ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

雪山ハイクのつもりでしたが、ほとんど雪が消えていた飯盛山。でも、南八ヶ岳の絶景が! 2/2

2015年04月08日 | 雪山/八ヶ岳およびその周辺

2015/03/26  今日は青春18きっぷを使っての日帰り山行なので、飯盛山山頂には遅くても14時までに到着しなければと、考えていました。でも、30分以上早く着いたので、余裕の下山です。


▲後方に飯盛山が見えています。山頂部のキャップと登山道の筋が筵(むしろ)で覆われた部分です。それを過ぎると、登山道は雪解け後の泥道。良くないこととは知りながら、登山道脇の草の上を歩いてしまいます。御免なさい。13:39ころ。


▲最後まで雪はないものと諦めていましたが、登山道がちょっと北面へと回り込むと、こんな具合に雪が残っています。13:46ころ。


▲でも、また南面になると、この調子。13:59ころ。


▲矢印のコルが、登る途中で甲斐犬を連れたおじさんに出会ったところ。望遠でそのコルを見ると東屋とかも見えています。そのコルに手前右下の谷から上がってきたのです。14:00ころ。


▲これまでもそうだったのですが、放牧の牛用の柵が場所によってみられます。人が通るための通路には人には通れて牛には無理な工夫が。14:04ころ。


▲野辺山宇宙電波観測所が見えて来ました。一番大きなのが口径45mのミリ波電波望遠鏡。星間物質や原始星周囲のガス、ブラックホール存在の証拠など世界的に重要な成果を上げているのだそうです。その左手前にちょっと小さなのが幾つか見えていますが、これは野辺山ミリ波干渉計で、ひとつひとつは口径10mなのですが6台を結合させて口径600mに相当する解像度を持つ電波望遠鏡になるのだそうです。他にも電波ヘリオグラフがあるようなのですが、よく分かりません。
また、遠くには薄ぼんやりと浅間山が見えていますね。14:10ころ。


▲再び北面の登山道です。尾根はすぐ近くなのに、太陽の熱というのは凄いですね。右の尾根の反対側には雪は少しもないのです。14:15ころ。


▲雪が固まって滑りやすい箇所もあるので、S子はストックを出しました。14:27ころ。


▲八ヶ岳を目指して下山していきます。14:31ころ。


▲獅子岩の駐車場にでました。平沢峠です。ここから野辺山駅までまだまだ歩きは残っていますが、とりあえず下山完了ですね。14:44ころ。


▲駐車場のそばには獅子岩があります。それほど大きな岩ではありません。14:46ころ。


▲獅子岩からも野辺山宇宙電波観測所が近くに見えています。山からは確認し辛かった電波ヘリオグラフも見えるのですが、分かりますか? 小さなのがT字型に84台も並び、毎日太陽を観測しているのだそうです。15:05ころ。


▲再び赤岳を望遠で撮影してみました。左のスカイラインが天狗尾根。その右隣りの光が当たった尾根は真教寺尾根、その右の赤岳に右下から突き上げている尾根が県界尾根です。15:09ころ。


▲左には小さなピークが幾つも連なる横岳、写真右端には白くなだらかな硫黄岳2760mが見えます。写真中央少し左側に白く輝いたシャープな尾根が見えていますが、これは杣添尾根。この尾根には冬に2回登ったことがあるのですが、2回とも日数不足などで、白く輝いたシャープな尾根の端に着いたところで、引き返したのでした。いつか、行かなければ! 3日間は用意しておきたいですね。登山者が入らないので、ラッセルが時間がかかるのです。15:10ころ。


▲獅子岩で最後の休憩をとることにしました。岩をバックに風が来ず、日当たりのいい、ポカポカ陽気の場所に陣取りました。15:13ころ。


▲この場所を示す標識を写しました。ここは標高1450mもあるのですね。今日の登山口からは標高差400mほどで飯盛山だったのですが、下りは標高差200mしかなかったのですね。15:27ころ。


▲道路を野辺山駅へ向かっていると、猫たちが群がっていました。飼い猫のような雰囲気です。お腹をなぜたり、しばし癒されました。15:46ころ。


▲山の上からでもすぐ近くに見えていたミリ波電波望遠鏡。なかなか近づきませんでした。口径が45mもあるのですから。16:03ころ。


▲この一直線の道路が駅までひたすら続きます。16:04ころ。


▲野辺山駅到着! 雪ダルマもありますね。16:20ころ。


▲御存知の方は多いことでしょうが、この野辺山駅はJRとしては最高地点の駅なのです! まだ「国鉄」となっているのには何か意味があるのでしょうか? その標高は1345.67m。清里駅との間には線路としての最高地点1375mもありますよ。16:34ころ。


▲野辺山駅のホームに僕たちが乗る列車が入線しました。2両編成のワンマンですね。16:54ころ。

 
▲小淵沢駅で小海線から中央線に乗り換えました。確か、日野春駅だったかと思いますが、少し長めの停車をしていましたから、写真を撮りました。左の高峰が甲斐駒ヶ岳。そこから右に連なる尾根が鋸尾根です。北アルプスの北鎌尾根とも並び称される困難な尾根です。どちらが難しいかなど、比較はできませんが充実する尾根には違いありません。ずいぶん昔、S子が怪我をする前のことですが、二人で縦走しました。一場面一場面今でも明瞭に記憶している思い出に残る縦走であったことには間違いありません。17:47ころ。


▲左に観音岳、右に地蔵岳。地蔵岳山頂にはオベリスクがとんがって見えています。17:47ころ。

夜陰に浮かぶ富士山も撮影したかったのですが、すでに暗すぎて無理でした。
飯盛山は今年は雪が少なかったのでしょうか? もう少し早い時期に来なければ駄目だったみたいです。またいつか、雪の多い時季に登ってみたいものですね。
今回、先日購入したキャラバンの軽登山靴グランドキングを初めて実践使用してみました。最初は硬く皮膚に当たる部分もあったのですが、そういう箇所も次第に柔らかくなり、最終的には問題なく履けるようになりました。


雪山ハイクのつもりでしたが、ほとんど雪が消えていた飯盛山。でも、南八ヶ岳の絶景が! 1/2

2015年04月04日 | 雪山/八ヶ岳およびその周辺

2015/03/26  本当は3月の上旬には行きたかった雪山足慣らし山行。結局、インフルエンザ等の影響で、その実行はこの日まで延びてしまいました。

青春18きっぷを使っての日帰り雪山山行は、行ける範囲に限界があります。S子と一緒ですから、あまり無理な計画も立てられません。そんな条件下で、昨年あたりから心の中で温めて来ていたのが今回の飯盛山です。


▲小淵沢の駅で小海線に乗り換えます。ホームの南側には南アルプス最北部の山々が広がっています。この山は甲斐駒ヶ岳2967m。甲斐駒ヶ岳の手前の低い尾根上に白い部分がありますが、日向山1659.6mだと思います。9:44ころ。


▲甲斐駒ヶ岳の左に見えるのがこの鳳凰三山。中央の黒っぽく見えるのが地蔵ヶ岳2764m、その左に観音岳2840.4m、薬師岳2780m。この三山で鳳凰三山と呼ばれています。写真の右端の山は高嶺2778.8mです。9:44ころ。


▲小海線の清里駅で降ります。駅前が綺麗になっているようですね。10:43ころ。


▲駅からは登山口を目指して東へ向かいますが、道がくねくねしています。清里ユースホステルはすぐに見つかったのですが、その位置が昭文社のMAPでは間違えて載っていたので、しばらく彷徨ってしまいました。それ以降は順調でしたが、雪がまったく見えずにその点は心配が募ってきています。11:22ころ。


▲登山口に到着しました。八ヶ岳の眺めが抜群ですね。右の家の住人なんか、贅沢の極みです。左のふたつが三ッ頭2580m、権現岳2715m。右のふたつは赤岳2899.2m、横岳2829mです。11:30ころ。


▲登山道も歩き始めは林道のような道です。11:31ころ。


▲待望の雪が出現! でも、ここでこの程度ですから期待は出来ませんけれどね。11:46ころ。


▲とは言え、少しでも雪があると嬉しくなってきますね。12:03ころ。


▲峠にもうすぐ到着です。1460mほどの場所です。峠に小さく人影が見えますけれど、年配の方で黒い日本犬を連れて下山する途中でした。僕は犬の目を見ると、その犬が噛みそうか懐(なつ)きそうか大体分かるのですが、その犬の目には僕の介入を許すような表情はありません。少し出しかけた指をすぐに引っ込めました。年配のおじさんが語ってくれます。「この犬は甲斐犬なんですよ。甲斐犬はね、主人一人にしか懐かない」。いいなぁ、羨ましいですね。僕も犬を飼うのならこんな日本犬がいい。12:20ころ。


▲後ろに見えている峠には東屋もありました。何か工事中のようですね。12:24ころ。


▲今朝、電車の中からはまだシャープに見えていた富士山も今日の暖かさで霞んできています。12:28ころ。


▲最後の雪解けが最近になって急速に進んだのでしょう。山道が泥道になっています。右端に見えている山が目指す飯盛山。12:32ころ。

泥から離れた左の枯草の上で、昼食にしました。


▲振り向くと八ヶ岳が素晴らしく輝いています。赤岳を望遠で写してみました。赤岳に右下から突き上げている尾根が県界尾根、その左隣りの尾根は真教寺尾根、さらに左のスカイラインは天狗尾根ですね。天狗尾根の大天狗の岩峰が見えています。僕はこの天狗尾根に晩秋(S子も同行)と初冬と厳冬期に3回登ったことがあります。アルパインの岩稜としては入門コースだと思います。12:55ころ。


▲南アルプスは富士山同様、霞んでいます。でも、先ほどよりは高度があがりましたから、北岳3193mはたくさん顔をのぞかせています。バットレスの黒い岩壁も見えています。北岳の左に見えているのはひょっとして間ノ岳3189.3mなんでしょうか? 12:57ころ。


▲再び歩き始めます。まだ登山道は泥道。それにしても立派な登山道ですね。たくさんの登山者が無雪期、とりわけ花の時季には登って来るのでしょう。13:00ころ。


▲素晴らしい風景を背に負っての山歩き。13:08ころ。


▲登山者の多い、人気の山の宿命なんでしょうか。植生が痛めつけられる前に保護することは出来なかったのでしょうかね? 13:20ころ。


▲飯盛山1643m山頂です。ここまでひどく植生が荒らされていた山だとは知りませんでした。痛々しいですね。13:24ころ。


▲せっかくですから、記念撮影。13:25ころ。

ところで、飯盛山(めしもりやま)山頂は本当にここで、標高も1643mで正しいのでしょうか? 2万5千地形図ではこのすぐ近くに1643mの標高点があり、写真のこのピークの標高は記されていません。1640m台であることは確かなのですが、隣りの標高点1643mピークよりも高い気がします。1640m台後半のように思えます。山の形状からしてこのピークが飯盛山には違いないとは思うのですが、昭文社のMAPでは1643m標高点の方を飯盛山としています。地形図ではこのピークを飯盛山としていますから、この点では昭文社の間違いでしょう。
ただし、この昭文社の『山と高原地図32 八ヶ岳 蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰』は2008年版です。最新版はどうなっているのでしょうか? ちなみに我が家の同じMAPの1993年版を確認してみると、上の写真のピークを飯盛山としており、標高は表示してありません。
地形図も持っていたのですが、昭文社のMAPを見て山頂付近を歩くと、地図の表示と実際の地形とが合致しなくてけっこう混乱しました。今ここで書いていることは、帰宅してから、両方の地図を見直し、山頂から撮った写真を見比べて判断して得た結論です。
さらに東へ、横尾山へ縦走するとしたら、昭文社のMAP頼りではガスってなどいた場合ルートミスする可能性がありますね。

【その後分かったことを4月10日に追記しました】
近所の本屋さんで昭文社のMAPを確認してみました。2014年版でした。1643m標高点を飯盛山と表記してありました。
9日に群馬県高崎市の本屋さんで同様の確認をしました。2015年版です。写真の標識があるピークが飯盛山になっています。前年の表記から書き直したようですね。
1643m標高点が飯盛山と表記されていたのには多分それなりの理由があったのではと思っています。でも、そういう理由とは別に、正しい表記を確保して欲しいものです。


▲東の山並みです。1643m標高点から右へ左へ、そしてもう一度右へと尾根がジグザグに延びています。写真中央の遠くに見えている黒いピークは小川山2418.3mでしょう。その右の白いピークは金峰山2595.0m。その先も僕の住んでいる付近まで山の尾根はずう~っと続いているのです。13:26ころ。


▲このなだらかなピークが1643m標高点。今いるピーク(飯盛山)の方が高いと感じませんか? この標高点の左側遠くには浅間山も見えているのですが、分かりますか? 13:26ころ。


▲北西方向には八ヶ岳が横たわっています。右手前の山は平沢山1653.2mでここより10mほど標高が高いのですが、そうは見えないのが不思議です。これからは八ヶ岳の横岳の方向目指して尾根を下っていくのです。13:26ころ。

山頂でゆっくりするつもりだったのですが、むしろでぐるぐる巻きにされた傷だらけの山頂は悲惨ですし、360°さえぎるもののないピークは風当たりも強く、ここで休憩することは諦めました。
雪がほとんどなかったことは実に残念ですが、それ以上にパノラマ光景が最高に素晴らしい山頂でしたから、大満足!