ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

奥秩父の釜ノ沢西俣で盛大な焚火を楽しみました 2日目

2016年06月29日 | 沢登り/富士川笛吹川水系

2016/5/29  本当に不思議なもので、家ではなかなか目が覚めない僕が山ではほぼ日の出と同じころに目覚めます。この朝も同様で、白みかけてきたころに目が覚め、用足しのために起き出しました。もう懐電はなくても大丈夫になっています。
そのままシュラフには戻らずに、焚火を熾すことにしました。昨夜、水をかけて消した焚火はまだ赤い燠(おき)になって、見えています。僕は水をかけずに焚き木をどけて石をたくさん載せておきますが、その方が防火の観点からはいいような気がします。
新聞紙もメタも傍にはなく、タープまで戻ってごそごそやって皆を起こしてしまうのも悪いので、細い小枝だけで再着火を試みました。燠が見えていますから大丈夫でしょう。予想通り火はすぐに付き、成長していきます。


▲S原さんも起きて来ました。朝、焚火があるのは最高ですよね。4:36ころ。


▲みんな起きて来ました。タープは空。あんなタープの下で寝ていたのです。5:04ころ。


▲沢の朝は寒いですから、焚火からはなかなか離れられません。5:05ころ。


▲朝食をすませ、タープを回収し、焚火を完璧に消し、各自朝のお勤めも済ませて、いよいよ出発です。YYDとしては珍しく早めの出発らしいですね。6:52ころ。

出発はほぼ7時でした。


▲今朝はまず長いゴーロ歩きから。やっと朝の光の中を歩ける場所まで来ましたね。7:16ころ。


▲道々、他の天場がないか探しながら来たのですが、僕たちが泊まった場所よりいいところはありませんでした。この写真の場所にも泊まった跡があります。手前に焚火跡が見えています。7:30ころ。


▲まだまだ続いているゴーロ。焚火の燃料もゴロゴロしてますね。8:04ころ。


▲今朝初めての滝の登場です。8:09ころ。


▲コイワザクラだと思います。8:12ころ。


▲右沢と左沢の分岐のようです。今日は右沢へ入ります。8:13ころ。


▲小滝も出て来ますが、倒木も多いです。8:28ころ。


▲ナメ滝が次々と出て来ます。SS木さんは今日もまだザックが重いようですね。8:34ころ。


▲易しい滝ですが、滝をひとつひとつ越えて行くのは沢登りの楽しさです。8:38ころ。


▲傾斜が緩く、ナメ滝とも言えないナメも続きます。8:46ころ。


▲小滝とその先に続くナメ。8:53ころ。


▲日当たりのいい平らな岩場で休憩。9:02ころ。


▲黄色いスミレは自信はありませんが、キバナノコマノツメでは? と思います。ピンクの花はイワカガミ、ひょっとすればコイワカガミかもしれませんが、僕には区別できませんね。9:16ころ。


▲もう源頭の雰囲気ですね。9:32ころ。


▲倒木をくぐったり乗り越えたり、これはこれでけっこう疲れます。9:39ころ。


▲沢型地形が残っているのもそろそろ終わりかと思いますね。9:54ころ。


▲予想通り最後の詰めになっています。奥秩父では多い苔の樹林の急登です。9:59ころ。


▲登山道に出る直前です。木の枝をよけながら、ザックに引っ掛かる枝を外しながら進みます。10:08ころ。


▲登山道に出ました。水師(みずし)まで沢装備のまま行くことにしました。最初は緩やかな登りから始まりましたから、水師の西二百数十メートルの標高2280m付近の稜線に出たのではと思います。10:12ころ。


▲水師に着き、沢装備を解除します。10:27ころ。


▲左の山は甲武信ヶ岳2475m、その右は木賊(とくさ)山2468.6m。10:56ころ。


▲甲武信ヶ岳直下のガレ場。11:21ころ。


▲中央少し左のどっしりした山は国師ヶ岳2591.8mでしょう。すぐそばに重なるように奥秩父最高峰の北奥千丈岳2601mも見えるはずです。その右の顕著なピークが金峰山2595.0m、五丈岩も見えています。さらに後方には南アルプスの白峰三山や甲斐駒ヶ岳なども見えていました。11:22ころ。


▲西を眺めると、八ヶ岳がよく見えていました。左から権現岳2715m、赤岳2899.2m(左手前には天狗尾根も見えています)、横岳2829m、硫黄岳2760m、天狗岳2646.3mなどが見えますね。11:23ころ。


▲甲武信ヶ岳山頂を後にして、甲武信小屋へ向かいました。11:48ころ。


▲巻き道経由で戸渡尾根の下降をしています。途中、展望が開けた場所から広瀬湖が見えました。12:32ころ。


▲シャクナゲが満開でした。13:20ころ。


▲標高が下がると、ミツバツツジも満開でした。13:55ころ。


▲唐松の新緑は綺麗でしたけれど、その下の笹はすべて枯れてしまっています。ここも鹿害なのでしょうか? 14:21ころ。


▲ヤマツツジも満開でした。14:51ころ。


▲林道に出ました。バスには間に合いそうです。15:14ころ。


▲バス停です。ちょうど間に合いました。15:32ころ。

 バスに乗って、運転手さんに塩山温泉へ行きたい旨伝えました。どのバス停で降りればいいか聞いたにもかかわらず、そのバス停では何も声をかけてくれず、そのまま終点の塩山駅へ。以前、同様のシチュエーションがあった際には運転手さんが「次のバス停で降りればいいですよ」と声をかけてくださったのに・・・・
駅からのルートはうろ覚えでしたから、みんなに少し遠回りさせてしまいました。済みません。
入浴後、駅近くの中華料理屋さんで打ち上げ。塩山駅周辺には料理屋さんが少ないということもあって、僕の馴染みの店もS原さん馴染みの店も同じでしたね。

今回、30代、40代、50代、60代と各一人ずつの参加メンバーでした。もっと若いメンバーが大勢いて欲しい気持ちはありますが、久し振りに若い方々と泊まりの沢登りが出来て楽しかったです。


奥秩父の釜ノ沢西俣で盛大な焚火を楽しみました 1日目

2016年06月26日 | 沢登り/富士川笛吹川水系

2016/5/28  YYDに入会したころ、S原さんが「新緑のころに釜ノ沢へ行きますよ」と言うので、僕は即座に「それなら西俣へ入りましょう」と返したのです。これまで2回、釜ノ沢は遡行していますけれど、2回とも東俣ですし秋でした。以前H原君から「西俣はいいですよぉ。焚き木がいっぱいありますし。いつか一緒に行きましょうよ」とも言われていました。H原君との遡行は実現しませんでしたけれど、とても気になっていた沢だったのです。


▲西沢渓谷入口のバス停をスタートです。以前の会では塩山駅前のタクシー会社で泊まり、早朝タクシーでここまで来て、歩き始めることが多かったのですが、YYDでは東京を早朝出発です。まあ、それが普通なのでしょうが、僕には新鮮な感じですね。9:51ころ。


▲西沢渓谷へ向かう吊り橋を渡っています。この沢は東沢。西沢の出合はこの吊り橋の少し下流です。中央に見えている峨々とした尾根は鶏冠尾根です。10:16ころ。


▲吊り橋を渡った先から登山道を離れ、右の踏み跡へ入ります。河原に降り、少し進むと鶏冠谷出合が見えて来ます。中央の暗いところが出合。10:26ころ。


▲鶏冠谷出合の少し上流から山ノ神へ行く山道が現われます。かつては釜ノ沢東俣沿いに甲武信小屋まで登山道としてあったらしいのですが、今では山ノ神までしかありません。しかも、次第に荒れて来ています。自宅に残っていた昭文社のエアリアマップ『奥秩父』(昭和57年発行)では赤い破線で甲武信小屋までの登山道が記されています。
今日はトップをS原さん、続いてSS木さん、彼女の後ろに僕が付いて、K藤さんが適当に前後する、そんな感じですね。10:53ころ。


▲東沢の「ホラの貝のゴルジュ」入口です。11:20ころ。


▲だいたいは東沢左岸の沢床から10m弱上を通っているのですが、時折その山道も沢床へ降りて来ます。泊まりの荷が重いので、女性のSS木さんにはここの岩場はちょっと大変です。11:38ころ。


▲なんとなく見覚えのある巨岩が現われました。山ノ神が近いはずです。11:43ころ。


▲山ノ神前で休憩。11:49ころ。

再スタートしてしばし、僕は大変なことにハッと気付きました。休憩した場所にヘルメットを忘れて来たのです。すぐに走って取りに引き返します。僕は同様の前科があって、これまで2個のヘルメットを置き忘れて失っているのです。今回は珍しく、すぐに気付きました。良かった、良かった。


▲乙女の滝です。登ったことはまだありません。12:29ころ。


▲山ノ神からは沢の中を進んでいます。SS木さんが少し遅れています。まだまだ沢登り3回目、泊まりの沢は初めてですから、沢歩きにも重荷にも慣れていないのでしょう。今回、4人の中ではSS木さんのザックがいちばん重いように感じました。僕の共同装備だった8mm×30mのザイルはK藤さんが代わりに背負ってくれていますから、僕のザックは13kgくらいしかありません。12:32ころ。


▲東のナメ沢の大滝が見えて来ました。スラブ滝が数百メートルと続きます。沢が即・滝なのです。ここも12年前にH原君、S﨑君、M尾さん達と登ったことがあります。なかなかスリリングな登攀でした。最高グレードは5級。12:40ころ。


▲微妙な傾斜の岩場を、思いっきり渓流シューズのフリクション(摩擦)を効かせ、小さな凸凹を目敏く見つけてそれを拾いながら歩きます。SS木さんはまだまだ「滑るのでは」という恐れに支配されて、大胆になりきれません。まあ、誰でも経験です。12:45ころ。


▲前の写真の先で、こんな箇所がありました。傾斜が急で、どうしても滑りそうなのです。S原さんは諦めて右岸を巻くため戻って行きました。僕も試してみますが、これは滑る確率50%以上ですね。僕も戻ろうとした時、K藤さんが越えて行ってしまいました。彼の渓流シューズはフェルト底ではなくゴム底だったのですが、この乾いた岩にはゴム底のフリクションが抜群に効くようです。で、K藤さんがお助け紐を出してくれました。これで僕とSS木さんはここを渡ることが出来ました。12:50ころ。


▲このあたりの岩は花崗岩だと思います。岩が白っぽいせいでしょうか、流れる水の色がコバルト色に染まります。13:04ころ。


▲西のナメ沢出合です。大昔のことですが、ここでアイスクライミングしたことがありましたね。滝の結氷状態が悪く、アックスを刺すとその穴からピュ~ッと水が噴き出しましたね。それでザイルが濡れてすぐに凍って、針金のようになるのです。ザイルをたたむ際はポキポキと折るようにしてまとめなければなりませんでした。それはともかく、ザイルと滝の氷とがくっついて動かなくなった時は驚き、緊張しました。13:09ころ。

西のナメ沢出合でもしばし休憩しました。


▲先頭を歩いているS原さんが立ち止まりました。この先一歩が出ないようです。傾斜があって濡れているので滑りそうなのです。水流の中は意外と流れが強く、あまり入りたくはありません。13:42ころ。


▲結局、戻って下から対岸に徒渉しました。水の勢いが強いので、S原さんがSS木さんと一緒に歩いてあげます。13:44ころ。

金山沢や信州沢への分岐、つまり釜ノ沢出合に到着し、右へ入ります。


▲釜ノ沢へ入るとすぐに魚留滝が見えて来ます。14:03ころ。

ここは滝の左のスラブをS原さんが登り、お助け紐を下ろしてくれました。


▲釜ノ沢のハイライトのひとつ、千畳のナメが始まったようです。14:14ころ。


▲何回歩いても気持ちの良い場所です。14:16ころ。


▲千畳のナメの心地よさは意外なほど長くは続きません。滝の高巻きが幾度か続きます。14:40ころ。


▲釜ノ沢のもうひとつのハイライト、両門ノ滝30mです。過去2回は右の滝を高巻いたのですが、今日は左の滝を高巻きます。15:04ころ。


▲高巻きは思いの外容易でした。踏み跡が比較的明瞭です。15:30ころ。


▲西俣に入ると、小滝が連続します。15:41ころ。


▲こんなナメもあり、けっこう綺麗な沢です。15:46ころ。


▲シャクナゲが咲いていました。15:57ころ。

天場に到着したのは16時台のいつごろだったでしょうか?


▲さっそくタープを張りました。17:31ころ。


▲タープの下流に焚火の場所を決め、焚火をスタート。芯まで乾燥した流木がたくさんあるので、焚火はすぐに燃えだします。SS木さんは夕食係。17:32ころ。


▲豆カレーの出来上がり。18:19ころ。


▲まだ薄暮ですが、焚火の雰囲気が次第に高まってきますね。18:42ころ。


▲焚火はどんな焚火でも心が癒されます。火を見つめていると、心が引き込まれそうです。19:24ころ。


▲K藤さんはマットを敷いて横になっています。そう言う僕もですが。19:34ころ。


▲S原さんも気持ち良さそう。19:36ころ。


▲K藤さんとS原さんの足と足。みんなでの会話も静かにゆっくりと弾みます。21:43ころ。


▲今晩の焚火の特徴は火床の細長さ。上出来の焚火でした。22:17ころ。

僕は焚火の夜は、語り合う友とチビリチビリと飲める酒さえあれば、何時まででも大丈夫です。
でも、酒もほぼなくなり、みんなだんだん眠気に支配されつつあるようです。


▲向うからS原さん、K藤さん、SS木さん。今晩のタープは僕のタープです。YYDではあまりタープ泊まりはなかったようですね。沢の泊りはタープがいいですよ。22:34ころ。


ヨコスズ尾根も三ツドッケもシロヤシオとミツバツツジの大饗宴! 2/2

2016年06月23日 | ハイキング/奥多摩

2016/5/20  一杯水避難小屋から下山しても良かったのですが、S子の疲労度合いも大したことがなさそうなので、三ツドッケへ登ることにしました。

 
▲さっそくシロヤシオが咲いていました。12:35ころ。


▲満開のシロヤシオの木が何本も連なっています! 12:38ころ。


▲ピンクのミツバツツジと白いシロヤシオが隣りあって咲いています! 12:39ころ。


▲ミツバツツジが満開! 12:40ころ。


▲ミツバツツジの中を歩くS子。12:43ころ。


▲白とピンク! 12:43ころ。


▲まだまだミツバツツジ! 12:51ころ。


▲ミツバツツジの向こうに山並みが。中央には先週登った御前山1405mが見え、その先には丹沢が見えています。右には石尾根があるのですが、六ッ石山1478.8mでしょうか? 右の遠くにはPCで拡大すると、富士山らしき山も見えていました。13:07ころ。


▲三ツドッケ(天目山)1576.0m山頂です。13:08ころ。


▲手前から左に延びている尾根は埼玉県との県界尾根です。中央に川苔山1363.3m、その右がおそらく本仁田山1224.5m、いちばん右端遠くに大岳山1266.5mも見えています。13:08ころ。


▲少し右へパーンすると、中央に大岳山、その右隣りに御前山、いちばん右は六ッ石山でしょうね。右の遠くには丹沢が見えています。13:08ころ。


▲さらに右を眺めると、ほとんどが石尾根ですね。左の六ッ石山から右の顕著なピークは鷹ノ巣山1736.6m、その右隣りは日陰名栗山1725mでしょう。13:09ころ。


▲石尾根の続きです。左の日陰名栗山から高丸山1733m、七ツ石山1757.3m、写真中央少し右のなだらかな笠のような山は東京の最高峰・雲取山2017.1mです。雲取山と重なるように手前にある山は天祖山1723.2m、その手前の尾根がタワ尾根ですね。そのタワ尾根の天祖山の右手前のピークがウトウノ頭1587.9mでしょうね。雲取山右には長沢背稜が続いているのですが、そのピークは芋ノ木ドッケ1946mでしょうか? タワ尾根の手前のすぐ眼前の尾根はハンギョウ尾根でしょうね。13:09ころ。


▲尾根のちょっと下方も白とピンク! 13:10ころ。


▲シロヤシオの連なり! 13:13ころ。


▲三ツドッケ山頂から降りて来て、長沢背稜の登山道へ合流しました。13:29ころ。

三ツドッケを登って来て正解でした。ヨコスズ尾根以上にシロヤシオ、ミツバツツジともに盛大に咲いていました。これほど見事にシロヤシオが咲いている場所が奥多摩にあったとは知りませんでいた。


▲この巻き道にもミツバツツジとシロヤシオが咲いていました。13:49ころ。


▲白とピンクの落花。13:50ころ。


▲これでもか、と咲いていますね。13:52ころ。


▲一杯水避難小屋に着き、そのまま東へ進みました。避難小屋の水場が現われます。14:01ころ。


▲冬には涸れることの多いこの水場ですが、今は冷たい水が出ています。この水場の名前が「一杯水」です。14:01ころ。


▲ブナでしょうか? 太い木が生えています。14:15ころ。

この尾根沿いでもミツバツツジやシロヤシオが咲いていました。


▲道標が出て来ました。そろそろのはずです。14:30ころ。


▲道標の下に誰かが「古棒杭尾根入口」と書いていますね。「古」が付いている理由は分かりません。普通は「棒杭尾根」です。今日はここを下降します。林道へ短時間で降りられますから便利な尾根で、よく使わせてもらっています。14:30ころ。


▲この尾根にもミツバツツジがよく咲いていました。14:37ころ。


▲広葉樹林体が終わると、植林帯が始まり、傾斜が急になってきます。15:04ころ。


▲倉沢林道の終点近くに出て来ました。15:31ころ。


▲左下を流れるのは倉沢谷の右俣、長尾谷です。15:45ころ。


▲崩壊で荒れた林道部分を通過し、魚留橋を渡ると、あとは平坦な林道が続きます。15:52ころ。


▲倉沢バス停です。16:25ころ。

「天益」はこの日も入れなかったような・・・・ 金曜日ですから鬼門ですね。


▲S子はシロヤシオとミツバツツジの落花を拾って持ち帰りました。それを黒っぽい食器に浮かべ、家でも楽しみました。けっこう長持ちして、一週間は愛で続けることが出来ましたよ。

今回の山行は僕もS子も大満足の感動山行でした。ヨコスズ尾根で昔シロヤシオが咲いているのを見たことはありましたから、「少しは見ることが出来るかな」との期待はあったのですが、これほどだとは驚きでした。ツツジですから表年だったのかもしれません。来年、今年同様に素晴らしく咲くかどうかは分かりません。ただ、これだけのシロヤシオの木があるのですから、再びの感動を必ず与えてくれる年は来るはず。
来年以降も必ず訪れたいと思います。楽しみが増えましたね。


ヨコスズ尾根も三ツドッケもシロヤシオとミツバツツジの大饗宴! 1/2

2016年06月20日 | ハイキング/奥多摩

2016/5/20  僕は自称・沢屋ですし、S子もどちらかと言えば沢屋ですから、夏の尾根歩きはあまり気分がすぐれません。水の流れる涼しい沢の中に身を潜ませたいのです。ただ、S子は沢登りをする体力が衰えてきていますから、夏でも尾根歩き中心になってしまいます。
夏の暑さを避けるには、標高の高い山に登ればいいのですが、奥多摩でそれをしようとすると、所要時間や必要な体力も大きくなってしまいます。
前の週は御前山1405mでしたから、今回は1500m級の山を目指そうと考えました。それが三ツドッケ1576mです。この山を選んだ理由がもうひとつあります。それは鷹ノ巣谷遡行後に稲村岩尾根で見たミツバツツジ満開の様子。それをS子にも見せてあげたかったからです。そして実は、内心まったく期待はしていなかったのですが、昔ヨコスズ尾根上部でシロヤシオの花を見たことがあります。2、3本の木があったように記憶しています。今回、シロヤシオの花ひとつでも見ることが出来たらいいな、と一応考えてはいたのですが・・・・


▲東日原バス停の裏を登って行きます。8:40ころ。


▲オトシブミが道端に落ちていました。8:45ころ。


▲車道から離れ、登山道になります。8:46ころ。


▲東日原の家並み。8:50ころ。


▲左奥から山ノ神尾根、タル沢尾根、カラ沢尾根。カラ沢尾根のこの写真に見えている崩壊地の左に岩場があるのですが、その岩を「待っとけ岩」と言うのだそうです。何故そう呼ぶのかと言うと、石尾根の城山あたりから間違えてカラ沢尾根を降りて来る登山者が多いのですが、その岩場で進退窮まってしまいます。日原の派出所から見えますから、警察官がその登山者に拡声器で「そこで待っとけよ~」と伝えるわけですね。9:01ころ。


▲セリバヒエンソウ。9:16ころ。


▲山腹高くに民家もありましたから、この辺りの家は沢水だけを引いてるんだろうなと思っていたら、ちゃんと町の水道がありました。町の全戸に引いているのですね。9:22ころ。


▲細長い巻貝の殻がありました。山の中ですから、タニシとかではありませんし、人が持って来て捨てたとも考えにくいですし・・・・ 帰ってからネットで調べると、カタツムリなどの仲間でキセルガイと言うらしいですね。このあたりは石灰岩が多いですから、貝にとっては棲みやすいのでしょうね。9:29ころ。


▲登山道に花が落ちていました。桐の花のようですが、桐の木らしきものは見当たりませんでした。9:41ころ。


▲柵の中は奥多摩工業の鉱山です。石灰岩の鉱山なのでしょう。9:46ころ。


▲葉全体の中心部分が濃い色になっているシダです。名前は分かりません。9:54ころ。


▲植林が減り、自然林が増えて来ました。10:13ころ。


▲グルリン。どうすればこうなるのでしょうね? 10:23ころ。


▲しばらくは右側が急に落ち込んでいる登山道が続きます。ここを100m近く落ちて死亡したケースもあるようですから、要注意! 11:04ころ。


▲ふさふさの柔らかそうな草がたくさん生えていました。S子のお気に入りです。11:09ころ。


▲ミツバツツジと今日初めての出会いです。11:16ころ。


▲まだ標高が低いですから、葉もだいぶん大きくなっていますね。11:17ころ。


▲マムシグサ。11:28ころ。


▲ミツバツチグリ。11:38ころ。


▲ヤブキリの幼虫でしょうか? 11:39ころ。


▲足もとに白い花がたくさん落ちていました。そうです。ほとんど期待はしていなかった、シロヤシオ! 11:47ころ。


▲目を上にあげると、シロヤシオの花が! ただ、今日は曇っていますから空の白と重なってあまり区別が付きません。11:47ころ。


▲シロヤシオを喜ぶS子。11:47ころ。


▲本当に清楚な花ですね。11:48ころ。


▲低い位置にあったのでパチリ。11:49ころ。


▲登山道にはずうっとシロヤシオの白い点々が続いています。11:53ころ。


▲数は少ないですが、ヤマツツジも咲いていました。12:01ころ。


▲ミツバツツジも花盛りです。12:01ころ。


▲キツツキが開けた穴なのでしょうか? 12:04ころ。


▲ミツバツツジに囲まれながら歩きます。12:08ころ。


▲一杯水避難小屋に到着しました。12:11ころ。


▲この避難小屋にも何度もお世話になりました。12:31ころ。

ここまででも十分に満足できるミツバツツジとシロヤシオの美しさでした。まさかシロヤシオに出会えるとは思っていませんでしたから、それだけで大満足。

S子に「三ツドッケまで行く?」と聞くと、大丈夫のようなので、休憩後、三ツドッケへ登ることにしました。もし疲れているようなら、ここから下山するつもりだったのです。


何度遡行しても、鷹ノ巣谷は奥多摩を代表する素晴らしい沢です

2016年06月17日 | 沢登り/多摩川日原川水系

2016/5/15  今春、YYDに入会したのは沢登りに行くためです。単独で入渓するほどの実力はありませんから、仲間はとても大切なのです。

YYDでの初沢登りが奥多摩の鷹ノ巣谷になったのもとても不思議な巡り合わせのように感じます。何故なら僕自身の初めての沢登りも鷹ノ巣谷だからです。草文社発行の『ルート図集2東京周辺の沢』(昭和54年発行)を沢登りを始めるにあたって購入し、その中から鷹ノ巣谷を選んで単独で入渓したのが1980年5月3日のこと。ルート図に書き込まれたメモを見ると、歩き始めが6:50、戻って来たのが14:20となっています。
沢装備は地下足袋、草鞋のみで、ヘルメットもザイルも持っていませんでした。大滝は当時まだ左岸が崩壊していませんでしたから、楽に高巻きすることが出来ていました。金左小屋窪に入り、詰めは猛烈な笹薮漕ぎでした。笹の中に閉じ込められて、周囲がまったく見えませんから、とっても不安になり途中の木に登って上部を眺めたりしたものです。やっと尾根に出た際の解放感や達成感に追い打ち(?)をかけたのが眼前に出現した富士山でした。
これで沢登りの魅力の虜になってしまったのでしょうね。

 


▲東日原バス停から鷹ノ巣山登山道に進みます。毎度、稲村岩尾根が出迎えてくれます。9:16ころ。


▲日原川を渡る吊り橋から鷹ノ巣谷出合が見えます。9:22ころ。


▲出合で沢装備を整え、いよいよスタート。9:47ころ。


▲地蔵の滝です。9:55ころ。

今日の歩く順番ですが、トップはT口さん、続いて初心者の女性が3人続きます。N本さん、S木さん、SS木さん。その後ろに僕が入り、続いて今日が沢登り初めてのK藤さん、ラストをしめるのがS原さんです。


▲森の緑と苔の緑で、水も緑に映えています。こういう沢歩きが心地いいですよね。10:09ころ。


▲水と戯れながら登って行きます。10:15ころ。


▲水の中にも入っていきます。10:16ころ。


▲水の流れが美しいですね。10:30ころ。


▲僕の後ろを歩いているK藤さんとS原さん。K藤さんが倒木渡りで遊んでいます。10:33ころ。


▲登山道とは違って、一歩一歩に細心さと大胆さが必要です。10:35ころ。


▲前の会では(と言うよりも僕がリーダーの時は)ザイルを出していた滝です。T口さんがお助け紐を出してくれました。いま登っているメンバーのこれから、水の流れを渡る箇所がちょっと嫌らしいのです。10:46ころ。


▲T口さんが滝の右端を登ろうとしましたが、ちょっと難しかったみたいで、結局右岸を小さく高巻きました。10:52ころ。


▲ヤマツツジが咲いていました。ここには沢の中では珍しく陽射しが差し込んでいました。11:03ころ。


▲大滝が見えて来ました。11:10ころ。


▲大滝20mです。2人パーティーがザイルを出して登っていました。11:12ころ。


▲先行パーティーの登る様子を見上げるYYDパーティー。11:16ころ。


▲今日の水量は平常並みだと思います。水が多いとここにいても水浸しになりますから。11:17ころ。


▲T口さんがリードします。11:21ころ。


▲続いてN本さんがフォロウ、この写真では確保するT口さんのすぐ下に二番目のS木さんが、右下には次のSS木さんがいますね。11:39ころ。


▲苔の緑が美しいですね。このころからだったでしょうか、K藤さんが前の方を歩くようになりました。沢歩きに慣れて来たようですね。12:07ころ。


▲ワサビ田跡が現われました。12:15ころ。

今日は水ノ戸沢に入りました。僕にとっては初めての支流です。小滝が多く、けっこう飽きさせない支沢ですね。


▲ついでに倒木も多く現われるようになりました。12:30ころ。


▲久し振り(初めて?)の休憩です。12:54ころ。


▲次第に源流の雰囲気になって行きます。13:21ころ。


▲水量も減って来ます。そろそろ水も完全に涸れてしまうかもしれません。支沢に水が流れていましたから、ここで給水しました。13:39ころ。


▲予想通り、しばらくすると水は涸れてしまいました。13:52ころ。


▲シカの白骨が転がっていました。何が原因で死んだのでしょうね。まだまだ生臭いにおいが充満していましたから、この冬に死んだのでしょうね。13:54ころ。


▲いよいよ源頭です。14:06ころ。


▲沢型地形からも離れ、支尾根を登って行きます。一般登山道を歩く限りは、これほどの急登はありませんから、沢慣れていないメンバーは手こずっています。14:17ころ。


▲稲村岩尾根の登山道に出ました。14:27ころ。


▲YYDには山頂を踏む慣習があるようですね。僕ならそんなことはせずに、稲村岩尾根をそのまま下ってしまいますが・・・・ 14:50ころ。

鷹ノ巣山山頂で沢装備を解除しました。


▲稲村岩尾根を下って行きます。ミツバツツジの最盛期でした。15:29ころ。


▲ミツバツツジの中を下って行きます。15:30ころ。


▲どんどん下ってもやっぱりミツバツツジ。15:39ころ。


▲巳ノ戸沢にかかる橋が見えて来ました。16:44ころ。


▲稲村岩下部の岸壁が出てくるあたりで、遭難者がいました。すでに救助隊が来ていて、搬送方法など検討していますヘリコプターを呼ぼうとしているようでした。どこで滑落したのかは知りませんが、10~20mくらい落ちたようです。外見ではさほど大事ではないようなのですが、ヘリを呼ぼうとするほどですから、骨折もあるのでしょうね。16:51ころ。


▲消防の救助隊がさらに駆けつけていました。17:01ころ。


▲警視庁(奥多摩山岳救助隊)も。17:02ころ。

山で事故を起こすことは本当にたくさんの人々に迷惑をかけます。多くの人々が助けてあげようと一生懸命活動してくれます。今後も山で事故を起こさないよう、細心の注意を払っていきたいと思いますね。


▲東日原バス停にギリギリセーフで間に合いました。17:15ころ。

奥多摩駅では全員で天益へ入りました。いつもは女将さんに遠慮して、あまりあれこれ注文しないのですが、YYDのメンバーと入っていますからお客様の一員として一緒に扱ってもらえます。いつもよりはいろいろと頂けました。

やっぱり多くの沢仲間と行く沢登りは楽しいですね。これからもYYDで楽しませてもらおうと思いました。