ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

まったく岩登り初めてのS村君のトレーニング

2013年05月16日 | 岩登りトレーニング

2013/5/12  O橋君もいろいろと多忙だったようで、久し振りの岩トレです。去年の10月に越沢バットレスで岩トレするまではコンスタントに山行を続けていましたが、出張でしばらく中断。今年1月に日和田で久し振りの岩トレをしましたが、多忙は続き、5月になっての再開になってしまいました。今日も夜7時から銀座で所用を抱えているので、早めに帰宅しなければならないのです。
僕とは今日初顔合わせのS村君は大学4年生。地質学専攻なのですが、自分の研究フィールドを安全に歩くためにクライミング技術を習得したいという熱心な学生。
ですから、今日はS村君中心で2人は動きます。O橋君がリーダーで、僕はアシスタントといった感じでしょうか?

日和田への山道を急ぐと、最初の小さな岩場にも、7、8人のクライマーがいます。どうやらプロガイドか山岳会の講習会のようです。本当はS村君もこの小さな岩場で基本的な登り方や懸垂下降等を練習できればよかったのですが、小さくて狭い岩場ですから、我々の割り込む余地はありません。
普段は人のいないこの小さな岩場にもこんなに人が溢れているのですから、本来の日和田の岩場も人が多いだろうなぁと予想できます。実際、到着して見ると、実に多い! まあ、もっと多い状況も体験していますから、さほど驚きはしませんが、S村君へのレッスンを考えると、ちょっと心配です。

易しいルートはどこもトップロープでザイルがかかっています。唯一男岩南面の右端の易しいスラブが空いていました。ここで、まずはS村君に体験してもらいましょう。
写真はありません。O橋君がリードし、S村君が中間でフォロウ、僕がラストですが、最初ですから一瞬たりとも目を離すことは出来ません。写真撮影のことは忘れてしまっていました。

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▲2本目は男岩西面の左端を中間テラスまで登ってもらいました。「易しいコースを選んで行ってね」と、僕もO橋君も言いはしますが、そんなことS村君に分かるはずありませんよね。ちょっと難しい(と言ってもⅣ級-くらいなんでしょうが)エリアに突っ込んで行ってしまいます。「もう少し右の方が易しいよ」とアドバイスしても、少し右に移動すること自体がS村君には難しいわけです。
写真のS村君も今の位置からそのまま真上に登ろうとしましたが、右に1mくらいトラバースしてから、右隣りに下がっているザイルとほぼ同じラインを登った方が易しかったのです。11:31ころ。
ここではクライムダウンにもトライしてもらいました。彼には大変な課題だったろうと思います。でも、熱心にチャレンジしていましたね。ザイルにぶら下がったりしてしまうと、すごく悔しがっていました。

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▲同じルートの登降を再度チャレンジしてもらいました。ほぼ写真の矢印のようなコース取りです。11:51ころ。

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▲3本目のルートは男岩南面の左の易しいⅢ級ルート。矢印のように登ります。岩登り初めてのS村君には充実する長いルートだと思います。12:42ころ。

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▲3本目のルートの抜け口付近。岩場の上で確保しているのはO橋君。12:50ころ。
いまS村君は左足を大きく左へ伸ばしていますが、この箇所は岩登り初心者にとっては結構怖い箇所だと思います。岩場は外側にずいぶん傾いていて、靴とのフリクションだけで立たなければなりません。慣れてくると、余裕で立てることが分かって来るのですが、最初は滑り落ちそうで怖いんですよね。だから、S村君は腕で必死に岩にしがみついていると思います。

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▲最後のルートは同じ男岩南面の中央クラックに抜けるルート。下部は3本目とさほど違わないルートからこの写真の位置まで来ました。上で確保しているO橋君が指で差してホールドの説明をしているようですね。このルートの核心部がこの凹部の突破です。Ⅲ級+ともⅣ級-とも言われています。13:44ころ。
ところがなんと! S村君、あっさりとここを越えてしまいました。右側のホールドやスタンスは使わずに、左側だけを使って越えて行ってしまいました。僕個人的には、もう少し苦労して欲しかったなぁ、と奇妙な感想を抱きましたね。

3本目のルートも4本目のルートも本当は懸垂下降をして下に降りればいい練習になるのですけれど、S村君に懸垂下降を教える時間が今日は取れませんでした。ザイルで確保した状態で 山道まで移動して、歩いて岩場下に降りました。
今日は残念ですが、ここでタイムアップ。岩場を後にしました。

登山もしていなくて、いきなりの外岩でのクライミング。S村君は怖がり過ぎもせず、岩にしがみつき過ぎるようなこともなく、まったく初めてとは思えないバランスで登っていました。若いですし、すぐに上達すると思います。その秘訣は、ただ続けること。それだけですね。


尾瀬のマイナーコースを歩いて来ました――3日目

2013年05月15日 | 雪山/尾瀬

2013/5/5  今日は下山の日、前日、前々日以上に気楽な朝。

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▲テントの中から日の出が眺められます。テントの前には大清水平の純白の広がり。風もなく暖かく、雪山なのにほっとする朝です。5:15ころ。

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▲朝日が昇って来ました。見えている足跡はみんな僕の足跡です。5:17ころ。

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▲雪原の雪の結晶に朝日が当たってキラキラと輝いています。よ~く見ると、七色に輝いているのです。5:18ころ。

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▲朝使う水を汲みに来ました。水場を手前にして僕たちのテントを写しました。5:57ころ。

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▲水汲みついでにS子も大清水平を散策。S子は登山靴ではなくてテントシューズ(象足)のまま。6:03ころ。
写真を見て初めて気付きましたが、影の幅がまるで違いますね?

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▲湿原の北側のダケカンバ(?)林。6:04ころ。

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▲この凹部ももっと融けていたら水場になっていたでしょう。でも、柔らかくて優しげなカーブです。6:06ころ。

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▲時間もたっぷりありますし、風もあまり吹いていませんから、テントを乾かしました。湿っているだけでも、ずいぶんと重くなりますから。7:57ころ。
朝食は簡単に済ませました。残り物の豚汁とフリーズドライのお粥です。今日はあまり歩かないので、お粥のカロリーはお握り半分と同じくらいです。二日間持って歩くので、軽量化を優先させてもらいました。でも、味は良かったですね。

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▲テントを乾かし始めてから約1時間後に出発と言うのも、不思議なパーティーですね。徹底的にのんびりパーティーです。
歩き初め、大清水平の反対側(東側)からの風景です。こちらからは燧ケ岳がよく見えるのですね。8:56ころ。
まだ僕たちが天場にいるころ、6人前後のパーティーが反対側から清水平を横切って行きました。これから皿伏山~白尾山~アヤメ平~鳩待峠を歩くツアーなのだそうです。空身だと1日で踏破可能なコースですね。でも、今回のようにのんびり歩くのもいいものです。

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▲大清水平から尾瀬沼までのコースタイムは無雪期で15分です。僕たちは倍の30分ほどかかりました。気温が高く、雪も腐れ始めて、歩きにくかったせいもあります。でも、尾瀬沼まですぐ近くとは言え、どこを歩いても同じような地形で、ルートが分かりにくかったのが大きな理由でしょう。途中、コンパスを出して、尾瀬沼への方角だけは間違えないようにと歩きました。
写真は、前方に尾瀬沼が見え始めた時です。9:20ころ。

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▲尾瀬沼湖畔に佇むふたり。S子とK嶋さん。今年は沼の中央部分もまだ氷が融けていません。9:30ころ。

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▲それでも岸に近い部分では少し融けかかっているところも。9:35ころ。

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▲登山者が休憩しているあたりが三平峠。10:16ころ。

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▲写真中央に見える山はおそらく白尾山だと思います。その左の笠のような山が荷鞍山でしょう。昨日、白尾山の右の稜線を歩いていたのですね。10:32ころ。

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▲途中の水場に降りて来ました。写真の左外に水場はあるのですが、冷たくて美味しい水でした。10:54ころ。
ここまでの登山道は雪の消え具合が中途半端でなかなかに嫌らしい下りでした。バランスを崩して少しでも滑落すると大変な事態になりそうでした。

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▲この三平橋で登山道は終了です。ここからは林道を歩きます。安心ですが、つまらなくて意外と肉体にこたえるのが林道歩き。11:24ころ。

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▲もくもくと林道を歩く二人。11:54ころ。

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▲やっと大清水に到着しました。12:35ころ。

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▲大清水でバスに乗り、戸倉で降りてお風呂に入りました。2009年4月にオープンした「尾瀬ぷらり館」です。料金は500円。無色透明のアルカリ泉でちょっとヌルヌルしていますから「美人の湯」系でしょうね。加温することはあるかもしれないと記されていましたが、加水や循環はしていないそうです。13:19ころ。
鎌田の温泉にも入ったことがあるのですが、周辺の食堂がいまいちでした。沼田駅周辺は食堂はあるのですが、温泉が遠い。それで結局、戸倉で早めに汗を流す方がいいということに落ち着いたのです。
もうひとつ先のバス停で下車しても、「かもしか村」という名のところがあって、一ヶ所で温泉にも入れ、食事も出来ます。

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▲温泉で汗を流したら、食事です! 一昨年この「健太」さんに初めて入ったのですが、気に入りました。その時はバスの切符売り場の人から「気が向かないと店を開ける人じゃぁないよ」と聞かされていました。今年も「つい先日までは店を開けるつもりじゃぁなかった」そうですから、開いていたのはラッキー! 旦那さんの母親の介護で大変な最中なんだそうです。
あれやこれやで、出せる料理は書かれてあるメニューのごく一部。蕎麦は出来るけれど、ご飯ものは無理。それでも、山野から摘んで来たばかりの山菜てんぷら盛り合わせをはじめ、カツ丼のご飯抜き(カツレツの玉子とじ)等も出して下さり、地酒をぐびぐびやりながら大満足!
打ち上げを終え、戸倉発16:02のバスで沼田駅へ向かいました。写真も16:02ころ。

今年のGW山行は終了しました。僕が膝を痛めていたりしたので、力を出し切った山行からは程遠いものがありますが、こういうレベルでも楽しさは十分にあります。
尾瀬周辺の春山では、赤倉岳のリベンジをしたいと思いますし、平ヶ岳への途中、大白沢池でテントを張りたいとも思っています。燧ケ岳にもこの季節に登頂したいと思っていますしね。何回も通った地なので、愛着も湧いて来ているのです。


尾瀬のマイナーコースを歩いて来ました――2日目

2013年05月13日 | 雪山/尾瀬

2013/5/4  いよいよ2日目です。今日が今回の山行の核心日。富士見峠~白尾山~皿伏山~大清水平 の僕が未体験のコースを歩くのです。1日目のコースは10人前後の登山者と行き交いました。尾瀬ヶ原~富士見峠~アヤメ平~鳩待峠 と歩く登山者が多いようです。でも、今日のコースはあまり歩く登山者はいないと思います。自分でルート読みをしなければなりません。

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▲早朝4:30ころです。陽はまだ昇っていません。テントの中から覗いた、外の風景です。左の山はもちろん燧ケ岳2356m。

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▲外に出てみました。4:38ころ。

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▲朝日が昇って来ました。4:59ころです。

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▲今朝の朝食もK嶋さん担当です。ラーメン、なんと! チャーシューとゆで卵入り! 重い食材を担ぎ上げてくれて感謝です。6:28ころ。
今回の山行は徹底的にのんびり! 4時過ぎには目覚めていたのに、凍りついているテント内をバーナーの熱で暖めてから、ゆっくりとティータイム。それからぼちぼちと朝食作りをしました。

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▲朝食を終え、食後のお茶を飲み、やっと片づけ始めます。テントをたたんで、それを持つ僕はそれからのパッキング。出発の準備が出来てから、アヤメ平の北方へ3人で散歩に出かけました。8:53ころ。
写真をクリックすると、山名を書いた小さな文字が読めると思います。この山々の山頂は踏んだことがあります(赤倉岳だけは直前まで)。最左端に見えている尾根の一部は至仏山の北尾根。その右の山々はどこなのでしょう。魅力的な純白の山々ですね。

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▲望遠でのぞいた景鶴山と平ヶ岳です。8:54ころ。

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▲ザックを置いてある場所まで戻る二人。8:56ころ。

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▲同じく、戻る二人。左の山は日光白根山。8:58ころ。

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▲いよいよ出発です。アヤメ平は吹きっさらしで雪が飛んでしまうのでしょう。木道の一部が見えていました。前方の山は燧ケ岳。9:05ころ。

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▲道標がありました。ここがアヤメ平の最高地点なのでしょうか。1969mだそうです。9:06ころ。

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▲地図で確認すると、左に見える山頂が平らな山が白尾山2003m、中央少し右の三角形のすっきりした山は荷鞍山2024.0mのようですね。9:07ころ。

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▲富士見田代でほとんどの足跡は北の尾瀬ヶ原へ続いていました。富士見峠へトラバースする途中に富士見小屋が見えます。この小屋はGW中もお休み。9:36ころ。
誰もこのコースには入っていないかも、と覚悟していたのですが、スキーと壺足の一人ずつが入っていました。残念な気持ちもありますが、本音は少しホッとしています。
前方に平らな山容の白尾山が見えています。朝はほとんどの空を覆っていた雲もだいぶん少なくなり、どんどん快晴へと近づきつつあります。

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▲富士見峠を過ぎ、後ろを振り返るとアヤメ平の稜線が見えています。テント横の樹林の先には出ないようにしていましたが、正解ですね。雪庇が発達していました。10:06ころ。

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▲昨日まで低温でしたが、今日からは気温が上がるようです。雪も腐れ始め、ザックの重い僕は足がときおり潜り始めます。
この冬痛めた右膝も、思えば雪に深く足が潜ったからです。何の前触れもなしに突然足が深く潜ると、足にはかなりの力がかかるようです。また、足を捻ったりしたら大変と、僕だけワカンを履きました。10:33ころ。

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▲2000m近くに標高も上がって来たので、背後の至仏山がよく見えるようになりました。至仏山の右下手前には昨晩泊まったアヤメ平も見えます。11:06ころ。

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▲白尾山2003mに着きました。11:14ころ。
燧ケ岳の右下手前に見えている平らな山が次の目的地の皿伏山1916.8mです。燧ケ岳の右麓にチラチラと白く見えているのが尾瀬沼です。北と南の両端だけが見えています。尾瀬沼のすぐ手前、山中にある小さな白い部分が分かるでしょうか? おそらくそこが今日の最終目的地の大清水平でしょう。

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▲白尾山から東方面を眺めています。谷の底には大清水バス停もあるはず。写真の右側に三角に尖った山がありますが、それが物見山2113mでしょう。その向こう側には鬼怒沼湿原があり、左に鬼怒沼山2140.8mがあります。写真中央少し左側に見える平らな山が黒岩山なのだと思います。2009年GWには物見山~鬼怒沼山~黒岩山~尾瀬沼と歩いたのです。
物見山の右下の谷の中には僕の遡行した大薙沢や湯沢の流れもあります。

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▲どんどん気温が上昇し、とうとうS子とK嶋さんもワカンを履くことになりました。12:28ころ。

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▲白尾山の先も一人の登山者のトレースが付いています。ずっとそうでしたが、その足跡には頼らずに自分のルートファインディングで歩いて来ました。でも、少し不安になると、その足跡の存在はすごく安心感を与えてくれます。トレースがあるはずの方向へ近づいて行き、それが見つかるとホッとするのです。
白尾山からの下りもそうでした。どの方向へもなだらかな下りが続きますから、間違えやすい下りです。途中の1821m標高点がなかなか出て来ません。この頃から高度計を持って来なかったことを悔やみ始めていました。
それでも無事に白尾山と皿伏山のコル、セン沢田代に到着。ここからは登りです。久し振りの登りと暑さでちょっとぐったりするS子。13:14ころ。

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▲この木は何の木でしょうか? ダケカンバでしょうか? 立派な木がたくさんありました。登りが続きますが、まだこの辺りはさほど急登ではありません。13:35ころ。

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▲急登になって来ました。登り易い箇所を探してトップの僕は右に左に探しながら登ります。13:55ころ。

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▲皿伏山山頂には14:20ころ到着。山頂には反対側から登って来たスキーヤーが一人休憩していました。我々も少し休み、山頂を後にしたのがこの写真の14:38ころ。
標識はありませんでしたが、この写真のあたりが山頂でしょう。

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▲この写真ではすでに大清水平に到着しています。手前に雪を踏み固めた部分が見えていますが、ここにテントを張りました。15:57ころです。
山頂を出てから1時間20分ほど経過しています。無雪期のコースタイムは40分ですから倍ほどかかっています。皿伏山からの北から次第に北東方向へ延びている尾根は丸く広がったなだらかな尾根。どこを下っても顕著な尾根型にはなっていません。移動した距離感覚も大いにずれていたようです。後で分かることですが、実際に移動している距離よりも多く移動していると勘違いしていたのです。その結果、「どうしてまだ、◎◆▲な地形が出てこないのだろう?」と、自分の現在地把握とのずれに悩み始めていたのです。地形図に出ていない小さな湿原を地形図に出ている湿原だと誤って認識したりと、自分の誤った現在地把握を裏付けるような情報もあったりするので、ますます混乱して来ます。やっぱり、高度計は持ってくるべきだったと、ここでも反省しきり。
ただ、燧ケ岳がときおり顔をのぞかせますし、だいたいの方角さえ間違えなければ、大清水平には行き着かなくても尾瀬沼には出ることは分かっていたので、それほど心配はしていませんでした。それに幸運なことに大清水平が近づいて来て、離れてしまっていたトレースにも再び出会い、本当にホッとしました。

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▲中央少し左に僕たちのテントが見えています。テントを張り終えて、僕は水作りのための雪を取りに出ました。16:33ころ。
湿原中央部は雪が綺麗なはずだからと歩いて行くと・・・・

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▲湿原の一箇所が融けて地面を見せていました。ラッキー! 雪を溶かして水を作るのと、最初から水があるのとでは労力も燃料消費量もぜんぜん違います。
ほんの僅か色が付いていますが、無味無臭でいい水でした。16:50ころ。

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▲K嶋さんはどれだけ大量の食材を持って来たのでしょう! 今日の食当はS子ですが、フライパンで炒めている食材はすべてK嶋さんが背負って来たもの。行者ニンニクはまだたっぷり、昨晩と違うのは竹輪がたっぷり入ったこと。18:17ころ。

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▲今晩のメインディッシュは豚汁。お肉たっぷりです。手前の白いのは鰯のジャコ天、オツな酒の肴です。19:09ころ。

2日目の今日のコースは歩いている最中は結構ハードに感じていましたが、歩き終えると、さほど疲れてはいませんでした。のんびり山行を予定していた割にはハードだったというだけで、アップダウンもさほどありませんし、風もなく寒くもなく(暑いくらいですから)、ちょうど心地よい疲労感です。僕は食欲も旺盛で、酒もすすみ、楽しい夜。
テントの裏手は西方向なのですが、北側もともに山を背負った天場なので風はまったく吹いて来ません。昨晩とは大違いです。実に静かな夜です。
外に出てみました。広い湿原の真上に開けた漆黒の闇夜に満天の星空が広がっていました。ほぼ真上に大きな北斗七星が輝いています。S子もK嶋さんもこの星空には感動していました。写真が撮れなかったのが残念です。   


尾瀬のマイナーコースを歩いて来ました――1日目

2013年05月10日 | 雪山/尾瀬

2013/5/3  ここのところ、GWには尾瀬へ行くのがほぼ恒例になっています。

2005年は鳩待峠~ススヶ峰~平ヶ岳~山ノ鼻~鳩待峠 (S子)
2008年は鳩待峠~カッパ山~至仏山北尾根~笠ヶ岳~湯の小屋温泉 (S子、K嶋、H田)
2009年は大清水~鬼怒沼~黒岩山~赤安山~小淵沢田代~尾瀬沼~大清水 (S子、K嶋、Y根)
  2010年は直前の帯状疱疹発症で中止。
2011年は鳩待峠~赤倉岳(直前の雪庇の状態悪くて断念)~鳩待峠 (S子、K嶋)
  2012年は天候悪く中止。

今年は膝の状況に不安を抱えているので、比較的楽そうなコースを計画しました。しかも、無雪期を通じてもまだ歩いたことのないコースへ行ってみようと思ったのです。それは富士見峠~白尾山~皿伏山~尾瀬沼のコース。僕は若いころ、毎年1回か2回は必ず尾瀬を歩いていた時期がありました。その頃、無雪期の登山道をほとんど歩いたのですが、このコースはまだ歩いたことがなかったのです。

東京を早朝出発し、沼田駅8:02発のバスに乗ると、戸倉で乗り換えて、鳩待峠には10:15に到着します。

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▲鳩待峠です。雪は平年並みなんでしょうか? ここで準備をして、いざ出発! 10:45ころ。

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▲鳩待峠からしばらくは普通の登りが続きます。でも、すぐになだらかな登りへ。初日の山にまだ慣れていない肉体には優しいコースです。11:29ころ。

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▲林間のコースが続きます。S子はそんな変化の乏しい風景にブツブツと文句を言っていました。確かに、尾瀬の魅力のひとつ、それは地形のダイナミックさにあると思いますから。とりわけ積雪期にはその最大の魅力が最も引き立つのです。12:09ころ。

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▲いよいよ、そんな尾瀬の魅力が眼前に現われ始めました。湿原です。横田代でしょう。無雪期の湿原も美しくて大好きですけれど、雪に覆われた湿原は白無垢の美しさそのものです。12:41ころ。

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▲振り返ると、至仏山のたおやかな山容が光と影のまだら模様に輝いていました。12:53ころ。

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▲地上に先端だけをのぞかせている針葉樹には霧氷がびっしりと付いていました。13:00ころ。

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▲尾根の右側、南東方向には日光の山々が望めます。中央に聳えるのは日光白根山でしょうか。13:05ころ。

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▲振り返ると、上州武尊山が見えていました。これは望遠で撮った写真です。13:26ころ。

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▲中原山1968.8mへの登りでしょう。アヤメ平ももうすぐです。13:29ころ。

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▲冬枯れの裸木が美しく装われていました。13:30ころ。

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▲中原山を越えると、至仏山の全身は見えなくなります。見納めのショット。左に見える三角に尖った山は笠ヶ岳。13:40ころ。

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▲前方にはこれまで見えなかった燧ケ岳がせり上がって来ました。13:41ころ。

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▲アヤメ平に入りつつあります。右には日光白根山が。13:49ころ。

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▲13:50ころ、アヤメ平に到着しました。アヤメ平南端にテントの場所を決め、整地し、テントを設営。ちょっと体を休めて、その後、北へひとり散歩に向かいました。
振り返って、テントの方向を撮影した写真です。中央灌木帯に黄色いテントが見えています。14:58ころ。

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▲右に燧ケ岳、左には尾瀬ヶ原が写っています。これで僕は尾瀬ヶ原を東西南北から眺めたことになります。東は燧ケ岳山頂から、西は至仏山山頂から、北は景鶴山山頂から、そして、南はこのアヤメ平から、です。15:01ころ。

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▲振り返ってテント方面ですが、テントの姿は見えません。アヤメ平がわずかに低い方へカーブしているからです。無雪期にアヤメ平を見たことはありますが、これほど広いとは知りませんでした。15:01ころ。

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▲もう一度、尾瀬ヶ原です。今度は中央少し左に景鶴山が見えます。逆三角形の白い雪壁の上が山頂です。この景鶴山にも数回登ったことがあります。15:02ころ。

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▲テントへ戻ることにしました。中央にほんの小さく黄色のテントが見えています。15:04ころ。

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▲天場近くに戻って来ると、日光方面の山が再び見え始めました。中央に日光白根山。左に見える手前の山々は明日歩く山域なのでしょうか? 15:07ころ。 

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▲我々のテントです。4人用で、四半世紀以上使用し続けています。15:10ころ。

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▲このアヤメ平は吹きっさらしですから風が吹き続けています。用心のために雪のブロックを積みました。3段積みましたが、これでテントが持ち上げられるような風からは守られることでしょう。16:10ころ。

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▲天場から西を眺めると、至仏山の上半分が見えています。大きな黒雲が北の空を覆っていました。16:23ころ。

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▲まだ明るい時間帯から夕食タイムが始まります。つまみはK嶋さんの叉焼とS子のエンドウ豆。酒は芋焼酎の「三岳」を持って来ました。17:42ころ。

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▲メインのおかずは生野菜たっぷりの肉野菜炒め。ただ、それだけではありません。香り付けには大量の行者ニンニク! K嶋さんがこれでもか! というほど担ぎ上げてくれていました。最高に美味! 18:45ころ。
写真には撮り忘れましたけれど、K嶋さんが作ってくれた春雨サラダも本格的で美味しかったですよ。何だか家で食べる夕食よりも贅沢!

この晩は何時ころに休んだのでしょうか? おそらく21時ころかと思います。行動時間4時間ほどですから、疲労もなく、実に心地よい!
ただ、夜になっても風は少し強く、雪のブロック塀がないテント南西面がパタパタと音を立て続けていました。女性2人は寒かったようですが、僕は3シーズン用シュラフでも寒さはさほど感じませんでした。