ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

NZ旅№13 ――― ネルソンの市街地観光、そして華世ちゃんちへ

2015年08月31日 | ニュージーランド旅2013

2013/11/21  この日ものんびりとした日でした。


▲心地の良い朝でした。一昨日に買っておいたベーグルやヨーグルト、卵、サラダ菜、ベーコン、トマトなどの残りで朝食を作り食べたのでしょう。9:28ころ。


▲泊めていただいている邸宅からの風景。10:42ころ。


▲ちょっと右の風景はこれ。10:43ころ。

実は前の2枚の写真の牧草地はこの邸宅の敷地なんです。酪農家に貸しているそうです。国土はさほど日本と変わらないのに、人口が信じられないほど少ないニュージーランドならではですね。


▲僕たちのために用意してくださった部屋がこれです。奥にはキッチンがあります。10:43ころ。


▲右っかわを眺めるとこんな感じ。外見は田舎の木造建築。この広い木のテラスが僕はとっても気に入りました。10:44ころ。

今日は華世ちゃんが僕たちのためにお休みをとってくれています。
ネルソンの市内観光をセッティングしてくれました。
なにしろ初めての土地なので、土地勘はまったくのゼロ。連れて行ってくれた場所も、海岸とは近いのか遠いのか、ネルソン中心街とはそばなのか離れているのか、その程度しか分かりません。今この文章を書きながら、「ああ、ここはこのあたりだったのか」と確認しながらの作業です。


▲道路っぱたに車を停めて、広がる景色を見せてくれました。眼下の島はハウラショア島。その右に薄っすらとですが、砂洲の先端が見えているのが分かるでしょうか。この砂洲はボルダー・バンクと言い、長さがさらに右へと7kmくらいあります。それに囲まれた内海がネルソン・ヘブン。
この道路っぱたですが、デイヴィス・ルックアウトと呼ばれるポピュラーな展望地だったのですね。日本の感覚では道路っぱたです。12:03ころ。


▲ここがデイヴィス・ルックアウト。華世ちゃんが説明してくれています。広がっている海はタスマン湾。12:04ころ。


▲ボルダー・バンクです。まだまだ右へと続いているのです。12:14ころ。

ここから次の目的地へ車を走らせます。ここからさらに東へ、ネルソン市街地のほぼ東端へと向かったようです。


▲車を駐車場に置き、だだっ広い芝生の広場を抜けました。日本人からすると実に贅沢な広さですね。ただ、この広場には凄い歴史があるようなんです。それはニュージーランドで初めてのラグビーの試合がこの広場で行われたのだそうです。今のオールブラックスに至る栄光の歴史もここから始まったんですね。12:34ころ。


▲華世ちゃん何やら首を突っ込んで探しています。2年近く前のことですから、忘れてしまいました。調べた限りではこの植物名はニュージーランド・フラックスかな? マオリたちはこの葉から繊維をとって利用していたのだそうです。ぼんやりした記憶ですが、葉の根元あたりの白い部分が食べられると説明してくれたような、そうでないような・・・・ 12:45ころ。

公開後すぐに、華世ちゃんからコメントが。このフラックスの根元の白い部分はアロエベラみたいなゼリー状のものが入っていて傷に効くのだそうです。華世ちゃん有難う!


▲カウリの木だと思います。近くに1951年に植えたとの標識がありましたから、まだ60歳代の木です。カウリからしたら幼木ですね。
カウリはニュージーランド特有の木で、主に北島、それも北部で主に繁殖していたそうです。樹齢1000年以上になる木もあり、樹高が50m、幹回り15mになるような巨木もあるのだとか。まっすぐに伸び、下部の枝は落ちてしまうので、建築材として重宝され、乱獲されてしまったようです。今では保護されているようですね。12:51ころ。


▲日本でもマヌカ・ハニーは有名ですよね。ニュージーランド旅行のお土産の定番にもなっています。その蜂蜜を何故マヌカ・ハニーと呼ぶのかを知っている方は少ないと思います。僕も知りませんでした。「地名かな?」くらいにしか思っていませんでした。
蜂蜜の種類をアカシアとか、レンゲとか、ソバとかのように花の名前で分けることがありますよね。マヌカ・ハニーもそれです。マヌカの花なんですね。写真の花がマヌカ。
花は少し桜や梅などバラ科の花にも似ていますが、フトモモ科なのだそうです。と言われても馴染みのない「科」ですよね。例をあげれば、ユーカリ、グアバ、チョウジ(クローブ)、ブラシノキなど。と聞いても、あまりイメージは湧きません。でも、どこか皆、個性的な木のようです。
マヌカも蜂蜜でなくとも、木自体が薬効の強い木だと珍重されていたようです。そんな木の蜂蜜も抗菌作用が物凄く強いことが知られています。その抗菌力の大きさによってマヌカ・ハニーの価格も違いますよね。13:02ころ。


▲高台に到着しました。ネルソンの中心街が見えています。13:10ころ。


▲ネルソン中心街を見下ろしています。写真中央にはネルソン大聖堂が見えています。13:10ころ。


▲なんと! ここはニュージーランドのちょうど真ん中なんだそうです。いわば「ニュージーランドのへそ」。よくぞ、こんないい場所に中心が来たものです! 13:15ころ。


▲The Centre of New Zealand にはモニュメントも建っています。僕が指差している場所が中心地点。13:20ころ。


▲市街地に降りて、ランチにしました。僕が頼んだ料理。14:15ころ。


▲S子は小食です。14:15ころ。


▲華世ちゃんのは、美味しそう。僕もこれにしたらよかったかな? 14:15ころ。


▲街を歩いて大聖堂へ向かいます。森の中に見えて来ました。14:51ころ。


▲大聖堂への階段です。華世ちゃんの左の台座のようなものに1842と1942のふたつの数字が見えます。ひとつは1842年3月に初めての礼拝が開かれたことの記念でしょう。100年後の1942年に何があったかは分かりませんでした。ニュージーランドは歴史の新しい国ですね。14:53ころ。


▲教会の中で写真をパシャパシャ撮るのは申し訳ありませんでしたから、2枚だけしか撮りませんでした。パイプオルガンや説教台が写っているようです。華世ちゃんが幾つか説明してくれましたけれど、ほとんど覚えていません。途中まで大理石で作っていたのですが、何かの理由で残りはコンクリートで作ることになったとか、そんな感じの話しをぼんやりと覚えています。
聖公会ですから、イギリス国教会の流れを汲んでいるようですね。15:02ころ。

この後、買い物に行きました。ネルソンのどのあたりだかは僕にはさっぱり分かりません。
まずは macpac です。日本でも知られていると思いますが、アウトドアショップです。メリノウールのネックウォーマーのような品物をS子が購入しました。
続けて、Kathmandu という名前の同じくアウトドアショップです。ここでもS子が3点ほど購入していますね。この Kathmandu ですが、同系列のクライストチャーチ店でもS子は100NZドルほどの山用上着を購入しています。その服は価格も安く、デザインや色合いもなかなか素晴らしいものでした。日本と比べて特に安いわけではありません。でも、日本ではあまり見かけないようなデザインのものもあって、見ているだけでも楽しかったですね。
それから華世ちゃんの家へ向かう途中で、スーパーへ寄りました。ワインを3本、ベーコン、ヨーグルト、コーヒー、野菜などを購入しているようです。
2年もたって、何を買ったか何故分かるかというと、その時のレシートを記念にとっておいたのです。ただ、英語ですから、それが何なのか分からないこともありますが・・・・


▲今宵の宿からは華世ちゃんのお世話になります。と言っても、華世ちゃん自身はマリアンさんのご自宅の一室を間借りしつつ共同生活しているようなスタイルです。ですから、マリアンさんのお世話にもなるということ。
ネルソンの北西部マプアにそのお宅はありました。写真はその家から眺められる風景。入江のような海が見え、牧草地が広がっています。
僕は日本の自然が大好きですけれど、ニュージーランドのこの広々した開放感はかないませんね。18:38ころ。


▲この部屋が僕とS子が暮らす部屋。普段はマリアンさんが使っているよう。18:40ころ。


▲この家には可愛い猫が3匹いました。名前も聞いたのですが、忘れてしまいました。19:27ころ。

この晩はマリアンさんと華世ちゃんが歓迎の夕食を準備してくれました。ラム肉とかのステーキだったように記憶しています。ニュージーランドのラム肉とニュージーランドの白ワイン、とっても美味しいです! マリアンさんはネルソンの病院で仕事をしている技師さんだと聞いたような・・・・? 夏休みには毎年長期休暇をとって海外へ自転車旅行に行くのだそうです。家にはカヤックも置いてあり、ニュージーランドにはこういう女性が多いのだとすると素晴らしいことですね。
あとこれは内緒ですが、プライベートも充実しているそうですよ!


奥多摩湖にそそぐヌカザス沢を目指したけれど 2/2 ――― 今年最初の沢登りは、下流部だけで終了

2015年08月27日 | 沢登り/多摩川本流

2015/8/6  地形図で見てもこの奥多摩周遊道路までは出合から4~500mしか距離がありません。間違った沢に入ったり、出合付近でうろうろしたりで、時間を浪費してしまいました。尾根まで突き上げるにはS子の足では時間的にちょっと難しそうだな、と途中から思っていました。奥多摩周遊道路からは「今度、別の機会に来ればいいさ」と気楽に方針転換します。

それにしても、まだ時間が早いですから、ここから上流部をほんの少しだけ偵察したいと思いました。


▲この花は何の花でしょうね? フジの花みたいですが、8月では遅すぎますし。地面に落ちていました。13:35ころ。


▲周遊道路沿いの空き地にこんな粗大ごみが捨てられていました。13:37ころ。


▲周遊道路から山側の沢の流れはまだ人工的な流れのようです。谷の奥の方へ歩を進めると、金網があって、その破れ目からさらに奥に入ります。すると、池があって、最初には黒い魚が見えました。「あっ、魚だ」と思う間もなく、黒い魚の後ろから赤い魚が一緒に泳いでいるじゃあありませんか! 思わず笑っちゃいました。最初は「金魚か?」と思いました。でも、金魚にしては大きい。15~20cmくらいはありそうです。他に何匹も泳いでいます。・・・・鯉のようです。2~30匹はいるようですね。13:39ころ。


▲これが鯉の泳いでいる池。ヌカザス沢を堰き止めてできている池です。写真中央の小さな点々が鯉。13:41ころ。


▲堰き止めた池から下流に水が流れ出る出口にはこんな橋がありました。S子の足元の流れはもう少し先であの人工ナメ滝になるのです。13:44ころ。


▲まだ青い山椒の実がたくさんなっていました。13:46ころ。


▲沢に入ると、いきなりゴルジュっぽい景色が。ただ、水は伏流しているようで、流れていません。13:47ころ。


▲小さなゴルジュの出口です。13:50ころ。


▲ゴルジュの最後は小滝になっていました。まだ水は流れていません。2mほどの小滝ですが、登る際に体勢を微妙に変更・調整しながら工夫しなければなりません。グレード的には4級マイナスくらいでしょうか? 僕はノーザイルで登りましたが、S子にはもちろんザイルを出します。
S子は最初から苦労しています。どうやら一歩目が高すぎて足が上がらない様子。身長の低いS子にはどうしようもありません。足場を高くすべく、幾つか石を並べるように指示しました。それで一歩目の足場には届いたようです。次のムーブですが、僕は届くガバホールドがS子には届かないのでしょう。まだ苦労しています。一歩目のスタンスにしっかりと立つことを指示し、体が上がったところでザイルを強く引きます。体重の軽いS子はこれでぐっと上がるのです。
もちろん実際はそんなに単純ではなく、クライマーはあまり強く上から引っ張られるのを嫌いますから、「あんまり引かないで!」とか「少しザイルを緩めて! 少し下げて!」とか要求します。そんな要求に応えながら、S子のムーブをアシストするような感じでザイルをそっと引くのです。14:05ころ。


▲小滝を越えると、すぐに水流が現われました。その先の広場を今日の最奥到達地点とします。ここで最後の休憩をのんびりととって引き返すことにします。14:32ころ。


▲僕一人で、ほんの少し先までですが、様子を見て来ました。またの機会に歩いてみたいと思います。14:35ころ。


▲先ほどの小滝は右岸の植林帯から高巻いて下りました。14:47ころ。


▲この花の名前は珍しく知っていました。クサギです。葉っぱが独特の異臭がするのでこの名前が付いています。14:50ころ。


▲この写真の広場で沢装備の解除をしました。その最中に雷が鳴り始め、雨も降ってきました。僕たちは雨具を着ます。S子の後方の谷がヌカザス沢です。15:21ころ。


▲路面は雨でびっしょり。奥多摩周遊道路を歩いて帰ります。15:24ころ。


▲葉っぱがたくさん巻かれていました。どんな虫がやったんだろう? と可哀想ですが葉っぱを広げてみました。でも、すでに出てしまった後。何の虫がいたのか分かりませんでした。15:25ころ。


▲山のふるさと村との合流点あたりの道路の様子です。道路が濡れていません! 今降り始めた雨粒が点々と模様を付けていってます。さっきの広場から500mも離れていないのにこの違い! 15:36ころ。


▲オオズミ(オオウラジロノキ)だと思います。別名、ヤマナシ、ヤマリンゴ。果実酒にすると美味しいそうです。確か以前に、果実酒にしたような覚えがあるのですが・・・・ 15:57ころ。


▲花の名前が分かりません。15:59ころ。


▲麦山の浮橋に戻って来ました。すでに青空が広がっていましたが、名残りの小さな積乱雲が西陽に輝いていました。16:11ころ。


▲時間があったので、小河内神社のバス停からひとつ先の峰谷橋バス停へ向かいました。そこには公衆トイレもありますし、東屋もありますから、万が一また夕立が来ても大丈夫です。16:18ころ。


▲峰谷橋から東方向を眺めると、この風景が見えます。今年の夏は珍しく満水状態が続いていますから、左右の陸地は離れています。これがもう少し水位が下がると左右は陸続きになります。ここ何年間、僕が見るこの風景はずうっと陸続きでした。16:20ころ。


▲峰谷橋バス停です。手前に公衆トイレと東屋があります。16:23ころ。

16:41のバスに乗り、奥多摩駅へ向かいます。天益では地元の方との交流が楽しいですね。

今回は中途半端に終わった沢登りでしたが、これからにつながるものでしょう。S子がいつまで沢登りを続けられるかも大きな課題でしょうし、僕自身の沢仲間を見つけなければという点もさらに大きな課題でしょうね。


奥多摩湖にそそぐヌカザス沢を目指したけれど 1/2 ――― 間違い、行き止まり、犯罪?、人工ナメ滝?

2015年08月23日 | 沢登り/多摩川本流

2015/8/6  今年初めての沢登りをどこにするのか、いろいろ考えました。当然、主にはS子の行ける沢、と言うことで考えるのですが、行ったことがあるような入門的な沢でもいいのでしょうけれど、やはりどこかしら冒険的な未知なる要素も欲しいのです。そんな条件を満たしてくれそうな沢はもはや奥多摩にはあまりありそうにないのです。白沢川の笹畑川も候補だったのですが、これは去年のちょうどこの頃に行っていますから(入る沢を間違えて、出合付近で終了)、どうせなら秋に行きたいものです。
あれこれ考えていくうちにたどり着いたのが、奥多摩湖南岸にそそぐヌカザス沢。
山のふるさと村周辺の沢、落沢やヨシスキ沢がまずまずの沢でしたから、ヌカザス沢もいいのではと考えたのです。もちろん、困難な滝が出現するかもしれません。まあ、そんな時はすぐにその場所から退却すればいいさと、考えています。


▲麦山の浮橋です。水位が異常に下がったり、強風が吹き荒れたりすると、この浮橋は岸に寄せられ、渡れなくなります。9:13ころ。


▲浮橋から西側の景色です。今年の夏は奥多摩湖の水は満水状態が続いています。こんなことは何年ぶりでしょうか。9:16ころ。


▲今度は東側。中央のピークのさらに奥の方に月夜見山1147.0mがあるのです。9:17ころ。


▲浮橋の継ぎ目部分を渡る際にはけっこう揺れます。9:18ころ。


▲山のふるさと村へ至る遊歩道です。奥多摩湖岸を歩きます。9:35ころ。


▲中央のこんもりとした山は倉戸山1169.3mでしょうね。9:37ころ。


▲ヌカザス沢出合に到着しました。・・・・そう思っていました。9:48ころ。

念のために僕は遊歩道をもっと先まで歩いて見て来ました。すぐあるはずのサイグチ沢がありません。でも、山のふるさと村の前にある入り江のような奥多摩湖の部分は小河内ダムが完成する前には沢が流れていたわけですし、今年の夏は奥多摩湖が満水状態ですから、川の流れが山側に後退したと考えてみたりしたのです。この沢がヌカザス沢だと信じ込んでいましたから、得た情報もそれに合わせて解釈してしまいます。冷静になるとか、客観的に判断するとかは、とっても難しいことですね。


▲とにかく、遡行スタート。10:50ころ。

遊歩道の先の偵察もしましたが、ここで2回目の朝食も摂りました。装備を身に付けるのも時間がかかります。


▲いきなり倒木だらけ。10:54ころ。


▲タマアジサイです。「た~まや~あ!」と玉が弾けて開いた花火のようです。10:57ころ。


▲下流部で堰堤は仕方ありませんね。10:59ころ。


▲あれあれ。金属の大きな管が出現しました。沢の水はこの中を通っています。上部には道路があるのですね。11:00ころ。


▲道路に向かって登ります。11:11ころ。


▲道路に出て、驚きました! 信号機があり、山のふるさと村へ向かう道路が左下へ分かれています。これで自分の間違いに気付きました。
ヌカザス沢はもうひとつ先だったのです。いま登ってきた沢はイヨ山に突き上げている沢です。『奥多摩』(宮内敏雄著)で調べると、ヤマナシ(山梨)窪という名の沢のようですね。11:20ころ。


▲正確な現在位置が分かりましたから、今度こそは正しくヌカザス沢へ向かいます。山のふるさと村へ向かい、北蓑橋が出て来ます。この下を流れる沢がヌカザス沢です。橋の手前の左右と向う側の左右を観察し、易しい下降点を探しました。向う側の左が易しそうです。11:27ころ。


▲簡単に降りることができました。でも、この沢はヌカザス沢ではないのです。サイグチ沢です。11:37ころ。

サイグチ沢をほんの少し下ればヌカザス沢出合。やっと念願(?)のヌカザス沢へ入りました。


▲すると、すぐに無粋な堰堤が。その上にはいま来たばかりの北蓑橋が見えています。11:44ころ。

この堰堤は左右どちらからでも高巻けないことはなさそうでした。でも、ちょっと嫌らしそう。ザイルを出すことも考えましたが、何となく面倒くさくて・・・・


▲結局、再び元の北蓑橋まで戻ることにしました。その前に、ゆっくりとランチタイム! こうなると、焦っても仕方ありません。それに、僕自身は空身で偵察に行って来ましたし。
北蓑橋の山のふるさと村側の下流側から降りることにしました。クライムダウンできないこともありませんが、無理をせず懸垂下降。30mザイルで丁度でした。12:41ころ。


▲やっとやっと、念願のヌカザス沢遡行です。上に架かっているのが北蓑橋。12:54ころ。


▲小さな沢ですけれど、まずまずの渓相。12:56ころ。


▲こんな調子で沢歩きが続くことを祈っています。13:02ころ。


▲小さな釜もあります。光が当たって水が白濁して見えています。13:02ころ。


▲およよよよ! 10分ほどは沢歩きが楽しめていたのに! この大型粗大ごみは何だ! 奥多摩周遊道路が近いので、カーブし損ねて谷底に落ちた事故車でしょうか?13:06ころ。


▲あれれれれ? 続いてひっくり返った自動車が! これも事故車? 13:08ころ。

沢中で自動車を見たことはこれまでもありました。自動車の窓枠を支点にして懸垂下降をしたこともあります。でも、同じあたりに2台と言うのは初めてですね。


▲するとすると! またまたこれまでに見たこともないような人工物が! これは新種の堰堤でしょうか? 見た目だけでも50m以上はあります。おそらくはもっと長いでしょう。ナメ滝です! 13:11ころ。


▲このナメ滝(?)の左から高巻くことにしました。ナメ滝を直登して出来ないような傾斜ではありませんが、まあ遠慮しておきましょう。13:18ころ。


▲すると、高巻いている最中に3台目の車が木に引っ掛かっていました。だんだんと気付きかけていたことですが、これらの自動車は不法投棄に違いありません。犯罪です。13:24ころ。


▲奥多摩周遊道路に出ました。S子の後方に左から右へと沢水が流れているのです。人工ナメ滝の上をですけれど・・・・ 13:33ころ。

ところで、今日の本来の計画ではここからヌカザス沢遡行をする予定でした。でも、やっぱり沢は出合から遡行スタートすべきだと考えなおし、今日になって変更したのです。
ここまでいろいろあって結構時間もかかってしまいました。で、今日はここで終了です。まあ、最初に沢を間違えた時点で、こうなるだろうとは予期していましたが。

まだ時間は早いですから、次に来る時のためにこの先を偵察しておくことにしました。


後山川御岳沢出合付近で幕営後、サオラ峠へ 4/4 ――― 30年ぶりにクマを見ました。2頭も!

2015年08月17日 | ハイキング/奥多摩

2015/7/28  御岳沢の天場から一般登山道までは思いのほか順調に来ました。天平尾根の北斜面の中腹を巻き、長尾根の尾根近くの南面を巻いている山道がとてもしっかりした道だったことがその理由です。


▲一般登山道へ出ました。この登山道は三条の湯とサオラ峠を結んでいます。11:28ころ。


▲S子もすぐに到着。登山道は左の岩場沿いに上へ登っています。11:29ころ。


▲この合流点では岩場の隙間から美味しい水までもが湧き出ていました。ごくごくと飲み干します。11:31ころ。


▲水場の上の岩場ではイワタバコの花も咲いていました。11:39ころ。


▲合流点を出発し、御岳沢を渡るところまではすぐです。11:47ころ。
一昨年、この写真の左下付近でタープ泊しています。そして翌日、長尾根を登っています。その記録も読んでみてください。
1日目:http://blog.goo.ne.jp/1940sachiko/e/238911a975271f8e3746b12b97d247b2
2日目:http://blog.goo.ne.jp/1940sachiko/e/58159e027a31e03fd782e017ab8208fe


▲まだ濡れている木の桟道をS子がおっかなびっくり渡っています。12:05ころ。


▲登山道にはシカの足跡がたくさん付いていました。ここは泥地ですから、その多さが分かると思います。12:09ころ。


▲マルバダケブキの花の蜜を吸うアサギマダラ。この蝶が数100km~1000km以上もの移動をするなんて、信じられません。12:15ころ。

この写真を撮ってしばらくして、登山道脇で休憩をとりました。すると、数分もせずに前方の登山道の下の斜面を何やら黒いものが転がるように下って行きました。S子も気づき、二人で「何だったんだろう?」と話していました。僕は「カモシカじゃないかなぁ」と言いました。
と、またすぐに「フーフー」と激しい息づかいが聞こえ、先ほどの黒いものの後を追いかけるように、同じように黒いものが下って行きます。でも、今回はよく見えました。数10mほど先の斜面をクマが降りて行ったのです。丸い顔、丸い耳、胴も丸く見えました。実に可愛らしい体型。
先ほどのと合わせて2頭です。母グマと仔グマに相違ありません。後から降りて行ったのが、恐らく仔グマでしょう。母グマは声を立てずに降り(それでも、ガサゴソと草や木と刷れる音は大きかったですが)、仔グマは怖がりながら慌てて母グマを追いかけたのでしょう。

先ほどから熊鈴は鳴らしながら歩いていました。でも、休憩中でしたから鳴っていなかったのです。僕たちはクマに対する警戒を最大限に引き上げました。熊鈴はS子のザックに付いていますが、僕も口笛を吹き鳴らします。万が一もう1頭仔グマがいて、登山道より上部にいると、母グマと仔グマの間に我々が割って入る状況になってしまいます。しばらく、音を立てて、その可能性等を判断しました。
まあそれはなかろうと結論付け、ようやく再スタート。登山道の下方をよく見ながら歩を速めました。


▲登山道の下方の様子です。この辺りはシカが多いせいでしょう。すっきりして綺麗と言えば綺麗なんですが、下草が生えていません。森としては不健康な状況のはず。クマにとってはどうなんでしょうね? 12:31ころ。


▲さっきからこんな足跡もたくさんありました。大きなシカの足跡に見えなくもありません。ただ、あんなことがあった後ですから、クマの足跡にも見えてしまいます。12:38ころ。


▲このあたりの森の木はなかなか美しい。いつまでも素晴らしい森であって欲しいものですね。12:39ころ。


▲こんな感じの森の中をなだらかに続く登山道。12:50ころ。


▲サオラ峠に到着しました。13:00ころ。

お昼前に登山道と合流したころから計算し、考えていたんですが、サオラ峠から天平(でんでいろ)尾根を下降するのは取り止めにしました。急げば間に合うかもしれませんが、S子に急がせるのは少し酷ですし、目指しているバスの時刻は親川バス停で15:46なんですが、その次は18:31になってしまいます。
それではと言うことで、丹波に下山。15:30くらいまでに下山できればいいわけですから、のんびりと下れます。


▲サオラ峠で休憩し、丹波へと下山スタート。右下へ降りていきます。13:21ころ。


▲この下山道は何回通ってもつまらない嫌な道です。道々、何でだろう? などと考えながら歩いていたのですが、下ることだけにしか意味を見いだせない、単調な道だからだろうなと、結論づけました。森が美しいわけでもなく、花が綺麗なわけでもなく、景色がいいわけでもなく、地形が不思議だったり、ワクワクしたりするところもないのです。そんな悪態を吐きながらも、この道はよく利用させてもらっていますね。13:37ころ。


▲キノコの名前は本当に分かりませんね。知らないキノコは毒キノコだと考えています。 14:13ころ。


▲手入れの行き届いた植林。14:49ころ。


▲丹波山村の丹波集落が見えて来ました。15:04ころ。


▲このあたりの畑は皆電気柵で囲まれています。人の通路にはところどころで出入り口があり、通過するたびに鍵を閉めます。15:08ころ。


▲両サイドに電気柵があります。山から下りてくると、暑さが身に応えますね。15:18ころ。


▲丹波バス停です。15:22ころ。
バスの出発時間は15:35でした。上半身の汗を拭き、シャツを着替えます。飲み物の自動販売機が近くには見つかりません。すぐそばに湧き水のような美味しい水が出ていますから、それをテルモスに詰めました。

奥多摩駅に着くと、天益へ直行です。地元の常連さんが多いお店でもありますから、いつも面白い情報に接することができます。この日はクマの出没が今年は多い、という話題です。僕の隣りには奥多摩でミツバチを飼っているおじさんが座っていました。彼の家の巣箱を狙ってクマが来るのだそうです。最近、そのクマと遭遇し、持っていた角棒で必死に抵抗、なんとか怪我だけはしなくて済んだ話をしてくれました。その後、クマ檻を設置。なんと! すぐにクマがかかり、猟友会の人に頼んで、処分してもらったそうです。
僕も今日見たクマのホッカホカ情報を提供しました。ついでにその方から蜂蜜ひと瓶を購入。


後山川御岳沢出合付近で幕営後、サオラ峠へ 3/4 ――― これは地形図に載っている山道だろうか?

2015年08月14日 | ハイキング/奥多摩

2015/7/28  携帯のアラームを5:30に鳴らしました。その前から目覚めていましたが、外は陽が昇っていることが信じられないほどまだ暗いようです。

それに、雨が降っています。タープに落ちる雨がパチパチと音を響かせています。音の数は多く、激しいのですが、これはタープの影響でしょう。冷静に考えてみると、タープ全面で受ける雨粒の数にしては少ないのです。さらには木の葉から落ちている雨粒もありますし。
少し小降りになったかなぁと感じた時に、外へ出ました。するとほとんど降っていません。雨のピークは過ぎたようでした。
でも、先ほどから雷が鳴っています。時にはすぐ近くに落ちたような鳴り方をします。ここが谷底だと言っても、あまり気持ちの良いものではありません。
その雷も次第に鳴る数を減らしていきました。


▲フラッシュを焚いて撮っていますから、外は黒く写っていますが、これほど極端ではないとは言え、イメージ的にはこんな感じです。外は暗い! 5:59ころ。


▲今日は急ぐ朝ではありません。9時に出発できればいいと思っています。目覚めてからは、熱い紅茶を何杯も飲んだりしました。朝食は雑炊です。一人前のアルファ米に玉子スープを加えたものです。それを二人で食べました。朝食は水気の多いものの方がよく喉を通ります。6:42ころ。


▲雨が止むにつれ、空も明るくなり、対岸の斜面も明るく浮かんできます。やっと異常な暗さから解放されてきました。前の晩にも見たのですが、再度、地形図に目を通し今日の行動を考えました。
写真はテントやタープを回収したところです。タープの下だけ雨で濡れていませんから、四角く乾いた地面が見えています。さらにその中でも一番乾いている場所がテントの場所。8:24ころ。


▲御岳沢の上流方面にも少し行ってみました。木の橋でもあれば利用できるからです。上流へは登山靴では歩きにくくなり無理です。木の橋もありませんでした。
今日はこの御岳沢左岸の長尾根を登ります。地形図には山道記号が付いています。山道がなくても長尾根を登る予定でした。ただ、昨日見たモノレール軌道が気になっています。モノレール軌道沿いに歩けますから、御岳沢右岸のモノレール軌道を最大限に利用して登って行くことも考えられます。結論としては、状況次第で柔軟にと言うことですね。8:44ころ。


▲いよいよスタートです。まずはこの斜面を昨日の小さなコルまで登り返します。8:45ころ。


▲ちょっと登った場所から振り返ると、御岳沢の流れ、タープを張った場所などが見えます。8:47ころ。

昨日の小さなコルへは斜面を左上すればいいのですが、上流の様子をもう少し見てみたいと思い、右上してみました。上流の様子はよく見えませんでした。それから左を意識しながら登って行ったのですが、昨日あった比較的しっかりした踏み跡に出くわしません。それに出たら、その踏み跡を左へ行けばいいと考えていたのです。
小さなコルよりは右の尾根に出るようです。そこにはモノレール軌道があることでしょう。


▲しっかりした踏み跡は右に来過ぎてないものと諦めていました。すると、もっとしっかりした山道に出ました! 9:30ころ。

あれっ? これが昨日のしっかりした踏み跡? 標高も調べていませんし、ここまで何分かかったのかも、この時点では気にしていませんでしたから、昨日と同じ「しっかりした踏み跡」なのか、そうではないのか、いい加減になっています。


▲山道を左へ行くと、当然のことながら小さなコルへは出ません。小さなコルはこの写真の左の下の方です。下を覗いてみましたが、そのコルは見えないほどずうっと下方でした。9:39ころ。


▲この山道は写真の左へも続いています。モノレール軌道沿いにも行けますが、この山道の誘惑にはかないません。もう一度、さっき来た方角、右へと歩き始めました。9:43ころ。

やがて分かるのですが、この時はこの山道が地形図に出ている山道、つまり、天平尾根末端付近から後山川沿いに延びている山道、だとは理解していません。まさかその高度まで登ってきたとは考えていなかったのです。
でも、S子の足で45分間登ったわけですから、標高差100mは余裕で稼いでいるはずです。100mというのは天場から地形図に出ている山道までの標高差。


▲このころまではまだ霧雨のようなものが降ったり止んだりしていました。木の橋も濡れて滑りやすくなっていました。9:56ころ。


▲最近設置した新しい木橋が出て来ました。どうやら仕事道として最近も整備されているようです。山道を使わない時期には荒廃が進みますから、こんな風に手入れがなされていると安心感が増しますね。10:01ころ。


▲山のヒキガエル。10:03ころ。


▲御岳沢の支流にワサビ田跡がありました。10:14ころ。


▲御岳沢本流です。10:20ころ。

地形図では本流を渡ってすぐに山道が二つに分かれるのですが、そんな様子はありません。
橋を渡ってすぐに見える赤い看板、その前を左へ行っている山道がありましたけれど、すぐに消えてしまっていました。
ここまで来ると、この山道が地形図に載っている山道だと、認めざるを得ませんでした。
この山道が利用できたとは、幸運だと思います。

ここで暫しの休憩。


▲結局、橋を渡って右へと登って行きます。この山道も綺麗に整備されています。写真は階段のような木の橋。10:51ころ。


▲整備されていると言っても、こんな場所はどうしようもありませんね。もっと酷くなったら、どうにかするでしょうけれど。10:56ころ。


▲「高畑 親川」という標識が現われました。親川は天平尾根を下りきったところにある集落。僕たちが今日目指している場所です。高畑は親川のすぐ手前、天平尾根にあった集落名です。今は廃屋だけになっています。11:01ころ。


▲この標識があった場所で山道は二手に分かれます。僕たちは左上へ向かいます。11:02ころ。

左上に行かず、まっすぐ進むと御岳沢左岸尾根(長尾根)を回り込むのだと思います。この分岐の位置は地形図上には記されていないように思います。


▲立派な山道が続きます。11:05ころ。


▲右上の長尾根とは少しずつ離れていきます。ほとんどアップダウンのない気持ちの良い山道です。11:19ころ。

だんだん、御岳沢の流れが再び近づいて来ます。三条の湯とサオラ峠間の登山道ももうすぐです。
地形図に出ていた山道を利用することが出来て、幸運でした。その山道、とりわけ御岳沢左岸側では地形図での山道の位置とは若干異なっているようです。