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ジアンの復帰を、同僚や先輩は喜んで迎えてくれました。
でも、ハジョンだけは別。
一目でジアンの服装やアクセサリーがブランド物だと見抜き、雰囲気も変わった・・・と感じました。なんだか気に入らないハジョンです。
へソンアパレルでは、創立40周年の記念行事の企画に、ジアンの案が採用されました。
と言うか、辞める前に提出していた企画書が、審査で一位になったんだとか。でも、既にジアンが辞めた後だったので、ハジョンの名前で応募したのです。
だから、ハジョンが担当となっていたのですが、遅々として進まず、部長はイラついていました。
で、この際、本来の企画主であるジアンとハジョンに細部の企画を考えさえ、良い方に担当させることにしました。
当然、ジアンの企画に決定ですよ。ハジョンはコネは持ってるけど、能力的にはジアンの比じゃありません。
ジアンの企画は、ドギョンも承知でした。彼が推した企画だったからです。
ジェソンもミョンヒも、ジアンの能力の高さを喜びました。
秋夕が来ました。
ジアンはウンソクとして初めてジニとその夫に挨拶しました。
ノ会長は、ジニ夫婦に、ドギョンを副社長とする旨、申し渡しました。
現在、ジニの夫ミョンスが社長なんですよね?だとしたら、彼らの息子ではなく、ドギョンを副社長に据えるということは、この先ドギョンが社長になる可能性があるということです。自分の子供に継がせる事が出来ないかもしれないってことですよね?
ジニとミョンスが驚き焦るのも無理はありません。
でも、ノ会長に逆らう事は出来ません。
ジアンは、家族の中でも地位の上下があることをドギョンから教わりました。
ノ会長がこの家のルールであり、ジェソンはその長女のミョンヒと結婚したわけです。だから、ジェソンは長男でありながら、ミョンヒの実家の祭祀を優先し、自分の実家の祭祀には他の人に任せていました。
そうすることによって、彼は副会長の席に就いているのだとドギョンは言いました。
世の中にタダと言うのは決してなく、得たモノが大きいと代償も大きい・・・とドギョンは言いました。
無償の愛情とか奉仕は存在しないかのようです。ジアンは、家族の内でもそうなんだと、財閥の厳しさをまた一つ知りました。
テスたちも秋夕を迎えたのですが、今年は祭祀を家でしないとテスが言いました。
一人で先祖のお墓に行くと言い張るのです。子供に戻って両親と話がしたいから・・・と。
その場で、ジホが家を出たいと言いました。受験勉強の為には、塾に近い下宿に移った方が、楽だし・・・と。
勿論、アルバイトなどの都合が本当の理由です。
ミジョンは反対しましたが、結局、テスは許しました。
ジホは、すぐに引っ越して行きました。
ヒョクの姉は一度結婚したようです。
ところが、相手とは上手く行かず離婚したようですね。それ以来、対人恐怖症になっているのかもしれません。
父親は再婚してほしいと思っていますが、彼女に結婚する気は全くありません。
結婚の話をすると、姉がヒステリックになるのを知ってるので、強くは言えません。
ところで、ジスが勤めてるパン屋の主人カン・ナムグは、やはりヒョク姉の知り合いのようです。もしかしたら恋人だった?
父親に反対され、別れたようですね。その後ヒョク姉が結婚したことは知っていました。
でも、離婚したことは知らないのです。
ドギョンが副社長に就任すると、社内で公式に発表されました。
皆、突然の人事に少々驚いています。
ジアンは、素知らぬフリをしていました。
そしたら、ハジョンがまた得意になるんですよ、ドギョンとはゴルフ仲間だって。本当は、何回かあっただけみたいですが。
自分が如何に大物かと見せつけたいのです。バックには有力者がいるぞ・・・ってね。小物だわ。
財閥の間では、それぞれに結婚を通じて勢力を維持しようとするのが通常で。
ドギョンも既に婚約者と呼べる相手は決まっていますし、ソヒョンですら、留学してその後財閥の息子と結婚するというざざっとしたストーリーは出来上がっていました。
ただ、確定ではないので、条件の良い相手は油断していると別の人に取られてしまう事もあり得るようで。
ミョンヒは、ライバルに既成事実として見せつけておこうと思いました。
で、美術館に良い作品が入ったから・・・と関係する奥様方を招いたのです。
ところが、その場にミョンヒにとっては会いたく無い人物が突然連絡も無しにやって来ました。
以前からミョンヒが敬遠していたホン館長と言う女性です。
ホン館長は、どこから仕入れたのか、ウンソルが見つかったと言う情報を持っていました。
で、会いたいと言うのです。
そう言われたら、他のメンバーも会いたいと思いますわな。
出来れば、財閥の令嬢として完璧になってからお披露目・・・と考えていたミョンヒは、何とか回避しようとしたのですが、そこにいたのは彼女が断れない面々なのです。
一か八かでミョンヒはジアンに連絡し、1時間後に来るように言ったのです。
その時、ジアンは倉庫で過去の資料と格闘中でした。
埃だらけだし、棚から出てる釘でブラウスを引っ掛けて破ってしまったし・・・。
そんな恰好でミョンヒやその仲間の前に出て行くなんてことは出来ないと、流石にジアンも分かっていました。
1時間という短い時間で令嬢の姿になんて成れる筈が無い。ジアンはパニックになりました。
でも、思い出したのです。ドギョンという心強い味方がいることを。
ミョンヒもまたそれを期待していました。
ドギョンなら、何とでもしてくれると分かっていましたから。
だから、ジアンがドギョンに連絡することを思いついたら、その時点で勝負に勝ったと言えると思ったのです。
ドギョンは、力を駆使してあっという間にジアンを令嬢に仕立てあげました。
そして、様々な情報をジアンに叩きこみ、勇気を持ってミョンヒたちのところに行くんだと、背中を押してあげたのです。
素晴らしい手腕です、ドギョン
どきどきするミョンヒの前に、ジアンは堂々と姿を現しました。
そして、探る様なホン館長の言葉に、これ以上無いくらいに上出来な返答をしたのです。
ジアンは美術に興味があったので、深い知識を持っていました。それが幸いしたのです。
ざざーっと学んだだけでは知り得ない情報を披露し、きちんと自分の意見を言い、集まったお歴々を感嘆させました。
どうなることかとはらはらして見つめていたミョンヒも、その姿にホッとし、得意げな満足げな表情になりました。
見返してやった・・・という感じ?
ジアンの立派な態度で、ミョンヒの立場は守られたのです。
タイミングを見計らって、ドギョンが現れました。
ボロが出ないうちに、ジアンを連れ出そうと思ったのでしょう。
でもね、それは杞憂に終わりました。ドギョンの想像以上にジアンは健闘していたのですから。
外に出たジアンを追ってミョンヒが来ました。
本当に嬉しそうです。ジアンを抱きしめ、褒めました。
ジアンも、初めて心から嬉しく思ったようですね。
ご褒美にビールを・・・とジアンはドギョンにおねだりしました。
行きつけのコンビニの前でビールを飲み始めたジアン。ドギョンはこう言う時、アルコールを飲みません。自分が運転すると分かっているからです。
こういうところも、責任感が強いと思います。
解放感から靴を脱いだジアン。
その時、ふと自分の足の指の傷が目に留まりました。1歳の時に怪我をした傷だと昔ミジョンが話していました。
自分が1歳になったばかりだとすると、それは1991年。だけど、チェ・ウンソクが失踪したのは1992年8月・・・。
それが本当なら、自分はチェ・ウンソクじゃない・・・。
ジアンが気づいちゃった
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