ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

阿弥陀南稜を登り、中央稜を下りました

2023年04月14日 | ハードハイク/八ヶ岳

朝はS上さんが3時半くらいから起き出して、朝ご飯を作ってくれていました。ゆっくりとカボチャのたくさん入ったおじやを食べました。各自のザックをまとめ、テントを畳みました。ゆっくりと作業し、6時には出発です。起きた時は満天の星でしたから、陽が昇ると無風快晴の最高の登山日和です。全員、1日目よりも数キロはザックが軽くなっています。水が減ったのが大きいですね。

 

2022年10月16日(日) 阿弥陀南稜(青ナギ~阿弥陀岳)~中央稜下降

▲4:13。これは誰だろう? 哲さんかな?

 

▲5:34。阿弥陀岳にまだ朝陽は差しません。

 

▲5:37。充分行動可能な明るさです。僕がパッキングしていますね。(撮影:S上)

 

▲5:51。いよいよスタート! 左からK野さん、S上さん、SS木さん、哲さん。ヘルメットも被って、ハーネスも装着しています。

 

▲5:55。青ナギを渡るSS木さん。その後ろには僕と哲さん。(撮影:K野)

 

▲6:04。P1への登り初めです。

 

▲6:22。P1に到着すると、一気に絶景が飛び込んで来ます。広大な阿弥陀南稜の尾根の中に、いるのは僕たちの5人パーティーだけ。この大自然を独占しています。(撮影:K野)

 

▲6:24。P1でも記念撮影。左から僕、SS木さん、K野さん、S上さん。(撮影:哲)

 

▲6:26。陽が当たると、心まで暖かく感じられますね。

 

▲6:27。阿弥陀南稜にも陽が当たります。

 

▲6:28。振り返ると、富士山が見えていました。

 

▲6:29。雲海も広がっています。

 

▲6:45。P4がP3の後ろに隠れましたね。眼前のP3からが核心部です。

 

▲6:45。最後尾を締めて歩いてくれている哲さん。

 

▲6:51。いよいよ本格的な岩稜帯に突入します。

 

▲7:00。先頭の二人、K野さんとS上さんは速い!

 

▲7:05。いよいよP3の直下にやって来ました。

 

▲7:08。P2をいつの間にか通過し、P3基部に到着しました。そのまま直進し、P3をザイルを出して登攀するルートもあるようですが、僕たちは左にトラバースし、回りこんだところにあるルンゼを登ります。

 

▲7:10。ルンゼへと下る直前で待ってくれています。SS木さんとS上さん。

 

▲7:14。このP3岩峰の直登も出来るようですが、まずは右下にトラバース気味に下って、ルンゼを登攀します。

 

▲7:25。K野さんがまだみんなより重いザックを背負って、このルンゼをリードします。確保するのはS上さん。

 

▲7:25。ここは出だしの3mほどの垂壁が3級で、ルンゼに入ると岩場はなだらかで2級です。軽やかに垂壁をリードして余裕のK野さん。

 

▲7:39。2番目にS上さん、3番目でSS木さん、4番目は哲さん、ラストが僕です。固定されたザイルにフリクションノットで登りました。

 

▲7:51。滑ると、何10mも墜落していきますから、トップを登るK野さんは緊張感ありますよね。途中でプロテクションもほとんど取れませんし。(撮影:哲)

 

▲8:02。僕はラストでザイルに確保された状態で登って行きました。

 

▲8:03。ラストで登って来ている僕です。(撮影:哲)

 

▲8:07。僕が登って行くと、K野さんよりも10m近く下でSS木さんと哲さんがセルフビレイを取って、居ました。50mザイルならここでギリギリ確保していた場所です。今回は60mザイルを持って来ていたので、もっと上でK野さんは確保しています。上にはK野さんとS上さんがいます。2名よりは多く、上では留まれないので、SS木さんと哲さんは待機していたそうです。

 

▲8:10。僕はSS木さんのところまで来ると、S上さんに指示を出します。「草付きに踏み跡があるはずだから、セルフビレイを外して、上まで歩いて行きな!」と。この写真は草付きを歩いて登り始めたS上さんが振り返って写したものです。(撮影:S上)

 

▲8:10。SS木さんも哲さんもプルージック結び等して、K野さんのところまで行きます。右のザックはSS木さん、中央に哲さん、ラストは僕です。(撮影:K野)

 

▲8:15。ここからはザイルからは離れて、草付きを登って行きます。その草付きも簡単ではありませんが、丁寧に歩を進めれば大丈夫。慣れてないメンバーがいれば、ザイルで確保したこともあります。昔は最初にSS木さんがいた場所までしかザイルは届きませんでした。(50mザイルなので) 皆、そこでザイルから離れて、少しルンゼを登り、草付きに取り掛かったんです。今回は60mザイルですから草付き直前のところまでザイルを伸ばせました。K野さんはラストの僕をまだ確保中。

 

▲8:15。僕は皆とは逆に(写真では左側へ)踏み跡を辿りました。K野さんはザイルをザックに仕舞っているところでしょう。反省点としては、皆がバラバラに登るのではなく、互いに確認できる距離を保ちながら登って行くべきでした。(撮影:哲)

 

▲8:21。稜線に出ると、昨日歩いた稜線や泊まった場所がよく見えました。

 

▲8:22。最後にK野さんが登って来ました。ご苦労様です。

 

▲8:34。草付きをけっこう長い距離登って稜線に出ると、全員は達成感に包まれました。このルンゼが阿弥陀南稜の核心部だからです。「まだこの上にも少し緊張する箇所があるから気を引き締めて行こうね!」と僕は声を掛けます。とは言え、実際はそれほどではありません。雪の時季なら、雪の状態次第で緊張する箇所はあるんですけれどね。写真のスカイラインは赤岳天狗尾根ですね。

 

▲8:35。富士山と雲海です。

 

▲8:35。南アルプスが雲の海に浮かんでいます。手前の左は権現岳、中央は編笠山でしょうね。

 

▲8:38。ハイマツの中を進みます。

 

▲8:38。哲さんも会心の笑顔。

 

▲8:43。最後の岩稜帯が始まります。それほど難しくはありませんが、気は抜けません。(撮影:哲)

 

▲8:45。僕が岩場を登っています。(撮影:哲)

 

▲8:48。山頂はもうすぐです。僕を待ってくれているS上さんとSS木さん。

 

▲8:53。最後の岩稜帯です。

 

▲8:57。右に阿弥陀岳へ登る登山者の姿が見えてくると、我がパーティーの女性陣がその登山者と声を交し合っています。阿弥陀岳山頂には登山者の姿があります。そして、僕も山頂の一員となりました。写真の左の3人はSS木さん、S上さん、K野さんですね。もう何やら食べ始めています。

 

▲8:57。最後に到着した僕と哲さん。本当に感謝しかありません。今回の4人のメンバーの助けを借りて、6年ぶりの阿弥陀南稜を完登することが出来ました。その感動を現わすかのように、360度のパノラマが広がっています。富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、蓼科山、天狗岳、硫黄岳、横岳、赤岳、権現岳。 (撮影:SS木)

 

▲8:58。阿弥陀様? お地蔵さま? この背中側が行者小屋へ下る登山道だと、目印にしていました。

 

▲9:00。横岳と硫黄岳。

 

▲9:00。天狗岳と蓼科山。

 

▲9:01。諏訪湖。

 

▲9:01。遠くに中央アルプス。

 

▲9:01。南アルプス。

 

▲9:02。富士山と権現岳。

 

▲9:03。赤岳とその右に赤岳天狗尾根。

 

▲9:11。僕も食事中。牛乳パックに仕舞ったロールパン。(撮影:哲)

 

▲9:12。最後に記念撮影。左から僕、SS木さん、K野さん、哲さん、S上さん。(撮影:S上)

 

▲9:25。阿弥陀岳からは御小屋根を少し下ります。まずは摩利支天を越えて行きます。写真中央にK野さんとS上さんが見えますね。

 

▲9:29。摩利支天を越えると、御小屋尾根と中央稜の分岐があります。

 

▲9:32。御小屋尾根を下降し、摩利支天の岩場を越えたあたりから中央稜が派生しています。少し迷いましたが、無事に中央稜の踏み跡に入りました。(撮影:S上)

 

▲9:36。ここはもう阿弥陀中央稜かな。

 

▲9:48。御小屋尾根からも離れました。

 

▲10:05。急な下りを緊張しながら下降し続けます。滑ったり、転んだりすると、勢い余って何10mも落下して行ってしまいそうです。ここは上部岩壁を巻き下っている箇所です。

 

▲10:08。上部岩壁を巻き下りました。

 

▲10:32。下部岩壁は左から巻き下ります。上部岩壁よりもずっと大きな岩壁です。

 

▲10:36。下部岩壁がまだまだ続きます。

 

▲10:50。上部岩壁を右から巻き、下部岩壁は左から巻きました。もっと下って、やっと急下降の緊張感から解放されました。(撮影:哲)

 

▲10:54。阿弥陀中央稜も穏やかな尾根になって来ました。僕の気持ちも穏やかになって来ます。

 

▲11:10。樹林の中の踏み跡は安心しながら歩けて平和な感情が湧いて来ます。平和と安心は一体の感情なんですね。

 

▲11:17。沢底へ降りる最後の急斜面手前で、最後の休憩です。

 

▲11:48。谷へ降りる最後の急斜面です。岩壁帯の急下降に比べると緊張感はありません。それまでは念のために付けていたハーネス等の装備も解除しました。

 

▲11:56。沢筋に出て、緑の絨毯のような平坦な道を歩きます。舟山十字路までは僅かでした。

 

▲12:02。カモシカなのに角はないのかな?

 

▲12:21。平和な下山。

 

▲12:51。舟山十字路到着です。お疲れさまでした。

 

▲13:43。その後、お風呂に入りました。

 

一路東京へ。高尾で解散ですが、S上さんは子供さんや仕事のためでしょうか? 先に帰ります。残った4人はSS木さんの馴染みのお店で反省会。テントでも歩きながらでも車内でも、どこででも山のことを喋り続けていましたけれど、最後にお店でまた山のことを喋りました。みんな本当に山が好きなんですね。


阿弥陀南稜初日は立場岳の先の青ナギまで

2023年04月09日 | ハードハイク/八ヶ岳

今回の山行で一番強く心に感じたことはYYDの山仲間への感謝です。そして、僕の取るべき姿勢は謙虚さと柔軟性であることも肝に銘じました。優しくて力のある若い山仲間に甘えてばかりでは駄目ですからね。助言や思いやりの言葉をきちんと受け止めて、今後に活かすことが大事だと思います。

今回の山行計画者は僕です。YYDの山行ではかつて岩稜歩きの伝統もあったようです。僕が入会した2016年以前には阿弥陀南稜の記録も散見されます。しかも、冬の雪山シーズンに登っています。ですから、そのような伝統を若いメンバーにも引き継いでもらいたいと思い、計画を立てました。もし可能なら、今後は雪山の阿弥陀南稜に活かしてもらいたいと思い、重荷を背負ってのテント山行にしました。

今回と同じコースを歩くのなら、土曜日に阿弥陀南稜取付きの河原にテントを張り、 翌日、暗い時間帯から空身で同じコースを歩けば、同じ時間に下山可能だと思います。でも、大きな山を想定して、重荷を背負い、標高の高い山のど真ん中で幕営することは、 より大きな感動を味わうことが出来ますし、より大きな山行にもつながると思うのです。

高齢者である自分にとっても、若い力あるメンバーに支えられて、自分にとって手に余るレベルの山行を達成でき、感謝です。テントも分担して背負うことも出来ませんし、水も最小限しか持てません。ただただ、経験と知識だけを持ち、提供させていただきました。この山行の登攀リーダーは当然ですが、K野さん。僕は判断し責任を取らせていただきます。

 

2022年10月15日(土) 舟山十字路~阿弥陀南稜取付~立場(たつば)岳~青ナギ

▲12:11。舟山十字路に車を停めて、T字路のどこへ進めばいいのか、ちょっと迷いました。Tの字で言えば、左から車で来たのですが、最初は下に行きかけました。でも、正しくは右だったのですね。

 

▲12:46。林道を進むと、やがて河原へ向かう分岐があります。その河原の対岸に阿弥陀南稜への登山道があります。

 

▲12:57。2016年10月に2泊3日でテン泊した河原から、阿弥陀南稜には取付きます。踏み跡はほぼ一般登山道レベルで付いています。

 

▲13:13。僕にとっては何年ぶりの重いザックでしょう? (撮影:哲)

 

▲13:30。こんな場所も出ては来ますが、ほとんどは普通の山道です。

 

▲14:04。樹々が黄葉しています。

 

▲14:22。こんな木札があちこちに置いてあります。令和4年7月16日とか令和4年9月17日とか読めますね。何のためのものなんでしょう?

 

▲14:37。少し傾斜も緩んで来たように思えます。

 

▲14:47。立場岳2370m山頂です。左からK野さん、S上さん、僕、哲さん、SS木さん。

 

▲15:04。舟山十字路からほぼ3時間青ナギに到着しました。

 

▲15:05。心地よさげに佇む僕。(撮影:S上)

 

▲15:16。阿弥陀岳山頂を覆い隠していたガスが晴れました!

 

▲15:16。皆一斉にカメラを向けます。(撮影:S上)

 

▲15:16。望遠で撮ってみました。

 

▲15:17。日没前に、一瞬阿弥陀岳の岩壁が輝きました。写真に歩くコースを赤い矢印で示しました。P3直下の破線部分が核心部です。

 

▲15:48。それからは延々と山談義が続きました。標高2360mの天場です。見渡すことが出来る範囲内で、人間は僕たち5名だけ。軽量化と標高が高いのでアルコールは少なめに、と厳命したにもかかわらず、豊富にある飲み物。ビールでの乾杯からスタートし、哲さんのつまみ、K野さんの惣菜を口に運びながら、宴会スタート!

 

▲16:33。僕はお馴染みのネパール風豚バラ肉カリー、家で作ったのを冷凍して持って来ています。冷凍庫から出して9時間は経っていますが、周りも全然融けていません。焦げ付きそうなので、少々お湯を加えて、中火で温めます。(撮影:哲)

 

▲16:43。SS木さんのもつ鍋は下準備が丁寧になされています。もつもとっても新鮮で味が良く、野菜もたっぷり入っているので、山飯としては最高の贅沢ですね。

 

▲17:03。SS木さんは酒には弱いですし、僕も赤岳天狗尾根での失敗以降、山でのアルコールは控えています。みんなに迷惑を掛けてしまいますからね。(二日酔いで歩けなくなりますから) 後の3人は飲みまくっています。実に強い3人です。

 

▲18:46。暗くなると、満天の星空でした。寝る直前までテントの外で飲み食いできました。風もなく、暖かな夜でした。もちろん吐く息は真っ白でしたけどね。

 

▲18:47。S上さんとK野さん。この二人は酒も強いし山も強い。

 

▲19:35。SS木さんと僕がテントに入ってからも、まだまだ飲み続けていました。それでも9時くらいには就寝したようですけれどね。(撮影:S上)

 

夜中からは半月が上ったようで、テントの外が明るく照らされていました。


赤岳天狗尾根を登る予定でしたが、増水で渡渉困難となり、ツルネ東稜に変更して登りました

2022年07月30日 | ハードハイク/八ヶ岳

YYDでも2009年10月に実行されている、赤岳天狗尾根。 僕自身も2006年11月にS子ともう一人年配の女性H場さんとの3人で登っています。 その時は出合小屋と編笠山の青年小屋天場で2泊3日でした。 そして、僕は天狗尾根にもう一回、冬期に登ってます。 てっきり、2006年以降に行なったものとばかり思っていましたが、記録を確認すると、2004年1月でした。 赤岳天狗尾根を登ってから、阿弥陀岳北稜を登攀していますね。 こののち、ハイレベルなアルパインクライマーになっていったH原君とY根君との3人パーティーでした。天狗尾根の尾根上で1泊し、さらに行者小屋前でテン泊、そのまま帰るのももったいないので、阿弥陀岳北稜を登ってから下山したんでしょうね。

YYDの若いメンバーにも様々な岩稜を経験してもらいたいと思っています。YYDは沢登り中心の会です(あまり沢のレベルは高くありませんが)。でも、沢登りのレベルは熱意さえあれば徐々に上がっていくと思います。ただ、岩稜に関しては経験してみないとその面白さは分かりません。よく知らないと、行ってみようと思うこと自体があまりないと思います。ですから、あえて岩稜を多く計画してみたいと思っているのです。

 

2022年7月16日(土) 美し森~出合小屋

▲12:59。土曜日は天気が少し心配でしたが、この日は出合小屋までですから、途中で雨が降って来ても問題はありません。車を停めた駐車場からいよいよ出発。

 

▲14:01。林道を進んでから、地獄谷の河原に降りました。広い河原を右に左に、時々付けられている目印を確認しながら進みます。

 

▲14:04。堰堤がたくさん出て来ます。全部で8つだか9つだか出て来ました。

 

▲14:15。こんな梯子が架けられている堰堤も。

 

▲14:47。K野さんはカエル大好き人間!

 

▲15:06。最後はに降られて、雨具も着ました。しばらくして止むと、出合小屋が見えて来ました。

 

▲15:06。出合小屋の前にニホンカモシカ!

 

▲16:04。到着後、本格的に降り始め、夜中まで猛烈に降り続きました。出合小屋での夜の団欒の時はとても楽しいものでした。夕食は各自持ち寄り。 K野さんのサラダ(右)は女子力あり過ぎと、大好評でした。 S上さんのタイ料理ガパオ(左)も美味しかったですね。生卵まで乗っかっていて。

 

▲16:04。僕はお決まりのネパール風チキンカリー。各自持ちよりシステムの欠陥は、ついつい多めに持って来てしまうこと。ですから、各メンバーには少なめに持って来ることを徹底しました。結局、僕が一番たくさん持って来てしまいましたし、アルコールも一番飲んでしまいました。反省⤵

 

▲18:49。おかずとさっぱりとしたサラダが揃ったので、哲さんは飲み物の豚汁を用意してくれました。美味は当然として、僕はまったく気付かなかったのですが、S上さんによると、料理上手な人だからこそ出来る細かな手の込みようが見られたんだそうです。普段も料理をする哲さんのようですね。最後に申し込んできたA宮さんは気を利かしてデザート。心地よい甘酸っぱさのブドウを持って来てくれました。(写真がなくてご免なさい)

 

▲18:51。小屋は僕たちだけの独占でした。こたつ用のテーブルがあったので、それを出しての山小屋とは思えない居心地の良さですね。翌朝が早いですから、「早く寝ようね」と言っていた本人(僕)が「そろそろ寝ようか」となった時に「まだみんなで話そうよ」と言って駄々をこねたとか。僕は酔っていて記憶にありませんが。

 

2022年7月17日(日) 出合小屋~ツルネ東稜~真教寺尾根

2日目の朝は空が白みかけたら起床しようということになっていました。3時半くらいにはS上さんが最初に起き始めたようですね。僕も起きてましたけど。準備出来次第、出発します。朝食は行動食扱いで、出発後に各自で食べることにしています。

▲4:59。出発直前の時間です。トタンで囲われたこの建物はトイレです。入り口には分厚い毛布が扉の代わりに下がっています。

 

▲5:00。トイレの中はこんな感じ。以前、この小屋に泊まった際の印象では、とても酷いトイレだったとの印象でした。でも、今回は素敵(誉めすぎ?)なトイレだなと、思いましたね。この小屋は地元の山岳会が管理してくださっているのですが、ここまでしっかりとトイレは作れませんよね。

 

▲5:08。沢の水は早く平水近くに戻ると予想していましたが、夜明け前にもまだ沢音は轟いていました。5時にスタートし、沢の渡渉をすることになると、「これは大変だ」と実感できます。何回か渡渉を繰り返し、赤岳沢出合に到着。ここで、天狗尾根を実行するか否かを判断しなければなりません。

 

▲5:08。この場所での渡渉も大変そうだったのですが、赤岳沢自体(写真の右から流れ落ちている沢です)の水量も相当のものでした。僕のいい加減な記憶では、ここまでは沢岸の踏み跡を辿り、時々渡渉するパターンでしたけれど、赤岳沢は沢の左側を進んでいたように記憶しています。沢の流れの左端を登って行くのです。これだけの増水ですから、水に濡れずに進むのは無理そうです。他にも理由は幾つかありますが、天狗尾根は断念し、ツルネ東稜を登ることに決定。地獄谷本谷を進んで行きます。

 

▲5:30。ニホンカモシカです。途中で2回ほど出遭いました。

 

▲5:52。苦労の渡渉を繰り返して、右岸から流入する権現沢に出合います。たしか、ここの渡渉だったかどうかは分かりませんが(僕の記憶は超あやふやです)、一番大変だった渡渉がありました。激しい流れを挟んで、岩から岩へ大ジャンプしなければなりません。僕は覚悟を決めてジャンプしましたが、なかなかの緊張感です。女性二人には、まず重いザックをこちら岸に手渡してもらうことにしました。その時です。 別の場所から渡渉していたK野さんが、岩と岩の間の急流に入って、サポートをしてくれました。膝から下は急流の中です。女性2人も安心してジャンプできます。 K野さんが手を取ってくれていますから。まさにリーダーの鑑ですね! 哲さんも「思いっ切り、強く手を握っちゃったよ」と言ってました。

 

▲5:56。ここが地獄谷本谷(右俣)と上ノ権現沢(左俣)が出合っている二俣です。ここの中間尾根がツルネ東稜なんです。

 

▲5:58。この場所にツルネ東稜の標識がありました。別の標識もあって、本谷の対岸からも天狗尾根に登れるみたいです。地形図で確認できる範囲では危険な感じはありません。踏み跡があるのなら、大丈夫そうですが、一度「ツルネ東稜を登る」と決めた後での変更は何となく嫌だったんです。恐らくK野さんは行きたかったことと思いますね。ご免なさいね。

 

▲6:06。ツルネ東稜自体は踏み跡もしっかりしているルートです。今回のように増水していない時なら、比較的気楽に楽しめるコースだと思いますね。

 

▲6:23。途中にこんな標識までありました。これでは一般登山道ですね。でも、そんなに甘くはありませんけどね。

 

ただ、ここから僕自身に問題が発生しました。山体力復活途上の僕ですが、小同心クラックも無事にこなせ、今回の山行も大丈夫なはずと自分では思っていました。でも、大問題が発生! 疲労感が半端ありません。ツルネ東稜取り付きまでも、その感覚はあったのですが、ツルネ東稜の急登になった途端、明確に自覚できました。息は荒く、足は重く、乳酸が溜まっているようで、無理するとすぐにすぐに脹脛が攣りそうになります。皆から遅れる僕の様子は皆の知るところとなり、僕も「ちょっと調子が出ない」と言います。ハーネス等を哲さんが持ってくれ、20m補助ロープはS上さんが持ってくれました。それからはゆっくりゆっくりとパーティーは進みました。S上さんは僕の後ろに付いて、僕の様子を見ていてくれます。僕のすぐ前を歩く哲さんは僕の数歩前をキープしながら歩いてくれます。呼吸法も教えてくれました。とにかく、たくさん酸素を吸いたい気分なんです。そのために一生懸命、息をたくさん吐きました。(哲さんに教えてもらったんです)

 

▲7:00。急登が続きます。朝の陽射しが差し込み始め。心地よい雰囲気が高まって来ました。

 

▲7:12。ツルネ東稜は森に覆われた尾根です。森の木間(このま)から右隣りの天狗尾根が覗ける場所がありました。写真で一番高く見える岩峰が大天狗です。

 

▲7:13。天狗尾根の下方(右下)にカニのはさみと呼ばれている岩峰が見えました。

 

▲7:48。大天狗は天辺が切られてしまっていますね。大天狗のすぐ左隣りの細く尖った岩峰が小天狗です。右下にカニのはさみも見えてますね。薄っすらとガスも棚引いています。天狗尾根の迫力あふれる岩峰の姿を眺めて、A宮さんはますます天狗尾根への想いを強めたようです。

 

▲8:24。ゴゼンタチバナ。これは多年草なんですが、樹木のハナミズキやヤマボウシなどと近縁の種類なんですね。そう言われれば、花の感じが似ています。白い花びらのようなものは総苞なんだそうです。

 

▲8:28。ツルネ山頂2550mでパチリ! 左からA宮さん、哲さん、S上さん、K野さん。僕のペースが遅かったのでこの時刻ですが、写真の4人だけなら8時前には余裕で到着していたはずですね。

 

▲8:29。一般登山道にもこのような標識が。出合小屋と書いておくよりも、ツルネ山頂との標識がある方がいいと思うのですが。

 

▲8:31。山頂付近にはコマクサがたくさん咲いていました。綺麗ですね。女王の風格です。

 

▲8:53。ヨツバシオガマだと思います。

 

▲8:56。キレット小屋で休憩しました。天狗尾根がよく見えます。

 

▲9:35。赤岳目指してアップダウンが続きます。青空が見えることもありますが、霧雨が当たることもあったりします。

 

▲9:39。コマクサが群生する場所が再び出て来ました。実に愛らしく美しい花ですね。

 

▲9:43。チシマギキョウかなと思います。

 

▲9:49。青空バックにガレ場の急登を登って行きます。

 

▲10:16。緊張するクサリ場も出て来ます。

 

▲10:16。ミヤマキンバイ? それともシナノキンバイ? 葉の形がよく見えません。

 

▲10:18。ウスユキソウでしょうか? いわゆるエーデルワイスですね。

 

▲10:22。ハクサンシャクナゲだと思います。

 

▲10:23。2つの尾根がくっきりと見えています。右がこの日下りる真教寺尾根、左は県界尾根です。

 

▲10:47。真教寺尾根の分岐に到着すると、僕は皆に言いました。「僕は赤岳へは行かずに、先に真教寺尾根を降りるね」と。僕のせいで時間がかかっていますから、少しでも下山時刻を早めたいと思ったのです。真教寺尾根を数m下って、僕を見てくれている4人を撮りました。4人はこれから赤岳へ向かいます。A宮さんは「小屋でコ-ラを買って飲む」と、嬉しそうです。

 

▲10:59。これはミヤマキンバイだと思います。

 

▲11:14。このようなクサリ場が何ヶ所も出て来ました。出来るだけ、鎖には頼らずにクライムダウンしようと思うのですが、頼り切る場面も多く出て来ました。

 

▲11:18。右(南西)側には天狗尾根が見えています。大天狗と小天狗の岩峰。

 

▲11:24。これが最後くらいのクサリ場かな?

 

この後すぐに、休憩し易そうな場所がありましたから、30分間も休みました。水分補給をし、行動食を食べました。小さな羊羹も1個食べました。少しずつ体調も良くなってきている感じです。下りですから、息もそれほど荒くはなりませんしね。

休んだ場所に白っぽい小石を使って12じと書き残しておきました。僕がここを12時に通過したことが分かるようにです。

 

▲12:16。休憩を終え、歩き始めるとすぐに、上から哲さんが僕を呼ぶ声が聞こえました。30分も休憩していたのですから、追い付かれて当然ですね。逆に言えば、一人で降りていたおかげで30分間の休憩が取れたということです。白い小石の12じには誰も気付いてくれなかったようです。絶対気付くはずと思ったんだけどな。

 

頂上小屋にはコーラは売っていなかったようで、A宮さんは残念でした。合流してからは、僕が先頭で歩きました。下りですし、僕もまずまずのペースで歩けるようになりましたし、何より一番遅い僕のペースがこのパーティーのペースですから。

 

▲13:24。牛首山2280.1mだったと思います。

 

▲14:16。ハナビラタケだと思います。20cm近くありました。奥多摩で2回ほどもっと大きく成長したのを採って食べたことがあります。癖がなくて美味しいキノコでした。これも採って帰ろうかなとも思ったのですが、止めておきました。

 

▲14:27。清里スキー場の最上部の横を通りました。

 

▲15:01。羽衣池です。

 

▲15:22。途中、工事中の登山道があって、少しだけ遠回りしました。

 

▲15:30。到着です。

 

帰路、甲斐大泉温泉パノラマの湯へ寄りました。汗を流して、さっぱりとします。食事も畳の広間で食べたのですが、味付けが駄目でしたね。カツ煮の卵とじ丼を頼んだのですが、塩味がまったく効いていませんでした。塩味だけではないと思いますが。哲さん曰く「〇〇さん(僕)の味覚がちゃんとしてることが分かった」とのこと。

A宮さんとはここでお別れです。彼女は山梨県在住ですから、ここからは近くて、自分の車で来ているのです。他のメンバーは哲さんの車に乗せてもらっています。彼は埼玉県ですから、H島駅で集合し、解散もそこです。僕にとっては有難い限りです。本当はH島駅辺りで、S上さんとK野さんとで再度の打ち上げ(アルコール込み)をしたかったのですが、それなりに遅い時刻になりましたから、大人しく解散となった次第。😢

 

今回の山行は僕にとってはショックでもあり、反省点も多い山行でした。

そうだかどうだかは分かりませんが、僕自身の考えでは軽い高度障害を起こしていたのではと思います。前の晩、僕にしてはアルコール摂取が多かったこと、ほとんど眠れなかったこと、小同心クラック以降の疲労が抜けずに蓄積されていたこと、などがその原因として考えられます。しっかりと高度順化できていなかった気がします。以前なら、この程度のこと、もっと大変なことがあっても、山行に影響が出るようなことはありませんでした。でも、今回は影響が出ました。今後の山行では、このような事態が起こる可能性も考慮した上で、山行を実行しなければならないと思います。前の晩のアルコールは少なめにする、よく眠れるように温かくする(今回はシュラフカバーだけでしたから)、山行の疲労を取るための努力をする、等でしょうか。長くそれなりの山行を続けるためには、自らの年齢とも真正面から向き合わないといけないと強く思わされました。

思わぬ迷惑をかけてしまった、今回の山行でしたけれど、高齢者が通過しなければならない必然の道だと思いました。「いつまでも昔の体力や体調のままではないんだぞ」と痛感させられました。僕にとっては人生で初めての体験でしたから。前向きにとらえて、このようなことも克服する努力をしながら、自分自身をレベルアップし続けたいと思います。若いころはことさらの努力がなくても、山体力はアップしましたし、登攀能力も向上しました。でも、高齢者になると努力しないと低下し続けるんですね。山人生で初めての計画的努力をこれからしたいと思います。そんな努力を前向きに楽しめればいいな、と思っています。

最後に、今回も長い距離を歩きました。2日目の行動時間は休憩込みで10時間30分です。ツルネ山頂からは一般登山道ですから、標準コースタイムが分かります。ツルネからゴールの駐車場まではおよそ6時間10分。そこを6時間58分かかりました。休憩時間を引くと、途中で30分も休んだりもしましたから、6時間9分です。ほぼコースタイムと同じで歩けていますね。本当は休憩込みでコースタイムと同じ時間で歩きたいのですが。


最終日の阿弥陀中央稜は、秋の青空のもと、快適なハイキング!

2016年11月07日 | ハードハイク/八ヶ岳

2016/10/10  今日の僕はどこか気分的にのんびりしていて気がとても楽です。と言うのも、今日の中央稜はザイルを出すような箇所もなく、昨日の南稜よりはずっと距離も短いですし、何より今日は快晴に恵まれそうですから。


▲昨晩の焚火をまずは熾す作業です。焚き付け用の新聞紙がなくなってしまいましたから、小枝だけで何とかしようと必死に吹いています。SS木さんやI城さんは吹き付ける息が長く続いて上手です。僕は原因不明ですが下手くそですね。5:27ころ。

焚き付けなしではやはり上手く火は付きませんでした。僕が持っていた牛乳パックを小さくちぎって焚き付けにし、昨晩のは消し炭になってたくさんありますから、そのうち火は付きました。


▲朝食担当はT口さん。5:53ころ。


▲野菜たっぷりのトマトスープとアルファ米の白飯+塩昆布。YYDは朝から本当にたくさん食べますね。6:13ころ。


▲7時には出発するつもりだったのですが、実際のスタートはこの時間に。7:37ころ。


▲広河原沢沿いの林道を進むと、前方に阿弥陀岳が見えています。7:42ころ。


▲林道が終わり、山道を辿ります。沢の水は伏流しているようです。7:50ころ。


▲だだっ広い草地があり、その辺りから尾根の末端に取り付きました。8:07ころ。


▲急登をひたすら登ります。途中、キノコ採りのお爺さんと出くわしました。85歳だとか。実に足取りも軽く、この辺りの地形を熟知しています。お爺さんに励まされて、再び頑張りました。8:20ころ。


▲尾根末端の急登は終了し、比較的なだらかな登りになりました。8:57ころ。


▲調べてみました。地衣類のハナゴケ、もしくはミヤマハナゴケのようです。9:06ころ。


▲途中、シラカバの林がありました。朝陽に照らされて白く輝いています。9:12ころ。


▲下部岩壁が見えて来ました。けっこう大きな岩壁です。9:21ころ。


▲振り向くと、南アルプスが見えています。左から北岳3193m、甲斐駒ケ岳2967m、仙丈ヶ岳3033m。いちばん手前の山は立場岳2370m。9:28ころ。


▲下部岩壁の基部に到着しました。9:32ころ。


▲下部岩壁ではこれまで同様に登山道と変わらないほどの踏み跡が右へ向かって延びていました。9:34ころ。


▲少し緊張しますが、この程度です。9:38ころ。


▲下部岩壁を右から巻き終わりました。ここでT口さんの背中側から中高年のおじさんがひょっこり姿を現わしました。「えええっ! 下部岩壁を登攀して来たのか!?」と、びっくりしましたが、ただ下降中に間違えてここを通り過ぎてしまっただけでした。9:41ころ。


▲昨日登った阿弥陀南稜の核心部が見えています。中央のルンゼがザイルを出した箇所です。ルンゼですから、中までは見えませんね。その右にはP3の岩峰が見えます。岩場のテラスに立っている登山者が見えます。彼らのパーティーはP3を直登したようですね。9:44ころ。


▲今度は上部岩壁が出て来ました。下部に比べるとそれほど大きくはありません。こちらは下部とは逆に左側から巻きます。9:53ころ。


▲上部岩壁は巻き道もさほどの急登ではありません。9:56ころ。


▲手前の御小屋尾根の遠く向こう側には北アルプスが見えました。槍ヶ岳3180mや大キレットが目視できます。9:56ころ。


▲登って来た方向を振り返ると、中央稜が。途中から右へ折れ曲がっているように見えますが、その屈曲点に下部岩壁があるように見えますね。左隣りの尾根は南稜です。9:58ころ。

秋晴れで、風も気になるほどではありません。大休止することにしました。


▲遠くには先ほどからの南アルプス。その手前には左から権現岳2715m、富士山のような形なのが編笠山2523.7m、右端に西岳2398mですね。手前には阿弥陀南稜が。10:02ころ。


▲ウラシマツツジ(裏縞躑躅)の紅葉が綺麗でした。10:04ころ。


▲昨日は霧でほとんど見えなかった青ナギがよく見えます。10:11ころ。


▲左のI城さんの右に立場岳や西岳。頭上には南アルプスが。その右には中央アルプスも見えます。10:21ころ。


▲秋の空ですね! 右には権現岳。遠くには富士山も。10:26ころ。


▲大休止も終了して、再び歩き始めました。土の道では霜柱もあちこちに。夜は零下なんですね。10:35ころ。


▲南稜を別の角度から眺めます。遠くには富士山が雲から頭を出しています。10:38ころ。


▲御小屋尾根に出るのももうすぐ。これまで中央稜を下降路としている多くの登山者(大部分は阿弥陀南稜との継続登山)と出会いましたけれど、僕たちの少し先にもその姿が見えますね。南稜から中央稜への継続登山を僕も来年あたりにやってみようと思います。10:45ころ。


▲御小屋尾根に出ました。10:49ころ。


▲そのまま御小屋尾根を降りてもいいのですが、近いので阿弥陀岳2805m山頂へ行きました。昨日とは違って登山者がたくさんいます。10:55ころ。


▲横岳の衛兵のように大同心と小同心が立っています。10:56ころ。


▲阿弥陀仏なのでしょうか? 11:09ころ。


▲赤岳。右に天狗尾根の大天狗が目立っています。赤岳主稜や南峰リッジ、それらの左にショルダーリッジもはっきりと見えますね。11:14ころ。


▲M力さんとSS木さん、何を想う、じっと遠くの景色を眺めていました。11:23ころ。


▲青空に秋の雲が綺麗ですね。手前には編笠山と西岳。遠くには南アルプスと中央アルプスが。11:28ころ。


▲「今明不動」ですよね。調べてもまったく分かりませんでした。11:34ころ。


▲これまたよく分かりません。「法力不動護摩供養」と言う修行はあるようですが・・・・ 11:34ころ。


▲「大日大王神」、これまたよく分からない神様の名前ですね。やたらでっかくて、偉そうな神様の名前です。気持ちは理解できますが。11:34ころ。


▲「羽黒山神社」は出羽三山の羽黒山を思い起こしますが、羽黒山神社は栃木県にあるようですね。11:34ころ。


▲「金毘羅」でしょうね。11:34ころ。


▲「武尊山(ほたかさん)神社」はもちろん上州武尊の麓の武尊神社のことでしょう。11:34ころ。


▲「大巳貴命(おほなむち)」と読めます。大国主(おおくにぬし)の別名のようです。11:34ころ。

神様や神社の名前を彫った石がたくさん置いてありました。わざわざ背負って運び上げたのでしょうね。阿弥陀岳との名前も有り難いですが、これほどに碑が多いのはもっと何か理由があるのでしょうね。


▲御小屋尾根を下山開始です。11:37ころ。


▲摩利支天の梯子を登ります。11:39ころ。


▲中央稜との分岐あたりで両手を上げているのはM力さん。11:42ころ。


▲中央稜の踏み跡が一筋に見えています。南稜の青ナギや立場岳も見えますね。11:43ころ。


▲振り返ると、中央稜上部の稜線が見えました。11:55ころ。


▲樹林帯に入り、ひと休み。12:40ころ。


▲このキノコは? 12:51ころ。


▲ひだの美しい白いキノコ。12:52ころ。


▲可愛いキノコです。13:02ころ。


▲乾燥して破れてしまったのでしょうか? 13:10ころ。


▲ホコリタケ(別名キツネノチャブクロ)の幼菌ですね。表面の皮をむけば、マシュマロみたいな中身になります。でも、味も香りもなく、とりわけ美味しくはありません。13:45ころ。


▲両サイドにカラマツ林が広がります。昨日はハナイグチを収穫しました。13:50ころ。


▲天場に戻って来ました。14:21ころ。


▲幕営装備を撤収し、帰路につきます。14:57ころ。

I城さんが車で舟山十字路まで入っていましたから、小淵沢駅そばのスパティオ小淵沢までI城さんに車で送ってもらいました。彼は用があるようで、そのままそこで別れます。入浴後、食事もそこでして、気分もゆったりです。

今後もYYDで今回のような岩稜登山もしたいものですね。


雨は止みましたが、霧と風の中、阿弥陀南稜を完登しました!

2016年10月29日 | ハードハイク/八ヶ岳

2016/10/9  今回のメイン山行は阿弥陀南稜です。中央稜に比べると、歩く距離も長いですし、難度も高いからです。ですから、山行中日に実行する計画でした。でも、中日の今日は雨天。今日を中央稜にして、明日天気が回復しますから、好天のもとで南稜へ行くのもありでしょう。それも考えたのですが、今日のメンバーでどれくらい時間がかかるか分かりません。しかも、明日は帰路につかなければなりませんから、余裕のある時間帯に下山していなければなりません。それを考えると、明日はやっぱり中央稜でしょう。
それに天気予報では午前中の早い段階で雨が止むことになっており、その後急速に天気は回復するようです。その予報に賭けて、今日は南稜へそのまま行くことにしたのです。


▲朝、目覚めると、小雨が降っていました。テントの前に張ったタープの下で朝食と出発の準備をしました。朝はまだ雨の予報でしたから、タープを持って来て正解でした。今日は日の出とともに出発する予定にもしていましたから、朝食は各自で用意しておくことに。手早く朝食も済ませて準備完了。5:32ころ。


▲カメラのフラッシュを光らせると、雨粒が雪のように浮かび上がります。出発! 6:05ころ。


▲堰堤の左岸から阿弥陀南稜へ登る踏み跡を辿りました。意外と早く稜線上に。6:19ころ。


▲急登が続きましたが、山頂が近づくと、なだらかになり、苔の美しい山道になります。7:27ころ。


▲立場岳山頂です。この標識では標高が2248mになっていますが、実際は2370m。僕は「たてばだけ」だと思っていたのですが、調べてみると「たつばだけ」なんですね。地図では立場岳となっていますが、僕はこの標識のように「立場山」の方がしっくりきます。7:36ころ。


▲立場岳までももっとゆっくり歩きたかったのですが、元気者たちの足を遅めることは出来ません。立場岳でも長く休憩したのですが、その先まで行き、まだ雨が止みませんから、止むまで停滞することに。8:19ころ。


▲1時間以上、天気待ちをしました。最悪、天気が回復しないようであれば、ここから引き返すことも想定していました。ですが、気付くと雨が止んでいたのです。心なしか周囲の明るさも増した気が・・・・。いざ、出発です。青ナギも霧で隠され、半分も見えていませんね。9:25ころ。


▲この辺りがP1でしょうか? 9:55ころ。


▲P2だと思います。まだまだ霧が濃く、周辺だけしか見えません。10:02ころ。


▲眼前にP3が迫って来ました。10:07ころ。


▲ここで登攀装備を身に着けたのですが、風が強くて、長くいると体温が下がってしまいます。10:28ころ。


▲今回はP3の直登はしません。通常通り左側を巻き、ルンゼを登ります。その取付きへ向かう踏み跡が明瞭に付いています。10:30ころ。


▲T口さんが後続を見守っています。ここからはさらに左へ下がり気味に進みました。10:31ころ。


▲T口さんがリード、僕が確保しました。二番手はSS木さん。つづら岩で練習をしたダブルプルージックでフォロウします。最初の3mほどだけが3級で、ちょっとだけ緊張します。10:57ころ。


▲僕が三番手でSS木さんを追います。ラストはM力さん。万力さんにはすでにザイル末端をハーネスに結んでもらっています。「T口さんが上からザイルを引いたら、それが登っていいよ! の合図なので登って来てね」と言ってあります。
以前は残置のロープなどがあったのですが、今は見当たりません。易しい岩場ですから、ない方がすっきりしていいですね。ただ、T口さんによるとハーケン等も見つからなかったようです。まったくないとは信じられませんが、2、3ヵ所はあって欲しいですし、あるはずですよね。11:03ころ。


▲T口さんの確保している場所まで着くと、僕とSS木さんはザイルから離れてそのまま踏み跡を登ります。すぐに土の道となり、ザイルがなくとも慎重に登れば大丈夫ですから。安定し、T口さんの姿が霧の中でもなんとか確認できる場所で、待機していました。M力さんが上がって来て、最後にT口さんも来て、再び4人集結です。11:21ころ。


▲ほんのしばらく傾斜の緩い道になります。11:27ころ。


▲P4を左から(だったと思います)巻きました。11:41ころ。


▲頂上すぐそばの岩場は間を縫うように登って行きます。11:44ころ。


▲岩場の通過を終え、阿弥陀山頂はもうすぐです。でも、霧のためまだよく見えていないのです。11:45ころ。


▲顔を上げると、そこはいきなりの山頂2805mでした! 霧もいいものですね。そんなサプライズを演出してくれます。11:47ころ。


▲SS木さん、M力さんもゴールイン! 11:47ころ。


▲登攀装備を解除しました。周囲は霧で真っ白。山頂には登山者が他にも2、3人いました。11:51ころ。


▲南アルプスの甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳や北岳などがほんの一瞬ですが、顔をのぞかせました。12:02ころ。


▲富士山も姿を現わしました。気付いてからカメラを向けたのでは、間に合いません。カメラを向け続けてやっと撮れた写真です。12:09ころ。


▲今日登って来た南稜の姿もやっとその全貌が浮かび上がってきました。12:10ころ。


▲阿弥陀岳山頂を後にして、御小屋尾根を下山します。12:14ころ。


▲摩利支天の岩場の左に乗鞍岳3026m、御嶽山3067m、中央アルプスが見えて来ました。12:16ころ。


▲摩利支天の梯子を登ります。12:16ころ。


▲先を行く、T口さんとM力さん。12:18ころ。


▲阿弥陀岳を振り返ってみました。南稜最上部は隠れて見えませんが、下方は見えています。写真中央には富士山も。12:20ころ。


▲写真中央は甲斐駒ヶ岳。その左に北岳。右には雲で隠れた仙丈ヶ岳が。仙丈の手前には鋸歯状の鋸尾根も見えました。写真右の丸いピークは阿弥陀南稜の立場岳だと思います。12:40ころ。


▲御小屋尾根の樹林帯に入り、天候も穏やかになりましたから、気分も穏やかに休憩です。13:07ころ。


▲御小屋山の標識が現われました。初めて見る新しい標識です。この辺り平坦ですし、何かしら小屋が建っていたのだろうと想像することくらいまでは僕にもできます。でも、ネットで調べてみたらさらに驚くべき情報を知ることが出来ました。まあ、もちろん知っている方にとっては常識なのでしょうが。
御小屋山(おこやさん)は別名・御柱山とも呼ばれています。御柱と言えば諏訪神社ですけれど、この辺りの山は諏訪神社の社有林なのだそうです。1992年までは御柱祭の御用材をこの山から調達していたのです。しかし、1959年の伊勢湾台風で大規模な倒木被害が出て、モミの大木が急速に不足していったのだそうです。ですから、最近は他地区から御用材を調達しているのだとか。そんな場所だとは知りませんでした。14:08ころ。


▲ほぼ山からは下りてきて、だだっ広い林道のような山道に出て来ました。キノコでもないかな、と目をキョロキョロさせながら歩いています。14:56ころ。


▲ハナイグチが出ていました。皆、色めき立ちます。15:06ころ。

その後、夢中になって両サイドのカラマツ林に入ってハナイグチを探しました。それなりの量の収穫がありました。


▲幕営地に戻ると、タープの端っこが破れていました。昔、トカラ列島で海岸沿いにテントとタープを張った際に強い海風に煽られてタープが激しく破れたことがありました。ですから、今回が二度目。今日も風が強かったのでしょう。もう11年以上使用していますから、そろそろ寿命かもしれませんね。15:54ころ。


▲4人テンを張った場所のT口さんが寝ていた方に水が溜まっていました。わずかに低地だったようです。ですから、テント内にも水が浸入し、T口さんのシュラフが水浸し。シュラフも干しますし、テントも干さねばなりません。
YYDは奇妙なことにテント内に銀マットを敷きません。僕は必ず銀マットを敷きますし、今回も持って行っています。雨が降ったり、雪が融けたりで、テント内が水浸しの海状態になることは何度も体験しています。そんな時に敷いていた銀マットでその上のものが濡れずに済んだ経験は数知れず。まあ、YYDもだんだんに銀マットを持っていくようになるでしょう。16:06ころ。

ちなみにT口さんのシュラフですが、その夜までに乾くわけもありません。そこでどうしたかと言えば、シュラフの中にシュラフカバーを入れ、その中で寝たのです。ナイス・アイデア!


▲昨晩、燠の上に置いていた石をどけ、新聞紙に火を付け、小枝を燃やし、徐々に熱をため込みます。もともと昨晩の消し炭の上で火を熾そうとしていますから、簡単に火は付きました。16:18ころ。


▲何時だったでしょうか? 今日から合流するI城さんが到着。今晩の食当は彼ですから、どんな夕食になるのか楽しみです。左からM力さん、I城さん、T口さん、SS木さん。17:12ころ。


▲I城さんが八ヶ岳山麓のとある農場から購入して来た冷凍の鶏鍋スープです。焚火の火で溶かしました。17:25ころ。


▲メインの食事が出る前に、野沢菜の漬物や焼いたカボチャやサバ缶、他にもたくさん酒のつまみがありました。17:49ころ。


▲白菜、キノコ、人参など野菜もたっぷり入った鶏鍋です。大コッフェル三杯も作れましたから、お腹も満腹です。18:09ころ。


▲いちばん若いM力さんが鶏鍋料理を作ってくれました。18:10ころ。


▲これは松茸ご飯。昆布も入っています。松茸は中国を訪問していたI城さんが現地で購入したもの。たっぷり入っています。18:13ころ。


▲左からSS木さん、I城さん、M力さん、T口さん。今晩は昨晩より冷えています。空に雲はほとんどなく、星空になっていますから。フラッシュを焚くと焚火の火は見えませんね。18:27ころ。


▲左は松茸ご飯、右は鶏鍋でしょうね。何杯目の鶏鍋でしょう? 18:42ころ。


▲スープは残しながら使っていますから、脂のこくでますます美味しくなっています。そうそう、帰路採集したハナイグチも入っています。18:52ころ。


▲焚火にかけるコッフェルも味わい深い黒光りですね。20:29ころ。


▲炎を囲んで仲間と過ごす夜は何にも代えがたい一瞬です。20:52ころ。


▲いつも通り、燃え差しを離し、燠や消し炭の上には石を置きました。21:06ころ。

今日は雨天の中出発し、雨は止んだものの霧に包まれ風に吹かれながら登攀しました。そんな緊張は阿弥陀岳の山頂に立つと見事に消し飛んでしまいました。下山するにつれ、天候も回復し、肉体も暖まり緩み、満足感も漂います。そこへI城さんの鶏鍋と松茸ご飯。素敵な一日でした!