ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

YYDの地図読み山行で伊豆ヶ岳東尾根を歩いて来ました

2022年04月30日 | ハイキング/奥武蔵

またしても1ヶ月以上前の山行記録です。Y山さんが計画した体験山行です。体験山行というのはYYDに興味のある方にYYDの山行を体験してもらって、入会するかしないかの参考にしてもらうための山行です。YYDのことを知ってもらうためですから、普段YYDが実践しているような山行でなければなりませんし、かと言ってあまりハード過ぎてもいけません。

僕自身は入会前に2回の体験山行に参加しました。最初はヤケト尾根でした。奥多摩の日陰名栗山の北尾根です。この尾根は僕は何回か登ったことがありましたから、問題はありません。2回目は丹沢のゲレンデ広沢寺でした。ここも何度となく訪れたことのあるゲレンデですし、易しいルートでの基本練習だけでしたから、問題はありませんでした。

今回のY山さんの体験山行には女性2名が参加するようです。彼女たちのことを考慮して、早過ぎるペースでは歩かないでしょうから、今の僕でも大丈夫なはずと考えて、参加させてもらうことにしました。

 

2022年3月27日(日) 伊豆ヶ岳東尾根地図読み山行

▲8:36。西吾野駅前でさっそくY山さんによる地図読み講習が始まりました。僕は地形図から山の形を想像するばかりで、磁石を使っての地図読みは苦手(ほとんどしたことがない)です。

 

▲8:55。まずは伊豆ヶ岳東尾根手前の丘を越えなければなりません。

 

▲9:01。杉の植林の中を登って行きます。

 

▲9:09。森坂峠、標高は350mほどです。ここは十字路になっていて我々は真っすぐ進み、下っていきます。

 

▲9:19。すぐに下久通(しもくずう)の集落が見えて来ます。

 

▲9:30。ここが伊豆ヶ岳東尾根の登山口になります。

 

▲9:33。琴平神社。下の道路からも見えていました。

 

▲9:35。すぐ上にも鳥居と神社があります。これも琴平神社。こんなに近くにふたつの琴平神社がある理由は何なのでしょう?

 

▲9:51。要所要所で地図を見ます。自然とこの日の体験者への指南役が決まったみたいです。向こうでも青ザックのK藤さんが教えてあげています。

 

▲10:03。また地図読み。

 

▲10:11。この場所の地名が狢入(むじないり)だと言うことなんでしょうね。このドラえもんは有名みたいですね。昔から置いてあるようですし、色褪せてもいませんから、誰かが定期的に交換しているのでしょうか? ネットで見る限りでは2017年にはすでにありました。

 

▲10:18。訳あって遅れてしまったS藤さんがここで追い付き、合流しました。

 

▲10:26。所々で急登があります。

 

▲11:01。下りもあります。

 

▲11:10。670m標高点です。向こうに見えているのが伊豆ヶ岳でしょうね。のび太の人形もありますね。この辺りで東尾根の6合目くらいでしょうか?

 

▲11:18。また急登です。

 

▲11:20。なだらかな場所もあります。

 

▲11:29。まあまあ急登。

 

▲11:31。下りもあります。

 

▲11:39。脆い急登が出て来ました。落石を落とさないように慎重に登ります。

 

▲12:00。山頂直下のこの日の核心部に出て来ました。残置ザイルがセットされています。僕たちは練習も兼ねて、ザイルを出すことにしました。全員が長めのシュリンゲで簡易チェストハーネスを作りました。Y山さんがリード、僕が半マストで確保します。セルフビレイもしっかりと取りました。ザイルの中間でエイトノットを作って、カラビナに留めて後続が登りますが、Y山さんのところに到着する前にザイル末端が僕の居る場所から上に行ってしまいそうです。僕は持っている20mロープを括り付けます。こうなる可能性は分かっていましたから、ロープは手元に置いていたんですけれどね。状況を先読み出来るメンバーがいないと困ることもあるでしょうね。

 

▲12:14。簡易チェストハーネスの様子です。

 

▲12:16。もちろん、このようにザイルで確保しなくても大丈夫ですけれど、意外と急です。良い練習になったと思います。

 

▲12:24。最後に僕がフォロウしました。残置ザイルは3ヶ所あって、2ヶ所目から下にいるY山さんを見ています。

 

▲12:25。2ヶ所目から見上げるとこんな感じ。最初の部分だけ脆そうで、傾斜もいちばん急でしたから、ザイルを出しました。その上は比較的問題はありません。先行したメンバーは先に進んでいます。

 

▲12:28。最後から登って来るY山さん。彼の姿を確認するのも最後から2番目に登っている僕の責任です。

 

▲12:30。安全地帯に到着です。

 

▲12:30。そこは伊豆ヶ岳山頂。皆、すでに昼食タイム。

 

▲12:30。伊豆ヶ岳850.9m山頂です。

 

▲12:43。K藤さんが皆にお汁粉(ぜんざいだったかな?)を振る舞ってくれました。美味しかった!

 

▲12:59。伊豆ヶ岳山頂は南北に細長いですね。

 

▲12:59。のんびりと休憩し、ここから後半戦に突入です。

 

▲13:02。山頂で咲いていた馬酔木(あせび)の花。

 

▲13:03。山頂からは暫らく急降下が続きます。

 

▲13:19。次のピークにある東屋が見えて来ました。

 

▲13:19。東屋があったのは古御岳(こみたけ)山頂でした。

 

▲13:28。古御岳からも長い急下降をします。

 

▲13:33。そして、古御岳の南の次のピーク(710mほど)から西への下降が始まります。ここからは山道もないので地図読みが重要です。皆で地図と磁石でルートを探しています。標高差数10mは尾根形がないので、下降ポイントの確定は難しくなります。

 

▲13:37。Y山さんはほんの少しだけ北よりに下りかけましたが、すぐに地図で確認しています。

 

▲13:38。結果、修正して30度ほど南へ戻ってきました。

 

▲13:46。途中にこんな石垣があります。以前はもっと里の人も通っていた尾根なのでしょうね。

 

▲13:48。道なき急な斜面を下る体験山行参加の女性ふたりです。

 

▲13:50。尾根形がはっきりしてきましたね。標高600m前後付近だと思います。

 

▲13:59。558m標高点かな? このすぐ先で尾根がふたつに分かれて、その左の尾根を下降しますから、慎重に地図読みしなければなりません。

 

▲14:24。どうやらここは鉄塔が立っていた跡地のようですね。もしそうなら、標高は470mくらいだと思われます。

 

▲14:31。手入れの行き届いた杉林ですね。

 

▲14:40。名郷の集落が見えて来ました。

 

▲14:45。車道に降りました。

 

▲14:48。名郷バス停です。ここが始発。この停まっているバスで飯能駅まで乗りました。

 

飯能駅前の居酒屋さんで反省会。体験山行参加の2名を中心に会話も弾みましたね。その後、この2名はYYDへの入会が決まったようです。

この日の山行は僕にとっては比較的楽だったと思います。2名に合わせたペースだったからだと思います。先頭を歩くK藤さんにY山さんは何度も「もっとゆっくり」と声を掛けていましたから。地図読みは皆に任せっきりでしたが、ザイルを出した場面では少しは役に立てたかなと思います。


先月に引き続き、S﨑君たちと日和田で岩トレしました

2022年04月24日 | 岩登りトレーニング

先月の3月13日にS﨑君と日和田で岩トレしました。その時、初めてクライミングを体験したK森さんですが、S﨑君からのメールでは「2~3日後からむらむらと登りたい欲求が湧いてきた」んだそうです。それで、4月も再び日和田へ行こうとの話が出て来たとのこと。それで今回、日和田へ行くことになりました。

今回は隼平君は参加していません。まだ子供ですから、大人と一緒のトレーニングは無理があるかもしれませんね。その代わりではありませんが、K森さん同様、S﨑君の同じ職場の後輩、M江君が参加することになりました。K森さんよりは年上ですが、彼もまだ20代、身長も高く細身ねです。御在所の藤内壁に行ったことがあって、剱岳の源次郎尾根を登ったこともあるそうです。ですから、装備はひと通り持っているようです。ただ、継続的に何度もクライミングをやっていたわけではないそうですね。

今回は前回よりも1時間遅く高麗駅に集合しました。陽も伸びましたし、この日は気温が高く夏日予報でしたけれど、まだしばらくは岩トレにも良い季節だと思います。

 

2022年4月23日(土) 日和田岩トレ

ここのところクライマーの少ない日和田が続いていました。この日も多くはなかったのですが、講習会なのか、男岩南面の3級ルートには軒並みトップロープが張られていました。それで僕たちは女岩南面へ。

僕の確保でS﨑君がリードします。女岩中央の3級ルートです。左側にも易しいルートがあるのですが、そこにもトップロープが張られています。そして、S﨑君がトップロープをセットし、僕たちのトレーニングがスタート。

▲10:57。最初にK森さんが登ります。問題なく簡単に登りました。上からはロワーダウン(ロープに体重を預けて、確保者が下ろすのに任せて下る)で降りて来ました。続いてもう一度登り、今度はクライムダウンで降りて来ます。上の写真で確保するのはS﨑君、左はM江君。

 

▲11:17。K森さんに続いてM江君も登ります。問題ありません

 

▲11:20。M江君もロワーダウン。

 

▲11:46。続いて、もう少し右のルートにチャレンジします。最初のルートよりも少しだけ難しいルートです。K森さんからチャレンジ。ここも問題なくクリア!

 

▲12:39。次のルートは1本目と2本目の間の岩が少し膨らんだ場所から登ります。なかなか足を地面から離すことが難しく苦労しています。この時はまだK森さんは登れなかったと思います。

 

▲12:57。続いて、この難しいルートにM江君も挑戦しました。右足を地面から離すことがなかなか出来ずに苦労していました。人によって得手不得手はありますし、得意な部分も異なります。熱心に指導するS﨑君。

 

どこらへんで登ったかは忘れましたが、S﨑君も僕もこのルートを登ってみました。ふたりとも登れました。グレードですが、5級-くらいだと思います。

ここらで昼食。

 

▲14:31。昼食後もK森さんは同じルートにチャレンジ! 苦労の末、見事に登りました。

 

そして、S﨑君がトップロープの位置を少し左へ移しました。

 

▲14:49。新しいトップロープの位置でやはりK森さんが最初にトライしました。彼女はやる気満々です。女岩南面の左端を登ります。後で僕も登りましたが、3級だと思います。今のK森さんには簡単なルート。

 

▲14:52。最上部は少し難しく感じたようですね。今のこの位置から左の壁を登りました。

 

▲14:54。ロワーダウンで降りて来ます。青空バックなので美しいですね。

 

▲15:05。M江君も問題なく登って、ロワーダウン。気分も最高!

 

M江君も何年ぶりのクライミングだったんでしょうね。クライミング経験者とは言え、学生時代に少し体験しただけのようですから、ほぼ初心者ですよね。てっきりそれなりに登れるものと考えて、いきなりそれなりのルートに挑戦させてしまいました。でも、苦労はしていましたが、素質は見せていましたね。何度か経験を積むと、才能を開花させるのではないでしょうか?

 

ここで、僕にも登らせてもらいました。ふたりが登ったルートよりもちょっとだけ左のカンテ沿いに登ってみました。3級+くらいでしょうか? 続いて、女岩西面の右下の前傾壁も数メートル登ってみました。途中で右に逃げましたからはっきりとは分かりませんが、5.7はありそうに感じます。

 

▲15:35。K森さんもこの前傾壁を登ってみたくなったようで、僕に続いてトライ。いいところまで登れてましたね。

 

ここで再度トップロープの位置を替えました。S﨑君が女岩南面の右端をトライしたがっていたのです。

 

▲16:08。早速、S﨑君がトライ。ハング下を登るのですが、スタンス(足場)がなかなか決まりません。

 

▲16:14。ハング下に手を入れてアンダーホールドとします。まだスタンスがしっかりと決まりません。結局、S﨑君はハング下ではなく、もう少し左から登って行きました。最初のルートは5級+(5.7~5.8)くらいかな? と思います。S﨑君が登れたルートは4級+かな?

 

この後だったでしょうか? 僕も登ってみました。ハング下から、ハング下部のアンダーホールドやその上のホールドを使いながら登って行きます。登れました。5級+くらいに感じました。昔のガイドブックには5級と出ていましたけどね。

 

▲16:31。K森さんも果敢にチャレンジ。ここまで幾つものルートを登って来て、まだ筋肉がパンプせずに使えています。筋肉に乳酸が蓄積されにくいのでしょうかね? 素晴らしいことです。当然ですけれど、登れませんでした。でも、その頑張りに拍手ですね。少し左のルートは何とか登れました。

 

ところで、この日の僕はあまり登りませんでした。腰が酷く痛かったからです。前日に自転車を2時間以上漕いだので、その影響かと思います。何本かは登らせてもらいましたが、登っている最中は腰の痛さを忘れているのは不思議ですね。

日没時刻が18時20分ころになっていますから、僕たちも17時過ぎるまでトレーニングを続けました。終了後、麓のうどん屋さんで打ち上げをしました。埼玉県も蔓防が終了したので、このうどん屋さんでもアルコールを提供できるようになりました。そのせいだけではないと思いますが、お客さんも大勢入っていました。

話も弾み、来月も岩トレをしそうなムードでしたね。今日は僕もS﨑君も初めてルベルソ5をトップロープの確保で使用しました。ハイフリクションモードはやっぱり制動力が大きいですね。弱い力でも制動が効きます。本当は懸垂下降でも使う練習をしたかったのですが、この日は登ることだけに精一杯でした。天覧山の最下部岩場で繰り返して、懸垂下降の練習をしてみたく感じています。


『標準コースタイムで歩く』シリーズ№6 ――― 87% 六ッ石山を独りで歩きましたが、初めて標準コースタイム以下で歩けました

2022年04月20日 | ハイキング/奥多摩

『標準コースタイムで歩く』シリーズも6回目になりました。前回は88%で歩けはしましたが、それはYYDの仲間に必死について歩いた結果でした。小走りで何とかついて歩きました。でも、それは僕にとってはとっても良いトレーニングになりました。それくらいの負荷をかけて歩かないと、脚の筋力アップには繋がらないと思うからです。

でも、今回は自分一人で歩きましたが、標準コースタイム以下で歩くことが出来ました。87%でした。休憩時間を含めてのパーセンテージはピッタシ100%でした。この100%というのは嬉しいですね。と言うのも、以前は普通に自分のペースでとりわけ急ぐ訳でもなく歩くと、だいたい休憩込みでコースタイムくらいで歩けていたと思っていたからです。今回はまだのんびり自分ペースという訳ではなくて、自分としては負荷をかける意味で急いで歩きました。だんだんとこれが普通の自分ののんびりペースになって欲しいと思っています。

今回の六ッ石山の前にも3月27日と4月9日にも山歩きをしています。でも、この2回は一般登山道ではないので、標準コースタイムとの比較は出来ません。その2回の山行記録もブログに書き残したいと思っています。書くのが1ヶ月遅れになる悪循環を断つために、今回は順番通りでなく書きたいと思いました。

 

2022年4月17日(日) 水根~六ッ石山~石尾根~奥多摩駅

▲9:49。奥多摩駅からバスに乗り、水根バス停で下車しました。水根の駐車場にあるトイレに入りましたが、その後ろではが満開でした。ミツバツツジも満開でしたね。

 

▲9:49。水根の駐車場には車がいっぱい停まっていました。樹々の新緑若葉が柔らかく心地よい色合いで実に綺麗ですね。

 

▲10:08。坂の車道の法面にも春の花が。ヤマブキの黄色が輝いていました。ちょうど陽も当たって本当に輝いています。

 

▲10:08。小河内ダムと奥多摩湖。

 

▲10:14。六ッ石山への登山道は最初から杉の植林の中を歩くことになります。

 

▲10:16。ここを歩いたことは何度もありますけれど、いつもこの神社が何故こんな場所にあるのか不思議に思います。産土(うぶすな)神社と言います。

ウィキで調べると、「産土神は、神道において、その者が生まれた土地の守護神を指す。その者を生まれる前から死んだ後まで守護する神とされており、他所に移住しても一生を通じ守護してくれると信じられている」と記されています。地縁による共同体意識が強まるので、都市部で盛んになりやすい信仰意識だそうです。でも、ここは山奥の奥多摩です。ちょっと不思議ですね。

 

▲10:40。登山道は植林の中に続きます。けっこうな急登です。一部の登山者が言うには奥多摩三急登のひとつなのだとか。

 

▲10:47。暗い植林を抜け、広葉樹の広がる場所に出ました。ここで最初の休憩とします。いつもと同じコロッケとミルクチャイ。

 

▲10:54。今日の天気予報は曇りのち雨でしたが、青空も少しは広がって、時々陽射しにも恵まれました。僕の休憩中に同じバスに乗っていた単独の登山者が抜いて行きました。植林の中でも、後方に見え続けていました。今の僕は自分ペースよりは速く歩くことで負荷としていますから、こういう登山者の存在はとっても貴重でした。追い付かれないようにと思う気持ちで、自分のペースを上げることが可能になるからです。

 

▲11:01。山にあるこんなのいわれを知りたいと思いますが、手掛かりはありません。どなたが古くて壊れてしまった祠を新しくしているんでしょうね? 山仕事している方々がやってるんでしょうかね?

 

▲11:03。同じバスに乗っていたあの登山者です。僕が休憩した場所より少し先で休憩したようですね。追いかけてスピードアップして登るのも、僕にとっては良い負荷になります。急登が続いた登山道で僕は彼を抜かしました。

 

▲11:18。木の股の部分に洞が空き、そこに雨水が溜まっていました。この水溜りで水浴びする小鳥やここで水分補給する獣たちの姿を想像しました。

 

▲11:21。急な斜面ですね。唐松の林が見えます。この下で東京都水道局の杭を見ました。奥多摩は東京都の水源保水林ですから、水道局が管理しています。ここがそうなのかは知りませんが、水道局が植林する際、唐松を使うことが多いんだそうです。

 

▲11:25。急登が続いた登山道が次第に緩やかになって来ました

 

▲11:29。トオノクボです。この地名の由来とか、漢字ではどう書くのかとか調べてみましたが、まるで分かりません。東にこのトオノクボまで登っているハンノキ(榛の木)尾根があります。ただ、榛の木は低地の湿地や低山の川沿いに生える木だそうですから、何故この名前が付いたのかよく分かりません。

 

▲11:39。広々と平らな尾根すじの防火帯は枯葉で覆い尽くされていました。

 

▲11:52。そんな枯葉の絨毯の上で2度目の休憩を取りました。

 

▲11:58。太い幹の根元に洞が空き、さらに穴もたくさん空いて、不思議なオブジェになっています。

 

▲12:04。なだらかな防火帯の尾根が続き、山頂も近づいてきます。

 

▲12:18。六ッ石山1478.8m山頂到着です。左に見えている登山者は同じバスのあの人かな? と想像しました。ここは休憩しないで通過しました。

 

▲12:21。六ッ石山山頂は雲取山から奥多摩の氷川に続く石尾根の途中ですが、山頂は石尾根から少しだけ外れた場所にあります。この写真の場所で石尾根合流です。

 

▲12:24。幾つもある大きな石の間にがあります。ここが本来の六ッ石山だと、『奥多摩』の著者、宮内敏雄氏は書いています。いま六ッ石山とされているピークは小中沢ノ峰と呼ばれていたそうです。小中沢は僕も遡行したことがありますが、最後はこの1478.8mピークに詰め上がります。六ッ石山の名前の由来も調べましたが、分かりませんでした。ただ、この同じ石尾根にある七ッ石山には平将門にまつわる伝承があるので、六ッ石山も同様だと思います。この2つの山の間には将門馬場もありますし。

 

▲12:27。六ッ石山を過ぎたあたりから霧雨が顔に当たり始めました。雨具を着るほどではありません。ただ、急に気温が下がって来ました。アウターを着て、手袋もはめました。

 

▲12:34。石尾根も防火帯が続いています。

 

▲12:39。再び気温が元に戻って、暑く感じるようになりました。

 

▲12:43。さほど急傾斜でもない防火帯の登山道が淡々と続きます。

 

▲12:55。三ノ木戸(さぬきど)山1177mが前方に見え始めました。名前の由来はよく分かりませんけれど『奥多摩』には同名の集落が山の南麓にあったそうです。今も三ノ木戸林道が通っていて、家屋も数軒ありますね。

 

▲13:02。三ノ木戸山北側を登山道は巻いています。

 

▲13:05。ここは3年前、まだ林道工事中だった時に一度登っています。石尾根北面の十二天尾根から見通尾根にトラバースして、見通尾根にできていたホヤホヤの林道を登って来たらここに着いたのです。今は石尾根を越えて南側に延びていますが、どこへ行ってるんでしょうかね?

 

▲13:26。ここで3度目の休憩を取りました。休憩を終えたころ、登山者が通り過ぎました。

 

▲13:38。登山道の先にさっき通りかかった登山者の姿が見えますね。

 

▲13:42。午後からは青空も消えて、陽射しも無くなりました。新緑の輝きも見られなくなりました。でも、陽に当たって光輝かなくても、新緑の美しさが消えるわけではありません。写真からは伝わりませんが、しっとりとした美しさも格別です。

 

▲13:57。山道の左上に小さな神社(稲荷神社だそうです)がありました。すぐ先にはこの石仏が。調べてみると、中央は大日如来で、「甲子待供養」の銘が見えます。五穀豊穣や蓄財を祈願するものだそうです。右は風神なのだとか。風神の頭の周りのものは袋なんだそうです。僕には雷神の太鼓のように見えましたけれど。僕には真偽のほどは確かめようがありません。石仏に詳しい方のご意見です。左の石は何なんでしょうね?

 

▲14:04。登山道が林道に出ましたね。

 

▲14:12。集落のある場所に出て来ました。左奥に見える山は天地山981mでしょうね。中央少し左側の山は鋸山1109mでしょうか?

 

▲14:19。廃集落沿いの山道を歩いていると、僕の眼の中で不思議な現象が起こりました。濃い紫色の点が視界を横切ったんです。アレッ? と思って、すぐに立ち止まって、足元を注意深く見ると、眼の悪い僕にもだんだんとこのスミレが見えて来ました。ほんのりと薄い、ほとんど白い空色のような小さな小さなスミレが咲いていました。春ですから、スミレが咲いているのを見たいな、と願っていたのは確かなんですが、濃い紫色の点が眼の中に現われるなんて、生まれてこの方、この1回だけなんです。この可憐なスミレが僕を呼んでくれたんでしょうか?

 

▲14:21。羽黒三田神社です。860年に創立と伝わる由緒ある神社です。

 

▲14:28。愛宕山507mが見えますね。

 

▲14:37。この氷川大橋を渡ると南氷川から大氷川となります。

 

奥多摩駅前の天益に顔を出しました。最近は予約を入れないと、なかなか席に付くことが出来ません。地元の人にも登山者にも人気の店です。僕は天益に通い始めて35年にはなるでしょうか。今の女将さんのお母さんの時から贔屓にさせてもらっているお店です。一人だけだと、カウンターの空いている席にねじ込ませて座らせてもらえることもあるので、この日は時間的にも早いですし、期待していました。

カウンターには3名座っていました。6、7人は座れるカウンターです。「御予約席」というプレートも置かれていたので、「大丈夫だろうか?」と一瞬思いましたが、座らせてもらいました。僕と同年配くらいの女性の隣りに座りました。彼女もここの常連さんみたいで、なんと! 茅ヶ崎から来ているんだそうです。そのうち、カウンターは満席になり、この日は1名が地元の方のようでしたが、あとは皆登山者のようでした。いろいろと山の話題が飛び交います。僕は天益のこんな雰囲気が大好きです。地元の人が多い時も、地元の様々な話題を聞くことが出来ます。たまたま店のカウンターに集った者同士が初めて顔を合わせた者同士だったとしても、親しく言葉を交わす、そんな場所なんです。多分、中心にいる女将さんの人徳なんだと思います。

この日は滅多にない出会いも天益でありました。僕の右隣りの席に座った男性。上記ブログの中で何回も出て来る登山者がいますよね。最初のころは同じバスに乗っていた登山者と書かれています。後半は単に登山者としか書かれていません。どうやらこの全ての登山者は同一人物だったようなんです。それが僕の右隣りに座った男性なんです。僕より早く下山しましたから、お風呂に入ってから天益に来たんだそうです。彼が僕のことを覚えていてくれて、最初の急登をお互いに姿を見ながら登ったことや、僕が3度目の休憩する姿を見たこと等、話してくれたんです。六ッ石山山頂で休憩していた登山者が着ていたのと同じ緑色のアウターを着て天益に来ました。58歳だということですが、水根からの最初の急登での僕の登りを誉めてくれました。「速くて追い付けなかった」と。そう言ってもらって、僕はちょっと嬉しかったですね。少しは頑張って来た効果が出て来たのかなと。

今回のコースでは標準コースタイムの87%で歩くことが出来ました。ただ、昭文社のMAPのコースタイムも適当ですから、もっと様々なコースを歩いて、どんな時でもこの程度で歩けるようになっておきたいと思います。


6年ぶりのS﨑くんと日和田で岩トレして過ごしました

2022年04月15日 | 岩登りトレーニング

S﨑くんから電話がかかって来ました。実に懐かしい声です。S﨑君とは6年前の歴史的寡雪の尾瀬へ4月と5月に行って以来です。

2016年4月中旬の尾瀬は木道も現われ、季節が1ヶ月以上早まった様子でした。小屋関係者もまだ入山していない尾瀬でS﨑君と僕は尾瀬ヶ原をふたり占めして、その独特な感動を味わいました。

今年の尾瀬は異常な寡雪1/4

続くGWの計画も考えていました。当然どこかで雪の春山を楽しむつもりでした。でも、尾瀬の寡雪は歴史的珍事です。これを見逃す訳にはいかないと、僕はS子とS﨑君は家族を連れて、それぞれが雪のないGWの尾瀬を体験しようと、計画を立てたんです。それぞれ別パーティーですが、どこかで会おうと。

前代未聞の雪のないGWの尾瀬ヶ原 1日目

それぞれ過去のブログ、よろしければ読んでみてください。

 

その時以来のS﨑君との山行になります。

 

では、2022年3月13日日和田での岩トレのご報告です。

1ヶ月以上前のご報告になりますね。

 

同じ日にYYDのY山さんたちも日和田で岩トレをします。Y山さんたちは今シーズンの沢登りへ向けての基本的ザイルワークの練習です。僕たちとはまったく練習内容が異なりますから、別パーティーとしました。岩場では別メニューですが、その他は一緒です。

この日の参加者はS﨑君の他、彼の息子のS平君とS﨑君の職場の後輩K森さんです。二人とも岩登りは初めて、装備も持っていません。ですから、最初から子供岩でのトレーニングを予定していました。一般的には日和田と言えば男岩と女岩のことです。子供岩は小さくて低い岩場で、岩登りの超基本トレーニングをする際に利用される程度ですね。この日は僕たちの他に10人ほどの中高年パーティーが利用しました。

 

▲10:40。子供岩の左側面は3級あるかないかの易しい岩場。ここでまず、岩登りの基本である3点確保とクライムダウン(手足を使って岩場を降りる)を練習しました。写真はS平君ですね。

 

▲10:50。K森さんもここでの登り降りを繰り返した後、ロワーダウン(ザイルで確保されながら下降していく)の練習もしました。誰しも、初めてザイルに体重を預けるのは不安で怖いものです。トップロープで確保しているその安全性がどの程度なのか、まだよく分かりませんからね。K森さんは問題なく下降していました。

 

▲10:55。左からK森さん、S﨑君、S平君。

 

▲11:00。S平君、ロワーダウン中。ところがこの後、体が右に振られてしまいます。岩場に手をぶつけて、少し擦り傷を作ってしまいました。それを機に、S平君はやる気消失。まったく登らなくなりました。(でも4月の今はまた登りたいと思っているようですね。ロワーダウンは嫌みたいですけれど)

 

▲11:08。易しい岩場での登降練習を終え、少しだけ難しいルートを登ってみます。いまK森さんが登っているルートは3級くらいでしょうか。彼女はバランスよく登って行きました。センスはいいようですね。

 

▲11:25。次は少しだけ左のルート。このまま真上に登ると、3級+くらいでしょうか。ここも問題なく登りました。さらに左もトライしたのですが、ちょっと難し過ぎました。左端の角のカンテは使わずに、いちばん左側面を登るルートです。S﨑君も僕もトライしてみましたが、難しかったです。5級+はあるかもしれません。

 

▲12:20。次に山の斜面で懸垂下降の練習です。この懸垂下降をK森さんには何度も繰り返してもらいました。

 

▲12:23。下の方まで降りて行きます。

 

▲12:32。続いて、傾斜のあるさっきの子供岩でも懸垂下降の練習。K森さんは基本をしっかりマスターしたようですね。

 

▲13:33。Y山さん達と一緒にお昼を食べて、僕たちはちょっと日和田山へ歩いて来ることにしました。S平君にも楽しんでもらわなくちゃいけませんからね。女岩の天辺から見晴らしの丘経由で山頂に向かいます。写真は途中にある神社直下の岩場です。

 

▲13:34。神社と鳥居が見えて来ました。

 

▲13:34。ここからは高麗の町がよく見渡せます。この写真の中に巾着田と呼ばれる歴史的な場所があるのですがどこでしょうか?

 

▲13:34。黄色い線が川の流れているコースです。川が巾着袋のような形をしていて、その袋の部分に田んぼがあったので、巾着田と呼ばれています。8世紀に朝鮮半島から来た渡来人が当時の最新灌漑技術で稲作地にしたそうです。7世紀末に唐と新羅によって滅ぼされた高句麗の一族がこの地まで来たようですね。

 

▲13:43。S﨑くん親子。日和田山305m。

 

▲14:22。日和田の岩場のすぐ東の尾根を登って、日和田山へ至りました。今度は岩場のすぐ西の尾根を下って戻る予定でした。ところが、僕の記憶がいい加減で、日和田山から北西方向の物見山の方へどんどん進んでしまったのです。途中、南へ下る山道があるはずと気を付けながら進んでいたのですが、見つかりません。だいぶん先にしっかりした登山道が南に分かれていましたから、そこを下ってみることにしました。でも、いくら下っても僕の記憶にある山道とは違っています。それほど急斜面ではない植林地ですから、東へ山腹をトラバースすることにしました。尾根を2つか3つ越えたでしょうか?

 

▲14:38。K森さんのスマホの地形図で現在位置を確認しながら進みました。S﨑君はルートファインディングが得意ですから、彼に任せておけば大丈夫。結局、日和田山山頂直下の登山道に出て来ました。降りるべき山道は山頂を踏まない巻き道の途中から出ていたんですね。そんな記憶は僕には一切ありませんでした。岩登りを止めていたS平君はこの藪漕ぎが楽しかったみたいですね。喜んでくれたようです。良かった、良かった。

 

▲15:05。戻って来てからは、男岩でトレーニングしました。S﨑君がリードして、K森さんと僕がフォロウしました。まずは男岩南面左の3級ルートから。

 

▲15:10。S﨑君は岩のリードは久し振りのはずなのに、易しいルートとは言え、安定していました。

 

▲15:21。K森さんはザイルの中間で登ります。セットされたヌンチャクを回収しながら登ります。安定した登りですね。

 

▲15:25。上で確保するS﨑君と、登って来たK森さん。K森さんはそのまま登ると、少し難しくて4級-くらいですが、左に巻いて易しいルートを登りました。

 

▲15:37。男岩上部のS﨑君とK森さん。懸垂下降が出来るようにザイルをセットしているところだと思います。僕が最初に下降して、ザイルの末端を持つことにします。万が一K森さんが失敗しても末端を強く引くことでK森さんは落下を免れます。8環の正しいセットはS﨑君がチェックします。

 

▲15:42。いよいよK森さんが懸垂下降で降りて来ます。普通の人間なら結構怖がると思うのですがK森さんは問題なく落ち着いて降りて来ました。

 

▲15:54。続いて、男岩南面中央部の凹角を登ります。リードするのはS﨑君。

 

▲16:01。写真に写っているのはY山さんグループのS藤さん。S﨑君は彼の右に見えるザイルでリードして、もう上にいます。

 

▲16:04。K森さんがフォロウしています。彼女は易しい3級の岩場は問題ありませんね。

 

▲16:07。上で確保するS﨑君とS藤さん、K森さん。S藤さんは今いる場所の突破に苦労していました。K森さんにも次の機会にはチャレンジしてみましょう。

 

▲16:28。K森さんの懸垂下降。この日初めてやり始めたとは思えないような落ち着きです。

 

この日はこれで終了です。Y山さん達グループも終了したので、一緒に下山しました。

下山後にいつも行っているうどん屋さんは蔓防の期間中はアルコールが出せません。という訳で、飯能市まで電車で出て、駅ビルの居酒屋さんに入りました。S﨑君たちは遠いですし、小学生のS平君もいるので、途中で帰りました。