ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

平日の天覧山岩トレ再開かな? とりあえず№1

2022年09月29日 | 岩登りトレーニング

新型コロナウイルスのパンデミックが発生して以降にYYDへ入会した新入会員はとても熱心なメンバーが多いですね。YYDは一応、沢登りと雪山中心の山岳会ですから当然かもしれませんが、実態はそうでもありません。沢登りをコンスタントに実践しているメンバーは3分の1くらいではないでしょうか?

この日、天覧山に集ったN村さんもHTさんもそんなメンバーです。HTさんは仕事の都合で土日に休めないことも多く、代わりに平日休みがあったりします。それで、平日の岩トレをすることにしました。N村さんはある程度は自由に仕事の時間を決められるようです。本当はこの日は休めなかったようですが、急に事情が変わって休めるようになったんだとか。

 

天覧山は高さのない岩場が幾つもあって、何度も繰り返し登って練習できる点がいいですね。しかも、トップロープをセットするのが容易です。天覧山には最下部岩場、鏡岩、蛇岩、獅子岩、地蔵岩、トラバース岩、羅漢岩など多くの岩場があります。鏡岩5.7、蛇岩5.8、獅子岩5.9~5.11、地蔵岩5.9、トラバース岩5.7~5.11、羅漢岩5.11 グレードはほぼこんな感じかなと思います。最下部岩場は易しい岩場で、僕たちのトレーニングには最適です。高さ8m、幅10mほどの岩場ですが、左右に3級レベルのルートがあり、中央に4級+のルートが2本あります。

 

2022年9月15日(木) 天覧山岩トレ

▲11:52。地面すれすれの岩場を右から左へ、左から右へとトラバースする練習もとても有効です。グレード自体は左端部分が難しく、5級のレベルだと思いますが、地面すれすれに移動するので、危険度は低いです。もちろんザイルは不要、一人で来ての練習も出来るでしょう。写真は右から左への移動中です。ここからが左端の核心部となります。岩場には10時半ころに到着して、のんびりと最初はハーネスも付けずにこのトラバースに精出しました。

 

▲12:08。岩場の左にトップロープをセットしました。3級ルートですね。ここをN村さんに3本ずつ少しずつ違うルートを登ってもらいました。下りはクライムダウン、自分の手足で自力で下ってもらいます。登るよりも下りの方が難しいです。ですから、クライムダウンは易しいルートからでOKです。

 

▲12:27。同じ練習をHTさんにもやってもらいます。彼女はクライミングシューズをまだ持っていませんから、自分の山用の靴を持って来てもらいました。普通の軽登山靴とローカットの運動靴に近い登山靴でした。履き試してもらいます。

 

▲12:42。N村さんは合間を見てはトラバース練習に励んでいました。

 

▲12:52。スタンスが細かいルートをローカットのシューズでは登れなかったので、靴底の硬い軽登山靴で登ってみることにしました。こちらの方が登り易いようですね。

 

ここで昼食。

 

▲13:45。昼食後は岩場中央の小ハングルートに挑戦です。いまN村さんが立っている前の部分の岩が穴のようになっていて、このまま上に登るとすると小さなハングの障壁になるのです。左に逃げると凄く易しくなり、右に逃げても少し易しくなります。ですから、まっすぐに小ハングを真っ正面から登るルートです。4級+。

 

▲13:57。HTさんも挑戦中! この写真では体半分、左に寄り過ぎていますね。右手は2時の方角の数10cm先にガバホールドがあります。両足ともにもう1段上に置かなければなりません。そうそう、昼食後はHTさんに僕のクライミングシューズを貸しました。

 

▲14:43。小ハングを横から見るとこんな感じ。HTさんは何度も何度も挑戦を繰り返しました。腕はパンプしているはずなのに、・・・・ 頑張り屋さんです!

 

▲14:53。それでも肉体は正直で、腕には体を引き止め続ける力は残っていません。せっかく足は高い位置まで上がりましたけれど、腰が落ちてしまいました。

 

▲14:59。僕はHTさんを応援しに岩場の上へ行きました。ホールドやスタンス、そしてムーブを教えてあげます。でも、すでに力尽きていたようですね。

 

▲15:18。どこにトラバースをする力が残っていたんでしょうね!? まだ初回ですから分かりませんが、HTさんの強みは頑張り精神と疲労が溜まりにくい筋肉にあるのかもしれませんね。

 

▲15:49。頑張る点ではN村さんも負けていません。ただ、男ですから僕にも共感できますけれど、筋肉がほぼパンプしているのは如何ともし難いですよね。

 

▲16:16。HTさんはまだまだ登ります。そろそろ最後ですが、左のルートの中でスタンスの細かい、少し難しいルートに再チャレンジしています。クライミングシューズですから、比較的容易に登ってしまいました。

 

飯能駅近くの地元客が多く集う居酒屋さんに行って、反省会を大々的に催しました。N村さんもHTさんも強烈に酒が強いんです。それにひきかえ、僕は嗜む程度(笑)。3人でどれほど飲んで、どれほど支払ったかは秘密にしておきます。でも、それほど楽しく充実した反省会だったということですね。とはいえ、かなり度を越したことは反省しなければなりません。飲み過ぎと払い過ぎは要注意!

 

この居酒屋さんに来ると、いつも思い出すのは山の大先輩のA藤さんのこと。この場所にA藤さん行きつけの居酒屋さんがあったんです。その居酒屋さんは家族経営でしたね。忙しい時は娘さんが手伝いに来てくれていました。その店は理由は知りませんが無くなり、同じ店舗のままで(少しの改装はありますが)今の居酒屋さんになったのです。前の店の時も今の店も、地元の呑兵衛が多く集う店ですね。

A藤さんは70歳になって新潟県の恋ノ岐沢を遡行したのが最後の沢登りでした。沢仲間が皆で誘って、一緒に登ったんです。歩くスピードは極端に遅くなっていましたけれど、出合1泊、沢中1泊で無事歩き通しました。誰からも好かれる素敵な江戸っ子でした。(すでに埼玉県に移り住んでいましたけれどね)


奥多摩の茅尻沢左岸尾根を久し振りの山仲間と歩いて来ました

2022年09月29日 | ハイキング/奥多摩

山仲間とのLINEのトークの中で、SS木さんが体力が戻りつつある僕と軽い山歩きをしたいと思ってるらしいとの噂を聞きつけました。早速、連絡を取ると、T橋さんとの計画があるらしく、僕も加えてもらうことにしました。(S上さんに教えてもらって、最近LINEを始めたんです)

「老いては子に従え」との諺がありますけれど、高齢者になってからは、若い人に教わることの方が多くなりますね。謙虚で柔軟な精神を持ち続けないと、最新の情報とか生活に必要な手段は得られないみたいですね。

LINEをし始めて分かったこともあります。例えば、「了解しました」「了解」だけで済ましたり、極端な場合は「り」だけで済ましたりする若者の気持ちが理解できますね。LINEのやり取りのことを「トーク」と呼んでいるのを最初は不思議に感じたのですが、やってみると納得できました。「メール」ではなくて、間髪入れずに話し合う感覚なんですね。分かり合える限り、言葉を極限まで省略する。いわゆる若者言葉を大人が短絡的に非難するばかりでは駄目だと思いました。それはそれでひとつの文化、生活上の必要な様式なんですね。ただ、新聞記事のような教科書的文章も書く能力を同時並行で持っておかなければなりませんけれどね。

山のブログからは脱線気味になってしまいましたけれど、今回のこの山行はLINE仲間とのトークの中から生まれた初めての山行だったのです。

 

茅尻沢左岸尾根は倉沢谷流域にあります。本流の遡行はまだ未経験ですけれど、左俣の塩地谷1990年4月15日、右俣の長尾谷1990年5月12日に初遡行しています。当時はまだ、僕の手元にはこの沢の情報が全くなく、地形図だけが頼りの遡行でした。遡行図を記録しながらの沢登りでしたね。その何10年か後茅尻沢も遡行しましたが、塩地谷の支流ですから、短くて小さな沢でした。登攀を楽しめるような滝はありませんし、小滝すらもないような沢でした。

この流域の尾根も幾つか登っています。倉沢のヒノキという巨樹があるのですが、その巨樹の背後に続く倉沢見通し尾根には何度も足を運んだことがあります。ヨコスズ尾根の滝入ノ峰へ突き上げている尾根です。広葉樹の美しい尾根ですね。

倉沢林道の途中に岩場が続いている場所があります。この岩場を幕岩と呼ぶようなんですが、この岩場からヨコスズ尾根の1289m標高点に至る尾根を幕岩尾根と呼ぶようです。この尾根と、幕岩尾根の1200m付近から南東に延びる尾根を登ったことがあります。後は長尾谷に沿った林道の終点からの尾根、棒杭(ぼうくな)尾根がありますが、ここは下降路としてよく使っています。不明瞭な箇所もありますが、ほぼ一般登山道化していますね。

 

2022年9月11日(日) 茅尻沢左岸尾根~天目山

▲9:18。この日のメンバーはSS木さん(左)とT橋さん。倉沢バス停で下車し、林道を進みます。

 

▲9:38。これが幕岩。左の尾根に沿って、幕のように岩場が続いています。

 

倉沢林道は魚留橋で長尾谷方面へ向かいます。魚留橋のすぐ手前に階段が付いていて、塩地谷沿いに続く仕事道があります。その仕事道を利用した方が、この日登る茅尻沢左岸尾根には近いのですが、この日は遠回りのルートから向かいました。

林道終点直前で、僕は用足しをしました。二人にはこの先で待っていてくれるように告げて。でも、その場所は本当に林道終点のほんの僅か手前だったんですね。二人は僕から離れることを優先して林道終点を通り過ぎ、僕は待ってくれていた二人に追いつくことばかり気にしていました。登山口は林道終点付近だったことは知っているのですが、二人と合流した場所も山道としては平らで広めの場所でした。「ここも林道なのかな~ぁ?」とか思いながら先に進むと、もう明らかに山道です。しかも、徐々に登って行っています。ここを登って行っても、この日歩く棒杭尾根に合流できるかも、と最初は期待していましたが、その山道は長尾谷の奥へ奥へと向かうばかり。僕は諦めて、戻ることにしました。

 

▲10:23。ここが林道終点で登山口です。茂った草木に覆われて、山道がまったく見えませんね。僕が用足しをした場所と二人が待っていてくれた場所の中間地点でした。

 

▲10:36。左の植林の中の山道を登って来て、棒杭尾根上に出たところです。

 

▲10:39。棒杭尾根の標高900m付近だと思います。左へ分かれる山道があります。棒杭尾根の山道からは離れて、左の山道に入りました。

 

▲10:42。山道はしばらくほぼ水平に続いています。涸沢を等高線に沿ってくるりと回ります。

 

▲10:46。隣りの塩地谷の左岸上部に来ると、山道は急斜面をジグザグに下って行きます。

 

▲10:49。塩地谷に着きました。水量は少なく、写真中央を右から左へ流れている水もよく見えませんよね。ここは素敵な場所です。1990年の僕の遡行図には「小屋跡」と記されていますから、作業小屋が建っていたんでしょうね。僕のあやふやな記憶で申し訳ありませんが、以前ここに生えている木に分厚く布が巻かれていて、誰か空手修行で山籠りしていたような様子が見られたこともあります。

 

▲11:12。休憩した場所の対岸が茅尻沢左岸尾根です。茅尻沢は休憩場所の少し下流に出合があります。塩地谷を渡ってなだらかな尾根を登ってくと、すぐにしっかりとした山道が現われました。こんな立派な山道があるとは予想していませんでしたから、有難く利用させていただきました。

 

▲11:13。これ以上ないような晴天です。空気もカラッとしていて、快適でした。

 

▲11:18。ホウキタケの仲間、ヒメホウキタケでしょうか?

 

 

▲11:19。イグチの仲間ですね。食べられそうです。

 

▲11:28。ジグザグに山道を登って行きます。

 

▲11:59。標高1200mを過ぎたあたりから次第に尾根の傾斜がきつくなります。すると、山道が左へ回り込むようになりました。途中、写真のような桟(かけはし=桟道)もあります。

 

▲12:06。次第にヨコスズ尾根が近づいて来たようです。

 

▲12:10。あそこがそうかな?

 

▲12:12。道標が見えました。ヨコスズ尾根の登山道です。

 

▲12:33。登山道を一杯水避難小屋へ向かいます。なだらかな登山道です。

 

▲12:55。一杯水避難小屋です。何度も泊まったことがあります。素敵な避難小屋です。

 

▲13:31。一杯水避難小屋で小休止後、小屋の右側から天目山へ向かいました。天目山は別名を三ツドッケと言うくらいですから、三つのピーク(突起)を持っています。中央のピークが天目山1576.0mです。

 

▲13:32。左に見える山は川苔山1363.2mでしょうか? 右近くの山は三ツドッケのひとつだと思います。

 

▲13:47。3つ目のピークも乗り越えて、長沢背稜の登山道に出て来ました。ところで、長沢背稜ってどこまでなんでしょうね? 長沢の背後の稜線は芋ノ木ドッケから水松(あららぎ)山までです。水松山から日向沢ノ峰あたりまでは日原川北稜などと呼んだ方がいいと思いますけれどね。

 

▲14:03。一杯水避難小屋へ戻って来ました。これからヨコスズ尾根を下ります。

 

▲14:07。テングタケの仲間です。たくさん生えていました。

 

▲14:16。登山道は右の山腹を巻いています。ロープが張ってあって、「この先危険! 登るな!」と警告しています。こんなのを見ると、どうした訳だか侵入したくなりますよね。・・・・ それは冗談ですが、この先がこの日登って来た茅尻沢左岸尾根の本当のピーク1388m標高点なんです。途中で左に巻いたので、そのピークは踏んでいません。なので、行ってみようと。

 

▲14:19。ちょっと岩っぽい箇所も出て来ますが、ピークまでは問題ありません。ピークも地味なところで、ただ通過するだけでした。

 

▲14:32。1388m標高点からは南南西へ下るべきでした。地図を確認することなく、登って来た方角と同じ方向へ下ってしまいました。南東方向へ降りたのです。登る時に避けた急斜面に突入してしまいました。コース間違いの場合、それが下りなら急斜面でもどんどん下ってしまうものです。100mくらいは下ってしまったかもしれません。さすがに間違いに気付き、進行方向の右(写真では左)にあるはずのヨコスズ尾根に戻ろうとしました。ここは右に必ずヨコスズ尾根があるので、それで良かったのですが、もっと複雑な地形の場合はきつくても登り返すべきなんです。写真では傾斜は分かりにくいですけれど、木から木へと飛び移るような歩き方をしています。木に掴まらないと、ズルズルと落ちて行ってしまいそうです。

 

▲14:38。森に光が入って来ています。ヨコスズ尾根も近いはず。

 

▲14:41。T橋さんが「尾根に出たよ~っ!」って叫んでいます。

 

▲15:43。滝入ノ峰にも立ち寄らず、どんどん下って行きました。途中で、こんなキノコの様子が。キノコの名前は分かりませんが、キノコのシロのようです。丸くリング状に生えていますからね。

 

▲16:04。山道終了です。

 

▲16:10。東日原バス停に到着しました。あと10分後くらいにバスは発車します。

 

バス停からは天益さんに電話。奥多摩駅に着いたら、寄れることになりました。天益の女将さんがおっしゃるには「もう店を閉めるつもりだった」とのこと。客は我々だけでした。すでにたくさんのお客さんが来られたようで、餃子も我々に出してくれた分しか残っていなかったようでした。有難うございます。

SS木さんとは今年のお正月以来ですね。男二人がゼ~ゼ~ハ~ハ~荒い息で歩いているのに、静かに息も荒げずにすいすい歩いています。強いですね。


ナメイリ沢と棡葉窪の2本の短い沢を組み合わせて遡行しました

2022年09月23日 | 沢登り/多摩川秋川盆堀川水系

前の週は丹沢の懸垂岩で岩トレをしました。体力はほとんど使わない山行でした。北アルプスの疲労もほとんど抜けたはずですから、それなりの長さの沢登りをしたかったのですが、まだ気分が乗りません。やっぱりまだ少し疲労が残っているのかもしれません。

という訳で、こんな時のための短い沢。1本では時間を持て余すでしょうから、1日に2本の短い沢を登ることにしました。短い沢と言えば盆堀川水系です。この山域の最高峰は臼杵山の842.1mですから、どの沢もとても短いのです。しかも、滝の多い沢がほとんどです。選んだ2本の沢はナメイリ沢と棡葉窪。ナメイリ沢は小滝よりは少し高めの滝が多くあります。しかも、すべて直登できて易しい。棡葉窪はこの流域で最短の沢で、短い中に沢の魅力が凝縮されています。もちろんすべての滝を直登することが可能です。

 

2022年9月3日(土) ナメイリ沢~棡葉窪

▲9:27。武蔵五日市駅からタクシーに乗って、棡葉窪出合そばの採石場前の広場まで来ました。もっと先まで乗ってもいいのですが、ウォーミングアップとして少しは歩きたいですからね。伝名沢出合の広い駐車スペースを過ぎ、石仁田沢出合で林道が二手に分かれます。そこは右へ行くと、すぐに再び右へ分かれる林道があるので、そこを進みます。林道が丸くカーブする最初の橋の下がナメイリ沢です。上の写真の右端から沢に下りましたが、この降り口風景だけを見ても分かるように、小さくて冴えない沢です。何度か遡行した僕の印象は、水量も乏しく、薄暗くて、パッとしない沢、といった感じです。でも、ちょっとしたトレーニングのためには向いている沢です。

 

今回のメンバーはSRさんとO崎さん。O崎さんは初心者ですから、SRさんと僕とで交互にリードし合うことにしました。易しい滝でも、ザイルワークの練習のためと初心者のO崎さんの安心のために必ずザイルを出すことにしました。時間的余裕もありますからね。

 

▲9:50。最初は僕がリードしました。これがF1-2段10mだと思います。10mとありますが、それほどはなかったような・・・・ フォロウするのはO崎さん。ラストのSRさんは猛スピードで登って来ます。

 

▲9:54。F1での僕の支点作り。下がセルフビレイで、上はフォロワーの確保用。ルベルソ5を使っていますが、旧来通りのボディビレイで行なっています。最新の確保法は実践ではまだ未使用。

 

▲10:04。3mトイ状の滝かな? さすがにこの小滝ではザイルは出しません。この日はナメイリ沢としては水量が多いですね。前日までの1週間ほど毎日雨でしたし、とりわけ直前の2日間はそれなりに降りました。これほどに水量のある瑞々しい感じのナメイリ沢は初めてです。酷い時は乾いていて埃っぽい印象すらあったので・・・・

 

▲10:20。ナメ状の小滝がありました。念のために、SRさんがリードしました。

 

▲10:37。これはF2ー6mでしょか? 僕がリードしました。

 

▲10:49。F3-11mトイ状だと思います。SRさんは滝に立て掛けられている倒木の最上部でプロテクションを取りました。

 

▲10:53。この日の天気予報は曇りだったのですが、青空がけっこう広がっています。薄暗い印象だったナメイリ沢ですが、陽光が入って来て明るかったですね。

 

▲11:07。F4ー5mでしょうね。ナメイリ沢の最後の滝で、僕がリードしました。

 

▲11:18。水量が減って来ると、そろそろ沢を離れることを考え始めます。以前に比べると、倒木が減っているようですが、上流になるともっと倒木やボサが五月蠅くなるからです。それに今日は、もう1本、棡葉窪を登りますから、右岸尾根を下降しなければなりません。

 

▲11:24。そろそろ左の斜面を登りたいですね。傾斜が緩くて、尾根が近そうなポイントを探しています。

 

▲11:29。何となく踏まれているような跡がありましたから、そこから登ることにしました。少し登ると、微かな踏み跡が尾根に向かって付いていました。それを辿ります。この写真でもその尾根がもう見えていますね。尾根に出ると、しっかりした山道が付いています。

 

▲11:49。尾根道を下って行くと、黒い地面に白く光る星のようにキノコが点在していました。テングタケの仲間ですね。名前の同定までは難しくて出来ませんが、おそらく猛毒なんでしょうね。

 

▲11:58。最近(10年以内?)植林されたエリアが網で囲ってあります。鹿に喰われるのを防ぐためでしょうね。林道がすぐ下に見えていて、この中を歩くと容易に降りられそうですが、駄目です。

 

尾根道に戻って、さらに下って行くと、林道の法面を覆う金網にぶつかります。乗り越えて、金網を掴んで降りて行ってもいいのでしょうけれど、まあルール違反でしょうね。前日ネットで調べたら、その人は左に大回りして林道に降りていました。でも、右へ行く踏み跡があったので、僕たちは右へ行くことに。

 

▲12:18。その踏み跡を辿ると、降りて来たのがここ。二人が降りて来た踏み跡の方を見ています。朝はこの林道をもう少し奥の方へ歩いてから入渓したのです。

 

朝歩いた林道を今度は逆に歩き戻ります。途中の伝名沢出合の広場で昼食。ゆっくりしてから、棡葉窪へ向かいました。

 

▲13:02。盆堀川へ降りました。この写真の奥、暗い辺りが棡葉窪(ゆずりはくぼ)出合です。

 

▲13:05。ここが棡葉窪出合。極小の沢です。

 

▲13:09。棡葉窪も平水より多かったですね。

 

▲13:12。小さな沢なのに、釜もあったりして、水は豊富です。

 

▲13:21。沢床も水で洗われて、岩の沢床です。小さな沢のくせに綺麗です。

 

▲13:29。F1-6mですね。上部が少し難しいようですね。

 

▲13:41。SRさんがリードしました。O崎さんも少し苦労しています。

 

▲14:03。F2-5mだと思います。僕がリードしました。

 

▲14:18。この滝は何故か滝番号(F1とかF2とか)が付いていません。でも、この滝が棡葉窪の滝の中ではメインの滝です。ガイドブック等には滝の左の壁に打たれたボルトやハーケンに付けられたシュリンゲを掴んで登ることになっています。僕も1度か2度か左から登ったこともありますが、楽しくありません。最初からシュリンゲ頼みの登り(へつりですけど)は嫌です。ここはSRさんが右から登りました。ちょっとだけ苦労したみたいですが、3級の範囲内です。こちらが自然なルートだと思います。SRさんが確保支点作りに苦心していました。左の方に左から登るルートのためにボルトが打たれています。そこを利用しようとしたのですが、それではフォロワーが落ちると振られてしまいます。それに滝の落ち口近くが核心部ですから、そこでザイルを強く引くことは出来ません。ちょっと高い位置に生えている灌木で支点を取ることにしたようです。

 

▲14:33。F3-5mです。順番では僕がリードのはずですが、SRさんがリードしてしまいました。ここも意外に滑りやすいです。

 

▲14:43。二俣に到着しました。そこの木に写真のようなサルオガセがぶら下がっていました。いつかここから先、右俣か左俣を遡行してみたいと思っています。今どうなっているかは知りませんが、昔は倒木に阻まれて遡行不能でした。行く気になれなかった、と言う方が正確ですかね。ですから、二俣の中間尾根をいつも登っていました。でも今日は、時間もないのでここから仕事道を利用して降ります。

 

仕事道を降りると、さっきの入渓点に降りられます。そこで装備解除して、舗装道路を沢戸橋まで歩きました。バスがすぐ来るようならバス停で待つつもりでしたが、バスの時刻まで20分くらいあったでしょうか? 待たなければなりません。僕はバスを待つのが苦手です。じっと待ってるよりも歩く方が好きです。それに20分もあれば、『音羽鮨』に着いてしまいそうですから。実際、バスよりも僕たちの方が早く『音羽鮨』に到着しました。そして、『音羽鮨』では楽しい反省会。

 

今回、SRさんと交代でリードを務めましたけれど、この方式はいいですね。ナメイリ沢で4回、棡葉窪でも4回、8回ザイルを出しました。易しい3級の滝ばかりでしたからね。この調子で、滝のリード感覚を復活させたいと思います。


北アルプスの疲労がだいたい取れて、懸垂岩の岩トレに参加しました

2022年09月21日 | 岩登りトレーニング

北アルプスから戻って来て1週間後の土日は、まだまだ僕の肉体には疲労が残っていました。疲労感は消えていましたが、肉体にはダメージが残っていたのです。都合のいいことに天気はあまり良くなく、どこにも行かなくても残念な印象はありませんでした。

2週間経過して、北アルプスの疲労もなんとか抜け、ひとりで奥多摩を歩いて来ようかとも思ったのですが、S藤さんが丹沢での岩トレを計画したのです。下山後の反省会開催の悪魔的誘惑に屈して、日常より3時間も早起きして、ヒルの棲息地に赴くことにしたのです。岩トレですから、体力的にも楽ですしね。

この日は緑陰と清流に囲まれた環境の中、気持ちの良い岩トレで1日を過ごすことが出来ました。そんな恵まれた自然条件下、ヒルも活発に生きているようで、人類との攻防も若干はあったみたいですが・・・・

 

2022年8月27日(土) 丹沢・懸垂岩

懸垂岩にはザイルを用いたソロシステムの練習をしている一人だけで、僕たちは自由に練習ができました。その一人も途中で帰りましたから、独占です。岩場に到着後、のんびりと過ごしていたのですが、成り行きで何となく2パーティーに分かれて練習することに。O崎さんとT内さんと僕、そして、S藤さんとM澤さん。

▲10:58。僕たち3人は岩場左の易しい壁でトップロープをセットして基本練習です。中央の最も易しいルートはソロシステム練習の方が使っていますから、その左を登りました。1本目はソロシステムの方のすぐ左を登ります。いちばん易しい所から。上まで行くと、支点のカラビナタッチして、ロワーダウンで下降。2本目は最上部にクラックが2mほどあるのですが、そこの登攀。二人とも少し右に逃げてしまいました。写真は2本目を登るT内さん。

 

▲11:12。S藤さんとM澤さんは右の岩場で練習しています。岩場の中間にテラスがあって、そこでトップロープをセットしています。グレードは4級+。S藤さんが核心部にチャレンジ中!

 

▲11:13。3本目は同じルートのリベンジ。二人ともなんなく成功! 写真の右手で掴んでいるクラックがそのルート。このクラック沿いに登るのです。3級だと思います。2本目でも登れたと思いますが、ついつい易しい右側に逃げちゃったんでしょうね。

 

▲11:34。4本目はクラックを右手で掴んで登る感じで、ほんの少し左を登ってもらいました。トップロープの支点の位置は変わりませんから、各自工夫して少しずつ違うルートを登るんです。

 

ここで僕たちは昼食タイム。

 

午後はまず、すでに練習再開していたS藤さんたちのトップロープを貸してもらって、まずは僕に登らせてもらいました。M澤さんに確保をお願いして、懸垂岩右側を登ります。S藤さんとM澤さんが午前中に登っていたルートです。まずは真ん中の垂直ルートから、新しいボルトが連打されているルートです。4級+あると思います。続いては、その右の凹角ルート。古いリングボルトが続いています。これも4級+くらいあると思います。3本目は1本目の少し左の膨らんだ小ハング。途中で登れませんでしたからグレードは不明でしたが、5級以上は確実にあります。デシマルで5.8以上はあるでしょうね。

 

▲12:19。M澤さんにはさらにお願いをして、O崎さんとT内さんにも真ん中の4級+ルートを登らせてもらいました。登れないだろうな、と高を括っていたら、なんとなんと二人とも完登! バランスよく登って行きました。クライミングでいちばん重要なのはバランスです。男性は力に頼りがちですが、一般的に女性はバランス重視で登ろうとします。ですから、女性の方が男性よりもクライミングに関しては上達が早いと僕は思っています。写真はO崎さん。

 

▲12:27。T内さんもバランスよく登ってしまいました。足の運びが見事でしたね。

 

▲12:31。ロワーダウンでT内さんが降りて来ます。

 

▲13:07。再び午前中と同じトップロープに戻って来ました。確保している僕のズボンが赤黒い血の色に染まってることを知らされ、右足の脹脛を触ってみると、ズボンの上からでも柔らかな感触が伝わって来ました。それを出して見ると、僕の血を吸ってパンパンになって、満足したのか皮膚からは離れていたヒルがポロッと落ちました。ヒルには罪はなく、若干の罪悪感はありますけれど、をかけて退治しました。

 

▲13:11。5本目は岩場の左端から登り、最上部は先ほどのクラックのさらに左を登ることにしました。出だしの苔っぽいフェースはスタンスが細かくて、難しいですね。O崎さんは左へ逃げて灌木と格闘し、T内さんは足を滑らせてはザイルにぶら下がっていました。ここが左端ルートの核心部でした。4級+はあると思います。でも、ピンがないのでリードは考えちゃいますね。最上部のクラック左は二人とも問題なく登って行きました。上手です。写真は下部核心部を登るT内さん。

 

▲13:15。同じルートの上部を登るT内さんです。中間部と最上部も3級+くらいでしょうか?

 

▲13:33。最後は二人にリードの真似事をしてもらいました。トップロープの状態で、もう一方のザイル末端でリードのザイルワークをしてもらいました。O崎さんがリードする時はT内さんが確保、T内さんがリードする時はO崎さんが確保です。トップロープで僕が確保していますから、リードのザイルの確保も真似事のようなものですけどね。本当はその後、正式なリードもしてもらいたかったのですが、まだ少しハードルが高くて断念。リードし終わってからのセルフビレイやらフォロワーの確保やらも教えていませんでしたからね。写真はO崎さん。

 

▲13:52。T内さんもリード練習。下にはS藤さんがいます。

 

▲14:23。O崎さんがザイルのたたみ方を覚えたいと言います。ザイルをきちんとたためるだけでもパーティーにとっては戦力になります。

 

この日の岩トレはこれで終了です。実はこれから少しだけ沢登りをするんです。ですから、この日は渓流シューズで岩を登っていました。

 

▲14:45。懸垂岩の前を流れる水無川。対岸に見えているのが、これから登る新茅ノ沢出合です。

 

▲14:50。出合の頭上には戸川林道が通っています。

 

▲14:52。小滝が出て来ました。S藤さんがリードします。

 

▲15:04。S藤さんの確保でM澤さんがラストで登って来ました。セルフビレイの方向がフォロワーの墜落によって引かれる方向とずれている点を注意しました。

 

▲15:09。元気な女性2人! F1の前で。

 

▲15:17。7mのF1もS藤さんがリードします。プロテクションを取るピンもしっかりとあります。3級-くらいかな?

 

▲15:50。全員がF1を登って、この日の沢登りはここまでです。F1を懸垂下降しました。懸垂をセットした木の根元が彫り込まれています。セットしたザイルの摩擦でここまでになったのでしょうか? 沢を下降してくるパーティーも多いからなんでしょうね。

 

▲16:05。O崎さんが懸垂下降中。

 

▲16:07。ラストのM澤さんが降りて来ます。

 

▲16:22。小滝も懸垂下降。T内さんが懸垂下降中。

 

▲16:28。戸川林道の下まで戻って来ました。

 

▲16:34。林道に上がって、パチリと記念撮影。左からM澤さん、S藤さん、僕、O崎さん、T内さん。

 

岩トレもミニ沢登りも充実しましたが、それに劣らず充実(盛り上がった)したのは渋沢駅近くの居酒屋さんでの反省会でした。何時まで店に居て、何時の電車に乗ったのかは覚えていませんが、僕がH島駅に帰り着いたのは真夜中でした。居酒屋さんには何時間いたんでしょうね? その間、ずう~~~っと盛り上がりっぱなしでした。


お盆山行4日目 ――― のんびりと上高地へ

2022年09月18日 | ハードハイク/北アルプス

朝目覚めて、いちばんの心配事は自分の脚の疲労回復度合いでした。昨日の横尾本谷右俣で受けた大ダメージが残っていたら、この日の行程も辛いものになりそうですからね。本当のところは実際に歩いてみなければ分かりませんけれど、起きて周辺を歩いた感じでは、脚には疲労が残っていないように思いました。

 

天気も良く、ただ歩いて上高地に帰るだけの日を楽しくしてくれそうです。雨が降っていたりすると、ただ黙々と修行のように歩くだけになってしまって詰まらないですからね。

 

2022年8月14日(日) ババ平~上高地

▲6:20。槍ヶ岳は見えませんが、北西方向を見ています。正面の稜線は東鎌尾根ですね。

 

▲6:21。テントも撤収し、いよいよ下山です。

 

▲6:33。途中、赤沢岩小屋がありました。ウェストンもここで野営したそうです。僕も泊まりたいものですが、今は禁止されています。

 

▲6:52。槍沢ロッジで小休止。(撮影:K野)

 

▲6:55。ロッジのそばに槍ヶ岳が見える場所があります。かっこいいですよね。

 

▲7:05。槍沢水力発電所です。国立公園内なので、小規模な設備しか作れないそうなのですが、それでも約300ワット時までに発電量もアップし、山小屋全体の5~10%の電力を賄っているそうです。

 

歩いてみると、いつも通りに歩けました。昨日は半歩半歩恐る恐る歩を進めたのですが、この日は一歩一歩普通に歩けます。もし、何かに躓いても踏ん張って体勢を立て直せると思いました。もちろん、躓かないよう細心の注意は払っていますけどね。さほど急いではいませんが、槍沢ロッジ~横尾間をコースタイム1時間20分のところ1時間ちょっとで歩けました。

 

▲8:11。横尾からの光景です。今回は登れなかった前穂北尾根も見えています。写真の中では8峰には登ったことはありませんが、他はS子と登っています。S子と二人で奥又白池からA沢を登って前穂高岳に至り、前穂北尾根を下降して、5・6のコルから奥又白池まで戻ったりもしました。

 

▲8:37。横尾でゆっくりと休んで、徳沢へ歩き始めると、ニホンザルの親子が反対から歩いて来ました。登山者と同じように当り前に歩いています。思わず「こんにちは」と挨拶してしまいそうなくらい平和に歩いています。

 

▲8:38。K野さんがカメラを向けても、まったく動じません。

 

▲8:47。前穂東壁が真正面に大きく広がっています。S子と二人で登攀できるルートがないかと調べたこともありますが、全体的にレベルが高くて、僕たちには無理そうでした。唯一、前穂東面の外周ルートを歩いただけです。奥又白池~A沢~三本槍~前穂北尾根下降~5・6のコル~奥又白池、です。

 

▲9:36。徳沢でもゆっくりと休憩しました。カイツブリ(だったかな?)がたくさんいて、草原を歩いたり、小川で泳いだりしています。その姿をK野さんがカメラで追いますが、すばしこくてなかなかシャープに撮れません。

 

▲9:45。徳沢のすぐ先で明神岳の眺望が良い場所がありました。恐らく左のピークが明神5峰だと思います。明神岳の主峰がどれだかよく分かりません。ガスの中なのかもしれません。

 

▲10:20。明神のすぐ手前で、この景色に出会います。右の丸いピークは長七ノ頭でその左下のコルにひょうたん池があります。S子も含めて4人で明神岳東稜を登った際に、池の畔でテントを張りました。池の水は使わずに担ぎ上げました。左の尖ったピークは何番目のピークなんでしょうか? 4峰くらいでしょうか? とにかく主峰はガスの中です。

 

▲11:09。河童橋まで戻って来ました。観光客の方が圧倒的に多くて、大きなザックを背負って汗臭い登山者は異質な存在です。

 

▲11:10。河童橋の向こうに岳沢が見えています。奥穂高岳を中心に吊尾根西穂への稜線が見えるはずなんですけどね。奥穂南稜、コブ尾根、畳岩などもまったく見えません。(撮影:K野)

 

▲11:19。上高地のバスターミナルに到着しました。バスに乗るために大勢の人が並んでいましたから、僕たちもとりあえず列の最後尾に付きました。

 

さわんどBTへ着き、車の場所へ行きました。そして、とにかくお風呂です。そして、島々の竜島温泉せせらぎの湯へ。僕たちが入ってから少しずつ増えて来ましたが、静かでこじんまりした良い温泉でした。入湯料は520円。

帰路は渋滞との競争でもあります。大月辺りからだったのでしょうか? 下道に降ります。時々寝てしまった僕なんかとは違い、S﨑君はずっと運転、有難いですね。解散場所は高尾駅。高尾駅そばの中華料理店『龍縁』で夕食。僕とK野さんはアルコールも摂取! 安くて、ボリュームもあって、美味しいお店でした。高尾で下山後の反省会をするならお薦めのお店ですね。

翌日は筋肉疲労が相当ありました。でも、小同心クラックの時ほどの疲労感はありません。このレベルの山行は8年ぶりくらいですから、僕の肉体への負荷は強かったですね。年に1、2度は体をこのレベルに慣らさないといけないと感じます。『龍縁』では大量のクミンシードがまぶされた肉料理が美味しくて印象的でした。で、家でも安いアメリカ産豚肉ステーキにクミンシードをたっぷりまぶして、焼いて食べました。 インパクトがあって美味しいですね。