ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

登山禁止の星穴新道は荒廃が進むにつれ面白さも増す 3/3

2014年12月04日 | ハードハイク/妙義

2014/11/8  星穴岳山頂では昼食を食べたり、ゆっくり過ごしました。最悪でも女坂の登山道に明るいうちに到着すればいいと思っていましたから、山頂に午前中に着き、時間的には余裕です。つまり、気分的にも余裕ということ。


▲先ほどノーザイルで登って来た岩場を今度は懸垂下降で降ります。11:59ころ。

下山コースは幾つか考えられます。
最短コースは金洞山の西岳を過ぎ、南へ降りて、中之岳神社へ行くコースでしょう。
他にも、金洞山~鷹戻しを通過して、女坂を下るルート。
そして、僕たちが選んだのが星穴沢を下降して、女坂の登山道へ合流するルートです。


▲隣りのピーク・金洞山です。近いピークが西岳なのだと思います。それ以外はまったく分かりません。歩いてみないと、本当に全然分かるものではありませんよね。12:00ころ。


▲しばらくは登って来たルートを戻り、星穴岳とP3との間のコルまで来ました。
来るときに確認していた、懸垂下降の支点となる太い木があります。12:32ころ。

ここからの懸垂下降は50mザイル2本で行ないます。そのためだけに、僕もザイルを1本背負って来ていたのです。1本だけでも、途中で切りながら懸垂下降できるのでは、と思ったりしたのですが、念のために、やっぱり2本持って行くことにしていたのです。


▲星穴沢源頭へ向けて、U田君が下降して行きました。12:37ころ。

ただの懸垂下降にしてはずいぶんと時間が経過しています。僕のところからはU田君の姿は見えません。予想外に時間が経過しても、僕に対する「続いて下降してもよし」とするコールが掛からないのです。
さすがの僕もしびれを切らして、どうなっているのか下へ向かって叫びます。4、50mも離れていては、返事があっても詳細が聞き取れる訳もありません。しばらくあって、僕が懸垂下降できるようになり、降りて行ってみると、U田君の時間がかかった理由がすぐに理解できました。

沢床にいるものと思っていたU田君が、左岸側壁にいるではないですか! 沢床には枯れ葉が厚く積もっていて、立てるような場所はおそらくないのでしょう。明らかなバンド状でもない限り、立つのは無理そうな傾斜です。しかも、支点になるような岩や木も一切ないのです。
ですから、側壁の木が生えている場所まで登り返して、その木を支点にするしかなかったのでしょう。

まあ、僕はその状況を見ながらU田君の方向へ行けばいいだけですから、側壁をへつるようにしながら、彼のもとへと行ったわけです。


▲懸垂下降で1ピッチ下降した場所から見上げました。12:53ころ。


▲2ピッチ目もザイル2本での懸垂下降です。沢床は写真ではなだらかそうですが、実際は嫌な急傾斜です。12:54ころ。


▲2ピッチ目の支点がこれ。13:04ころ。


▲2ピッチ目の懸垂下降も1ピッチ目ほどではありませんが、通常より時間がかかりました。最初の経験もありますから、僕も「やっぱり2ピッチ目も複雑なんだろうなぁ」と構えています。でも、それほどでもなく僕の順番となり、ザイルも回収して、写した写真がこれです。このトイ状の滝を降りて来たのです。13:20ころ。


▲3ピッチ目の懸垂下降支点です。実際は右へ60度ほど回転させた角度の傾斜です。
ザイル1本での懸垂です。13:27ころ。
それにしても、この灌木へのめり込み具合はどうでしょう!? 幾歳の歴史がここまでの形を作るのでしょう!?


▲1ピッチ目も2ピッチ目もそうでしたが、上から見ると左へ左へと回り込むようにして懸垂下降して行きます。ここも同様で、U田君はすぐに岩の陰に消えていきます。13:27ころ。


▲ここは問題なく下降し、僕もすぐに続きました。3ピッチ目の懸垂下降ルートを見上げています。13:34ころ。


▲もうクライムダウン出来そうと判断して、懸垂下降3ピッチ終了後は歩いて星穴沢を下りました。
僕が先頭で歩き、僕が落石に対処できる十分な間隔をあけて、U田君が後ろから続きました。写真中央に彼の姿が小さく見えています。13:43ころ。


▲U田君が接近して歩いても、落石の危険がないほどの傾斜になって来ました。13:54ころ。
後方に見えている岩峰のどれかひとつがP3なのでしょうか?


▲広葉樹の美しい森が広がるようになって来ました。14:05ころ。


▲右から沢が合流するたびに、沢の右岸に移ります。そんなルートどりをしてさえいれば、女坂の登山道と合流するはずだからです。写真のこの小支尾根でしばし休憩しました。
右下にも別の沢がありますから、また沢を渡って、右岸に移動です。もうそろそろ登山道が出て来ると思っています。14:38ころ。


▲なんとなく登山道っぽく見えるようになってきました。14:46ころ。


▲登山道はとても不明瞭で道を失いそうになることもあります。この辺りでも分からなくなってしまいましたが、右岸を外さないように探すとありました。中央にU田君がいますが、手前に向かって薄っすらと踏み跡があるのです。14:52ころ。


▲しばらくは比較的明瞭な登山道が続き、そして、分かりにくくなります。そろそろ左岸へと登山道が移るころあいなんでしょう。注意して歩いていれば、沢を渡る箇所は分かるはず。
沢を渡り、明瞭な登山道を進むと、見覚えのある標識が現れました。15:02ころ。

星穴沢橋のある林道にはすぐに到着します。徐々に薄れ始めていた緊張感も、林道で雲散霧消しました。


▲朝は看板の文章などは読みもせずに無視して通過していました。一般的には「鷹戻し」は登山道なのですが、星穴新道は登山禁止の廃道なのです。15:08ころ。


▲よく読んでみると、この星穴新道で死亡した二人の女子高生は僕と同い年なんですね。すごく活発で冒険心のある素晴しい女の子たちだったんでしょう。
僕が高校2年生の2月にこれほどの冒険的登山を実行するかと思うと、絶対にしなかったと思います。もし彼女たちが事故死しなくて、その後も登山を続けていたら、実力ある山屋になっていたことでしょう。尖鋭的なアルパインクライマーになっていたかもしれませんし、総合力あるヒマラヤニストになっていたかもしれません。群馬県の女子高生ですから可能性はありますよね。15:09ころ。


▲枯れ葉の積もった林道を国民宿舎へ帰ります。15:13ころ。


▲国民宿舎でお風呂に入りました。400円ですから、安いですね。15:26ころ。

最初の予定では、翌日に国民宿舎裏の木戸壁右カンテルートにも行く予定でした。しかし、翌日の天気が良くないということで、U田君本命の星穴新道だけ行くことになったわけですに
ちなみに、30年ほど前のことですが、木戸壁手前の木戸前ルンゼを登ったことがあります。スラブっぽい滝がずう~っと続く沢で、ザイルは特に必要ありません。

でも、若いU田君が星穴新道などというこんな渋いルートを行きたく思うとは不思議な感じがします。
他にもこの妙義の山域では相馬岳北稜へ行きたいのだそうです。長い尾根なので、1泊2日かかるようです。行く際には、僕もぜひ誘って欲しいものですね。

最後に、昭文社のMAP『西上州 妙義』について。
U田君も僕も昭文社のMAPを持っていましたけれど、見比べると、なんと! 僕のMAPには星穴新道に登山道が記載されているのです。もちろん、赤の破線でもなく、黒い破線でしかないのですけれど。
発行年を調べてみると、1999年。
帰宅して、もっと古い昭文社の地図がないかを調べてみました。すると、ありました! 1990年です。
なんと! そのMAPには星穴新道が赤い破線で記載されているではありませんか! 女坂は赤い実線。相馬岳北稜も赤い破線で記載されていました。天狗岳~白雲山~相馬岳~金洞山中之岳までの表妙義主稜線は赤い実線になっています。

僕は出来るだけ古い昭文社のMAPも捨てないで取っておきます。最新のMAPには載っていないようなルートも古いMAPに載っていれば、そこをルートとして利用できることが分かるからです。
(尾根筋のルートは比較的変化しないようですが、山腹のルートの崩壊は激しいですから注意が必要です)
その逆のこともあります。低山でのバリエーションルート流行りの影響で、昔はただの藪山だった尾根に、しっかりした踏み跡がつくことがあります。それがMAPに記載されるに至ることもあるのです。

古いMAPのそんな活用価値が僕は好きですね。


登山禁止の星穴新道は荒廃が進むにつれ面白さも増す 2/3

2014年12月01日 | ハードハイク/妙義

2014/11/8  どうやらP1はさっきの鎖場の岩登りで通過したようです。そして、目の前の岩峰がおそらくP2なのでしょう。これは巻くしかないようですね。


▲この木ではありませんが、すぐ右、1mくらいにある木に残置の懸垂支点がありました。セルフビレイを取って、これから懸垂下降です。9:15ころ。


▲20mくらい懸垂下降します。下の場所が安全に立てるような傾斜地なのかどうか、心配です。
残置のロープも下へ向かっています。9:23ころ。


▲U田君に続いて僕も降り立ちました。残置のロープにセルフビレイを取ります。
セルフビレイは当然とりますけれど、思ったよりも安定した場所でした。
U田君は回収したザイルをザックにしまいます。9:29ころ。


▲降りて来たのと反対側の斜面がこれ。残置のロープも上がって行っています。ザイルなしでも大丈夫と判断して、U田君はザイルをしまったわけです。これから登ります。9:29ころ。


▲真上を見上げると、こんな岩壁が広がっています。最初はこの中央部分などに弱点があれば、トラバース出来るのではとも考え、ルートを探して見たのですが、無理そうでした。9:29ころ。

この場所がどうやら「コップ状岩壁」と呼ばれているところのようですね。谷川岳の一ノ倉沢コップ状岩壁にちょっとだけ似ているからこの名前で呼んでいるのでしょう。P2の東側を巻いています。P2もやっぱりその頂上は踏みません。

これが星穴新道・第2の核心部ですが、通過してしまえば、そんなに困難だったという印象は抱かなくてもすむ箇所です。懸垂下降をし、普通に登り返すだけですから。
でも、ネットなどで見ると、昔の鎖をつなげて岩場をトラバースしたり、振り子トラバースをしたり、大変だったようです。
僕たちも最初、鎖や鉄杭の残置を探したのですが、見つかりませんでした。懸垂下降がいちばん易しくて安全だと思いますね。
ただし、これは結果論。ネットである程度の予備知識を仕入れて行っていても、現場に着くと、予備知識はどこかに吹っ飛んでしまいます。ネットの知識と、眼前の情報とはほとんど一致しないものです。まあ、不安感を抱きながら、ひとつひとつを解決していく、それが快感なんですけれどね。

今こうやってブログに書いているのも、帰って来てから自分の写真と他の方のネットの記録を照らし合わせて、だんだんと整理され理解が進んで書けているのです。
歩いているときは、どこがP1だか、P2だか分かりませんでした。P3だけは姿もそのトラバースも特徴的なので、通過したことが理解できたのですが・・・・


▲斜面を慎重に登り詰め、来た方角を振り返って写したのがこれです。中央に右向きの顔のような岩がありますが、その開いた口の少し左の木が懸垂下降の支点です。この写真の下へはみ出すように懸垂下降したわけです。9:33ころ。


▲P2を巻いて通過して後、休憩したと思います。すでに10:00ころ。
P3の基部に到着する手前です。


▲これがP3! これまでのピークはどれがどれだかよく分かりませんでしたけれど、P3は一目瞭然!
天気も穏やかな快晴で、文句のつけようもありません! 10:09ころ。
写真左に、灌木に透けてU田君の姿も見えています。


▲枯れ木の間から左を望むと、表妙義の峨々たる岩峰が連なっています。どれがどの山なのか、僕にはさっぱり分かりません。この尾根をいつか歩いてみたい気持ちにはなりますね。10:12ころ。


▲なんとなく踏み跡らしきところを辿って行くと、残置のロープや鎖が垂れている場所に出ました。ロープや鎖もあることですし、クライムダウンできないこともないでしょうが、U田君は懸垂下降することに決定。
足場が落ち葉などで見えにくいので、その方が良かったですね。10:17ころ。


▲懸垂下降で降りた場所から、U田君がリードして行きました。写真は僕がフォロウしている際に、振り返って写したもの。鎖の鉄杭に頼るしかないトラバースです。10:39ころ。
鉄杭に足を置いて進む箇所もありました。小柄な女性には大変な箇所だと思います。目いっぱい左足を伸ばさないと届きませんから。


▲U田君が確保してくれています。10:47ころ。


P3大トラバースの2ピッチ目です。U田君は写真中央コル状のところで、顔をのぞかせ確保してくれています。10:57ころ。


▲振り返って写した写真。鎖の錆はどれくらいの深さまで鉄を苛んでいるのでしょう? 右下は星穴沢まで落ち込んでいます。11:06ころ。


▲P3と星穴岳とのコルを過ぎ、尾根筋通しに、あるいは緩いルンゼ状の場所だったり、とにかく弱点を選びながら星穴岳へ向かいます。11:22ころ。


▲山頂到着です。振り返って見える、顕著な岩峰がP3。その右下をいまトラバースしたわけです。11:26ころ。


▲U田君、快心の笑み! 11:26ころ。

でも、すぐ隣りにもほぼ同じ高さの山頂があります。あちらの方が星穴岳なのかもしれません。


▲という訳で、隣りの頂きへ。岩峰の北側の下部を巻いています。11:33ころ。

尾根に出ると、男女の二人パーティーがいました。金洞山の方から来たようです。そして、そちらへ帰って行きました。


▲隣りの山頂の基部に到着しました。どうやらこちらの方が本当の星穴岳のようです。
その証拠に、ほぼ垂直の岩場が出て来ました(ネットにそう出ていましたから)。残置のロープもぶら下がっていますが、利用するまでもないくらいです。3級レベルですね。11:37ころ。


▲U田君が登っているのを待っている場所からはこんな風景が見晴らせました。岩峰も紅葉も見事です。11:37ころ。


▲U田君もほぼ登り切りました。11:39ころ。
僕は残置ロープの2本を末端で結び合わせておき、ハーネスの安環に念のため通しておきました。万が一、滑落しても途中で止まるように・・・・


▲お隣りの金洞山です。西岳なのでしょうか? 山頂に登山者が二人見えます。先ほどの二人ではないようです。11:49ころ。

星穴岳山頂に立って、それなりの充実感は当然ありました。でも、もっと大変なのではと想像していましたから、ほんの少し拍子抜けの気持ちがあることも確かです。
もちろん、すべてU田君がトップで歩き、ルートファインディングをし、ザイルをセットし、リードしましたから、僕自身の出る幕が、二人で協力するような、よりシビアな場面がなかったことも影響しているでしょう。
「U田君に美味しいところを任せ過ぎたかなぁ?」とも思いますが、この星穴新道はU田君思い入れのルートですから、仕方ないですよね。
ひとつだけ確実に言えることは、U田君のルートファインディングやザイルを出す出さないの判断がとても的確で、すべて不安感なく順調に対処できたからだということ。それに尽きますね。 


登山禁止の星穴新道は荒廃が進むにつれ面白さも増す 1/3

2014年11月26日 | ハードハイク/妙義

U田君からお誘いのメールが入りました。僕としては最優先で彼の誘いに答えたいのです。
と言うのも、O橋君は山口県に行ってしまいましたし、僕にとって高いレベルでともに山行できるU田君のような存在はとても貴重で、大切なのです。
それに、僕自身の登山の総合力がどのレベルなのか、若くて今のりにのっているU田君のような山屋と一緒に行けば、それとなく客観的に判断できるのです。
当然のことですが、U田君自身が僕の実力を判断して、誘える山を考えてくれているはず。僕としては、彼の判断・期待に応えることが出来れば合格という訳。

もちろん、山行を楽しむことが何よりも大切なこと。楽しむためには余裕が必要です。
この星穴新道についてネットでいくつか記録を読んでみました。手ごたえありそうなルートだということは十分に分かるのですが、困難なのか、さほどでもないのか、分かりませんでした。
行ってみるしかないですね。

2014/11/8  前夜、U田君が僕の家まで迎えに来てくれ、車で妙義の道の駅まで急ぎます。
道の駅に到着し、テントを張ってすぐに就寝。夜中を回っていました。

早朝、僕はお湯を沸かしてカップちゃんぽんを食べ、U田君は菓子パン。


▲国民宿舎裏妙義まで行き、駐車場に車を停めさせてもらいました。国民宿舎にはちゃんと断りも入れておきます。6:55ころ。

妙義の山にはあまり来たことがありませんから、写真の岩峰も名前はよく分かりません。おそらく、鶴峯山でしょう。


▲林道を星穴沢橋まで進みます。7:17ころ。


▲橋の架かる星穴沢左岸の女坂登山道を進みます。右上には目指す星穴新道の尾根が見えていますし、どこからでも尾根上へ出られそうです。ちょうど写真の標識が出て来ましたから、ここから右上へと登ることにしました。7:27ころ。


▲上がったばかりの星穴新道はこんな様子です。奥多摩の尾根を歩いているような感じです。7:39ころ。


▲星穴岳方面が木の間から時折のぞきます。どれが山頂だか、P1だかP2だかP3だか僕には判別つきません。あの中に這入って行くと想像すると、緊張感が高まりますね。7:53ころ。


▲尾根地形が分かり辛くなっても、落ち葉に埋もれた踏み跡がかすかに分かります。8:20ころ。


▲小さな、なだらかなピーク(名前などあるはずもなし)を越えると、いよいよ星穴新道核心部が近づいている予感が強まります。8:28ころ。


▲ネットで調べると必ず載っている、黄色いペンキで書かれた道しるべ。「星穴」と矢印で示されています。8:32ころ。


▲ついに出現! 最初の核心部です。U田君が「ザイル出さなくてもいいですよね?」と聞きます。
見た目、大丈夫そうだったので、「いいんじゃない」と答えました。でも、なかなかシビア。
写真でもU田君の右後ろに鎖が見えますが、数十年前の信用できない代物なのです。8:34ころ。


▲続いて、ほぼ垂直の壁が出現します。U田君は信用ならない鎖は使わずに、岩と木だけを使って登ったみたいですが、僕はどうしても鎖にすがらざるを得ませんでした。もちろん、なるべく体重は預けないようにします。易しい岩場だとは言え、スタンスも遠くて、嫌らしいものです。8:39ころ。


▲いまU田君の立っている場所から左上へ、第一の核心部最後の岩場の登りです。8:41ころ。
RCCⅡで言えば、3級の範囲の岩場ですから難しくはないのですが、信頼できない鎖、脆いことで有名な妙義の岩、掴む木がときおり枯れ木である点などを考慮すると、落ちると大怪我や死に直結する数十メートルをノーザイルで進むのは、やはりとても緊張しますね。

いくらネットで他の記録を読んでも、しっくりとは理解できないのですが、これでどうやらP1は通過したようなのです。P1がどれなのやら? P1の天辺に立っていないことだけは確かなように感じますが・・・・


▲続いて、大きな岩場にぶつかりました。巻くしかないようです。右へと、岩の基部に踏み跡があったので、U田君が先に行ってみます。でも、その先、左を覗き込むと、行けそうにないようです。8:58ころ。


▲後方の山並みもひらけて来ました。中央にうっすらと見えている山は浅間山かと思うのですが・・・・ 8:59ころ。


▲少し戻ってルートを探しました。目の前の大きな岩場を少し上までは登れそうに感じますが、その先をどう行くのかは、そこまで登ってみなければ分かりそうにありません。それに、岩場を登るルートがいにしえの星穴新道であるならば、鎖などの残骸くらいはあるはずです。
それで、直登ルートは遠慮して、ここへ来たルートを振り返ってみました。すると、ありました!
それがこの写真の古い標識。何が書いてあるのかはまったく分かりませんが、指し示している方角だけは確かです。その方角を見てみると、細い踏み跡がありました。9:06ころ。


▲なだらかな林の斜面を少し横切ると、岩場の基部を巻くように踏み跡が続いています。9:10ころ。

いよいよこの先から星穴新道の本当の核心部が始まるようです。