ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

奥多摩の家入沢は入渓方法に配慮が必要でした

2013年09月16日 | 沢登り/多摩川日原川水系

2013/9/14  8月の湯場ノ沢以来、一ヶ月以上振りのA野さんとの山行。三連休なんですが、明日、明後日の天候が台風のために良くないとあって、電車は満員。僕たちが乗る東日原行のバスも臨時バスが2台も出るほどでした。
家入(いやいり)沢は僕としては今日で3回目なのですが、印象はあまり良くありません。最初にS子と行った際に沢用のバイルを高巻き最中に落としてしまい、失くしてしまった恨みもあるのかもしれません(笑)。2度目の遡行も以前所属していた山岳会の仲間とだったのですが、印象は薄く、あまり記憶がありません。それにこんなこともあったのです。その時の仲間がその後会山行として計画・実施し、詰めの最後、登山道に飛び出す手前で、人の死体を発見したというのです。そんなこんなで、あまりいい沢だというイメージはなかったのですが、沢登りのガイドブックでは★5つが最高ランクで★★★ですから、まずまずいい沢だという評価なんですね。

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▲過去2回はこの柵を乗り越えて右下に流れる家入沢へ入りました。でも、どこかが変わっているようで、以前と比較して侵入し辛くなっているように感じます。9:31ころ。

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▲そこで、一段下の道路脇から階段を降り、沢に入りました。9:36ころ。

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▲ところが、ちょうどこの写真を撮影した時、下の二人が何やら叫んでいます。9:40ころ。
内容はすぐに分かりました。どうやらこの沢に入ったら駄目だと言われているようです。少しして、右の通路から男性二人が駆け付けて来て、「ここに入ってもらうと困るよ」と言われました。彼らの言うには、僕たちがここを歩くと下流の釣場の池に泥水が流れ込むのだそうです。最悪の場合は魚が死んでしまうとか。それでは仕方がありません。確かに、この辺りの流れの底には細かい泥が堆積していて、歩くとうわ~っと泥が舞い上がっていました。
きちんと謝り、じゃあどこへ転進しようかなどと考えていました。
でも、「もっと上流から入ってよ」と聞こえて来ます。「あそこに鳥居が見えるでしょ、あの日野明神社から山道があるから、それを辿って先から入って」と言っています。あ~あ、良かった!

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▲駐車場わきの日野明神社です。神社の左奥から山道が上へと続いています。9:44ころ。

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▲山道を忠実に登って行くと、この作業小屋に出くわします。このすぐ先で山道が分かれているのですが、右の道を選び、沢の方へ進みました。9:49ころ。

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▲山道を辿ると、この滝の下に出ます。先ほどの場所からは100mくらい上流になるのでしょうか? この滝は左側を高巻きました。9:58ころ。

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▲まずまずの渓相が続きます。10:26ころ。

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▲過去2回の遡行の際には感じたことがなかったのですが、家入沢は森と苔の緑が美しい沢だったのですね。おそらく別の季節に入ったのでしょう。10:29ころ。

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▲岩の上から蔓植物が垂れ下がっていました。名前を調べましたが、まったく分かりません。10:32ころ。

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▲いろいろな形状の小滝が出て来ます。10:41ころ。

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▲家入沢は石灰岩が多い沢。大きな岩がゴロゴロあります。写真の左の岩峰は20m以上ありました。10:46ころ。

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▲2条の滝です。10:52ころ。

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▲滝の直登に果敢にチャレンジします。10:54ころ。

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▲とちのきの実と殻です。沢の中にた~くさん落ちていました。10:57ころ。

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▲岩を積み上げて出来たような滝もありました。11:02ころ。

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▲沢の中央に大きな逆三角形の形をした岩がド~ンとあります。こんな造形は頭で考えて出来るものではありませんよね。11:05ころ。

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▲右に落ちる滝はこんな様子。直登は困難そうなので大岩の左を登ることにしました。11:07ころ。

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▲頭の上にのしかかっているのが、あの逆三角形の大岩です。11:10ころ。

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▲まあるいお饅頭みたいな岩にすだれ状の水が流れ落ちます。この滝は右から巻きました。11:14ころ。

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▲巨岩ゴロゴロの滝です。11:18ころ。

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▲送水パイプが出現しました。どこへ水を送っているのでしょうか? パイプから水が漏れ、噴出しています。11:28ころ。

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▲滝の高巻きです。生きている藤の蔓(多分)があったので助かりました。11:32ころ。

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▲先ほどの送水パイプの取水口です。11:38ころ。

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▲次第に流れる水の量が減って来ました。2度目の休憩を取った後なので、時間が進んでしまっています。12:09ころ。

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▲毎度、渓流のマスコット“ひきがえる”です。小心者のようで、足音に気付き岩の隙間に逃げ込んで行きました。でも、全然隠れきれていません。12:13ころ。

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▲これが最後の滝、8mなのでしょうか? 僕の記憶にある滝とは大分違います。12:28ころ。

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▲高さはありますが易しい滝です。12:32ころ。

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▲パッカリと割れた大岩がゴロンと横たわっています。すでに水流はなく、涸れ沢になっています。12:57ころ。

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▲沢もガレ場の様相を呈して来ました。写真のゴムパイプが出て来たのですが、パイプの中を水が流れる音がしています。パイプに沿って踏み跡があるようなので、気になってそちらへと向かってみました。13:03ころ。

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▲山道は実にしっかりと踏まれた道となり、こんな立派な小屋まで現れました。このパイプは石尾根北面中腹にある林道へつながっているに違いないと推測、興味が湧いたので、この山道を歩くことにしました。13:04ころ。
つまりは、先ほどのパイプの場所で遡行終了。詰めの急登の楽しみが奪われるのは残念ですが、この山道のことが興味津々です。

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▲トリカブトです。花の盛りが過ぎ、ちょっと枯れかけていました。13:09ころ。

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▲トリカブトの横に奇妙な実がなっていました。調べましたが、まったく分かりません。13:10ころ。

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▲ゴムパイプに沿って山道がしっかりと付けられています。13:12ころ。

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▲気持ちのいい広葉樹林がずう~っと続いていました。13:38ころ。

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▲予想した通り、石尾根北面の林道に出ました。この林道終点にはこんな檻のようなものがありました。13:42ころ。
左に都知事から発行された許可証が貼り出されています。ニホンジカ6頭をこの檻で捕獲するのだそうです。捕獲したら、体重等を計測し、機器を装着して後、再び放つのだとか。

この山道の存在は知っておいて損のないものだと思います。家入沢からはゆっくりと歩いて40分で林道に出たのですから。
この林道を進むと、石尾根からの登山道(林道部分ですが)と合流しました。後はいつも通りの登山道です。
途中、雨が強く降ったりもしましたが、氷川に近づくころには雨も止み、氷川の街に入る手前で着替えも済ませて、天益へ向かいました。
朝の登山者の多さがあったものですから、天益の席が空いているか心配でしたが、意外と空いています。どうやら、朝の登山者のほとんどが川乗橋で下車し、川苔山へ向かったんだそうです。登山者の多くが鳩ノ巣駅へ下山したのですね。

天益の座敷では消防署の方たちが宴会を催していました。カウンターの僕たちにまずはお通しを出してくれたのですが、ミョウガの酢の物でした。お通しとしてだけではなく、途中でも追加でたくさん食べさせていただきました。でも、何と! このミョウガ、山野井家の畑で出来たものだったのですね! 山屋としては茗荷冥利に尽きる光栄でした。僕は昔から妙子さんの大ファンですが、おそらく妙子さんが精魂込めて(大袈裟過ぎるかな)作ってくださったんでしょうね!


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