ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

ナメイリ沢と棡葉窪の2本の短い沢を組み合わせて遡行しました

2022年09月23日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

前の週は丹沢の懸垂岩で岩トレをしました。体力はほとんど使わない山行でした。北アルプスの疲労もほとんど抜けたはずですから、それなりの長さの沢登りをしたかったのですが、まだ気分が乗りません。やっぱりまだ少し疲労が残っているのかもしれません。

という訳で、こんな時のための短い沢。1本では時間を持て余すでしょうから、1日に2本の短い沢を登ることにしました。短い沢と言えば盆堀川水系です。この山域の最高峰は臼杵山の842.1mですから、どの沢もとても短いのです。しかも、滝の多い沢がほとんどです。選んだ2本の沢はナメイリ沢と棡葉窪。ナメイリ沢は小滝よりは少し高めの滝が多くあります。しかも、すべて直登できて易しい。棡葉窪はこの流域で最短の沢で、短い中に沢の魅力が凝縮されています。もちろんすべての滝を直登することが可能です。

 

2022年9月3日(土) ナメイリ沢~棡葉窪

▲9:27。武蔵五日市駅からタクシーに乗って、棡葉窪出合そばの採石場前の広場まで来ました。もっと先まで乗ってもいいのですが、ウォーミングアップとして少しは歩きたいですからね。伝名沢出合の広い駐車スペースを過ぎ、石仁田沢出合で林道が二手に分かれます。そこは右へ行くと、すぐに再び右へ分かれる林道があるので、そこを進みます。林道が丸くカーブする最初の橋の下がナメイリ沢です。上の写真の右端から沢に下りましたが、この降り口風景だけを見ても分かるように、小さくて冴えない沢です。何度か遡行した僕の印象は、水量も乏しく、薄暗くて、パッとしない沢、といった感じです。でも、ちょっとしたトレーニングのためには向いている沢です。

 

今回のメンバーはSRさんとO崎さん。O崎さんは初心者ですから、SRさんと僕とで交互にリードし合うことにしました。易しい滝でも、ザイルワークの練習のためと初心者のO崎さんの安心のために必ずザイルを出すことにしました。時間的余裕もありますからね。

 

▲9:50。最初は僕がリードしました。これがF1-2段10mだと思います。10mとありますが、それほどはなかったような・・・・ フォロウするのはO崎さん。ラストのSRさんは猛スピードで登って来ます。

 

▲9:54。F1での僕の支点作り。下がセルフビレイで、上はフォロワーの確保用。ルベルソ5を使っていますが、旧来通りのボディビレイで行なっています。最新の確保法は実践ではまだ未使用。

 

▲10:04。3mトイ状の滝かな? さすがにこの小滝ではザイルは出しません。この日はナメイリ沢としては水量が多いですね。前日までの1週間ほど毎日雨でしたし、とりわけ直前の2日間はそれなりに降りました。これほどに水量のある瑞々しい感じのナメイリ沢は初めてです。酷い時は乾いていて埃っぽい印象すらあったので・・・・

 

▲10:20。ナメ状の小滝がありました。念のために、SRさんがリードしました。

 

▲10:37。これはF2ー6mでしょか? 僕がリードしました。

 

▲10:49。F3-11mトイ状だと思います。SRさんは滝に立て掛けられている倒木の最上部でプロテクションを取りました。

 

▲10:53。この日の天気予報は曇りだったのですが、青空がけっこう広がっています。薄暗い印象だったナメイリ沢ですが、陽光が入って来て明るかったですね。

 

▲11:07。F4ー5mでしょうね。ナメイリ沢の最後の滝で、僕がリードしました。

 

▲11:18。水量が減って来ると、そろそろ沢を離れることを考え始めます。以前に比べると、倒木が減っているようですが、上流になるともっと倒木やボサが五月蠅くなるからです。それに今日は、もう1本、棡葉窪を登りますから、右岸尾根を下降しなければなりません。

 

▲11:24。そろそろ左の斜面を登りたいですね。傾斜が緩くて、尾根が近そうなポイントを探しています。

 

▲11:29。何となく踏まれているような跡がありましたから、そこから登ることにしました。少し登ると、微かな踏み跡が尾根に向かって付いていました。それを辿ります。この写真でもその尾根がもう見えていますね。尾根に出ると、しっかりした山道が付いています。

 

▲11:49。尾根道を下って行くと、黒い地面に白く光る星のようにキノコが点在していました。テングタケの仲間ですね。名前の同定までは難しくて出来ませんが、おそらく猛毒なんでしょうね。

 

▲11:58。最近(10年以内?)植林されたエリアが網で囲ってあります。鹿に喰われるのを防ぐためでしょうね。林道がすぐ下に見えていて、この中を歩くと容易に降りられそうですが、駄目です。

 

尾根道に戻って、さらに下って行くと、林道の法面を覆う金網にぶつかります。乗り越えて、金網を掴んで降りて行ってもいいのでしょうけれど、まあルール違反でしょうね。前日ネットで調べたら、その人は左に大回りして林道に降りていました。でも、右へ行く踏み跡があったので、僕たちは右へ行くことに。

 

▲12:18。その踏み跡を辿ると、降りて来たのがここ。二人が降りて来た踏み跡の方を見ています。朝はこの林道をもう少し奥の方へ歩いてから入渓したのです。

 

朝歩いた林道を今度は逆に歩き戻ります。途中の伝名沢出合の広場で昼食。ゆっくりしてから、棡葉窪へ向かいました。

 

▲13:02。盆堀川へ降りました。この写真の奥、暗い辺りが棡葉窪(ゆずりはくぼ)出合です。

 

▲13:05。ここが棡葉窪出合。極小の沢です。

 

▲13:09。棡葉窪も平水より多かったですね。

 

▲13:12。小さな沢なのに、釜もあったりして、水は豊富です。

 

▲13:21。沢床も水で洗われて、岩の沢床です。小さな沢のくせに綺麗です。

 

▲13:29。F1-6mですね。上部が少し難しいようですね。

 

▲13:41。SRさんがリードしました。O崎さんも少し苦労しています。

 

▲14:03。F2-5mだと思います。僕がリードしました。

 

▲14:18。この滝は何故か滝番号(F1とかF2とか)が付いていません。でも、この滝が棡葉窪の滝の中ではメインの滝です。ガイドブック等には滝の左の壁に打たれたボルトやハーケンに付けられたシュリンゲを掴んで登ることになっています。僕も1度か2度か左から登ったこともありますが、楽しくありません。最初からシュリンゲ頼みの登り(へつりですけど)は嫌です。ここはSRさんが右から登りました。ちょっとだけ苦労したみたいですが、3級の範囲内です。こちらが自然なルートだと思います。SRさんが確保支点作りに苦心していました。左の方に左から登るルートのためにボルトが打たれています。そこを利用しようとしたのですが、それではフォロワーが落ちると振られてしまいます。それに滝の落ち口近くが核心部ですから、そこでザイルを強く引くことは出来ません。ちょっと高い位置に生えている灌木で支点を取ることにしたようです。

 

▲14:33。F3-5mです。順番では僕がリードのはずですが、SRさんがリードしてしまいました。ここも意外に滑りやすいです。

 

▲14:43。二俣に到着しました。そこの木に写真のようなサルオガセがぶら下がっていました。いつかここから先、右俣か左俣を遡行してみたいと思っています。今どうなっているかは知りませんが、昔は倒木に阻まれて遡行不能でした。行く気になれなかった、と言う方が正確ですかね。ですから、二俣の中間尾根をいつも登っていました。でも今日は、時間もないのでここから仕事道を利用して降ります。

 

仕事道を降りると、さっきの入渓点に降りられます。そこで装備解除して、舗装道路を沢戸橋まで歩きました。バスがすぐ来るようならバス停で待つつもりでしたが、バスの時刻まで20分くらいあったでしょうか? 待たなければなりません。僕はバスを待つのが苦手です。じっと待ってるよりも歩く方が好きです。それに20分もあれば、『音羽鮨』に着いてしまいそうですから。実際、バスよりも僕たちの方が早く『音羽鮨』に到着しました。そして、『音羽鮨』では楽しい反省会。

 

今回、SRさんと交代でリードを務めましたけれど、この方式はいいですね。ナメイリ沢で4回、棡葉窪でも4回、8回ザイルを出しました。易しい3級の滝ばかりでしたからね。この調子で、滝のリード感覚を復活させたいと思います。


石津窪をK野さんのリードで遡行しました。僕は自分のリード能力を上げないと、と痛感しています

2022年07月20日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

『東京起点 沢登りルート120』では石津窪は2級で中級の沢とされています。 K野さんは哲さんとは天覧山の岩トレで面識があり、彼なら大丈夫だと判断できたのですが、 T内さんのことは知りませんでしたから、僕に相談が来ました。 僕は古い人間で、石津窪は1級で初級の沢だとの認識しかありません。 全ての滝が高巻けて、危険な箇所もないと思っていたからです(大滝の高巻きだけはその後少しずつ崩れているようで、困難になって来ているようです)。 今回はすべての滝を登攀する予定でしたから、ザイルを張りさえすれば、T内さんも大丈夫なはずです。 で、「いいんじゃないの」と返事。哲さんもT内さんも沢登りを始めたばかりですが、いい刺激になると思います。沢登りにクライミング能力が必須であることを理解してもらえると思います。実力を伸ばしつつあるK野さんにとっても、短いとは言え、わりと登攀的な沢ですから、楽しんでもらえると思いました。

 

2022年7月10日(日) 石津窪~半兵エ沢下降

▲8:55。K野さんがシェアカーを手配してくれて、H島駅8時集合でした。僕にとっては楽な集合時間です。棡葉窪出合そばの駐車スペースからスタートです。

 

▲9:10。この日は天気予報が微妙でしたが、良い方向へ外れました。青空が広がっています。(撮影:K野)

 

▲9:43。新人の哲さんとT内さんに石津窪出合を探してもらいました。石津窪は千ガ(ちが)沢の支流なんですが、その千ガ沢出合の場所を僕が間違って教えてしまいました。石仁田(いしにた)沢出合を千ガ沢出合と間違えてしまいました。その後の、沢と交差する橋の状況が地形図と同じでしたから、確信してしまったんです。でも、本当の千ガ沢出合に到着した時、僕の記憶が蘇って来て、「ああ! ここが本当の千ガ沢出合だ」と気付きました。本当に地図読みがいい加減な僕ですね。(そもそも地図を見ていない)。それから新人の2人は正確に地図読みして石津窪出合を見つけてくれました。写真はその出合に降りて行くところです。

 

▲10:54。末広がりの滝10mと呼ばれている滝のようですね。ネーミングの意図がよく分かりません。2段の滝の上部だと思います。難しくはないのですが、緊張感のある登攀になります。3級程度とはいえ、気分的には4級近い感じですかね。ピンがなかった記憶もあるのですが、今回は中ほどでハーケンがありました。K野さんがリードしています。1本目のプロテクションは岩角で取ったみたいですが、外れてしまいました。残りのザイルをK野さんのザックに入れるシステムを試したようです。やり難かったようですけどね。

 

▲11:37。岩溝を流れ落ちる斜瀑8×10m 。この日の石津窪は全体的にぬめっていて滑り易かったですね。その影響をこの滝が一番受けていたようです。数メートル登ったところで、K野さんはカムをセットしました。ハーケン等が見つからなかったからです。僕が登った際に見ると、セットしたカムのほんの少し上にハーケンがありましたね。この滝も易しい3級ではあるのですが、プロテクションが1ヶ所でしか取れないので緊張します。

 

▲11:49。6mの垂壁 。石津窪では最難の壁です。壁というのも、水流から離れていて乾いているからです。この壁に来て驚いたことがあります。長い残置ロープ、明らかにこれを頼りに登れとばかりの残置です。以前はこんなの無かったのに(昔の写真で確認すると、2016年7月にはすでにありました)。僕たちはこれを使わないことにします。K野さんは僕に「リードします?」と聞きます。自分もリードしたい気持ちをK野さんに伝えてあったからです。でも、僕は遠慮しました。(結果的には遠慮して正解だったのですが)。K野さんは何の問題もなくす~っと登って行きました。続いてSRさん、ちょっと力任せな感じもありましたが、問題なく登りました。哲さんも、少し苦労しましたが完登。T内さんは苦労しましたね。でも、頑張りました。最後は僕です。「ムーブを確かめながら登るからね」と上に伝え、登り始めました。何度か試しながらゆっくり登るという意味です。ところが、核心部に来ると、なかなか難しいことに気付きます。何回もザイルにぶら下がりました。K野さんが登った際に「どれくらい?」と聞くと、「4級くらい」との返事でした。でも、4級どころではありません。4級+とか、それ以上にも感じます。昔は簡単にリードしていた滝を登れない現実! 登れない理由は2つあると思います。1つは、核心部のスタンスが欠けてグレードが上がってしまった。2つ目は、僕のクライミングが下手になった。K野さんが簡単に登っていますから、恐らく理由は2でしょうね。岩トレではリード練習もたっぷりしようと思いました。自分が下手だとの認識を持って、上手くなるよう努力しようと思いました。それが今回の石津窪での大きな収穫です。

 

▲12:05。30cmほどの長さのミミズ!

 

▲12:24。たまには(と言っても、ここだけだったかな)巻きます。

 

▲12:46。大滝25m 。この日はシャワークライミングになるものとばかり思っていました。でも、多いはずの水量が少ない! 残念というか、ホッとしたというか・・・・ 大滝を眺めながら沢中では初めての休憩をし、その迫力を満喫します。

 

▲12:49。K野さんはとっても慎重な登りでした。彼にしては時間をかけて登っていました。岩がぬめっていて滑りやすいというのもありますが、ゲレンデのように十分な数のプロテクションが取れないからです。25mという高さは日和田の男岩よりもずっと高いのです。3級+というグレードですが、その滑り易さと緊張感を加味すると4級はあると思います。写真は1本目のハーケンを見つけて、プロテクションをセットしているところだと思います。

 

▲12:51。K野さんの慎重なクライミングが続きます。

 

▲12:53。K野さんの頭上に水の流れが見えますが、その水流の右壁を登るルートもあるにはあります。僕もフォロウしたことはありますが、5級のルートです。ピンも1つくらいしかありません。ですから、この写真からは水流沿いに登ります。

 

▲12:59。K野さんが最上部を登攀中です。水量が多いと、このあたりは全身ずぶ濡れのシャワークライミングになります。

 

▲13:20。K野さんが上で確保して、哲さんがフォロウしています。K野さんが伸ばしてくれたザイルのお陰で、SRさん、哲さん、T内さん、僕と登って行きました。皆、25mもの大滝を登り切った充実感に感動している様子です。

 

▲13:47。大滝が終わると、小滝が少し現われるだけで、緊張感は緩みます。僕ものんびりと歩いています。(撮影:K野)

 

▲14:18。SRさんがT内さんのために補助ロープを出してくれています。この日、数ヶ所の小滝でSRさんはこの補助ロープを出しました。僕もお世話になりました。

 

▲14:24。源流部で、この写真のケルンが出て来ると、すぐ左上に見えている尾根に上がります。踏み跡もしっかりと付いていました。

 

▲14:28。この日は上がった尾根からすぐに反対側の沢へ降りることにしました。僕も初めてです。千ガ沢支流の半兵エ沢という名前のようですね。当然、哲さんもT内さんも沢の下降は初めてです。

 

▲14:48。半兵エ沢は小さな沢ですから、なかなか水は出て来ませんでした。でも、下流部ではやっと沢らしくなって来ましたね。こんな滝も出て来ましたが、左岸の斜面を歩き降りました。

 

▲14:54。半兵エ沢の最下部ですね。

 

▲14:57。半兵エ沢を下りきって、千ガ沢本流に出たところですね。

 

▲15:08。この前の週にも懸垂下降した15mのF1です。僕が先頭で下降しました。ルベルソ5を使っての正式な懸垂下降です。

 

▲15:25。懸垂下降するT内さん。彼女は懸垂下降は初めての体験でした。上でK野さんに教わって、下では念のために僕がザイルを持っています。でも、身体の倒し方もちょうど良く、上手な懸垂下降でした。

 

▲15:50。千ガ沢を下って、石津窪出合に戻って来ました。ここで記念撮影。左からK野さん、T内さん、SRさん、哲さん。

 

▲15:51。哲さんが、僕に代わって撮ってくれました。

 

▲16:17。一日、天気も持ちました。朝歩いた林道を再び車まで歩きます。心地よい充実感に満たされたひと時ですね。

 

僕は前の週に引き続きまたしても沢中で転倒してしまいました。前の週ほどではなかったですが、右足の太股をぶつけてしまいました。数日間はちょっと痛かったですね。若いころだって転倒することはありましたけれど、齢を取ると見事な転び方をしますね。反射神経が衰えているからだと思います。これまで以上に慎重に歩きたいと思いました。

 

シェアカーをH島で返却したので、H島の僕の馴染みの居酒屋さんで反省会。またしても遅すぎる時間まで飲んでしまいました。反省! 誉め上手な哲さんの言葉に喜ぶだけではなくて、その言葉に恥ずかしくないレベルを維持するために一層の努力を続けなければと思いました。現状は岩も下手になって来ていて、体力も弱くなっていますから、両方とも初心に立ち返って努力しなければと感じています。


ここはウルシゲ谷沢? 千ガ沢下降は期待以上の楽しさ

2022年07月11日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

前の週の小同心クラックの疲労がまだ残っている僕は、都合のいい計画を立てました。 短い沢3本を登下降する計画です。 途中どこでも中断できるからです。 その僕の疲労に関しては、急斜面での登りで脹脛にすぐに乳酸が蓄積されるような状態でしたね。 小同心クラックは数年ぶりのテント山行でしたし、15kgのザックもそれくらいぶりですから。

それで、どこを計画したかというと、南秋川小坂志川の支流ウルシゲ谷沢左俣~市道山~秋川盆堀川の支流千ガ(ちが)沢下降~棡葉窪でした。最後の棡葉窪は二俣まで遡行して、仕事道から下山するつもりです。それぞれが本当に短い沢ですし、1本目でも2本目でも気楽に終了できます。市道山の標高が795.1mですから、沢の小ささも想像できると思います。

 

2022年7月2日(土) ウルシゲ谷沢~市道山~千ガ沢下降

▲9:06。左のS上さんとは沢に行くことが決まっていました。そこへ今年大いに発展途上のN村さん(右)とベテランのK田さんも参加することに。楽しそうな面々です。武蔵五日市駅からタクシーで小坂志林道に少しだけ入ってもらいました。

 

▲9:11。小坂志林道をしばらく進むと、左に分かれる林道があります。ウルシゲ谷沢沿いの林道です。何となく林道の様子が以前とは違います。写真のように木材で縁取りしてあったり、セメントで舗装していたり。とは言え、おぼろげに林道終点まで行ってから入渓する、そんな記憶がありましたから、どんどん進みました。

 

▲9:58。林道が沢筋から離れて行ってしまうので、そこにあった沢へ入渓することにしました。水は流れていませんし、みすぼらしい姿の沢です。もう少し進むと、沢も開け、伏流していた水も出て来るはず、そんな希望的観測を抱きながらの入渓です。

 

▲10:01。水の流れも出て来て、1mもない小滝もありましたが、相変わらず貧相な沢です。ボサも多く、快適ではありません。この頃には、「間違えたな」と思い始めていました。ただ、どのように間違えたのかは分かっていません。「ウルシゲ谷沢とは別の沢に入ったのかも」とも考えたりしていました。ただ、ここから戻って、改めて正しいウルシゲ谷沢左俣を探すのも面倒なので、とりあえず稜線までは出ようと考えていました。

 

▲10:22。稜線に出る前に林道が出て来ました。この頃の僕は写真の左に見えている尾根の向こう側が、ひょっとしたらウルシゲ谷沢かもと思ったりしていて、この林道が尾根を巻いて向こう側に行ってるようでしたから、林道をこちらに進むことにしたんです。いい加減な僕は地形図も見ずにそんな判断をしていました。標高の低い、狭い山域ですから、稜線に出れば位置は分かるし問題もないと考えていたからです。

 

▲10:37。N村さんが途中スマホで現在位置を確認してくれました。林道から離れ、尾根を登って行きました。写真がその途中です。ここを登ると744m標高点に着くことが分かったんです。

 

▲白い印の場所でN村さんが現在位置の確認をしてくれました。赤いが744m標高点です。その結果、僕たちの辿って来たコースが漠然と想像できるようになりました。帰宅後にまとめたのがこの地図です。ウルシゲ谷沢には入ったものの、林道に惑わされて、赤い印で南向きの支沢へ入ってしまったようです。林道がその支沢沿いに延びていたからです。本当は赤い印からは北東方向へ進み、市道山へ突き上げるはずだったんです。

 

▲10:58。744m標高点からは南の陣馬山から繋がっている登山道を歩きます。

 

▲11:50。市道山に到着しました。

 

▲12:16。市道山山頂での休憩後、北東方向へ降りて行きました。N村さんは沢の下降は初めてとのこと。

 

▲12:28。どんどん下っていきます。

 

▲12:37。沢地形まで降りて来ています。まだ水は流れていないのかな?

 

▲12:49。です。足を浸けるとひんやりして気持ちいいですね。

 

▲13:27。沢らしくなって来ました。

 

▲13:34。2mの小滝に頭を突っ込むN村さん。

 

▲13:36。写真では分かりにくいですが、F2で4段25mの滝です。上から見下ろしています。狭い岩の隙間を落下しています。この日のザイル45mでは長さが足りません。途中に太い木も生えていませんし、懸垂下降用にピンが打ってあるはずもありません。懸垂できると楽しそうですが、無理だと判断しました。

 

▲13:38。この滝には左岸に立派な巻き道が付いています。その道を使うことにしました。

 

▲13:42。巻き終わって沢床へ降りて来ました。せっかくなので、F2を見に行くことにします。

 

▲13:45。これが4段25mのF2です。どれが4つの滝かはよく分かりませんが、下の2段しか見えなかったと思います。岩にはイワタバコがたくさん生えていましたけれど、花はまだのようでした。

 

▲14:09。滑り台。

 

▲14:22。続いてF1です。高さは15m。左の太い木にザイルを回して懸垂下降します。僕が最初に降りました。懸垂の途中で、パチリ。

 

▲14:24。F1の全景です。右端が登れそうです。何年か前、沢歩きでS子とここまで来たことがあります。その時はザイルを出して、右の木の生えた斜面を高巻きました。

 

▲14:33。最後にN村さんが降りて来ました。

 

▲14:50。千ガ沢は小さな沢ですけれど、水量も少しは増えて来ました。この後くらいだったか、僕が転倒してしまいました。左足が何かに引っ掛かって、身体の右側から倒れ込んだんです。回転して、仰向けになりましたが、そのまま回転し続けて俯せに体を戻しました。体の右側の何ヶ所かを強く打ち付けて、痛みます。声にまでは出しませんでしたが、唸るような感じで痛みに耐えていました。尖った岩にぶつけたので痛かったんだと思います。しばらく座っていましたが、痛いだけでどこも負傷はしていないようでした。右手の掌がいつまでも痛みますが、打撲の痛みだけのようです。

 

▲15:14。他のメンバーも心配してくれて、「林道に上がろう」と言ってくれます。だいぶ前から右岸に林道が並行しているのです。林道に上がれそうな斜面があったので上がることにしました。S上さんがザイルを首に掛けて、持ってくれていますね。そうそう、ザイルは最初からずっとN村さんが持ってくれていたんです。感謝。

 

▲16:55。着替えを持っている人は着替えを済ませ、沢戸橋バス停に向かっています。3本目に予定していた棡葉窪はビールの誘惑にかき消されてしまったようです。

 

この後、沢戸橋バス停では10分待ちでバスが来ました。いつもの『音羽鮨』へ行き、反省会との名前の打ち上げ。山の話、山岳会の話で盛り上がりました。


石津窪で滝の登攀トレーニング、続いて伝名沢をヤニラ沢から下降しました

2016年09月06日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

2016/7/31  奥多摩の沢としては珍しくザイルを出して登攀する滝の多い、しかも短い沢です。別の沢の下降も抱き合わせで実践することが出来ますから、T口さんにとっても充実したトレーニングになると思い、提案したのです。

武蔵五日市駅からタクシーに乗りました。いつもなら棡葉窪出合近くの採石場前で降ろしてもらうのですが、運転手さんが「もっと行けるよ。まだ先まで」と、恐らくは親切心からなのでしょうが、結局、伝名沢出合の広場まで乗せて行ってくれました。
僕としては、ウォーミングアップのために少しは歩いた方がいいと思って棡葉窪出合までと考えていたのですが・・・・


▲石津窪出合で、沢装備を整えました。T口さんとS木さん。9:12ころ。


▲石津窪は何の変哲もない小さな沢です。25mの大滝があるとは想像できません。9:21ころ。


▲T口さんが滝を登って行きました。S木さんのためにザイルを出した方が良さそうなのですが、まあ、まだ最初ですし、S木さんと僕は右から高巻きました。9:26ころ。


▲小さいながらも、石津窪は岩盤の上を水が流れる沢です。小滝が次々と現れました。9:40ころ。


▲少し右に高巻き用でしょうか? 残置のロープがありました。その結び目にプロテクションを取りました。ザイル使用1回目。9:47ころ。


▲写真は撮り忘れましたけれど、この写真の滝のすぐ下に幅広の滝10mがあります。そこでザイル使用2回目。この写真はザイル使用3回目です。
ハーケンがT口さんの足元あたりにあったような記憶があるのですが、見つかりませんでした。A0用の残置ロープでプロテクションを取ります。4級+あったと記憶しているのですが、T口さんはスムースにリードしてしまいました。10:26ころ。


▲S木さんがフォロウします。今日の3人はほぼ同じくらいの身長なのですが、岩も沢も経験のまだ乏しいS木さんも簡単に登って行きました。10:32ころ。


▲25m大滝到着です。10:45ころ。


▲T口さんがリードします。ザイル使用4回目。画面下あたりで、本当は1本目のプロテクションが取れるのですが、T口さんはハーケンを見落としたようです。その後無事に画面中央付近でプロテクションを取りました。10:55ころ。


▲今日は普通の水流なので、あまり多くは流れていません。ひとつ前の写真ではT口さんは水流の右にいましたけれど、この写真では水流の中にいます。水量は少なめと言えど、水しぶきでけっこう濡れてしまいます。11:00ころ。

この滝のピッチグレードは3級。それほど難しくはないとは言え、ルートを探しながらですし、25mという高度感もありますから、登り切ると誰しもがそれなりに充実します。
ここでもT口さんは何の問題もなくリードしてしまいました。


▲続いて、S木さんのフォロウ。11:08ころ。


▲中間部ですが、わりと苦戦していますね。11:12ころ。


▲望遠で撮ってみました。階段なんですが、苔は生えていますし、なかなか踏ん切りも付かないようです。11:13ころ。


▲前の写真場所から3mは登ったでしょう。この辺りから水しぶきが気になりだします。11:19ころ。


▲水流を右から左へ渡りました。少し左へ行き過ぎかな? 11:23ころ。


▲最上部はほぼ水流沿いに登ります。11:27ころ。

S木さんは頑張りましたね。僕も自分で登ってみて分かったのですが、上部ではかなり水しぶきを浴びました。S木さんは上部でもかなり長く頑張っていましたから、僕の数倍も水を浴びたことでしょう。


▲大滝を過ぎても、小滝は連続しています。この小滝でも念のためにザイルを出しました。ザイル使用5回目。11:56ころ。

途中でちょっと休憩しました。


▲藤の蔓でしょうか? で、ザイルは出しませんでした。12:37ころ。


▲水流がほぼ消えているあたりで、お饅頭のように石を積んだケルンがありました。左の支尾根との距離もこれまでで一番近く、すぐ上がれます。ここで遡行は打ち切り、左の支尾根へ上がります。12:43ころ。


▲支尾根の最後の急登。12:48ころ。


▲749m標高点に着きました。ここから東へ30m少し下り、コル状の地点まで行きます。12:58ころ。


▲コル状の地点から北へと下って行きました。13:02ころ。

この沢の名前ですが、宮内敏雄氏の『奥多摩』では「ヤニラ沢」となっています。東京瓦斯山岳會編の『秋川の山々』では「鈴川」となっていて、「ヤニラ沢」はもう1本上流の支沢の名前になっています。「鈴川」の方が正しい気もするのですが(理由はありませんが)、宮内敏雄氏に敬意を払って、ここは「ヤニラ沢」としたいと思います。


▲藪が終わって、やっと沢地形らしくなりました。でも、まだ水は流れていません。13:19ころ。


▲水も少しですが流れています。13:32ころ。


▲普通の沢になってきました。沢を下るというのも、なかなか慣れないものです。13:34ころ。


▲最後はドボ~ンと、飛び降ります。13:45ころ。


▲滝を登るのとは、ちょっと勝手が違います。13:48ころ。


▲深いのかな? 浅いのかな? ちょっと不安です。13:56ころ。


▲途中で沢を林道が横切っています。林道の下を通過できない構造でしたから、いったん林道に上がります。14:04ころ。


▲林道から沢へと戻る途中。14:06ころ。


▲すぐに小滝も現われて、クライムダウン。14:11ころ。


▲なんだ~っ! これは! 14:21ころ。


▲ゴルジュの中でなかなかの美瀑が出現しました。懸垂下降で降ります。ザイル使用6回目。14:28ころ。


▲続いて、S木さんの番。懸垂下降の練習をまだほんの少ししかしていませんでしたから、案の定、振られてしまって体が横になってしまいました。時間をかけて、体を立て直し、順調に降り始めたのがこの写真。14:40ころ。


▲下ではT口さんが心配そうにザイルを手にまさかの場合に備えています。14:41ころ。


▲懸垂下降の支点にしたのは、なんと! この車の残骸の窓枠。他には手頃な支点がないのです。14:42ころ。

僕はこの車を支点に懸垂下降したのはこれで2回目です。他にも、この滝をリードしてこの車を支点に後続を確保したこともありました。


▲この滝の落ち口で咲いていたイワタバコ。14:44ころ。


▲上の滝が今懸垂下降した滝です。14:51ころ。


▲チェーンソー用の油なんでしょうか? 空き缶がそのまま打ち捨てられていました。15:05ころ。


▲堰堤を左岸から巻き降りました。15:11ころ。


▲ヤニラ沢出合は見落としてしまったのですが、もうここは伝名沢本流だと思います。15:27ころ。


▲伝名沢本流も以前、沢歩きしたことがあります。子供も連れて来れるような沢歩きが出来ます。15:38ころ。


▲伝名沢出合も近そうですね。15:50ころ。

出合にはすぐ到着し、沢装備を解除しました。


▲ 今朝タクシーを降りた伝名沢出合の広場です。16:15ころ。

沢戸橋まで歩くと、ちょうどバス到着の時刻の直前でした。バスに乗って『音羽鮨』へ。楽しいひと時を過ごしました。

ところで、下の写真を見てください。伝名沢出合到着直前に、マタタビの実がたくさんなっていました。しかも、虫こぶになっている実が多くあります。マタタビ酒にするには虫こぶの実の方がいいと聞いていましたから、喜んで採集。T口さんやS木さんも手伝ってくれました。

 
▲果実酒用ブランデーに氷砂糖。数ヶ月後が楽しみです。8月2日、製作。


一日で二つの大滝を登攀しました!

2013年06月24日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

2013/6/22  U田君から誘いの声があり、O橋君を加えて、大滝登攀の沢登りに行って来ました。目指すのは武蔵五日市駅からもさほどの距離ではない盆堀川の三郎ノ岩道窪と石津窪。そこにあるそれぞれ25mの大滝がターゲットです。

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▲U田君は寝坊したので電車ではなく車で来ていました。盆堀川支流の伝名沢出合広場に行くと、次々に車が到着します。一体何があるんだろうと聞くと「森林作業をするので、これからたくさん人が来て、バスも2台来ます」「車もここに停めていると、出られなくなりますよ」とのこと。U田君は駐車場所を求めて、結局は棡葉窪の近くまで戻って停めることになってしまいました。
帰宅して調べると、この辺りは「新宿の森・あきる野」と呼ぶようになっているようで、新宿区とあきる野市が「地域環境保全のための連携に関する協定に基づいて、森林の整備や自然学習、交流促進の場として活用する」のだそうです。
今日は植樹した広葉樹の下草刈りでもするのでしょうか? 9:00ころ。

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▲伝名沢を進みます。幾つか堰堤を越えると、三郎ノ岩道窪が出て来るはずなのですが。9:13ころ。

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▲確か、ここが三郎ノ岩道窪の出合のはず。9:21ころ。

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▲これが大滝です。9:26ころ。
実は僕はこの滝は3回目。そのうち一度はこの沢を下降しただけですから、大滝の登攀は2回目です。最初に登攀した時は、情報も乏しく、どのあたりを登るのかは知りませんでした。晩秋の頃だったせいでしょう、水流もほとんどなく、岩も乾いた部分が多かったので、滝の左下から取り付き、最初のテラスでハーケンを1本打ち、その上はほぼ水流沿いに登ったのです。この写真の上部5分の1あたりは60度前後のスラブ帯があります。下からはその広がりは見えません。そこに至り、進むことが出来なくなりました。何故なら、ホールドもスタンスも小さく、ハーケンを打ちこめるリスもなかったからです。クライムダウンすることもままならず、長い時間何も出来ずに立ち尽くすばかり。当時の僕の登攀能力(今もさほど変わりませんが)の4級+を越える5級+はあろうかと感じる困難さでした。足が疲労し、このままでは小さなスタンスに立ち続ける力さえなくなってしまいます。え~い、ままよと、最後の勇気を振り絞って、登りきりました。

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▲今日この大滝をリードするのはU田君。確保者はO橋君です。9:37ころ。
今は情報も得られるようになりました。ハーケンが打ってあるのは水流の右側です。

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▲出だしから嫌らしそうです。打ってあるはずのハーケンがなかなか見つからないようです。すでに数mは登っていますから、そろそろひとつ目のプロテクションを取らないと危険です。9:41ころ。

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▲U田君が今いるあたりが大滝登攀の核心部です。打ってあるハーケンがここでもなかなか見つかりません。プロテクションを取らないとこの先へ進む踏ん切りが精神的につきません。ここで墜落すると、グランドフォールしてしまうからです。ハーケンを打とうともしましたが、上手く打ちこめるリスが見つからないようです。9:51ころ。

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▲どうなることか、下でも緊張して眺めていましたが、「ハーケン見つかりました!」とのU田君の叫びが。「なんで見つけられなかったんだろう?」と、独り言も聞こえて来ます。あ~あ、やれやれです。見ている僕やO橋君もホッと胸を撫で下ろしました。10:07ころ。
そのプロテクションが彼の左足横に見えています。この写真ではすでに一段上に上がっていますが、先ほどまで立っていた場所の左上にあったのでした。

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▲ときおり陽も射す天気でした。この大滝にも陽が当たります。まあ、陽も当たるので草や苔も育ち、岩がぬめって登りにくくなるのですけれどね。
U田君はここでも苦労していました。さっきまでのところよりは易しいのですが、ハーケンが見つかりません。結局、足元にカムをセットしたようです。10:12ころ。

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▲最後の小さな垂壁を乗り越えます。10:27ころ。

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▲傾斜の落ちたスラブに出ました。右奥の灌木に確保支点を求めます。10:28ころ。

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▲セカンドで登るのはO橋君です。10:37ころ。U田君がこの1ピッチを登るのに、1時間弱かかったことになります。シビアな登攀でした。

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▲フォロウのO橋君も核心部にかかって来ます。フォロウだって大変です。10:45ころ。

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▲1ピッチ目の確保点です。11:16ころ。
U田君はこの登攀でかなり消耗したからでしょう、僕がフォロウして来ると「2ピッチ目をO橋君にリードさせてあげて」と言います。「今日は三郎ノ岩道窪だけでもう十分」と言った心持ちなんでしょう。僕は気楽なフォロウですから、「いやいや、まだ時間の余裕はあるから」と、やんわりと断ります。それに「2ピッチ目はO橋君にリードしてもらうほどのところじゃないよ、簡単だから」と言って、そのまま僕がリードしました。
前言撤回、易しくはありませんでした。昔の記憶ほど当てにならないことはありませんね。僕もルートは違えど1ピッチ目の困難さばかりが記憶に残って、2ピッチ目のことなんか忘却していたようです。フォロウの二人も、1ピッチ目の抜け殻状態で大変そうに登って来ました。

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▲大滝上には高さ数mクラスの小滝が連続してありました。各自好きなルートから勝手に登って進みます。12:13ころ。

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▲この滝はトイ状滝の手前にある5m。落ち口がツルツルでノーザイルでは登りたくないところ。僕とU田君は高巻きましたが、どうしても登りたいO橋君のため、ザイルを出しました。12:26ころ。

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▲トイ状を越えると滝はなくなります。適当な場所から左岸斜面を支尾根に向かって登ります。仕事道が出て来ました。12:44ころ。

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▲適当に下降していたせいでしょう。沢へ降り立ってしまいました。13:07ころ。
でも、何となく見覚えのある景色です。あ~あ! そうです。ここは棡葉窪の二俣!
下るべき支尾根はほぼ東方向へ下降すればよかったのですが、標高580m付近から少し北向きの尾根に入ってしまったようです。
でも、棡葉窪の二俣ならここから簡単に林道へ下りられます。意外とこちらの方が早かったのかもしれません。

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▲今日の天気予報は「午後、山間部ではにわか雨、雷もあるかもしれません」とのこと。それが的中して、棡葉窪出合から石津窪出合へと林道を歩いている間中、雷雨でした。たいした雨ではありませんでしたから、雨具も着ませんでしたけれど、気分爽快とはいきませんよね。写真は石津窪を遡行し始めてすぐのあたりです。14:29ころ。

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▲この2段の滝は登攀可能ですが、時間も押しているので省略。右側から高巻きしました。でも、その高巻きも思いのほか嫌らしい。14:38ころ。

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▲幅広の滝8m。難しくはありませんが、高さがあるのでザイルを出しました。リードはO橋君。14:55ころ。

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▲幅広の滝のすぐ上の滝です。5mほどの高さでしょうか? ピッチグレードは4級はあるでしょう。リードはU田君ですが、楽勝。15:09ころ。

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▲これが石津窪大滝25m。水量はこの時期としては少ない方かもしれませんね。ルートはふたつ。易しい一般ルートは水流右を20mほど進み、水流左に渡ります。最後は水流のすぐ左を直上するのです。暑い夏には気持ちのよいシャワークライミングルート! もうひとつは最後まで水流右を登るルート。濡れたくない時にはいいルートですが、難しいルート。僕は一般ルートしか登ったことはありませんでした。15:24ころ。

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▲O橋君のリードスタート。15:35ころ。

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▲O橋君が「寒~い!」と叫んでいます。「雨具を着た方がいいよ~っ」と。15:37ころ。

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▲一般ルートへ進むのなら、O橋君が今いるあたりから左へトラバースしなければなりません。全身びしょ濡れになるのは必定。どうするのでしょうね。15:42ころ。

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▲右直上ルートを選んだO橋君。今いるポイントがこのルートの核心部みたいです。苦労しています。プロテクションは取れているのですが、それでも上に登る踏ん切りがつかないようです。15:50ころ。

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▲「駄目かもしれません」と、O橋君が下に向かって声をかけます。最後に取っているプロテクションを支点に、負荷をなるべくかけずに下降し、U田君もしくは僕とリードを代わるという手はあります。でも、それは最後の手段。O橋君に登ってもらいたいと思っています。
下からひとつの提案。「そこのハーケンとかにシュリンゲをかけて、アブミのように少し高いスタンスを作ったら?」と。さっそく実行します。この写真がそれです。O橋君の右足が赤いシュリンゲを踏んで立ち込んでいます。16:01ころ。

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▲ほぼ登りきりました。やった~っ! 16:05ころ。

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▲セカンドで登るU田君も核心部へ。さすがに、フォロウは楽です。
天気も石津窪に入渓したころから持ち直し始めていましたが、大滝登攀の頃はほんの少しですが、日差しもあったりしました。16:18ころ。

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▲大滝登攀が終了し、下山することにしました。大滝の左岸に仕事道があったはずなので、それを探しながら大滝の左岸上部を目指します。仕事道はあるようなないような・・・・。ほとんど獣道程度の痕跡をつなげながら石津窪出合そばのガレ沢に出て、それを下って出合に戻りました。僕が大昔に愛用していた「東京周辺の沢」(草文社発行、昭和54年)には明確にその仕事道が記されています。僕も何度も歩いたことがあるのです。山仕事で使わなくなった仕事道はすぐに廃道化しますから無くなるのも仕方ありません。でも、ほぼ正しいルート取りはしたようですね。昔の仕事道も同じガレ沢付近に出て来ていますから。
写真は林道で装備解除終了し、歩き始めようとしている2人です。18:11ころ。

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▲夏至の翌日ですから、日は長いのです。石津窪を源流部まで遡行できませんでしたけれど、満足感はありますね。18:14ころ。

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▲棡葉窪出合そばに停めておいたU田君の愛車です。一台だけになっていました。18:50ころ。

車で五日市町の「音羽鮨」へ。ここが僕の行きつけのお店です。お寿司屋さんですが、何でもあります。僕たちは居酒屋さん風に活用させてもらっています。有り難いことに何ヶ月も前のボトルをそのままキープしてくれているのです。ひどい時には1年近くも。こんな僕のようなお客さんも大切に扱って下さり、感謝、感謝。それに驚くことに、キープしている焼酎は僕の愛酒「三岳」なんです。今日は水にも濡れているので、お湯割りで乾杯! 当然、U田君は飲めませんが。
U田君は翌日が27歳の誕生日でした。おめでと~う! ついでにO橋君は30歳。僕はと言うと、このブログ上では秘密です。でも、付き合ってくれる若者に感謝の年代ですね。