ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

O橋君の本チャンデビューは八ヶ岳の小同心クラック

2012年09月26日 | 岩登り/八ヶ岳

やっとO橋君の岩登り本チャンデビューの日がやって来ました。谷川方面や北岳バットレスなども考慮しましたが、届け出が必要だったり、ルートの崩壊からあまり日数が経っていなかったりで、八ヶ岳の小同心クラックになりました。小同心クラックは30年近く前に登攀したことのあるルート。知っているということは、大きな安心感を与えます。
アプローチを阿弥陀岳南稜にしようかとも考えましたが、所用が出来たり、天候も芳しくなかったりで、結局前日の夕方出発になってしまいました。

2012/9/23  三ツ峠の時と同じく、O橋君が僕を車でピックアップしてくれます。美濃戸に夜暗くなってから到着するのも不便なので、小淵沢インター北の「道の駅こぶちざわ」でテントを張ることにしました。

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▲三ツ峠の時と同じように、スーパーで夕食の総菜を購入。豪華なディナーです。20:47ころ。

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▲道の駅の駐車場に車を停め、テントを張り、テント前で二人でささやかな宴会を開きました。ここでは話せませんが、O橋君のあんなこと、こんなことなどを聞くことができましたよ。22:56ころ。

2012/9/24  朝4時に起床して、美濃戸へ向かいます。

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▲美濃戸の赤岳山荘の駐車場です。ほぼ日の出と同時にスタート。5:28ころ。

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▲林道が終わり、赤岳鉱泉への登山道を進みます。昔と比べると、このような木道が増えているようですね。6:22ころ。(写真撮影:O橋)

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▲赤岳鉱泉に着きました。よく泊まっていた頃と比べると、ずいぶん増築されているようです。バックの山が横岳。左に見える岩峰が大同心で、その右のピークのように見えている岩峰が小同心なのです。6:47ころ。

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▲赤岳鉱泉からすぐのところで大同心沢(大同心ルンゼ)を登山道が横切ります。通せんぼうのロープが張ってありますが、構わず入って行きます。最初は左岸に、しばらく行くと踏み跡が右岸に移り、大同心稜(大同心沢の右岸尾根です)に続いています。7:13ころ。

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▲大同心の基部に到着しました。8:02ころ。ここで大休止です。

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▲大同心の壁の北向こうには硫黄岳が見えています。8:07ころ。

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▲大同心基部のここで休みました。岩壁からは少し離れています。落石は嫌ですから。8:08ころ。

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▲大同心の基部から写真右上の小同心基部までトラバースします。幾条も踏み跡がありますが、良さそうな踏み跡を拾って歩きました。8:18ころ。

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▲トラバース途中から大同心ルンゼを見上げました。下山はこのルートの予定です。8:19ころ。

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▲トラバースが終了して、小同心の基部につきました。さっきまでいた大同心の基部が左下に見えます。8:31ころ。

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▲小同心クラックのルートは全部で4ピッチあります。つるべで行きますからどちらが先かはO橋君に選んでもらいました。最初は僕です。O橋君のビレイシステム。見回してもボルトやハーケンがないので、岩角を支点にするしかありません。9:02ころ。
9時過ぎましたが、まだここには日が射して来ません。すぐ後ろに陽が近づいて来ています。風も冷たくて寒いので、O橋君は雨具を着込みました。

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▲1ピッチ目をリードする僕。これから徐々に左へ斜上します。9:05ころ。(写真撮影:O橋)

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▲1ピッチ目終了点から下を見下ろします。9:14ころ。
小同心の岩場にはまだ日が射しません。岩が冷たいせいでしょうか、手の指は痺れるようです。息を吹きかけたり、脇に挟んだりしますが、結局、最後まで指は痺れた感覚のままでした。

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▲予想していたより短い距離にこんな立派なボルトが打ち込んでありました。本当はもう少し上に1ピッチ目の終了点があるに違いない、とは思っていましたが、こんなに立派なボルトが打ってあるとは思いませんでしたから、ついついここで切ってしまいました。9:14ころ。

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▲1ピッチ目の確保支点からの眺め。右から阿弥陀岳、中岳、赤岳。遠く権現岳や南アルプスも見えます。9:18ころ。

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▲小同心の岩の壁に張り付いて、赤岳を眺めます。こんな景色を眺められるのも、岩登りをしているから。9:18ころ。

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▲1ピッチ目をフォロウするO橋君。9:21ころ。

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▲2ピッチ目をO橋君がリードして行きました。姿はすぐに見えなくなります。9:29ころ。

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▲確保支点の岩場に紅葉した大文字草が生えていました。山はもう秋です。9:33ころ。

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▲2ピッチ目のフォロウを僕がしています。チムニーが現われました。股関節が痛くなるほど股開きがあるのかと心配していましたが、それほどではありませんでした。9:58ころ。

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▲O橋君の2ピッチ目はザイルの長さで40mほどになりました。3ピッチ目は僕のリード。登っている最中に大同心にかかっていたガスがはれ、陽光が当たっていました。10:13ころ。

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▲3ピッチ目は垂直の壁を抜け出したところで、ザイルを解いてもいいと思います。でも、安全のため、さらに20mほどザイルを付けたまま先へ進みました。
3ピッチ目終了点から近づいて来たO橋君にカメラを向けると、向こうも僕にカメラを向けていました。10:14ころ。

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▲4ピッチ目まではザイルは結びあったままで歩いて進みます。コンティニュアスです。10:22ころ。

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▲4ピッチ目をO橋君がリードします。途中、一箇所のワンムーヴだけが3級程度。念のためにザイルを出します。10:36ころ。

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▲4ピッチ目をフォロウしている僕です。終了点はちょうど横岳の山頂。10:44ころ。(写真撮影:O橋)

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▲山頂ではガスが多くかかって、周りの風景は見えませんでした。ちょっとガスが流れて、大同心、小同心が現われたのがこの写真です。11:21ころ。

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▲大同心ルンゼの下り初めです。11:38ころ。(写真撮影:O橋)

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▲こんなクライムダウンがあります。11:40ころ。

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▲2回目のクライムダウン。2級くらいの易しいクライムダウン。11:42ころ。(上の写真撮影:O橋)

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▲3回目のクライムダウン。11:50ころ。

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▲もうすぐ大同心の基部です。写真中央の岩壁と草付きの接点あたりへ向かいます。11:51ころ。

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▲大同心基部では30分ほどの大休止を取りました。ハーネス等の装備もここで解除。12:24ころ、大同心稜を下り始めました。

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▲赤岳鉱泉に着きました。12:59ころ。
ドリップのコーヒーを飲みました。

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▲振り返ると大同心、小同心のガスがはれていました。右の小同心の右のスカイラインあたりが今日登った小同心クラックです。真ん中のルンゼが下って来た大同心ルンゼ、左下の森になっている尾根が大同心稜です。13:36ころ。

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▲赤岳山荘の駐車場に戻って来ました。14:41ころ。
赤岳山荘で恒例の肉うどんを食べます。予定より早い下山でした。

                  *   *   *   *   *

無事にO橋君岩登り本チャンデビューが終了しました。大きな自然の中でクライミングすることの爽快さを堪能してもらえたと思います。岩自体は易しいピッチばかりでしたけれど、緊張感はあります。そこのところを楽しめたでしょうか?

O橋君は仕事のためしばらく山に行けない日々が続きます。再びの日には今回以上の楽しい山行ができますように。

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シダクラ尾根を登りましたが、久し振りに日没後下山となってしまいました・・・・反省

2012年09月17日 | ハイキング/奥多摩

2012/9/15  この3連休、S子と一泊二日でどこかへ行こうと考えていました。でも、S子の脚の調子がいっとき悪かったので、まずは15日に脚の調子を確認するために奥多摩を歩いて来ることにしました。これで問題がなければ、17日に沢へでも行こう、と思っていたのです。

9月中旬だというのにまだまだ30度を超える日が続いています。山の標高もせめて1000mは越えていないと、低山歩きは暑そうです。それで選んだのが御前山1405mとその近くの北斜面の支尾根。北斜面を選んだのも、もちろん暑さ対策ですね。

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▲惣岳バス停から下の道へ降り、シダクラ橋を渡ります。9:05ころ。

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▲シダクラ橋を渡り、左下のシダクラ沢へ下ります。ここは沢登りで沢支度をするいつもの場所。見えている滝は、もう何度も来ているのにまだ一度も登攀したことがありません。易しい滝ですが、シャワークライミングになるようなので、しょっぱなから濡れることを嫌って、いつも高巻いているのです。9:10ころ。

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▲シダクラ尾根(シダクラ沢右岸尾根)の登り初めです。後方には多摩川本流と支流のシダクラ沢が光っています。9:15ころ。

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▲最初から急登です。9:22ころ。

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▲二万五千図によると標高460m付近に送電鉄塔があります。そこを通過したところ。9:30ころ。

送電鉄塔がある場合、保守・点検のための道が必ずあります。ですから、そこまでの道はまずまずですが、その先の山道は整備されてないことが多いのです。この日も、いきなり草に覆われていました。

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▲踏み跡があったりなかったりの登りが続きます。10:12ころ。

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▲もう少し下からダムの白っぽい壁は見えていました。この辺りまで来ると、樹間に奥多摩湖の湖面までがよく見えるようになります。10:13ころ。

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▲810m標高点だと思います。ここで30分ほどの大休止を取りました。10:27ころ。

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▲この辺りの岩は石灰岩だと思います。ところどころで岩っぽい尾根になります。11:14ころ。

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▲しだくら峠というプレートがありました。標高900m付近のなだらかな尾根部分だと思います。11:21ころ。

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▲トリカブトがたくさん咲いていました。11:26ころ。

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▲キク科のカシワバハグマ(柏葉白熊)だと思います。11:48ころ。

柏の葉に似ていることから名前が付いたようですが、柏の葉には似ていませんよね。アカメガシワの葉に似ているからという説もあるようです。ハグマ(白熊)というのはヤクの尾の白い毛だそうです。僧侶の払子や武将の采配として使われていました。

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▲また岩場が出て来ました。11:51ころ。

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▲急登も相変わらずあります。12:39ころ。

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▲御前山の北、栃寄集落との間に、“体験の森”が広がっています。そこからこのシダクラ尾根にもルートがつながっているようです。ここには“アセビの広場”という名前が付いていますが、アセビの姿は見えませんでした。12:41ころ。

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▲体験の森のルート名ではシダクラ尾根は“シダクラの道”と呼ぶようですね。13:02ころ。

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▲大ブナ尾根の一般登山道へ出ました。13:10ころ。

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▲惣岳山1341mです。13:11ころ。ここでも中休止。

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▲御前山山頂はそのまま通過。13:46ころ。

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▲クロノ尾山です。来月の7~8日に長谷川恒男カップが開催されるせいでしょう、今日はトレイルランナーがとっても多く走っていました。14:33ころ。

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▲鞘口山です。ここでもトレイルランナーに抜かれました。どうやら4人で来ていたようなのですが、そのうちの一人とはぐれてしまったようです。ちょっと寄り道していた時に、他の仲間を抜いてしまったんだろうと、言っていましたが。14:53ころ。

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▲鞘口山から北に延びる尾根へ入りました。14:53ころ。

この尾根の名前ですが、いまだに僕の知るところではありません。ガイドブックに江戸小屋尾根と書かれていたりしますが、その真偽は分かりません。出典は忘れましたが、山彦尾根との表記もありました。でも、このネーミングはあまりにもといった感じですよね。

したがって、尾根の名前は分からないというのが正直なところです。仮称としての江戸小屋尾根か九竜尾根、もしくは、機械的に名付けて鞘口山北尾根とか栃寄沢右岸尾根とかでしょうか?

今になって思うのですが、この尾根の下降をスタートさせるのが14:53では少し遅すぎますね。御前山から栃寄沢沿いの登山道を下降するべきだったかもしれません。

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▲標高970mくらいの江戸小屋山は気付かずに通過してしまいました。途中、東の眺めが良い場所では写真のように鋸山1109mのピークやその右下のコル・大ダワがよく見えました。この辺りはよく踏まれていて登山道のようです。15:13ころ。

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▲こんな形の花はしそ科の花とばかり思っていましたが、どうやらこれはごまのはぐさ科のようです。ミヤマママコナ(深山飯子菜)だと思います。15:14ころ。

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▲九竜山954mです。昭文社の地図では942mとなっていますが、954mは標高点なので、その方が正しいのではないでしょうか? 15:49ころ。

この地点で水平距離では半分ちょっと、標高的には約4分の1下ったことになります。それをほぼ1時間ですから、あと1時間半~2時間あれば下れる計算でした。

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▲小河内ダムと奥多摩湖が見えています。16:07ころ。

写真の左に見えている集落は栃寄です。集落の背後の尾根は今日登ったシダクラ尾根。集落背後のピークが810m標高点です。

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▲熊の糞でしょうか。今日は登山者の多い一般登山道以外では熊鈴を鳴らして来ました。16:12ころ。

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▲ギンリョウソウです。16:50ころ。

熊の糞を見た辺りまでは問題はなかったんだと思います。その先の標高800m~900m周辺で、尾根型が少し不明瞭になります。奥多摩病院の方へ下降したいのですが、降りていると尾根型が消えて行き、斜面が急になるばかりです。どのあたりまで下降したのかは分からないのですが、下降すべき尾根を外したことは確実です。左(西)にはそれらしき尾根が見えないので、右高くに見える支尾根が奥多摩病院へ下っている尾根に違いないと考えました。

さっそく降りて来た道を登り返します。少し踏み跡はあるのですが、トラバース気味に歩きますから、急斜面の踏み跡は崩れている箇所が多くなります。もう少しで目指す尾根に戻れそうだという時に、写真のギンリョウソウが生えていました。写真を写す心のゆとりも生じた頃だったのでしょうね。

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▲鉄塔が現われました。麓までしっかりした山道があるはずと、ひと安心したのですが………。17:24ころ。

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▲奥多摩駅もある氷川の街並みも見えて来ました。ますますホッとした気分です。17:34ころ。

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▲突然山道は階段で降り、林道へ出てしまいました。しっかりした山道はここで消えてしまいました。保守・点検の人はここまで車で来て、ここから歩き始めるのでしょう。17:37ころ。

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▲降りるべき奥多摩病院が見えています。辿って来た尾根は正解でした。でも、ここから歩き易い山道がありません。しばらく、良い道も探してみましたが、見つかりません。植林の中の僅かな踏み跡を下降することにしました。17:48ころ。

すぐに日没となり、植林の中は真っ暗になりました。ヘッドライトを点け、道のない植林の急降下を慎重に下ります。万が一、降り着いた場所が林道のコンクリ壁の上だったとしても20mザイルで懸垂下降は出来ます。でも、出来るだけ易しい所へ出て欲しい気持ちでいっぱいでした。

足元にこれまでとは違う硬い踏み跡が感じられました。藪で覆われていますし、クモの巣が五月蝿いのですが、歩かれていた山道です。そこを選んで降りて行くと、お墓が現われました。

ホッとしました。お墓からはしっかりした道があり、廃屋が現われ、さらに下ると、里の家々が見えて来ました。老人ホームに降り立ち、奥多摩病院を通り、バス停へ行きました。18:30ころでした。18:35のバスにちょうど乗り込むことができたのはラッキーです。

                 *   *   *   *   *

天益へ行くと、「Hさんがこんなに遅く来るなんて珍しいわね」と言われました。確かにそうです。そう言われて、あらためて反省しきりな小生でした。

下降でルートミスをしなければ、暗い中下山することはなかったはずです。でも、ルートミスなどすることはありがちなことですから、もっと余裕をもった計画で歩くべきでした。反省。

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もっと僕もリード練習しなくっちゃ! 三ツ峠で岩トレ

2012年09月12日 | 岩登りトレーニング

2012/9/8  本当は一泊二日で行くことにしていたのですが、O橋君に仕事が入って日帰りで行くことになりました。彼の車で前夜に三ツ峠登山口に入ります。

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▲三ツ峠登山口の無料駐車場に到着した時はすでにとっぷりと日は暮れていました。テントの外にテーブルを置き長い夜のお楽しみが始まります。20:13ころ。

テーブルに載っている食事は河口湖町のスーパーマーケットで購入しました。お酒もたっぷりあります。

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▲ヘッドランプの灯りに誘われていろんな虫が集まります。でももう、真夏ほどには集まりませんね。大きな羽をばたばたさせるカゲロウの仲間らしき虫は袋の中にしばし閉じ込めておきました。(夜の宴が終わったら、逃がしてあげましたよ)

写真の虫はウマオイの幼虫だと思います。数匹がテーブルの上を歩きまわっていました。20:36ころ。

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▲これはまったく分かりません。多分、ヨコバエの仲間だとは思うのですが。20:38ころ。

心配されていた雨もまったく降らず、空には星が幾つも煌めいていました。22:30ころにテントに入ったと思います。

途中、テントから見える外が明るくて、朝になったのかと思い、外に出ると、下弦の月が冴えわたる輝きを見せていました。こんなに強い光を放つ月は見たことがないほどです。

2012/9/9  シュラフカバーは持って来ていたのですが、それに入っていると暑くて、ほとんど着たきりで寝ていました。天気も良くて、爽やかな目覚めです。上限の月も白く区切られて、真上の空に浮かんでいます。

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▲無料駐車場はこんな感じ。数十メートル歩くと立派で綺麗なトイレもあります。6:03ころ。

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▲三ツ峠山荘です。本当は四季楽園の方へ行った方が近かったのですが、間違えてこちらへ来てしまいました。トイレをお借りしました。1回100円です。7:43ころ。

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▲三ツ峠山荘へ来たおかげで、朝富士を眺めることができました。7:43ころ。この後すぐに、雲に隠れてしまいました。

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▲この辺りはいつ行っても、講習会のような大きなグループが一日中トップロープのザイルを垂らしています。今日は日曜日ということもあって(連チャンの連中は土曜日にここは済ましたはず)、この時間はまだ誰もいません。さっそく一般ルート右・3級+からトライ。基本、今日はO橋君のリード練習日です。8:24ころ。

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▲O橋君の向こうの岩場に、たくさんのクライマーが取り付いています。カーソルを写真にあわせて拡大して見て下さい。8:40ころ。

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▲続いて、一般ルート中央・4級+です。名前は一般ルートでも、思いの外てこずります。8:55ころ。

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▲一般ルート左・4級+です。ダブルザイルでのリード練習です。このルートはほぼ直線なので、右のザイルにもヌンチャクをかけてプロテクションを取った方がいいと思います。9:30ころ。

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▲一般ルートがあるのは「右フェース」エリア。同じエリア内で一番右にあるルートがこの草溝ルート・4級です。10:09ころ。

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▲第一クラック・4級+です。O橋君も苦労はしていましたが、自分でフォロウしてみて愕然! 以前は簡単にリードしていたはずなのに! フォロウなのに下手にしか登れないのです。??? 10:45ころ。

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▲人が持っているデイジーチェーンを見て、最初の頃は「僕も欲しいなぁ」と羨んでいたのですが、使用法によっては大きな危険があること、本来はセルフビレイ用のギアではないことなどを知り、それならばと、写真のPAS(パーソナル・アンカー・システム)が欲しいなあと思っていました。長いこと、そんな僕の繰り言を横で聞いていたS子が誕生日プレゼントにと買ってくれました。嬉し~い!!! 三ツ峠で初めて使ってみましたが、使いやすいですね。10:54ころ。

追伸:S子からの誕生日プレゼントはもうひとつ。ヘルメットです。綺麗なライトグリーンです。

この後の2ピッチは易しい2~3級のピッチでした。つるべで登り、天狗の踊場到着です。

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▲いきなりヘリが飛んで来て、目の前で、いや眼下でホバリングし始めました。11:34ころ。

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▲山梨県消防防災ヘリコプター「あかふじ」です。隊員が一人降下して行きました。11:34ころ。

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▲二人目の隊員も下降します。何か持っています。11:39ころ。

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▲担架に誰か人が固定されているようです。隊員とともに上がって来ました。怪我人なのでしょうか? 11:51ころ。

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▲もう一人の隊員と共に、ヘルメットのようなものをかぶった人が上がって来ました。最初の怪我人(?)の関係者なのでしょうか? 11:51ころ。

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▲ヘリが飛び去って行きました。どうやら御坂の山塊を越えるようです。甲府の病院へ行くのでしょうか? 11:56ころ。

◆帰宅後知りましたが、神奈川県のクライミングスクールに参加していた59歳の女性が20mほど墜落したのだそうです。グランドフォールです。10:50ころとのこと。病院に運ばれましたが、4時間半後に死亡が確認されました。墜落の原因は定かではありませんが、何らかの理由でザイルが外れたのだと考えられています。◆

どのようなミスがあったのか、今の時点では何も公表されていません。ひとつの命が亡くなったことは直接関わっていない人間も含めて真摯に心すべきだと思います。

人というのは不思議なもので、もしもこの亡くなった方が僕にとって近しい存在であったならば、これをきっかけにクライミングを止める可能性だってあるほどの重大事だったでしょう。でも、知らない方でした。人はたったそれだけの違いでこんな重大事故の影響を受けずに済ませてしまえるのです。

亡くなった方とその時その場を共にしていたのも大きな縁でしょう。その死を無駄にしない生き方をしなければと何かしら迫られる思いです。

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▲ヘリの到来から飛び去るまでを天狗の踊場から目撃していました。

それから、大根おろし・5級+を登ります。ピンがなく、プロテクションが取れないので、トップロープで登ります。下駄で登ったとかの伝説があるそうですが、話の種に一度は登っておきたいルートですね。10:07ころ。

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▲天狗の踊場からダブルでの懸垂下降をしました。第三バンドに出ます。そこから再びダブルで第一バンドまでの懸垂下降。写真は第一バンドから見た懸垂下降中のO橋君です。12:52ころ。

事件はこの後起きました。最初に降りた僕がザイルが引けることを確認していたのですが、しばらく短い長さは引けたザイルがすぐにうんともすんとも動かなくなったのです。ザイルをパタパタと揺らしたりしてまた少しは引けたのですが、どうしようとも動かなくなってしまいました。

ザイルの両端ともまだ手元にあって、下降支点にもザイルが通っているので問題はさほど複雑ではありません。一方のザイルを固定し、その他のザイルをプルージック等で自己確保しながら登攀しました。僕が行きます。№10.5クラック・3級と十字クラック上部・4級を登ったところでパタパタ揺らすと、ザイルは引けるようになりました。どのような状況で引っ掛かっていたのかは分からず仕舞いでしたが。

この日の最後にまた同じルートを懸垂下降したのですが、また引っ掛かっては嫌ですから、シングルで2回に分けて懸垂下降しました。

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▲再び下から天狗の踊場まで4ピッチの登攀スタートです。最初はリーダーピッチ・4級+。10:05ころ。

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▲最初は十字クラック・4級をリードしてもらおうと思っていたのですが、T字クラックをリードしたいというO橋君の念がビシバシと伝わって来ます。と言うわけで、T字クラック5級-をリード。出だしの最初のプロテクション前後と写真の頭上のオーバーハングに頭を押さえつけられてからのトラバースが核心部です。難しい! 14:34ころ。

僕はまたまた大苦労。昔、S子と来た時に僕がリードしたはずなのに、今日はフォロウに苦労している。

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▲続くピッチは№14か15クラック。見た目易しそうだったので、僕がつるべでリードすることに。ところがどっこい、さほど易しくはなく出だしすぐのワンムーブに手こずりました。どうやら、4級+のグレードのようです。

まあ、その上は易しいピッチでしたが。写真はフォロウしているO橋君。15:15ころ。「難しかったですね」と、言ってくれました。

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▲三ツ峠にもチムニールートがあります。それがこの権兵衛チムニー・4級。古いルート図でも、最近のでもグレードは4級になっています。でも、最低でも4級+はあるでしょうし、今回の感覚では5級-とグレーディングしても可笑しくないと感じました。

でも、僕はむかし何度かリードしていますが、その時は楽にリードしていたのです。チムニーに対する体勢の取り方が悪かったのかもしれません。今回は異常に難しく感じてしまいました。

O橋君もこれまでのスムースな登攀に比べると、すごく時間がかかっていました。立って確保していると疲れるので、途中で座って確保したほど、時間がかかりました。15:43と15:44ころ。

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▲権兵衛チムニーは30mのルートなので、懸垂下降はダブルザイルで行ないます。途中で引っ掛からないように細心の注意を払い、結び目が無事通過し手元に落ちて来ました。「ザイルダ~ウン」とコールもし、ひと安心していると、突然ザイルが動かなくなったのです。結び目はここにあるのに「何故だ~っ!?」ってなもんです。

今度はO橋君が1本のザイルで問題の箇所までリードします。16:23ころ。

どうやら、チョックストーンの場所で、末端が絶妙な絡まり方をしていたようです。

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▲懸垂下降中、ずうっと雲に隠れていた富士山がまた現われているのに気付きました。16:34ころ。

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▲地面に降りて来ました。広い三ツ峠の岩場の中には僕たちの他、ひとパーティーの声が聞こえるだけです。一般ルートのある岩場を下から見上げてみました。17:07ころ。

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▲一般ルートの左側の岩場は難度の高いルートばかり。僕は登ったことはありません。その大きさをO橋君との比較で感じてみて下さい。17:08ころ。

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▲さらに左のエリアへ行くと、中央カンテやV字ロックなどが見えます。今回は登りませんでしたけれど、中央カンテ4級+も登ってみたいルートです。17:09ころ。

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▲三ツ峠屏風岩のほぼ全体が見渡せます。四季楽園のある辺りから眺めた景色です。17:22ころ。

                 *   *   *   *   *

暗くなる前に車まで戻り、帰路につきました。高速に乗る前に「小作」と言う名の巨大なほうとう屋さんで夕食をいただきました。僕は運転はしませんが、当然お酒は飲みません。

車使用の山行の弱点は時間が読めないこと。行きは順調だったのに、帰りは捕まってしまいました。渋滞です。これは運命と諦めるしかありませんね。

O橋君が洒落た表現をしてくれました。「車使用の山行にはプロローグやエピローグがない」と。車を運転している最中に、こんなことをサラリと言ってしまうO橋君は面白い。

電車やバスでの面倒くさくもあり時間もかかる往路と帰路は、これから登る山への期待を高め、登った山への余韻を楽しむ貴重な時間だということです。確かにそうですね。

                 *   *   *   *   *

タイトルにも書きましたが、これからはもっと自分自身のリード練習もしなければと痛感しました。ここのところ、O橋君にリードしてもらうことがメインになっていたのです。今回、自分の登攀能力の低下に驚いています。もっともっと自分でもリードを楽しまなければと思いました。

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