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1991年。
コムンダリゴル村の住民たちは、村長キム・ジェギョンに同意書へのサインを要求しました。
しかし、頑なに拒むキム・ジェギョン。
妻が死んだ後、その気持ちは更に頑なになりました。
息子のソルは、そんな諍いを目にし、父の気持ちが理解出来ませんでした。
麓に引っ越しした方が、学校にも近いし、友達とも遊べるし・・・。
ソルがそう言うと、キム・ジェギョンは激怒しました。
キム・ジェギョンの精神は、もうギリギリのところで正常さを保っていました。
ところが、ある日、飼っていた蜂が一時に死んでしまう事件が発生。
これで、彼の精神の糸は切れてしまったのです。
父が日増しに異常さを見せるようになった時、ソルは、捨てられていた同意書に父の印鑑を押し、村人たちの元に駆けて行きました。
しかし、そこでソルは偶然耳にしてしまったのです。
同意書を集めたがっていた村人たちが共謀して、蜂を殺してしまったこと、母の死も彼らによるものだと言う事・・・等々を。
やっと村人全員の同意書を集めることができ、推進委員会に提出しに行った村人。
ところが、そこで聞かされたのは、計画が政府の不許可によって白紙に戻されてしまったということ。
村人たちは愕然としました。
立退料も貰えず、自分たちは何のために罪を犯して来たのか・・・。
結局、村人たちはキム・ジェギョンとソルを残して全員山を下りてしまったのです。
幻聴や幻覚が出始めたキム・ジェギョンは、ある日、自ら命を絶ってしまいました。
2020年。
「明日警察に行って全てを話すわ。」
と、イガンはソルに言いました。
証拠は?と、ソル。
「僕が犯人なら、先輩を帰さないでしょうね。僕が先輩を殺したら、簡単に捕まるでしょうね。山の上じゃないここでは監視カメラも多いし、携帯で追跡もできるし。」
証拠がないから、こうやってまで証拠を作りに来たんですか?と。
犯人を甘く見過ぎです・・・と。
犯人だと認めたわけではありません。
でも、違うとも言いませんでした。警察に話してもいいですよ・・・と言いました。
イガンの目的に気づき、それでも一切隙を見せる事は無かったのです。
が、イガンの目的は、自らを犠牲にしてソルの犯行を証明しようとすることではなく、ソルの動きを掴むために、GPSをリュックに忍ばせる事だったのです。
警察に行くと話す事で、犯行の証拠を消しに行くと踏んだのです。
ソルは動きました。
イルへとグヨンがGPSを頼りに、後を追いました。
しかし、ソルは気づいていたのです。
発信機は途中の山の中に捨てられていました。
途方に暮れたイガンたち。
証拠を処分する前に捕まえないと・・・と焦りました。
そこに、チョ分所長が現れました。釈放されたのです。無実だと断定されたわけじゃなく、証拠不十分というところでしょうか。
話を聞いたチョ分所長は、すぐに指示を出しました。
レンジャー全員に無線を繋ぐよう言い、遭難の通報が入ったと全隊員に告げました。
遭難者はキム・ソルだと。
ヒョンジョの霊は、ようやくソルの犯行の証拠を見つけました。
ソルがアジトだと言っていたコムンダリゴル村の洞窟でした。
そこにはソルがいました。
ソルにもヒョンジョの霊が見えました。
僕を捕まえたくて、山に残ってたのか・・・とソルが言いました。
ソルはヒョンジョの霊には正直に話しました。僕が犯人だ・・・と。
動機は、あの時何があったのかを忘れていたからだと。
実は、ソルは父と同じような幻覚と幻聴の症状に悩まされていたのです。
苦しみ続けたソルは、何度も自殺を図ろうとしたようです。しかし、その度に助けられてしまって・・・。
山なら発見されることは無いだろうと思い、2017年のある日、山で毒入りの乳酸飲料を飲もうと決心したのです。
ところが、その時もある人に出会って、計画を実行することは出来ませんでした。
ある人と言うのが、キム曹長。
道に迷ったキム曹長と偶然出会い、おまけに相手がコムンダリゴル村の幼馴染だと気付きました。
自分が死ぬほどに苦しんでいるにもかかわらず、キム曹長は全く村であの時何があったのかを覚えていない事が分かりました。
その瞬間、ソルの中に殺意が生まれたのです。
自分が飲むはずだった毒入りの乳酸飲料を、キム曹長に差し出しました。
キム曹長の死が事故死として処理された時、山が自分に味方してくれたとソルは思いました。
レンジャーになり、山に戻って来た時、セウクに再会したのです。
セウクの父はソルの父と同様、養蜂業を営んでいました。だから、セウクは父の後を継いで養蜂業者となっていたのです。
セウクはすぐに協力を決心しました。同じように苦しんで生きて来たからです。
そうやって一人、また一人と殺して行ったのです。
ソルの幻聴や幻覚は消えました。
キム警官は、父親のひき逃げ事件を持ち出して脅し、協力させたようです。
だから、ヒョンジョはキム警官が犯人だと思ってしまったわけです。
山はあなたの味方じゃない、山はあなたを罰したがっていた・・・とヒョンジョの霊が言いました。
だから、自分に犯行の場面を見せたんだと。
しかし、ソルにはその言葉の意味は分かりませんでした。予知夢のことを知りませんからね。
あなたは山に罰せられる、何故なら、僕を見た人は皆死んだから・・・とヒョンジョの霊が言いました。
だったら止めて見ろ・・・とソルは言い、証拠の品々に油をかけ、火をつけました。
止めろ・・・とヒョンジョの霊は言いましたが、そのまま消えてしまいました。
その頃、病院のヒョンジョのベッドの周囲に家族が集まっていました。
ヒョンジョの父が延命治療中止に関する家族の同意書を医師にゆっくりと差し出しました。
医師が手にしたとき、一瞬手を離すのを躊躇した父。しかし、諦めたように手を離しました。
イルへとグヨンがアジトを発見した時、既に証拠の品々は灰燼となってしまっていました。
連絡を受けたイガンは、それでも何かあるのではないかと、ドローンを飛ばして周囲をチェックしようとしました。
すると、ドローンの写す映像にヒョンジョの霊の姿が切れ切れに写っているじゃありませんか。
ヒョンジョの霊は、何か印を残そうとしていると察したイガン。
チョ分所長と共に、ヘリコプターで現地に飛びました。
ヒョンジョがレンジャーになって初めて遭難者を救助した場所に印がありました。
いえ、チョ分所長に背負われて到着した時、まさにヒョンジョの霊が印を残そうとしていたのです。
木の枝が宙に浮き、地面に刺さるのを、チョ分所長も見ました。
イガンは確かにヒョンジョの霊を見ました。
しかし、印を残した直後、ヒョンジョの姿は消えてしまったのです。
イガンは、生命維持装置が切られたと察しました。
印が指していたのは、派出所でした。
重要な何かを知らせようとしているとイガンは思いました。
その時、思いだしました。
派出所の戸棚にセウクの携帯が証拠品として保管されていたことを。
その携帯が証拠となり、ソルは指名手配となりました。
自棄になったソルは、イガンを襲いました。
山で殺してやる、ばあさんの傍に行けと、ソルは車を走らせました。
その時、大雨が降り出していました。
山道の途中でがけ崩れが発生し、ソルが怯んだ隙に、イガンは車のドアを開けて外に転がり出ました。
自由に動けないイガンを殺そうとハンマーを振り上げたその瞬間、ソルの上に大量の土砂が
イガンはほんの少しの差で巻き込まれる事無く、助かりました。
山がソルを罰したのです。
1年後。
イガンはリハビリの成果が出たようで、レンジャーとして仕事に復帰していました。
イルへはチョ分所長の後を継いで分所長に、グヨンはチーム長に昇進。
そして、ヒョンジョは死んではいませんでした。
生命維持装置のスイッチを切った直後に自発呼吸が戻り、奇跡的に回復したのです。
初日の出を見るために大勢の登山客が智異山に押しかけた日。
事故を防ぐために出動していたイガンの前に、ヒョンジョが現れました。レンジャーとして。
照れくさそうで嬉しそうな2人の表情が良いです。
もう、ヒョンジョは予知夢を見ることはなくなったようです。
見応えのある作品でした。
期待したほどに視聴率は上がらなかったとニュースで見ていましたが、いやいや私には、とても良い作品だったと思えました。
レンジャーたちの仕事の過酷さも分かりましたし、新鮮なシチュエーションで楽しめました。
お勧めです
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