ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

天覧山平日岩トレ№10 ――― 経験したことのない寒さと岩の冷たい日でした

2023年06月30日 | 岩登りトレーニング

HTさんの下山報告にもあったように、この日の天覧山は「とってもとってもとっても寒かったです」。長年ここに通っている僕の記憶にもないほどの寒さでした。麓の池が凍ることは昔はよくありましたけれど、岩場がこの日ほど寒かったり、岩が冷たかった記憶はありません。この日程度に気温が低いことはよくあることです。しかし、滅多にないことがありました。日本海にある低気圧に吹き込む南風のせいで、天覧山は南風が強かったんです。それじゃあ、暖かい風が吹くはずなのではと思うのですが、さにあらず。強力なクリスマス寒波が関東にも入っていましたから、南風でも強烈に寒い! その南からの寒風のせいで、「とってもとってもとっても寒かった」んです。普通に北風が吹いてくれていれば、南向きの天覧山の岩場ですから、風も遮られてポカポカと暖かいんですけどね。そんな悪条件の中、HTさんは日没まで頑張りました。

 

2022年12月23日(金) 天覧山平日岩トレ№10

▲11:14。陽射しはあっても猛烈な寒さの中、HTさんはいつも通り最下部岩場のトラバース10往復をスタート。

 

▲11:39。最初は最下部岩場のトラバース10往復。結論から言うと、32分1秒94。1往復平均は3分12秒19。前回の記録よりも1往復あたり30秒以上遅くなっています。でも、これは仕方ありませんね。まずは岩が手が痺れるほど冷たいんです。しかも岩が凄く乾ききっていて、とても滑り易くなっているんです。いつも以上に丁寧にゆっくりと行なうしかありません。

 

▲12:12。中央の小ハング4級+。僕がリードして、HTさんがフォロウすることに。まずは僕のリードですが、岩の冷たさと乾燥の激しさを実感することになりました。核心部のハングでヌンチャクをセットするのに苦労したんです。冷たくて指の感覚が衰えて来ますし、滑りやすいので岩から手が離れそうなんです。それでも、4級+レベルなので何とか突破はしましたけれど、これまででいちばん不安なリードでした。写真はフォロウするHTさんの確保システムです。Y山さんから教えてもらった方法を早速使ってみました。

 

▲12:14。HTさんがフォロウしましたが、岩を長く持っていることが難しいので、核心部のヌンチャクは回収せずに残してしまいました。(僕が懸垂下降して回収)

 

小ハング右のフェースルート4級+もリードするつもりだったのですが、岩が冷た過ぎるので断念。鏡岩へ行きました。

 

▲13:09。鏡岩の方が風が弱く、したがって岩も最下部岩場ほど冷たくはありません。それでも冷たいですけどね。トップロープをセットして、HTさんが2回、僕が1回登りました。僕は久し振りに1回ザイルにぶらさがりました。岩が冷たいから、としておきましょう。HTさんは2テンくらいでしょうか。もう少しでテンションなしで(ぶら下がることなく)登れるようになると思います。

 

「足の指先も冷たい」と、HTさんが言うので、時間的には早いのですが、トラバース岩へ行くことに。

 

▲13:55。ここも風があって寒かったんですが、陽当たりはいいので岩自体はさほど冷たくはありません。風さえなければ、岩も温かいくらいなんですけどね。ふたりとも気分は日向ぼっこです。

 

最初に僕が1往復。岩は同じく乾燥していますから、滑りやすいですね。前回同様、4つの関門があります。

最初の関門がHTさんにとっては最難関ですね。両手大ガバの状態から、右手を幅2cm弱の斜めホールドに移すのです。両脚はそれなりの大きなスタンスなんですが、何となく滑ってしまいそうな感じがあって、安心できません。その状態から、最後に左手を下のホールドに移すのですが、HTさんにはそれが出来ません。「怖い!」と言います。トラバースの中では高さもある箇所なので、ここで落下するのは嫌ですし、危険です。僕がHTさんを支えることにしても、やっぱり落下してしまいます(支えていますから、実際には落ちませんが)。最後の頃に、「左手から先に下ろしてみたら」と僕が提案して、その方法で試してみました。左手を下ろすのは、まだ右手がガバを持っていますから、問題ありません。右手を斜めホールドに移すのですが、やっぱり「怖い」と言います。「支えてるから、やってみな」と言っても、「怖い」と言って元に戻ります。でも、勇気を振り絞ってトライしました。1度目は落下、2度目のことでした。僕が少しは下から支えましたが、落下するような感じではありません。さらに3度目、僕の掌にはまったく負荷がかかりませんでした。HTさんにはこのムーブが合っているようですね。でも、まだやっぱり怖さが残っているようです。

 

▲14:44。第2関門は前回も解決済みでした。今回さらにより簡単な方法を提案してみました。前の週に10往復した際に僕が工夫したやり方です。右足と左足を踏み替えることをしないで、左足を置くスタンスを見つけたんです。この方法もHTさんはすぐにマスター。写真はその第2関門のホールドです。ガバなので、まったく心配のないホールドです。

 

▲15:02。第3関門も確実な足さばきを僕は見つけていました。それを伝授します。以前よりはやり易くなったと思います。HTさんは何度も何度も何度も繰り返します。他人事ながらよくこれほど腕や指の筋肉が持つなぁ、と感心します。筋力はさほど使わずに、バランスだけで行なっているのか、それとも筋持久力がとっても優れているのかどちらかでしょうね。どちらかと言うよりも、両方なのかもしれませんね。最終的にはこのコーナーも確実に出来るようになりました。

 

第4関門はコーナーを回ってからアンダーホールドを掴むまでのパワー系ムーブです。ここはムーブ自体は問題ありません。パワーの持久力の問題です。だからと言って、力任せと言う訳ではありません。パワーをセーブするバランスだったり、足の運び方だったりします。こんなパワー系の箇所もHTさんは何回も繰り返しトライします。本当に持久力がありますね。最下部岩場10往復の賜物なら嬉しいです。最後のあたりでは何回か成功しました。

4つの関門、すべては解決しています(不安が残るのは第1関門のみ)から、遠くない時期に左から右への片道トラバースは完成するでしょう。

 

▲15:34。陽が傾いて来ると、トラバース岩にも樹の陰がかかります。

 

▲16:06。コンディションは良くなかった天覧山平日岩トレ№10でしたが、終わってみれば充実した1日でした。もうすぐ陽が沈みますが、HTさんはまだトラバース練習し続けています。

 

▲16:27。太陽はもう山の端に沈んだのでしょうね。富士山もシルエットになって見えています。

 

平日岩トレの反省会では飯能の居酒屋さんの新規開拓を行なっています。毎回異なる居酒屋さんに寄るのですが、まだこれぞと言う居酒屋さんは見つかっていません。チェーン店でない地元の居酒屋さんを回るつもりです。この日は『でん』という小さな焼き鳥メインの居酒屋さんだったのですが、お勧めできませんね。料理はまあまあなのですが、酒が良くない。銘柄を書いていません。僕は日本酒の燗を頼んだのですが、たったの2合なのに、帰宅してすぐから翌朝まで頭が痛かったです。どこの酒を飲んでいるのか分からないのは嫌ですね。それに、すべてに値段が書かれていません。料金は普通でしたけれど。カウンターだけで7席くらいだったかな、地元の常連さんばかりのようでした。


たったひとりの天覧山。ルベルソでの懸垂下降研究とトラバース岩10往復!

2023年06月29日 | 岩登りトレーニング

日曜日は一人でしたけれど、天覧山で岩トレして来ました。一人の時でないと出来ないことがありますからね。気楽に、時間もたっぷり使ってやってきました。そもそも、前夜のクロアチア対モロッコの3位決定戦を見てしまいましたし、一人だということもありましたから、家を出発したのは本来予定していたよりも1時間半遅くでした。

 

天覧山の最下部岩場に行くと、人だらけ。全員で15人もの人たちが訓練していました。登山靴での練習、一部の人はアイゼンも付けています。3段ハング5.11にトップロープを掛けて、トライしている3人もいました(こちらはもちろんクライミングシューズ)。と言う訳で、予定していた最下部岩場のトラバース10往復は出来ません。タイムトライアルをして、まだHTさんより速く出来るところを見せたかったのですけどね。(もう僕の方が遅いかも・・・・)

 

それで、もうひとつの課題に取りかかりました。それはルベルソでの懸垂下降。ルベルソ(ATCガイドも同じです)単体での懸垂下降は、8環などとは違って途中で両手を離して止めることが出来ません。8環は仮固定すると、すぐに両手が自由になりますよね。もちろん、その後すぐに本固定しておくのですが(8環を使っているYYD会員の中には、その仮固定を知らない人もいると思いますが、絶対に知っておくべき技術です)。ですから、ルベルソを使用した正式な懸垂下降では必ず安全装置を加えます。その安全装置がフリクションノットを使ったものなんです。主にマッシャー結びを使います。僕もルベルソを使用するようになって、何度も懸垂下降しているのですが、 ザイルがスムーズに流れないことがたびたびありました。ルベルソとマッシャーの位置がどのようならばスムーズにザイルが流れる懸垂下降が出来るのか確かめたかったのです。

 

2022年12月18日(日) 天覧山岩トレ

▲12:03。最下部岩場の左端に懸垂下降用のザイルをセットしました。まずはマッシャーなしにルベルソのセット位置だけを変えていきます。僕はPASを使わず、この写真のように直接ビレイループにルベルソをセットするのから始め、ひとつずつ長くしていきました。

 

▲12:08。僕はPASをセルフビレイコードとして使っていますが、それには7箇所のループがあって、長さ調節が出来ます。PASは伸びる素材ではないのですが、今は伸びる素材で衝撃を和らげる製品がありますから、そちらがお勧めですね。写真はPASの最初のループにルベルソをセットしています。

 

▲12:11。PASの2つ目のループにルベルソをセットしました。

 

▲12:15。PASの3つ目のループにセットしました。

 

▲12:19。ルベルソの位置が自分の手では届かなくなる手前まで試してみました。写真は4つ目のループですね。それで分かったことは、ルベルソの位置が遠ざかるほどザイルの流れは少しですが悪くなることでした。

 

▲12:23。続いて、ルベルソの向きを逆にして懸垂下降してみました。通常はハイフリクションモードで懸垂下降するのが当り前なんですが、レギュラーモードにすると流れが良くなります。当然ですが、すごく滑りは良くなりました。ルベルソの位置が遠くなっても、滑りがいいです。

 

▲12:44。今度は安全装置となるマッシャー結びを付け加えました。ルベルソはハイフリクションモードに戻します。PASを使わずにビレイループにセットする場合はマッシャーはルベルソより遠い位置になります。

 

▲12:55。ひとつ目のループにセットする時も、マッシャーはルベルソよりも遠くセットします。それはともかく、何かごちゃごちゃしてて嫌ですね。

 

▲12:59。2つ目のループにセットする時以降は、ルベルソの手前にマッシャーをセットします。

 

▲13:05。3つ目のループまで試してみました。写真では2つ目だけは懸垂下降途中で両手を離した状態での停止している写真を撮っています。

 

ここまで試してみて、もっともよいと感じたのは2つ目のループにセットした時でした。マッシャーをルベルソより遠くにセットすると、ルベルソとマッシャーが重なってすっきりしません。それに一方の手をマッシャーの結び目に常に添わせていないといけませんから、自由になっている手がなくなるのです。例えば、左手でルベルソ下方のザイルを持ち続けたとすると、その左手を離すことは出来ません。すると、右手はマッシャーの結び目に添わせ続けなければなりませんから、両手がふさがってしまいます。ゆっくりと懸垂下降しながら、ちょっとした簡単な作業を右手で行なうことは出来ません。右手を離すと、必ず停止するからです。

ですから、マッシャーはルベルソの下にセットして左手(例えば)で持つことで、両方の仕事を左手だけで行なわせる方が効果的です。右手は自由になり、ちょっとした仕事をすることが出来ます。2つ目のループセットで、流れも良かったですね。

ただ、気を付けなければならないことに気付きました。それは美しいセットにすることです。まずはルベルソをザイルが捩じれないようにセットします。マッシャーもザイルが捩じれないようにセットします。少しでも美しさが欠けると、流れも悪くなるようです。

まだ、素直な傾きの岩場で試しただけですから、様々な状況の中で不都合も起きるかもしれません。そのたびにより良く懸垂下降できる方法を追求していきたいと思います。

 

その後しばらくは3段ハングにトライしている3人と登攀しているのを見ながら話していました。3人(男性1人と女子2人)はこのルートのことを知らずに、見た目で「5.9くらいかな?」と思ってトップロープをセットしたんだそうです。「5.11ですよ」と僕が言うと、驚いていましたね。でも、男性は上手くて、3段目の下までは到達していました。

 

陽当たりが良くて暖かなトラバース岩に上がりました。2時前でした。遅い昼食を食べて、いよいよトラバース岩へのチャレンジ開始です。

 

▲14:09。トラバース岩の左半分です。

 

▲14:10。トラバース岩の右半分です。パワー系ムーブが続き、腕や指に負荷がかかります。

 

最初は何回往復するかなんて、目標は持ってなかったんです。前回は2往復したので、せめて3往復くらいはと考えていた程度です。ゆっくりゆっくり始めました。ムーブも確かめながら、より良いムーブを探しながら行ないました。片道ずつ両サイドでは休むことが出来ますから、時間をかけて休みました。片道やっただけで、ゼエゼエ、ハ~ハ~、息も上がるんです。休み休みだったせいもあるのでしょうが、5往復でき、6、7往復と進んでいきます。

思いの外、筋肉にダメージはありません。パンプはしていますが、それでも筋力は発揮できます。でも、8往復半あたりからだったでしょうか? 腕や指が危うくなり始めました。いつ落下しても可笑しくない。余り頑張り過ぎて、危ない箇所で不意に落下すると、崖下まで転落する可能性もありますから、無理はしないように自分に言い聞かせました。9往復、9往復半と進み、とうとう10往復できました。

実は僕は昨年も今年も10往復はしていませんでした(出来なかったのではなくて、しなかったんですが)。ですから、20年以上ぶり、ひょっとしたら30年ぶりくらいの10往復です。疲労感はさほどなく、達成感もそれほどではありませんでしたね。「あっ、まだ出来るんだな」程度の感想でした。

 

ただし、肉体が受けた10往復のダメージは相当あったみたいで、その夜から腰が重く痛くなりました。10月の阿弥陀南稜・中央稜とその翌週の沢泊り山行で、受けたダメージにより腰痛が再発しました(もともと、腰痛持ちなんです)。その腰痛が今月あたりから徐々に回復し始めていたのに、またの再発です。

トラバースはかなり体幹の筋肉を酷使しますから、腰回りの筋肉が悲鳴を上げたんでしょうね。でも、腰回りの筋肉を使って鍛えることで、コルセットのように腰を守るでしょうから、この腰痛は悪いことではありません。

 

これでこの日は終了。たった独りの寂しい岩トレでしたが、独りを逆手にとって充実した岩トレが出来ました。

 

▲15:57。獅子岩の上からは富士山が見えます。

 

天覧山からの帰りには気になっていたインドネパール料理店へ行きました。東飯能駅前にあるお店です。ディナーセット(チーズナン、サラダ、ライス少し、マトンマサラカレー)、モモ、インドワインをグラスで2杯いただきました。僕の評価はまあまあ普通かな? 一品料理を幾つか注文して食べてみないと分かりませんね。久し振りに大根のアッツァールとか食べたかったんですが、ありませんでした。

帰宅後は何と言ってもアルゼンチン対フランスですね。いいゲームでしたね! 結局、表彰式まで見てしまいましたから、眠りに就いたのは4時を過ぎていました。目覚めたのは正午ころ。(働いている方々、ご免なさい)


F沢さんが僕を日和田の岩トレに誘ってくれました

2023年06月28日 | 岩登りトレーニング

F沢さんが僕を日和田に誘ってくれた時から、これは僕のことを思って声を掛けてくれたんだなと感じました。何故なら、日和田にはクライミングにのめり込んでいるF沢さんが登りたく感じるようなルートはないからです。もちろん、僕自身はF沢さんがリードする高グレードルートの確保役をしてあげようと思っていました。でも、若干は僕へのサービス心も感じられましたから、僕もフォロウあるいはトップロープで頑張って登ろうと思いましたね。

 

実際、昼食前にF沢さんが選んだルートは彼女にとってはあり得ないほど易しいルートばかり。

 

2022年12月15日(木) 日和田岩トレ

▲10:12。1本目は男岩西面・広瀬ルート5.6。松の木ハングのすぐ左にある、新しいルートでボルトが短い間隔で打ってあります。F沢さんは超簡単にリード、僕もトップロープで楽勝。

 

▲10:44。2本目は男岩西面・松の木ハング5.9。F沢さんは楽勝でレッドポイント。僕は下部でテンション多数、でも上まで登れました。(もちろんトップロープ)

 

▲11:32。3本目は男岩西面左のクラックルート、上部はクラックに向かわずにその右のフェース直上(下部4級+、上部5級かな?)。松の木ハングに苦労した僕を見て、易しいルートを選んでくれたんだと思います。さすがにこれはトップロープですから僕も楽勝。

 

▲11:59。4本目は男岩西面・重箱ルート5.10d。いよいよ、F沢さんが登りたいレベルのルートに突入。ワンテンくらいだったかな? さほど問題なくリードしました。バランスで登るルートだとか。僕はテンション雨霰でしたが、上まで行けました。

 

僕がF沢さんに「ぶら下がりながらだけど、登れたから良かった」と言うと、「それは登れたとは言えませんよ」と厳しいお言葉、確かにそうですけど・・・・

 

ここで昼食。

僕はここで自分が登ることは止めることにしました。確保役に徹します。

女岩西面に行きました。

 

▲13:00。5本目は女岩西面・左ルート5.10b。オンサイトしたと思います。

 

▲13:31。6本目は女岩西面・右ルート5.10b。これもオンサイトしたような。

 

▲13:52。7本目は女岩西面・中央ルート5.10d。このルートにはしっかりしたピンが設置されていないので、トップロープでのトライ。ワンテンくらいだったかな?

 

▲14:16。8本目は男岩南面・出稼ぎルート5.10d。テンション2、3回でリードしました。ボルトの位置が悪くて、足がザイルにかかったり、ザイルが岩を擦るので流れが悪かったり、嫌なルートのようですね。

 

これで終了。

これほどの高難度ルートを登るクライマーの確保をする経験は僕にはありませんでしたから、僕にとっても良い勉強になりました。確保者の技量もリードする人のパフォーマンスに影響を及ぼすので、優れた確保をしなければならないからです。僕が登れるくらいの易しいルートでは確保者の技量はさほど影響しませんからね。時々僕に指示してくれるF沢さんの言葉がとっても勉強になりました。

この日見た限りでは、F沢さんには5.10a~bくらいのオンサイト能力があるようです。凄いことです。5.12クライマーに突入していますから、5.10台は当然なのでしょうね。当面目指すのは5.12ルートのレッドポイントコレクションでしょうけれど、その先には5.135.14もあるんでしょうね。そこまで行くと、まさに異次元・異世界です!


日和田岩トレ ――― 一日中、ザイルワーク講習とリード&フォロウ&懸垂下降し続けました

2023年06月27日 | 岩登りトレーニング

4日11日2回にわたるロープワーク&岩トレが終了しました。このような講習を実施してくださったY山さんには感謝しかありません。僕も少しは最新のクライミング用具使用法のレベルに接近できたかと思います。今後、習った技術を使うことで自分自身の身に付いたものにしていきたいと思っています。僕自身は前の週の復習の時間だけに参加しました。後半の講習も盛り上がっていたようですね。

 

2022年12月11日(日) 日和田岩トレ

▲9:13。A宮さんとN坂さん(左の二人)は予定通り最初からリード&フォロウで前の週に習ったフォロワーの確保等を練習していました。右のメンバーたちはY山さんにロープワークの講習を受けています。(撮影:K野)

 

▲9:20。左に講師役のY山さん。右は奥から僕(ちょうどカメラで撮っているところですね)、哲さん、Sa藤さん、H田さん、W科さん、M澤さん。(撮影:K野)

 

▲9:20。N坂さんのリードをK野さんが見てあげています。K野さんは前日に接種した新型コロナウイルスワクチンの副反応で腕に力が入らないのだそうです。熱やら倦怠感とかはないそうなんですが。

 

▲9:22。Y山さんがATCガイドを使って、フォロワーの確保法を教えてくれています。

 

▲9:49。W科さん(左)とM澤さん(右)が組んで、習ったばかりの確保練習をしています。

 

▲10:00。フォロワー確保の練習ですね。ルベルソですね。誰でしょう? Sa藤さんかな?

 

▲10:28。最初にN坂さんリード、A宮さんフォロウ、懸垂下降(多分)しました。続いて、A宮さんのリードです。

 

僕も講習を離れて、ロープを組む相手がいなかったSa藤さんとロープを組んで練習することにしました。Sa藤さんがリードするたびに、Y山さんはそこへ行ってSa藤さんに指導してくれます。Y山さんは熱心で、面倒見がいいですね。

 

Sa藤さんと僕のパーティーは易しいルート(3~4級-)3本くらいでリード&フォロウの練習をしました。懸垂下降も安全装置のフリクションノットをセットした上で行ないましたが、まだ僕は慣れませんね。ルベルソだけなら流れがいいのに、正式な方法(フリクションノットで安全装置をセットしておく)でやると、なかなか流れないんです。何度も実践して、コツを掴まないと駄目ですね。他にも1度だけでしたが、フォロワーが少しクライムダウンする時や下ろさなければならない時の対応方法も行なってみました。これは失敗すると大怪我に繋がったりしかねませんから、今後も安全な状況で繰り返し練習してみたいと思います。

 

▲10:51。男岩南面右隣りの易しい3級の岩で僕がリードしました。終了点には太い木が3本並んでいます。まずはその右の2本でセルフビレイを取っていますね。

 

▲10:51。左端の木からはフォロワー確保のルベルソをセットしました。従来のATCとの違いはフォロワーが落下した際に上にいる確保者が何もしなくてもフォロワーが停止できること。確保者に何かアクシデントが襲っても、フォロワーの安全がより守られているということですね。

 

▲11:13。H田さんがフォロウしていますね。N坂=A宮パーティーと同じルートですね。

 

▲11:16。H田さんが登って来ましたね。上で確保していたのは哲さんでした。H田=哲さんパーティーなんですね。(撮影:K野)

 

▲11:30。と言うことは、この写真の人物はM澤さんですね。M澤=W科パーティーなんですね。

 

▲12:11。W科さんが懸垂下降しています。

 

▲12:12。Y山さんがSa藤さんの指導をしてくれたみたいですね。

 

▲12:24。Sa藤さんもN坂=A宮、哲さん=H田、M澤=W科のパーティーがリードしたルートを登ります。Sa藤さんは登攀力には問題ありません。

 

▲12:59。お昼過ぎだったでしょうか、K野さんとN坂さんとA宮さんは男岩西面右端のリッジルート5.7(5or5級+)にトライしていました。K野さんがリードしてトップロープを張ったんでしょうね。K野さんの体調も戻って来たようです。写真ではY山さんが登っていますね。(撮影:K野)

 

▲13:18。N坂さんもリッジルートにチャレンジ。

 

その後、西面中央のステミングフェース5.7にトライしたようですね。ここもK野さんがリードしたのかな? このあたりはピンが多く打ってあって、安全にリード出来ます。トップロープならば、5.7レベルまではノーテンションで登れるようにはなって欲しいですね。

 

▲13:39。Sa藤さんが男岩南面の左端の3級ルートをリードしました。

 

▲14:30。これは誰でしょう? N坂さんかな? Sa藤さんと同じルートをリードしたようですね。

 

▲14:58。Sa藤さんと僕も男岩西面の右端、松の木ハングとリッジルートの間の少し前傾したフェースにザイルを張りました。松の木ハングに近いルートはボルトが打ってあって4級(5.4)くらいです。僕がまずリードしました。リッジルートの左隣りにもボルトが打ってあります。5級-(5.6)くらいだと思います。4級と5級-の中間のルートも登りましたが、4級+くらいでしょうか? ここにはボルトがなくて、リードは出来ません。(隣りルートのボルトを利用できるかな?)

 

このトップロープを使用して、さらに右のリッジルート5.7も登りました。ザイルを岩に回せるので、落ちても振られることはありません。Sa藤さんがトップロープでいろいろ試しながら登っています。このルートは縦ホールドを最初は使うのでレイバック気味に登って行きます。Sa藤さんはスタンスに苦労していました。とりわけ右足が滑ってしまうみたいでした。Sa藤さんのトライを見ていましたから、だいたいの登り方は僕には分かって来ていました。それで、僕もトップロープで登ってみました。なんとかノーテンションで登れました。まあ、昔はリードもしたことがありますから。でも、トップロープとは言え、登れて嬉しかったですね。その後、W科さんもトライ、登れてしまいました! 凄いですね。

 

YYDは沢登りの会です。沢登りには岩登りのレベルアップが重要だと言うことが浸透してきていて、良い傾向だなと思っています。この日の講習に10名もの参加者があったことがその証拠だと思います。Y山さんが地道に継続して来た努力に対して感謝したいと思います。

 

▲17:27。反省会は楽しく盛り上がります。左からA宮さん、M澤さん、K野さん。

 

▲17:28。左からW科さん、N坂さん、Y山さん、Sa藤さん(かな?)。H田さん、哲さんは撮影漏れしてしまいました。(左端はH田さんかも)


天覧山平日岩トレ№9 ――― HTさんの最下部岩場トラバース10往復、ついに30分を大幅に切りました!

2023年06月24日 | 岩登りトレーニング

この日の飯能市は一日中晴天で暖かなとても素晴らしいクライミング日和でした。天覧山からは富士山も見えていました。

 

2022年12月7日(水) 天覧山平日岩トレ№9

▲10:46。HTさんにとっての最下部岩場トラバース10往復はウォーミングアップとしてのルーティンになっています。

 

▲11:04。左端のちょっと難度の高い箇所も問題なく、スムーズです。

 

▲11:09。HTさんは着実に伸びています。トラバース10往復のタイムは26分34秒68でした。ただ、これは僕がストップウォッチを止めるのに手間取ってしまいましたから、実際は10~20秒ほど早いです。ですから、1往復平均2分38秒くらいでしょうね。ついにと言うか、簡単に大幅に3分を切ってしまいました! 凄い!!

 

▲11:49。続いて、小ハングルート4級+をトップロープで3回登ってもらいました。

 

その後、僕がリードし、ヌンチャクをセットしました。一番上のプロテクションはハーケンにセットしますから、さらに上のリングボルトにも連結して、補強しておきます。

 

▲12:17。続いて、トップロープ状態のまま、HTさんのハーネスから後方へ垂らしたザイルにヌンチャクを掛けていく、リードの真似ごとをしてもらいました。

 

本来ならば、リードしているザイルに確保者がいて、トップロープの方はただ単に念のためのような感じでバックアップしていればいいのですけれどね。平日で二人だけですから、仕方ありません。

 

▲12:25。続いて、ヌンチャクのプリセット状態のままでHTさんがリードします。

 

▲12:26。核心部のヌンチャクにザイルを掛け終わると、僕もひと安心。

 

▲12:27。右足も真上に上げて、その後、腰の前のスタンスに立ち込めばほぼ終了です。まったく不安なくレッドポイント!

 

▲12:35。再度同じことを繰り返してもらいました。

 

▲12:36。こちろん問題なくクリア!

 

HTさん、人生初のリードだったのかな? もちろん、数多くトップロープでトライした末ですから、ほんの初歩的な一歩に過ぎませんけれどね。それでも大きな一歩です。

最初のころは、トップロープでビンビンに張ってもなかなか登れませんでした。それをレッドポイントするようになるのですから、素晴らしいですね。そういう成長に立ち会えるのも嬉しいことです。

 

昼食後は鏡岩へ。小ハングルートの時もそうでしたが、鏡岩の際もHTさんは必ず僕がトップロープをどのようにセットするのかを見に来ます。近々、HTさんにもトップロープのセットを任せることもあると思います。HTさんが残置ハーケンをひとつ見つけてくれましたから、岩角の代わりにそれを使います。他には木の根っこと、獅子岩基部のハーケン、3ヶ所を使用します。

 

▲13:39。HTさんはまだノーテンション(ザイルにぶら下がらずに)で登ることは出来ていませんが、少ない回数のテンションで登り切ることが出来ています。鏡岩の完登も近いことでしょう。僕も2回登りました。2回ともノーテンで登れたので嬉しいです。

 

最後に、トラバース岩へ行きました。まずは僕が2往復トラバース行ないました。10往復できる持久力は現状ではないと感じていますけれど、僕も頑張ろうかなと思います。

HTさんは前の週に課題となった4つの関門がやっぱりまだ未解決。それぞれの課題をひとつひとつチェックしていきました。第1関門は、やっぱりまだ左手を離して下のホールドを掴めません。ここは体全体のバランス、とりわけ右足の安定度が弱いのかなと思います。第2関門は右足を置いた場所を左足に置き替えるのが課題でした。これは色々と工夫して、解決。第3関門はコーナーでの移動です。右足左足のスタンス移動をスムーズに行なうことが鍵ですね。ここの課題は手数が多いですから、まだ完全解決とは言えませんが、解決の糸口は掴めましたね。

 

▲15:53。第4関門は最後の前傾壁での移動からのアンダーホールドを掴むまでです。腕力に頼ることなく、腕にかかる力をセーブしつつ、足でもしっかりと支えることが必要です。ここも最終的にはやり方自体は解決していますが、今一歩力不足ですかね。次回には行けると思います。

 

▲15:59。第4関門の最も辛いあたりですね。右手を下ろして、左足を右足より先に出し、左手も右手の先に出してアンダーホールドを掴むのです。前傾壁でのムーブが連続しますから、腕や指の持久力が試されます。

 

HTさんにとっては第1関門が最大の課題のようですね。第2は解決済み、第3~第4は筋力と持久力とバランスとムーブなどトータルの能力が絡んで来ます。それも、すぐに解決できると僕には感じられました。

 

この日はHTさんが早く帰らなければならない用事がありましたから、いつもより小1時間早く終了。大切な反省会はいつも同様に時間を確保しました。