林真理子氏のエッセイ集です。
林真理子節炸裂の短編集。
頷きながら、ほくそ笑みながら、読みました。
そうそう、これが言いたかったのよと、思う事もしばしば。
そして、なるほどね・・・と思ったのが、次の「わがアウェイ」と言うエッセイの一節。
『このところ男女とも非婚率が上がるばかりで、少子化に歯止めがかからないと、雑誌で特集が組まれていた。
私のまわりでも三十代後半から四十代の独身がゴロゴロしている。みんなお金には困らないし、親は甘い。そして結婚相手はいなくても、淋しさをまぎらわせるような異性はいる。女性だったら、仲よしの同性と贅沢な温泉地に行き、フレンチだ和食だと食べ歩いている。そして、私と会うとこう言うのだ。
「だけどいつかは結婚したいんですよ。誰かいませんかね。」
そんな時、私は必ずこう言う。
「そのぬるま湯からパッと出る覚悟がなきゃダメよ。」
ぬるま湯はホームのこと。やさしい親というサポーターがいる。しかし結婚生活はアウェイだ。それもまだ一度も行ったことがないアウェイ。いいことばかりとは言わないが、そこで戦ったことで死ぬときに後悔はしないはずだ。ー後略ー』
結婚生活はアウェイ・・・。
確かに