ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

腰痛の回復度チェック山行 2/2 ――― 日の出山から上養沢へ下山。最後に出遭ったのは?

2015年09月30日 | ハイキング/奥多摩

2015/9/12  腰の状態が悪くなってから、一ヶ月ほど経過しました。少しは良くなってきた腰が軽いハイキングにどの程度耐えられるかをテストする山行です。日の出山山頂に到着するまでは問題はありませんでした。


▲晴れて空気が澄んでいると、スカイツリーも見えるのですが、今日は無理ですね。人ごみの山頂は早々に退却です。13:32ころ。


▲いつもはここから御岳山方面に向かうことばかりでしたから、この登山道を最近歩くことはありませんでした。それがいつの間にか、こんなに幅広くて大掛かりな階段の登山道になっているとは! 階段は嫌いです。13:38ころ。


▲麻生山794mが見えています。昨年の2月10に金比羅尾根をS子と二人で歩きました。あの大雪の後です。このあたりを18:40ころに通過しています。もちろんすでに真っ暗。御岳山方面へ向かう予定だったのですが、この付近でつるつる温泉へ下山するよう方針転換しました。時々、無茶をしますね。反省。13:58ころ。


▲山のハギは満開になることもなく、控えめに咲いています。13:59ころ。


▲シラヤマギクかな? こういうキク科の花は区別が難しいですね。花に止まっている甲虫はコアオハナムグリ。14:00ころ。


▲ヤマジノホトトギスに今日は数え切れないほど出会いました。14:03ころ。


▲タテハチョウの仲間だとは思ったのですが、名前は知りませんでした。ネットで調べると、ウラギンヒョウモンですね。裏側しか写せなかったので、上から翅の表側を写そうとしたのですが、飛び去ってしまいました。14:04ころ。


▲キンミズヒキです。他にミズヒキやギンミズヒキがありますが、キンミズヒキはバラ科、後の二つはタデ科なんですね。14:05ころ。


▲花がコウヤボウキに似ていますが、コウヤボウキはその枝で箒を作るくらいですから木。この花は草のようですね。調べると、カシワバハグマ(柏葉白熊)。葉が柏の葉に似ていて、花が白熊(はぐま)に似ているから付いた名前だそうです。はぐまとは仏具で払子(ほっす)のことだそうです。ヤクの尻尾で作るのだそう。昔からチベットとの交流があったのでしょうかね? 14:10ころ。


▲暗くなってきているので、写真が少しぶれています。このあたり、岩壁になっていて、急な下りでした。おそらくは石灰岩でしょう。近くに鍾乳洞があるくらいですから。14:24ころ。


▲鍾乳洞小屋はなくなっていたのですね。知りませんでした。鍾乳洞が閉鎖されたことは知っていましたが。14:36ころ。

一度、養沢鍾乳洞へ入ったことがあります。ずいぶん昔のことですが。
ここに建っていた小屋でお金を払い、ヘルメットと懐中電灯を借ります。さほど大きな鍾乳洞ではありませんが、平面的な鍾乳洞ではなく、けっこう3Dな鍾乳洞ですし、腹這いにならないと潜れないような狭い箇所があったりもします。なかなか楽しい鍾乳洞でした。
その時は、途中で借りた懐中電灯が消え、一人で来ていましたから、真の暗闇にたった一人取り残されてしまいました。一歩も動くことは出来ません。幸運にも他の入洞者が来てくれましたから、一緒に外に出ることが出来て、助かりました。


▲養沢川の支流に沿って登山道を下ります。14:45ころ。


▲最後の休憩を沢の流れの横でしていると、S子が「何か動いてる!」と言います。僕からは全然見えませんでしたし、それがクマだと嫌なので、口笛を吹いてみました。するとS子が「いやだ~っ! こっちに来る!」と逃げ腰になってます。僕もやっとその動いている獣を確認できました。すぐ近くをこちらへ下ってきます。突然のことなので少々恐怖感もありましたから、「ひょっとしたらクマかも」という思いもあります。でも、クマではないことはすぐに分かりました。ひと安心。一瞬、犬のようにも思えました。それはそれでかなり怖い! でも、犬ではないこともすぐに分かりました。ニホンカモシカです! ニホンカモシカ! 15:02ころ。


▲じっとこちらを見ています。山でニホンカモシカと出会うと、いつもそうです。じっとして暫くこちらを凝視し続けます。
山の斜面を降りて来て、山道で立ち止まり、僕たちを観察しています。僕はカメラを構え、まずは一枚撮り、望遠にしてもう一枚撮りました。その間、ニホンカモシカはじっとしています。15:02ころ。


▲それからおもむろに、降りて来た山を登り返して行きました。山の向こう側に姿を隠す直前にも、振り返ってこちらをじっと凝視します。15:02ころ。


▲舗装道路に出ました。15:19ころ。


▲登山口には公衆トイレもありました。「柿平園地便所」と記してありました。15:20ころ。


▲昔のいろいろな碑が集められていました。いちばん向こうにはお地蔵さまも。15:37ころ。


▲上養沢バス停です。次のバスの時刻が16:35ですから、次のバス停まで歩くことにしました。15:43ころ。

すぐそばのバス停は「大岳鍾乳洞入口」です。


▲養沢神社がここにはあります。こんな石像があったかどうかは記憶にはないのですが、龍の石像がありました。こちらは海の龍。15:57ころ。


▲こちらは山の龍? 15:57ころ。


▲養沢神社です。右の巨樹はとちのき。神社の右にサルギ尾根の登山口があります。昔は踏み跡程度だったサルギ尾根も今ではしっかりと標識付きの登山道になっています。15:57ころ。

武蔵五日市馴染みの「音羽鮨」で打ち上げをしました。


▲最寄り駅で降りて、自宅へ向かうと、お祭でした。20:18ころ。


▲道路を何キロも交通規制して、一晩中お祭は続きます。20:19ころ。

腰痛の回復度をチェックするための山行でした。その結果報告です。
下山後は特に問題はありません。翌朝は、腰回りが筋肉痛になっていました。筋肉痛であって、腰痛ではありません。でも、何でもない頃にはこんな風に腰回りが筋肉痛になるようなことはなかったわけですから、やっぱり腰痛の影響ではあるのでしょう。
翌々日も、より筋肉痛が酷くなっていました。まあ、年齢の影響で二日目くらいに最も影響が現われますから、これは想定内ですね。そして、三日目以降は元に戻りました。
完全に腰痛が治ったわけではありませんが、かなり回復しているようです。


腰痛の回復度チェック山行 1/2 ――― 日向和田駅から日の出山へ

2015年09月27日 | ハイキング/奥多摩

2015/9/12  前回8月6日にヌカザス沢へ行って幾日か経ってから、急に腰痛が発症しました。もともと30歳ころに腰を痛めて、腰痛持ちではあるのですが、今回の腰痛はそれとは症状も違いますし、原因も別なところにあるみたいです。とにかく、朝に目が覚めると痛くなっているのです。そおっと、腰を捻じったり曲げたりしないように起きないと痛いのです。当初は、寝返りを打つだけでも痛かったのです。でも、立ち上がり、日常生活を送る中では、さほど苦痛はありません。座っていても大丈夫。そして、昼、夕方、夜と、時間が経つにしたがって腰の痛みも引いて行くようなのです。
9月になってからは、目覚めた際の痛みも弱くなって来て、だんだん改善されてきました。

ですから、腰痛が本当に良くなってきているのか否か、チェックするための山行を計画しました。
初心者が歩くような、簡単なコース。アップダウンもさほどないコースを選びました。


▲日向和田駅で下車し、歩き始めます。神代橋の上から多摩川を眺めると、ここのところの長雨続きで、川の水は"笹濁り”していました。実際の色はこの写真の色よりももう少し苔色でした。9:22ころ。


▲青梅市の梅が咲く時期の観光の目玉の一つだった「梅の公園」。ウメ輪紋ウィルスの感染が広がった影響で、この公園のすべての梅の木も伐採されました。僕も一度訪れたことがありますが、数多くの梅の種類が植栽されていて、尾根あり谷ありの山の斜面に咲き誇る紅梅白梅は見事なものでした。清掃をしていたおじさんに聞くと、近々梅の木を植える計画があるそうです。でも、それもウィルスの絶滅度次第でしょうから、楽観はできません。9:39ころ。


▲住宅街を抜けて、琴平神社の鳥居が出て来ました。鳥居をくぐってから山道が始まります。9:44ころ。


▲ときおりヤマザクラの巨樹が現われます。幹の全面に苔を生やして存在感たっぷりのヤマザクラです。10:04ころ。


▲さほど急登ではない山道が植林の中に続きます。10:21ころ。


▲カンアオイ(寒葵)。花は半分土の中に埋もれているように咲きます。10:40ころ。


▲キバナアキギリ(黄花秋桐)です。花の上部先端から出ている線状のものは雌しべだそうです。花の中に紫色のものがふたつありますが、それは仮の雄しべだとか。花の中にもぐりこんで来た昆虫の背中に花粉をくっ付けるための複雑な構造になっているようです。10:45ころ。


▲琴平神社が近づいてきて、また鳥居がありました。10:48ころ。


▲琴平神社が見えて来ました。直下にこんなものが。雨水を貯めて、手を清めるためのものでしょうか? 10:51ころ。


▲琴平神社。尾根筋に出張ったようにある岩場に建っています。もともとは金毘羅大権現と呼ばれていたそうですが、明治以降は琴平神社となりました。
この付近の麓一帯では養蚕が盛んで蚕の豊作を願って崇敬されていたそうです。この写真でもよく見れば、中にたくさんの招き猫の置き物が見えると思います。蚕の天敵であるネズミから守ってくれる猫が奉納されたのです。10:53ころ。


▲琴平神社からは日の出山に連なる東西に延びる尾根道となります。ところどころ広葉樹の森も出て来ます。11:14ころ。


▲ツルリンドウの葉(蔓)が多いいなあと思っていたら、一輪だけ花が咲いていました。11:24ころ。


▲三室山646.7m山頂にはトレールランニングらしきグループが休んでいました。11:28ころ。


▲山頂から少し外れた場所で一服入れ、三室山から下ります。11:49ころ。


▲いろいろと知らないことがあるものです。せっかくですからこの看板を全部紹介しますね。
『重爆撃機「飛龍」墜落地  北側の谷底に、昭和20年8月11日夕刻、四式重爆撃機「飛龍」が墜落しました。機体は全幅22.5m、全長18.7m、全高7.7mの大きさで、双発です。静岡県浜松基地から、埼玉県熊谷基地へ向かう途中の墜落でした。原因は不明です。  搭乗していたのは春日改造大尉ほか12名で、墜落で全員が死亡しました。全員の遺体は軍や地元住民たちによって収容された後、荼毘に付されました。機体もほとんど回収されましたが、エンジン冷却部の片側が谷底に取り残されていたので運び出され、青梅市郷土博物館に展示されています。同郷土博物館には飛龍の遺品のほか、昭和20年4月2日に柚木町二丁目に墜落した、米軍機・B29のエンジンも展示されています。これらに関する資料は、青梅市郷土博物館に保存されています。  西多摩地方の戦争遺跡を調べる会』11:58ころ。


▲植林の中の緩やかな道を進みます。11:59ころ。


▲林道がすぐ下に見えました。向うに見える山は金比羅尾根の麻生山794mでしょうか? 12:06ころ。


▲梅野木峠です。登山者が3人休んでいました。12:10ころ。


▲再び山道に入ります。右の建物は柚木中継所。12:14ころ。


▲ススキの穂が輝くようになると、季節は本格的な秋ですよね。このあたりのススキは穂の出始めでした。12:21ころ。


▲日の出山への最後の登りが始まりました。S子も僕も階段嫌いなので、階段のない山道を歩きます。12:58ころ。


▲最後の階段。山頂直下です。13:13ころ。


▲日の出山902.0m到着です。相変わらず人の多い山ですね。13:16ころ。

ここまでは腰への影響も感ずることなく歩けました。荷物も日ごろのハイキングと同じ装備です。腰が悪いからと言って、減らしてはいません。8kg程度でしょう。


NZ旅№16 ――― Flora Car Park を後に、Beer と Fish&Chips を楽しむ

2015年09月24日 | ニュージーランド旅2013

2013/11/22  フローラ・ハットに到着しました。実質的な今日の登山終了です。

そこへ姉弟ふたりの登山者が来ました。華世ちゃんが二人と話していましたが、二人で長期間の縦走(NZではトランピングと言います)をしているようです。弟さんはちょっと太め体型で、日本なら長期の縦走などする感じではありません。でも、ニュージーランドの人々(欧米人は概してそのようですが)はそんな自分の体形など意にも介さずに楽しんでいます。そんな点は見習いたいですね。


▲部屋と煙突が二つずつある特徴的なフローラ・ハット。華世ちゃんは早くもベンチでくつろぎタイム! 13:50ころ。


▲小屋の前の沢に降りてみました。Flora Stream です。本流は Flora Car Park 近くまで林道沿いに流れています。この流域の支流なら楽しい沢登りや沢歩きが出来そうです。13:53ころ。


▲日本の山での標識にも似たこんなタイプもあるんですね。でも、色と書体はきちんと統一されています。この周辺だけでも幾つもの楽しいハイキングが出来そうです。14:01ころ。


▲マットが6つあります。6人が泊まれるようです。ただし、外観の写真からも分かるようにもう一部屋ありますから、フローラ・ハットの収容能力は12人です。14:02ころ。


▲暖炉と調理台もありました。ただ、壁が何ヶ所か破れていて、しばらく手入れがなされていないようです。薪は置いてありましたけれど、DOCの案内書ではこの小屋は無料で使えるようです。14:03ころ。


▲林道を歩いて、Flora Car Park へ向かいます。左下には Flora Stream が流れています。14:26ころ。


▲Flora Car Park に戻って来ました。すると妙なことに気付きました。上の2枚の写真を比べてください。同じ看板ですが、行くときにはそのままだったのが、帰ってきた際には切り取られています。注意喚起の髑髏マークと地図部分が切り取られる意味はよく分かりません。
この看板はポッサムやネズミやイタチを駆除するためにモノフルオロ酢酸ナトリウム(通称1080)という毒薬を撒いていることを知らせる看板。それらの哺乳類からの脅威に晒されている鳥類を守るため、その1080のペレットは緑色に着色され、鳥の嫌いな臭いが付けられているそうです。まあ、毒物を散布するわけですから、生態系への影響など反対意見もあるようです。もともと哺乳類のいなかった(コウモリ以外は)NZに爆発的に侵入・繁殖した哺乳類を全滅させるなんて話は夢物語でしょう! たとえ、半減を目指すとしてもどうなんでしょう? もう無理なのではないでしょうか? 14:43ころ。


▲朝よりは車が増えていました。14:43ころ。


▲華世ちゃんの運転で帰路につきました。途中で華世ちゃんお気に入りのカフェへ寄ります。このお店ではワーカーズホリデイでNZに来ている日本人の女の子が働いていました。16:11ころ。


▲いったん華世ちゃんの家へ帰ってから、今度はマプアの港方面へ行きました。この港からは対岸のラビット島へ渡るフェリーが出ているようです。19:28ころ。


▲この辺りにはいろいろなお店があって、けっこう賑わっていました。中でもこの Golden Bear (つい今まで気付きませんでしたが、Beer ではなく Bear なんですね。よく見ると、Oの字の中にクマの足形の絵が描かれています)のお店が最高です。ここ自体がビール醸造所で、もちろん販売もしています。美味しいビール! 夕方になると、あちこちから老若男女、たくさんの人が集ってきます。楽しく、気楽に、気取らずに、日常的に。日本の居酒屋さんのように妙に会話が深刻そうだったり、大声で喋る人がいたり、仕事の続きのような会話だったり、はしません。(もちろん僕にそんな英会話聞き取り能力があるわけではありませんから、雰囲気からだけの推測ですが)でも、絶対にそうです。19:39ころ。


▲ビールを飲む華世ちゃんとS子。店の前は広くて、この写真の右にも左にもビールを飲む人、人、人。19:43ころ。


▲夜の8時を過ぎているのにこの明るさ! 20:06ころ。


▲まだまだ遊べます。木の枝には子供たちが鈴なりになっていました。20:08ころ。

別のお店でフィッシュ&チップスを買って来ました。上の写真が見える広場にあるテーブルに紙を広げて置きました。


▲むしゃむしゃと食べます。こんな雰囲気の中で食べるので、余計に美味しいですね。20:15ころ。

今日は本当に華世ちゃんに感謝です。ボールパスでは氷河があるくらいですから、本当のNZの大自然でした。でも、今日のマウント・アーサー(頂上には行けませんでしたけれど)はネルソンという都会のすぐそばにある、身近な自然です。その中にはNZ本来のありのままの自然もたくさん見ることができました。NZの自然に親近感を抱けるようになった一日でした。カフランギ国立公園をもっと歩けるのならどれだけ楽しいだろうと感じた一日でした。日帰りの沢登りも出来そうな易しい沢もたくさんありそうです。そんな山歩きも出来るのなら楽しいだろうと感じましたね。


NZ旅№15 ――― Mt Arthur 登頂は諦め、Flora Hut へ。

2015年09月19日 | ニュージーランド旅2013

2013/11/22  マウント・アーサーはカフランギ国立公園の東側、ネルソンにも近いあたりにあります。華世ちゃんの住まいからも登山口までは直線距離で30kmちょっと。日本の僕の家からなら奥多摩に通うくらい身近な山々なんですね。さらに奥に足を延ばせば、奥秩父の山々を歩く感覚でしょうか。

Mt Arthur Hut に到着し、山小屋の前でしばし休憩しました。


▲小屋の中を覗いてみました。DOC(自然保護省)のガイドブックでは収容人数8名になっています。マットが8人分ありますね。綺麗に掃除が行き届いていました。11:24ころ。


▲薪ストーブで暖をとるようになっています。左に調理台があります。とても居心地良さそうでした。11:24ころ。


▲小屋の全景です。のきが広くとってあって、その下が板敷きになっているのは実用的で快適なアイデアですね。11:27ころ。


▲向かいの山肌を覆っている森です。日本のどこにもない森の風景。白っぽいのはサルオガセの仲間でしょうか? 11:30ころ。


▲道標がありました。道標の表し方は統一されているようです。書体も色も同じ。Mt Arthur まではコースタイムが2時間30分、4.7kmだそうです。道標の先に水色のポールが見えていますが、NZではコースの目印にこのようなポールが立っていることが多いみたいです。コースによってポールの色が違いますし。11:31ころ。


▲少しガスってきました。先行する華世ちゃんのそばにも水色のポールがありますね。11:32ころ。


▲この針のような葉を束ねた植物が多くあります。先端に触れるとけっこう痛い! 名前を調べましたが、分かりませんでした。確かではありませんが、スパニアード(Spaniard)の仲間でしょうか? イギリス人の開拓者たちがこの葉の先端に刺されたときに、「こん畜生! スペイン野郎め!」と悪態をついたから付いた名前だとか・・・・。山小屋を過ぎたあたりから、森林限界は越えたようです。11:36ころ。


▲マウント・アーサーは大理石の山として有名なようです。これもそうなのでしょうか? 日本で見かける大理石とはちょっと違いますが・・・・。11:37ころ。


▲少しですがアップダウンもあります。前方に見えるはずのマウント・アーサーはガスの中。11:46ころ。


▲写真中央のピークは Gordons Pyramid 1489m かな? と思います。マウント・アーサーへの途中で右に分かれる登山道でこの山へも行けます。11:53ころ。


▲いわゆる〝バターカップ”ですね。確かに色も艶もバターカップという表現ぴったりです。日本ではキンポウゲ(金鳳花)の仲間です。名前は調べましたが分かりませんでした。11:55ころ。


▲ここで大休止です。ガスで太陽も隠れていますし、風も出て来て、気温も下がってきました。二人とも上着を着ています。
華世ちゃんがここで大きな決定をしました。それは、今日はここまでにして、ここから下山する、ということ。マウント・アーサーまでは後2時間以上かかるでしょうから、無理をする必要はありません。11:55ころ。


▲谷を俯瞰して眺めました。こうやって見る限り、日本の谷とそれほど変わりはありません。この沢なら沢登りも出来そうだと、いつかここを登ってみたいな、そんなことを考えながら写真を撮っていました。11:58ころ。


▲ヒービーの仲間です。先ほどのヒービーとも微妙に異なっているようです。雄しべの葯の色が先ほどは黒かったのですが今度は黄色ですし、花びらの形も微妙に違っています。12:18ころ。

このあたりで下山を開始したのだと思います。


▲キク科のマーガレットの仲間っぽくも見えますが、キンポウゲ科の花(キクザキイチゲとか)とも似ています。花だけではなく、葉などもしっかりと写しておくべきですね。12:27ころ。


▲マウント・アーサー・ハットのすぐそばまで戻って来ました。山小屋までは行かずに、ここから別ルートへ入ります。Flora Hut へ向かう登山道です。12:29ころ。


▲ここまでの山道ともどこか違った雰囲気があるルートです。先頭の華世ちゃんの左にポールが見えます。ここのポールの色は赤ですね。12:34ころ。


▲この山域よりずっと北方の地図は持っていませんから、この特徴ある風景がどこの山なのか、分かりません。でも、手前の台地状高原やその向こうのアップダウンの激しい稜線など、楽しそうなエリアに見えますね。12:37ころ。


▲ほんのりと湿地っぽい場所がありました。すると、モウセンゴケが生えていました。こんなことを言うのは変かもしれませんが、モウセンゴケに対して妙な親近感を感じましたね。日本を感じることのできる植物のように思ったのです。12:41ころ。


▲この草も日本にはありませんね。12:43ころ。


▲樹木に詳しいわけではありませんが、この小灌木も日本では見かけませんよね。綺麗で面白い灌木です。赤いのは蕾でしょうか? 実なんでしょうか? 12:45ころ。


▲興味深い植生の中をのんびりと歩きます。先頭の華世ちゃんの右にも赤いポールが見えますね。12:59ころ。


▲尾根道から外れて森の中を下って行く登山道になりました。南極ブナの森でしょうか? 僕には分かりません。日本にとっては初夏にあたるような季節のはずですが、新緑に萌えているわけでもありません。落ち葉も積もっていますから、季節がどうなっているのかわからなくなりますね。13:07ころ。


▲華世ちゃんが「キノコだよ」と言います。パッと見、アケビの実が落ちているようにしか見えません。ニュージーランドのお札には青いキノコ Blue Sky mushroom が描かれているそうです。調べてみると、本当に真っ青なキノコなんですね。でも、この写真のとは違うみたいです。13:27ころ。


▲巨木が倒れている横の登山道を下って行きます。13:37ころ。


▲突然、森が開け、草原になりました。下って行くと山小屋があります。Flora Hut です。13:48ころ。


NZ旅№14 ――― Mt Arthur(マウント・アーサー1795m)を目指して、まずは Mt Arthur Hut 山小屋まで

2015年09月14日 | ニュージーランド旅2013

今、2015年9月です。2年近く前のことを思い出しながら書いています。山の風景や肌に当たる陽光や乾いた風、地面の固さや柔らかさ、積もっている落ち葉が日本のように朽ちていくのではなくて、カサカサと枯れていくこと、沢を流れる水の様子は日本とあまり違わないこと、そんな幾つもの様子は目に焼き付いていて忘れることは出来ません。

2013/11/22  この日は僕とS子のために華世ちゃんが日帰りハイキングをセッティングしてくれました。


▲華世ちゃんが一緒に暮らしているマリアンさんのおうちです。朝食後、牧草地に出て、ちょっとだけ散歩しました。8:18ころ。


▲猫も幸せそうですね。8:26ころ。


▲3匹の猫がそろいました。S子のザックも見えています。8:33ころ。


▲たまには僕の姿も。猫は大好きです。

華世ちゃんの車で、今日の登山口まで向かいます。
向かう途中、牧草地の緑の絨毯風景から、だんだんと森の風景が増えていきました。そんな風景の変化を僕はワクワクしながら眺めていました。
これまでは広々とした牧草地の風景がニュージーランドらしい風景だった訳ですが、僕はこんな風景ははっきり言って嫌いでした。嫌いというのは誤解を生む表現ですが、これはあくまでも自然ではなく、人工的な風景です。日本の里山も人工的な風景ですし、棚田や平地に広がる田んぼの風景も人工的な風景です。同じ人工的風景なら、僕は日本のこんな田舎の風景の方が好きです。それにその方が生物多様性も豊かですし。牧草地のような単純な環境はあまり好きにはなれませんでした。もしかすると、これは僕の偏見なのでしょうか?
山に近づくにつれ、本来のニュージーランドの森が増えてくるようで、嬉しくなります。


▲登山口に到着しました。中央に華世ちゃんの車。華世ちゃんと座っているS子の姿が見えますね。ここは Flola Car Park フローラ駐車場です。標高は約950m。9:36ころ。


▲Information shelter があります。中には入ってみませんでしたが、ここでいろいろな情報が得られるのでしょうね。9:36ころ。


▲トイレももちろんあります。車椅子にも対応しているようです。9:41ころ。


▲いよいよスタート。最初は林道のような広い道ですが、もちろんゲートがあるので、車は入れません。青い看板には「KIWI ZONE  HELP US PUROTCT KIWI  NO DOGS ALLOWED」と書かれています。キーウィがいるので犬も連れて入ってはダメなのですね。9:51ころ。


▲この森もNZ独特の森ですね。日本の木についても詳しく知らない僕ですから、NZのはさっぱり。ひょっとしたら、南極ブナなども混ざっているのでしょうか。10:03ころ。


▲日本でも奄美大島に行った際にはマングース用のこの写真のような罠を見たことがあります。NZのこの箱罠はポッサム用なのでしょう。10:04ころ。

ポッサムはもともとオーストラリアの生物。有袋類なのだそうです。和名はフクロギツネ。オーストラリアでは数も減ってきており、保護されているそうなのですが、NZでは増え過ぎて、害獣扱いです。外来種で、ただでさえ哺乳類のいなかった(コウモリ以外には)NZですから、天敵もおらず天国のような島だったのですね。
今では毛嫌いされて、道路を走ると車で轢かれたポッサムの死骸累々です。華世ちゃんもNZ人化していて、ペチャンコになった死骸を避けようともしません。避けようとしてハンドルを切る方が危険なのだそうです。僕はまだ日本人感覚から抜け切ることができず、死骸を目にすると、せめて道路脇によけてあげたくなります。
1980年代には全国で7000万匹ほどいたそうですから、確かに多すぎではありますね。


▲この木の名前も分かりません。でも、キャベツツリーにも似てますね。10:15ころ。


▲枯れ木に花! と言った風情です。サルオガセの仲間なのでしょう。10:16ころ。


▲華世ちゃんから「ハニーデューだよ」と教わったのがこれ。木肌が焦げたように黒く変色しています。その中に白い糸のように垂れ下がっているものが見えます。よお~く見ると、その糸の先に水滴のように丸く粒が付着しています。「舐めてみて」と華世ちゃんが言うので舐めてみると、ほんのりと甘い。
ネットで調べてもあまり詳しくは分かりませんでしたけれど、どうやらカイガラムシの仲間がこの木の表面に付き、分泌した液体がこの甘い液体のようです。それをミツバチが花の蜜を集めるのと同じようにして集め、蜂蜜となったものがハニーデューなのだそうです。ミネラルが豊富で、マヌカハニーをも超えるかもしれない様々な効力があるかもしれないのだとか。いま研究中のようですね。10:20ころ。

今になって、ネルソンのホリデーマーケットで凄い安価で購入したハニーデューの空瓶を眺めています。MOUNTAIN VALLEY HONEY 社の Beech Honeydew Honey です。カイガラムシも絡んで産まれた蜂蜜だとは思いもせずに食べていました。


▲この木にもサルオガセの仲間が付着しています。10:22ころ。


▲尾根道になっています。道は相変わらず立派すぎます。NZの本来の森ですが、日本の森とはまったく違う不思議な雰囲気の森です。10:31ころ。


▲この太い幹の巨樹は何という名前なのでしょう? 巨樹のある森はいいですね。10:45ころ。


▲ポッサム用の罠です。樹上の鳥の巣を襲うのでNZ固有種の鳥が被害を受けているのだそうです。木に登る途中でこの罠に捕まるという訳なのでしょう。10:46ころ。


▲罠に捕まったポッサムがいました。すでに息絶えています。可哀想ですが、NZ本来の自然を取り戻すためには仕方のないことです。10:48ころ。

NZには毛皮のためにオーストラリアから運びました。今でも捕獲して皮を利用しているようです。それに毛自体もとてもいいそうなのです。短い毛ですから、それだけでは使いづらいようですが、羊毛と混ぜて使うと保温力が高まってとてもいいのです。ポッサムの毛の形状が筒状で多くの空気をため込むことが可能ですから保温力が高いのです。


▲景色が開けて来ました。小休止です。平らな道が多く、少しずつしか登っていませんから、あまり疲れません。10:56ころ。


▲何ヒービーかは分かりませんが、ヒービーの仲間だと思います。日本には似た花はありませんよね。10:57ころ。


▲山小屋に到着です。Mt Arthur Hut(マウント・アーサー・ハット)。ここの標高は約1300mですね。歩き始めてからここまで1時間30分くらいかかりました。DOC(自然保護省)が発行しているガイド本のコースタイムは1時間15分のようですから、上出来です。11:23ころ。