逆賊‐民の英雄ホン・ギルドン- DVD-SET2 | |
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オリニは、兄ギルドンと別れた時のことを、殆ど覚えていません。恐怖のあまり、記憶を失ってしまったのでしょうね。
でも、磔にされたギルドンを見た時、ほんの少し、おぼろげな記憶が甦りました。
喉が渇いたまま死ぬのは可哀相だから・・・と思ったのです。ギルドンが水を欲しがったので、汲みに行った時、何者かに捕まったのでね。
最後の記憶がそれだったのでしょう。
廃妃ユン氏の書簡の話を聞いた燕山君は、もう怒りを抑えることはできませんでした。
ソン・ドファンの言うように、母を宮廷から出したのは先王成宗だけど、それを誰も止めなかったばかりか、追放した事実を隠すために結局は死に追いやったのだ・・・と思いました。
この時から、燕山君の残虐さに加速度がつきました。
母を死に追いやった者は、官職を剥奪しただけじゃ無く、流刑、あるいは死罪となりました。
既に死んでいる者は、墓を暴かれてまで首をはねられました。
讒言した成宗の側室は、彼女たちの息子によって殴り殺されました。勿論、燕山君が命じたのです。
地獄です。
また一方で、民を虐げる事も厭いませんでした。
村を潰して狩り場を作るために、住人を暴力で追い出したりしました。
モリは、内需司のとなり、そう言う仕事を任されました。
書簡を燃やしたのがギルドンの父アモゲだと聞いた燕山君は、磔にされているギルドンのところに行き、ただちに自分の手で斬り捨てようとしました。
が、慌てて駆け付けたギルヒョンに、
「盗賊の血でお手を汚してはいけません。」
と言われ、思い留まりました。ギルヒョン、必死の阻止です。
それを、ガリョンが目撃しました。
噂を聞いて駆け付けると、ギルドンは虫の息で磔になっています。
燕山君が宮殿に戻った後、ガリョンはよろよろとギルドンに近づきました。
他にも二人の女性が水を持って近づきました。
泣きながらギルドンに縋りつき、縄を解こうとしました。でもね、役人にそのまま引っ立てられ、3人とも牢に入れられてしまったのです。
ま、翌日には釈放されましたけどね。
役人も、ギルドンに同情してる者はたくさんいるようです。
ギルヒョンは、あの手この手でギルドンを救おうとしました。
このまま磔にしておいて、万が一生き伸びたら、また民は怪力童子だともてはやします。いっそ、牢に入れ、別の使い道を考えては?・・・と。
ギルヒョンは、王様はギルドンの使い道を考えているから、何としても生かしておけ・・・と牢番に命令しました。
これで生き延びられそうです。
ただ、世間はギルドンがとうとう死んだと思いました。
ガリョンも、それを聞き絶望的になりました。
牢で意識の朦朧としているギルドン。燕山君は、そんなギルドンに本音を吐露しました。
「私は人間を信じない。」
・・・と。
人間は骨の髄まで邪悪だと信じている。だから、人を治める術は暴力だけだと信じている。世間は、私が幼い頃に母親を失った所為でこうなったと思っている。確かに母上は可哀相だ。しかし、私は昔から人を統治できるのは暴力だけだと知っていた。それゆえ、孔子や孟子の言葉で国を治めようとする輩をいつも鼻で笑っていた。見ておれ。私がどう国を治めるのかを。
ギルドンの意識が戻りました。
知らせは牢番を通じてソプリたちにも伝わりました。皆が喜びました。
意識が戻ったら、ギルドンは必ず復活すると信じていましたからね。これでトンネルの出口が見えて来た思いだったでしょう。
知らせを聞いた燕山君は、今度はギルドンを獲物として狩りを楽しむようになりました。
なんて酷い
仕留めるのではなく、ぎりぎり当たらないところを狙って矢を放ち、ギルドンが逃げ回るのを楽しんだのです。
ノクスは、それを見て泣きました。
密かに、ギルドンに会いに行きました。
それで、ギルドンはコンファが今をときめく燕山君の側室ノクスだと知ったのです。
ノクスは、この時が最後だとギルドンに言いました。今後は一切関わり無い人として振る舞う・・・と。
意識が戻ったギルドンは、すぐに労役につかされました。
それは、ギルドンの仲間にその惨めな姿を見せつけてやろうという燕山君の企みでした。
ソプリたちは、立ち上がる事の出来ないギルドンを見て、驚きました。駆け寄ろうとすると、役人がよってたかって彼らを打ちのめしました。
その様子を見て、従来のギルドンなら、必ず彼らを助けてくれていたのに、立ち上がることすらできず、泣き叫ぶだけだなんて・・・。
ソプリたちは泣きました。
どれほど酷い目に遭わされたを思って泣きました。意識が戻ったからといって、これから先の補償はないと知ったのです。
燕山君は、今度は妓女たちを集め始めました。
女楽の人数が足りないと言うのです。
才色兼備の女性を集めて朝鮮の音を作る・・・と言いました。その者たちは“興清”と呼ばれました。
それを聞いたガリョンは、自分もそれに応募しようと決心しました。
王に会うなんてことは、簡単じゃありません。興清となって、王に会い、ギルドンを本当にそんな残虐な方法で殺したのか確かめようと思ったのです。
そして、それが本当ならば、自分が敵を討つ・・・と。
まだ人数が足りない・・・と言う燕山君。
ノクスは、民だけじゃなく、両班の娘も集めてはどうかと進言しました。
燕山君はすっかりその気です。
ジャウォンは、流石に不安でした。このところの燕山君の言動は、常軌を逸しています。
ノクスに、なぜ焚きつけるような事を言うのかと抗議しました。
でも、ノクスは言いました。どんな忠臣であっても、一夜にして罪人になる今の世です。何としても生き伸びるためには、燕山君の真意を汲み取り行動しないと・・・と。
彼女は生き残る事だけを考えていました。そうしないとギルドンを救う事は出来ないからです。
ある日、燕山君の衣が血まみれにされて釣り下げられると言う事件が発生。
すぐさま、内官を投獄しました。
輿に乗ろうとした時、踏み台が壊れる事件も発生。転びそうになりました。
燕山君は、このところ自分がたくさんの臣下を罰したり殺したりした所為だろうか・・・と怖じ気づきました。
でも、ノクスは、天の子である王は、何も恐れることはないと背中を撫でたのです。
ギルヒョンは、燕山君の所業をつぶさに目で見、感じて、理想とはかけ離れて行くことを実感していました。
失望感はますます強くなっていました。
それより、怒りの方が強くなってるのは事実でした。昔、父やギルドン、仲間たちと戦っていた時の、権力者への反発心が甦ってきたようです。
燕山君は、次に、ギルドンを山に放ち、本格的な人狩りをしようと考えました。
ノクスやオリニたち女楽の者も引き連れての狩りです。獲物はギルドン。
いつものように、矢で脅し、逃げるギルドンを追いました。
ギルドンは必死に逃げました。
その時、女楽の女性たちが、ひそひそと話すのを耳にして立ち止まりました。
彼女たちは燕山君が怖いと言っていたのです。
その一人の少女に目が留まりました。
オリニ・・・。
生きていた、オリニが生きていた・・・とギルドンは近づきました。
血みどろのギルドンが近づいて来たので、女性たちは皆驚き立ちすくみました。
その時、兵が網を投げました。
網に捕われたギルドンを、燕山君はあざ笑いました。
オリニを思って泣くギルドンを、笑いました。
そして、ギルドンに世の中を見せてやると言って、街中に連れて行かせました。
そこで、ギルドンは権力にひれ伏すしかない民の姿を見ました。
どっちを向いても涙ばかりの世の中です。
ギルドンは泣けました。
それまで、自分は世の理不尽さに怒り、悪人を罰してきたつもりでした。
でも今は、民の嘆きを目にし、それがガリョンやオリニ、そしてソプリたち仲間の涙と同じだと感じました。
怒りより泣けて来たのです。
燕山君が暴力で世を治めている・・・と感じました。
将軍となって王様から褒美の剣を貰うんだ・・・とアモゲはギルドンに言っていました。
でも、ギルドンは思いました。
王様の剣を貰う将軍ではなく、剣を授ける人間になろう・・・と。
ギルドン、覚醒です。
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