んでいた家に連れて行ってもらいました。
昔と同じように、鍵はポストの上に置いてありました。
空き家だと思っていたのに、誰かが住んでいる気配がありました。
母だと察しました。光熱費の請求書があったからです。
一人でここに住んでいたということが分かりました。
これも、自分だけが知らなかった事なのかとヘウォンは思いました。
「もし君が知ったら苦しむだろうから内緒にしてたんじゃないかな。我慢できるところまで我慢して、ダメだったら話そうって。」
ウンソプがそう言いました。
私だって家族なのに・・・とヘウォン。知らなくていい事だなんて思えない・・・と。
「君が苦しむからだよ。君が苦しむべきことを代わりに背負ったんじゃないかな、ヘウォン。」
きっとそうだよ・・・とウンソプ。
そして、そっとヘウォンを抱きしめました。
ヘウォンはミョンヨの口から直接事情を聞こうと決心しました。
もし、ウンソプの言う通りだったら、ミョンヨを理解出来るかもしれないと思ったのです。
「全部説明して。」
ヘウォンがミョンヨに言いました。
「あんたの父親を殺した。」
と、ミョンヨ。
そして、ごめん・・・と。本当にごめん・・・と。
何故私に隠したの?とヘウォンが聞きました。
「あなたが苦しむじゃない。それは避けたかった。」
だったら、何故今更?とヘウォン。
「自首するつもりだから。今からでも、罰を受けるべきでしょ。」
ヘウォンは呆然としました。
ミョンヨも母ミョンジュもずっと苦しんで来たことを知りました。
緑内障の痛みに耐えて来たのも、自分自身への罰だと思っていたのかもしれません。
以前、ヘウォンが川で死のうとしたとき、助けたミョンヨが言った言葉を思い出しました。
「ヘウォンが死んだら私も死ぬし、姉さんも死ぬ。あなたの祖母も死ぬ。そういうものなの。そんな風に見えないだろうけど。」
一人でお酒を飲みました。
翌朝、ヘウォンが目覚めたのは、ボヨンの部屋でした。
酔いつぶれていたヘウォンを偶然見つけたボヨンが家に連れて帰ったのです。
「キム・ボヨン。私もあなたが好きだった。だから傷ついたの。それくらいあなたが好きだったの。関係が元通りになるとは思ってないわ。」
「ヒビが入っちゃだめなの?傷一つ無いことが正しいとは限らないわ。時間が経てばヒビも入るし傷もつく。完璧な関係なんてないわ。時にはミスも犯す。そうしたら謝って修復して、そうやって生きて行く。私があなたを酷く傷つけてしまったわ。それでも修復したかったの。あなたの気が変わるまで待つわ。」
ボヨンが言いました。
家に帰ると、パトカーが停まっているのが見えました。
ミョンヨが自首したのかと思ったヘウォンは、必死に押しとどめようとしました。
でもそれは別件で来たと分かり、ヘウォンはほっとしました。
「叔母さん。私、叔母さんが憎い。私のために黙っていたと言われたら許せると思ったけど違った。やっぱり理解出来ない。家族なら一緒に苦しんでもいいと思うの。一緒に苦しもう、叔母さん。自首しないで。母のために10年耐えたなら、次の10年は私のために耐えて。死のうとしたとき、私も苦しんでた、地獄だった。叔母さんが自首したら、私はまた辛くなる。だから、このままでいて。でも、叔母さんの顔は見られない。心の整理する時間が必要よ。」
私が去るわ・・・とヘウォン。
ヘウォンはその足で書店に行きました。
大丈夫?とウンソプが言いました。
ヘウォンはミョンヨの自首を止めたと言いました。でも、顔を見る勇気が無いと。
「だから、ここを去るわ。春が来たから。」
一生懸命普通に話をしたヘウォン。
ただ、ウンソプへの思いがただの一瞬も嘘じゃ無かった事だけは分かってほしいと思いました。
ウンソプは、ちゃんと分かっていました。
いつもと変わらない温かい笑顔でヘウォンを見つめていました。
もう、随分前から、この時のために、心の準備をして来たウンソプなんです。
ヘウォンがここを去る時は、ほんの少しも苦しみを持っていてほしくないと思っていました。笑顔で去ってほしいと。
ヘウォンは家に戻りました。
でも、やっぱりウンソプに会いたくて。
夜になって、書店に駆けて行きました。
でも、鍵がかかっています。扉には貼り紙がしてありました。
『書店は数日間休業します』
山だと、ヘウォンは思いました。ウンソプの行くところはそこしかないと。
ヘウォンは山に駆けて行きました。あの小屋に。
やっぱりいました。
ヘウォンはウンソプに抱きつきました。
「ごめんね、ウンソプ。」
そう言って泣きました。
ウンソプが目を覚ました時、既にヘウォンは消えていました。
ヘウォンは、携帯を捨てたわけではありませんでした。埋めていたのです。
それを掘り出し、ソウルに戻って行きました。
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