ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

倉沢谷の源流・塩地谷でテント生活を楽しみました 1/2 ――― 焚火、シカの声、夜中の怪音

2015年11月27日 | ハイキング/奥多摩

2015/11/21  奥多摩の紅葉の盛りはもう過ぎているのでしょうけれど、晩秋最後の輝きの中で、幕営を楽しもうと出かけました。三連休と重なってしまいましたし、土曜日は晴れ、日曜日は曇り、月曜日の祝日は雨との予報ですから、ハイカーは当然土曜日に集中します。
ホリデー快速おくたま号は案の定超満員。半分くらいは途中の御嶽駅で下車しました。あまりに下車した人数が多かったので、御嶽駅のホームは渋滞状態。人の流れがストップしてしまいました。


▲鴨沢西行のバスに乗る人の列は奥多摩町役場まで延びています。最後尾に並ぼうとする人々が次々に来ていました。9:22ころ。


▲先頭に近い方はこんな感じ。結局、臨時バスは何台出たのでしょうか? 3台ほど出たのでしょうか? でも、僕たちが乗る東日原行バスは臨時バスは出ませんでしたから、無理やり全員押し込めて出発するはめに。9:22ころ。


▲川乗橋で半分ほどが下車しました。僕たちは倉沢バス停で下車。10:02ころ。


▲青空バックのモミジは定番ですが、やっぱり綺麗です。10:47ころ。


▲今日は天場まで行くだけですから、ゆっくりのんびり倉沢林道を進みます。10:48ころ。

途中、林道脇で不審な行動をしている二人組に遭遇しました。近づくと、何やら地面をいじくるような感じで掘り返しています。悪い人たちではなさそうなので、覗きこんでいると、若い方の方が説明をしてくれました。ゴミムシだか何虫だかは忘れましたが、土の中にいる虫を探しているのですね。タッパーの中の採集した虫を見せてくれました。パッと見、薄茶色で一見白アリのよう。もちろん、よく見るとそうではないのでしょうけれど。その青年はその虫が目が退化している虫で、とても珍しく、なかなか見ることは出来ない虫だと、力説してくれます。
どうやら今、僕とS子も素晴らしく貴重な体験、すごく珍しい虫を直接目にしている、をしているようなのです。でも、僕にはそんな感動はまったくありません。そのお二人には申し訳ありませんが・・・・ 多分このお二方は昆虫の研究者なのではないでしょうか?


▲倉沢谷の河原に張られているテントがありました。林道脇には小型のマウンテンバイクが置いてありましたから、このテントの主は車で途中まで来て、自転車に乗り換え林道をここまで来たのでしょうね。釣り師だと思います。10:55ころ。


▲知っている人は知っているでしょうけれど、林道途中で山道に入ります。この山道は登山者のための山道ではありませんから、関心ある人は自分で見つけてくださいね。林道からの登り初めはジグザグ道の急登です。11:11ころ。


▲幾年か前にこの山道を歩いた際には、この桟道は朽ちてしまう直前でした。緊張しながら渡ったものです。今回は新しく付け替えられていました。安心して歩けます。11:54ころ。


▲桟道が連続します。12:07ころ。


▲山道が茅尻沢を渡ります。3年前にこの沢を遡行しています。12:09ころ。

久し振りでもありましたから、天場の場所へ行くのに少々迷いました。10分ほどロスしました。
それでも予想より早く天場に到着しましたから、お昼を食べたり、幕営の準備も急ぐことなくゆっくりと行います。


▲テントとタープが張れるシチュエーションを検討してから場所を決定します。タープを張るために20mザイルを使いましたが、ギリギリとどきました。13:20ころ。


▲対岸の様子を調べに行きました。山道の状況などをです。そこは広々とした平らな段になっています。いい天場になりそうです。焚火痕もありましたから、ここで泊まっている人もいるのでしょう。そちらから自分たちの天場を見下ろして写真を撮りました。14:28ころ。

ここは谷底ですから、陽が沈むのは早いのです。暖かい空気はまだ漂っていますけれど、陽はすでに山の端に沈んでいます。そろそろ焚火の準備をしなければなりません。まずは焚き木集めからです。焚火をする場所を決め、その半径10m以内で焚き木がたくさんありました。


▲まずは地面に太めの木を並べ、火床とします。その上に新聞紙を丸めて置き、念のためメタも数本まいておきます。15:02ころ。


▲乾いた細めの枝をなるべくたくさん積み、鉛筆ほどの太さの枝もさらに積みます。それから新聞紙に点火。15:10ころ。


▲もう少し太い木も積み重ねます。焚火がうまくいくか否か? 不安もよぎるころですね。でも、今日の焚き木は乾燥した流木が多いですから、もしいったん消えてもまたすぐつくに決まっています。この状態までは風通しよりも内部に熱がこもり、温度が上昇することを優先します。15:16ころ。


▲最後に太い木も積みます。今日は不安なく順調でした。ビリー缶を置く石の台も最初から作っていましたから、火のそばに安定して置くことも出来ます。15:33ころ。


▲焚火の火が安定して燃え始めたころ、一人の男性が対岸から降りて来ました。ヨコスズ尾根を登り、長沢背稜から山道をここへ降りて来たのだそうです。僕たちが明日登ろうとしている山道のようなので、山道の様子を聞きました。一ヶ所不明瞭な箇所があるようですが、まずまず大丈夫のようですね。彼は沢の水を沸かして、軽く食事をしているようです。こんな時間に余裕です。これから歩く山道にも精通しているのでしょう。写真中央に小さく人が写っています。下山するためにスタートした彼です。しっかりした山道なのですが、この時刻に歩いても安心して利用できるのだということが理解できます。16:09ころ。


▲昨日、家にある食糧を調べてみるとこんな焼き栗が出て来ました。つまみとして持ってきました。芋焼酎「三岳」のお湯割りを飲みながら、食べます。殻は焚火の中へ。他にもつまみはラムレーズン入りのチーズを持って来ています。16:19ころ。


▲最近の東京での日の入りは16:30くらいですから、もう日没後の薄暮です。背中側で沢の水音がします。16:41ころ。


▲タープと焚火とS子との関係。16:46ころ。


▲今晩のメインディッシュは豚肉とオクラの炒め物。最近は山では僕が料理を作ります。簡単料理ばかりですけれど。17:18ころ。


▲味付け用レトルトのたれを入れれば出来上がり。簡単です。17:26ころ。


▲豚肉とオクラの炒め物は前回の焚火の際にも作ったメニューでした。その時に「白飯が欲しい!」と思ったものですから、今回は白飯を持参。ついでにフリーズドライのグリーンカレーも持って行きました。美味しかった! 焚火の前でこんな風に足を伸ばして座っています。17:47ころ。


▲焚火の魅力、炎を見つめます。18:10ころ。


▲グリーンカレーを食べた食器にザトウムシとクモが来て、じっと張り付いたままです。とりわけザトウムシの方がすごく気に入ったようで、嘗め尽くしたからでしょうか、ときおり場所を隣りに移します。18:20ころ。


▲暗黒の中に浮かんでいる焚火の炎。それを見つめ続けるだけ、それが焚火の醍醐味です。炎もいいですが、焚火の奥の熾きの熱い輝きも魅力です。18:20ころ。


▲S子と二人で過ごす焚火の宴は早い時間で終わりになります。山の帳は早く閉じるから。
焚火をそのままにしておくのは心配なので、僕は熾きの火が飛ばないよう、始末しておきます。明朝も焚火を熾すので、水はかけません。燃え差しの焚き木は中心から離し、焚火の上には石を並べておくのです。19:45ころ。


▲テントの中は小さな生活空間。人間はどうして閉ざされた空間で安心感を得るのでしょう。もし、クマでも来ることがあれば、テントの中に居ようがタープだけの下に居ようがさほど危険性に違いはないと思うのですが。20:13ころ。

ふたりともすぐ眠りにつきました。僕は22:30ころに目を覚ましました。目を覚ましたのが先なのか、キーン! と警戒音が鳴り響いたのが先なのか分かりません。ほぼ同時なのでしょう。シカの警戒の鳴き声が川の下流側から大きく聞こえました。いつもと違っていたのは、それがその先10分も20分も続いたことです。鳴き声の音量は最初の一発が最大でその後のは控えめなキンなんだかケンなんだか、ネコのようなミュ~とも聞こえますし。
小用も足したくなっていましたから、テントの外に出ました。沢のそばで鳴いていると思っていましたが、外に出ると位置がよく分かります。沢沿いではなく、左岸の上の方、標高差おそらく10mか20mくらい上なのでしょう、そこで鳴いていました。ヘッドランプを向けますが、光るものはあるのですが、動きませんからシカの目ではないでしょう。
月が右岸の山の端にかかっているのが見えました。テントに入るまでは雲が多くてまったく見えなかった月です。天気は下り坂の予報ですが、それほど急激に悪くなっているのではなさそうです。

このシカ以上に、不思議なことがありました。
対岸の山の上方から不思議な音が連続的に聞こえてくるのです。その音は質のいい金属棒2本を互いに叩き合って鳴らすような硬質な金属音。それが遠くで鳴るので、少しオブラートがかかったようなくぐもりが加わるのです。文字で表わすのは無理ですが、強いて書けば「ケ~ン、ケ~ン、ケ~ン」でしょうか。鳴る場所も移動していますから、音も大きくなったり小さくなったり、方向も少しずつ変わってきたり、それがしかも、徐々にですが近づいて来るようなのです。
獣の鳴き声にしては、金属質過ぎますし、これほど規則的に連続するのも奇妙です。こんな夜遅くに鳴く鳥も知りません。ツツドリやヨタカはこんな鳴き声ではありません。
僕は「誰か人が金属音を出しながら、山をこちらへ向かって来ている」そんな風に思えて仕方がありませんでした。そう考えると、少しですが恐怖心も沸き起こります。でも、長く聞いていましたが、明らかに近づいて来る、そんな兆候はありませんでした。それにいつしかそのもの音さえも聞こえなくなったのです。正直ほっとしました。
再び、深い眠りに誘われていきました。


月夜見山へ知られてない尾根で登り降り 2/2 ――― 大ムソ尾根は広葉樹の豊かな尾根でした

2015年11月23日 | ハイキング/奥多摩

2015/11/13  当初の予定では月夜見山に登り、大仁田尾根を下って月夜見第一駐車場へ至る計画でしたが、時間的に少し遅くなっていますから、奥多摩周遊道路経由で直接、第一駐車場へ向かうことにしました。反対側の小河内峠へ行って清八新道を下降する選択肢もあったわけですが、大ムソ尾根は是非とも下りたいと思いましたし、月夜見山をカットすれば大ムソ尾根は時間的にも大丈夫そうなので、そちらへ向かうことにしました。


▲奥多摩周遊道路を歩きます。平日とはいえ、この道路にはカーブの多い山道をスピードを上げて走ることを楽しむ人たちがいますから、気を抜かずに歩かなければなりません。
山では見られなかった赤みのあるモミジが道路に沿ってたくさん生えています。道路を建設した際に植栽したのでしょうね。13:29ころ。


▲モミジの木々が陽を浴びていたならば、どれほど輝いていたことでしょう! 今が紅葉の盛りですね。13:32ころ。


▲中央に見えている山は左から惣岳山と御前山1405.0mではないでしょうか。そこから左へ降りている尾根は大ブナ尾根。その手前の尾根が清八新道のある尾根です。小河内峠から降りています。13:33ころ。


▲最も赤みの強いモミジの木が立っていました。曇っているのが残念です。でも、綺麗な赤色に色づいたモミジの木の反対側に回ると、色が全然違っています。薄い橙色です。葉の塊の中の方にはまだ紅葉していない緑色の葉も残っています。紅葉の色具合はその木の遺伝的特性だけではなくその部分の日当たりや風、気温などの影響も受けるのでしょうか? 13:35ころ。


▲月夜見第一駐車場に到着しました。ここは駐車場と言うだけではなく、絶好の展望台となっています。右(東)を見ると、隣りの尾根(名前は分かりません)が見事に紅葉してますね。広葉樹の多い尾根です。13:44ころ。


▲眼下の奥多摩湖です。右上には小河内ダム、中央少し右の半島のようなところには熱海集落が見えます。13:44ころ。


▲北には左右に石尾根が広がっています。稜線は雲に覆われていますね。倉戸山の広い山頂も見えていました。13:45ころ。


▲北西方向にはこれから向かう麦山の浮橋が見えていました。浮橋の対岸から上がっている尾根は赤指(あかざす)尾根です。13:46ころ。


▲5、6人の男性が望遠のカメラを三脚にセットして何かを狙っていました。「猛禽類ですか?」と聞くと、「そう」との答え。それより詳しくは聞きませんでしたけれど、忍耐力ですね。13:47ころ。


▲駐車場の左(西)側から降りました。踏み跡をそのまま降りていくと、北西へ向かう別の尾根のようでしたから、もう一度上がって右方向へトラバース気味に下って行きます。ここを下っている山屋もいるようで、ピンク色のテープも付いていました。13:58ころ。


▲大ムソ尾根に出て来ています。葉は半分ほど落ちてしまっています。足もとの枯葉が心地いいですね。14:08ころ。


▲標高820m付近で尾根は北東と北西に分かれます。かすかに感じられる山道(二万五千図に記載されています)は北東の尾根についています。ただその山道は標高730mあたりで西へ急な山腹をトラバースしなければなりません。ですから、北西の尾根を下ることにしました。S子が今歩いているのが北西の尾根、写真の左に見えているのが北東の尾根です。14:25ころ。


▲標高700mあたりから尾根は急になりました。枯葉の積もった斜面をズルズルと下ります。14:37ころ。


▲標高640mあたりで先ほどの山道と再会しました。そして、標高600m付近のコルまで降ります。写真はそのコルですが、手前の杭あたりから下方へしっかりした山道が延びていました。14:51ころ。


▲その山道。後方にコルが見えています。14:53ころ。


▲すぐ下にいこいの路が見えていましたから、山道から急斜面を強引に降りました。とりあえず、いこいの路まで来ると安全です。15:00ころ。


▲いこいの路を山のふるさと村へ急ぎます。15:07ころ。


▲いこいの路の終点です。二ヶ月前はいこいの路だけを歩いたのですが、今日は途中、月夜見山の近くまで回り道をしたのですから、S子はよく頑張りましたね。16:07ころ。


▲山のふるさと村からこの麦山の浮橋までも2、3kmはあります。薄暮になってきて、周りの風景もあまりよく見えませんし、黙々と急いできました。その甲斐あってかまだ薄明るいうちにこの浮橋を渡ることが出来ました。こんな時間帯に渡るのも初めてではないでしょうか。なかなか趣きがあるものです。16:40ころ。


▲月夜見山の方角を眺めました。月夜見山自体は見えないか、雲の中だと思います。左に降りている尾根が今日歩いた大ムソ尾根でしょう。16:43ころ。


▲小河内神社前のバス停がいちばん近いのですが、そのバスにはぎりぎり間に合いませんでした。ただ、峰谷から降りてくるバスがちょうどあって、それが17:14発です。ですから、ひとつ隣りの峰谷橋バス停へ行きました。峰谷始発のバスは日に3本しかありません。ラッキーです。16:57ころ。


▲バスを待っていると、10mほど道路の先でネコの鳴き声のような音が聞こえました。でも、ネコとは少し違います。すると、イヌの吠え声のような音も聞こえました。仲のいい飼い犬と飼い猫のようにも聞こえます。そうこうしていると、女性の泣き声のような声も聞こえ始めました。これはおかしい? と、その音の方へ近づくと、家の屋根の上の方でドタドタと物音がするではありませんか! 2、3頭はいます。すると、僕の頭上の電線を渡る動物の姿が見えました! ニホンザルです! 他にも数頭がいる雰囲気。真っ暗ですから、数えることは出来ません。カメラのフラッシュを焚きましたけれど、距離があるので、光が届きません。かろうじてその姿が映っているのがこの写真。矢印の先に何かが見えるでしょ? ニホンザルです。追いかけてはフラッシュを焚いていましたが、そのうち1頭が威嚇のような声を上げたので、追うのは中止。でも、こんな時間に人家のそばをうろついて何をしているのでしょうね? 16:58ころ。

バスに乗っている乗客は僕たちだけでした。奥多摩駅に着くと、天益へ向かいますが、暖簾がかかっていません。でも、店は開いています。そこへ天益のお姉さんが来ました。今日は町議選挙の運動中なのでお店は休みとのこと。町が燃えているのでしょう。商売にはならないようですね。
山を歩いていても、麓近くでは選挙カーがうるさく叫んでいました。


月夜見山へ知られてない尾根で登り降り 1/2 ――― 真光寺尾根は急登で、植林の多い尾根でした

2015年11月19日 | ハイキング/奥多摩

2015/11/13  玉原高原へ訪れた後、休みなのに雨が降ったり、山への計画を立てていた日に急遽仕事が入ったり、不運も重なって、山へ行けないことが一ヶ月間続きました。

今回は奥多摩へ紅葉を見に行くことに。どのコースにするかいろいろと考えましたけれど、二ヶ月前に奥多摩湖南岸のいこいの路を歩いた時に気になった尾根、真光寺尾根を登ってみることにしました。


▲奥多摩湖バス停で下車し、トイレに行くと、そのそばでドウダンツツジが見事に紅葉していました。8:26ころ。


▲小河内ダムから南西方向を眺めました。今のところ青空も広がっています。8:28ころ。


▲いこいの路のスタート地点です。8:38ころ。


▲今日は月夜見山に登る予定です。その山頂へ手前から突き上げている尾根が真光寺尾根なのですが、写真では薄ぼんやりとしか判明できません。月夜見山からは大ムソ尾根までは大仁田尾根を歩き、その先は大ムソ尾根を通って下山予定です。時間次第では通い慣れた清八新道を下山するかもしれません。8:57ころ。


▲しばらくは広々とした林道歩き。日陰と日向のコントラストが心地いいですね。9:06ころ。


▲西側を眺めると、山頂に白い巨大な仏舎利塔のある大寺山が見えました。その右奥の山が鹿倉(ししくら)山1288.2mです。9:07ころ。


▲朝の逆光に透かして眺めるモミジの葉。やっぱり綺麗ですね! 9:19ころ。


▲林道が終わり、水窪沢の橋を渡りました。朝陽を背に暖かい山道です。9:35ころ。


▲奥多摩湖の湖面でも陽が輝いています。9:40ころ。


▲天神沢出合で二度目の休憩。10:16ころ。


▲いこいの路スタート地点から4.6kmの標識があるところから、真光寺尾根へ入っていっている山道があります。この山道が尾根を登っている道と期待して辿ります。10:19ころ。


▲この山道は天神沢に沿った山道のようで、なかなか標高を上げてくれません。比較的整備はされた山道なのですが・・・・ 10:26ころ。


▲写真中央に木の橋が見えています。望遠で撮ったのですが、この山道は結局、天神沢を渡ってしまっています。これでは駄目ですから、引き返すことにしました。
山道(仕事道)はありませんでしたから、傾斜の緩い登りやすそうな斜面を強引に登るしかありません。山道に入ったばかりのあたりが、傾斜が一番緩そうでしたから、元に戻ることにします。10:33ころ。


▲この辺りがいちばん傾斜の緩い部分だったのですが、それでもS子にとっては大変なようです。10:46ころ。


▲真光寺尾根に出ました。この辺りの植林にはどこからやって来ているのでしょう? 仕事道があるはずなのに見当たりません。11:06ころ。


▲681m標高点だと思います。11:08ころ。


▲標高点でしばし休憩し、再スタート。しばらくは痩せ尾根が続きました。11:40ころ。


▲モミジの木はありますけれど、このような黄色っぽいのばかりがあります。11:54ころ。


▲尾根に何となく残っている踏み跡、山仕事の人のや獣の通った跡でしょうが、その中でいちばん多かったのがシカの足跡でした。12:02ころ。

二万五千の地形図では真光寺尾根の植生は広葉樹林になっています。針葉樹の記号がありません。紅葉を期待して来たのですが、意外にも植林の多い尾根でした、ちょっと残念。


▲おそらくこの辺りが"真光寺平”だと思われます。標高が920m付近です。この尾根にしろ、この平坦地にしろ、真光寺という名が付いた由来は何なのでしょう? 真光寺という名のお寺があったのならば納得なんですが。12:19ころ。

この真光寺平に到着した際に、黒光りした毛艶の立派な角を持った雄シカを見ました。単独雄のようです。僕に気付いて、すぐに谷へと駆け下りてしまいました。その後、一度だけピィ~~~! っと警戒の鳴き声を立てました。


▲植林が多い真光寺尾根でしたけれど、広葉樹もそれなりに生えています。半々くらいでしょうか。この時間になると、雲も多くなってきていて、薄日程度しか射さなくなりました。12:44ころ。


▲真光寺尾根最後の急登です。12:52ころ。


▲足もとの落ち葉。モミジの葉もやはりこの色ばかりです。13:01ころ。


▲奥多摩周遊道路に出ました。13:06ころ。

予定通り月夜見山に登るのなら、道路を左へ進み、右の山が低くなってきたところで、今度は右へと登山道を登って行きます。ただ、これまでのS子のペースを思うと、それでは下山が日没ギリギリ、もしくは越えてしまいそうです。月夜見山から大ムソ山を経て第一駐車場までは幾度か歩いたこともありますから、今日は割愛することにします。
つまり、奥多摩周遊道路を歩き、第一駐車場まで行くことにしました。


玉原高原を黄葉散策 3日目 2/2 ――― 迦葉山から急下降して、弥勒寺へ

2015年11月15日 | ハイキング/谷川連峰

2015/10/14  迦葉山(かしょうざん)に対する僕の勝手なイメージが山頂の様子で崩されたことは1/2の最後に書きました。つまり、迦葉山はそれほど人気のあるハイキングコースではないということですね。でも、それは逆に静かな山歩きが出来るということですから、僕にとっては歓迎すべき誤解だった訳です。

山頂でしばし休憩し、弥勒寺へ下山始めようとするころに、弥勒寺の方角から単独の登山者が登って来ました。


▲山頂からしばらくはなだらかな尾根歩きです。12:47ころ。


▲写真が横向きのままで済みません。「御嶽山大神」と刻まれています。このあたりから急な下りになります。12:49ころ。


▲急な岩の上には枯葉がのっていて滑りやすくなっています。12:51ころ。


▲急な下りが続くと、今度は大岩が現われました。その間を縫うように下って行きます。13:11ころ。


▲ルートファインディングも慎重にしながら、岩の間を下って行きます。13:15ころ。


▲大岩の間が通路になっていました。13:23ころ。


▲次々と大岩が現われ、ここは残置ロープに掴まって降りる急な下り。13:24ころ。


▲残置ロープを下り終えると、高さ数10mはありそうな垂壁が現われました。凄い岩峰です。13:31ころ。


▲岩峰の下を左へ回り込むと、見えたのがこれ。僕はこの建物が和尚台かと思っていましたが、帰ってから家で調べると、これは奥ノ院なんですね。13:36ころ。


▲奥ノ院の右側にはこんなチムニーがあります。これが和尚台の胎内潜岩(くぐりいわ)です。写真中央のチムニーの奥に祠があるのですが、分かるでしょうか。そこへ向かって鎖が設置されています。祠まで登ると、広々とした岩の回廊があって、そこが胎内潜岩のようですね。反対側に降りることも出来るようですが、そこからさらに岩場に付けられた鎖を何本も登って岩峰の天辺にまで登れるそうです。そして、この岩峰こそが和尚台なのでした。13:38ころ。


▲岩峰の基部にはめ込まれるように建っている奥ノ院の中はこんな感じ。ここで寝泊まりして修行をしていたのでしょうね。13:38ころ。


▲最後にもう一度振り返りました。奥ノ院です。その右には木と重なるようにチムニーがあるのです。13:40ころ。

迦葉山龍華院弥勒寺のパンフレット(沼田市観光協会発行)を読むと、この和尚台や奥ノ院が開山した天巽(てんそん)慶順禅師の修行場所だったようです。


▲これまでよりは傾斜は緩みましたが、それなりの急下降がまだ続きます。13:52ころ。


▲山を下るにつれ、ここが寺の裏山だという雰囲気が次第に強まってきました。この大きな杉の木もそうですね。14:05ころ。


▲開山堂の横を通り、迦葉山弥勒寺に裏側から入っていきます。洗心池の橋を渡ります。14:10ころ。


▲続いて、お寺のお堂をつなぐ渡り廊下の下をくぐりました。この上を覆っている門があるのですが、中雀門と呼ばれているようですね。14:11ころ。


▲くぐると御祈祷受付所(龍願閣)があります。天狗のお面に驚かされます。ここは関東三大天狗の御山として知られているようです。他の二山は東京高尾山の薬王院、栃木県鹿沼の古峰神社だとか。14:11ころ。


▲これが拝殿。大開帳というのは10年に一度この拝殿のさらに奥にある中峯堂奥殿の厨子が一般にも公開されるのだそうです。お天狗様をまじかで拝むことが出来るのだそうです。14:12ころ。


▲駐車場の手前から参道が下っていました。今この道を使って参拝に来る人はいるのでしょうか? ほとんど全員が車で上がってくるのではと思います。14:21ころ。


▲沼田市の天然記念物になっている馬隠杉(うまかくれすぎ)。樹齢千年とも言われ、寺創建前後に植えられたものだそうです。幹回り7.71m、樹高29.0m。本当ならもっと下で下馬しなければならないのですが、こっそりとここまで急坂を馬に乗って来て、この杉に馬を隠したということからこの名が付いたのだとか。14:23ころ。

さてさて、この直後にびっくりなことが! S子が転んで1mくらい下に吹っ飛んだのです。
どうやら上の写真のS子の左足のすぐそばに見えるのですが、切れた有刺鉄線があります。それが靴だかズボンだかに引っかかったのですね。
大事には至らなかったのですが(そうは言っても、その後何日間も膝が痛かったようです)、驚きました。


▲何の御利益があるのでしょうね? 迦葉山弥勒寺の石燈籠はどれもこんな感じになっています。小石が載せられているのです。西日本では鳥居に石を放り投げて載ると幸運が来ると言いますが、これもそんな風習なのでしょうか? 14:30


▲参道を下って行くと、スギの巨樹が幾本も現われます。この寺の歴史の重みを感じますね。14:32ころ。


▲これは何門になるのでしょうか? 黒門と呼ばれているのがこの門なのでしょうか? 表の額には「龍華院」と記されていました。ここは迦葉山龍華院弥勒寺なのです。14:36ころ。


▲先ほどの門からふたつ目の橋です。倒木が橋に倒れ掛かったままになっています。この参道を歩く人が少なくなったとはいえ、早めに撤去・改修して欲しいものです。14:39ころ。


▲これは山門です。ここが参道の入り口。14:53ころ。


▲これも山門なのでしょうか? こちらの方が立派です。15:00ころ。


▲後の山が迦葉山だと思います。和尚台らしき白い岩峰も見えますが、確信は持てません。15:18ころ。

今日の山歩きは前半の長閑さ、後半の急降下からの緊張感、お寺での歴史の趣き・・・・と、変化に富んだ山行でした。S子は下りではけっこうビビっていましたが、終わってみるとあの急下降が一番楽しかったみたいです。


▲迦葉山バス停です。急下降で予定より時間がかかりましたけれど、バスの時刻に間に合うよう意識して歩いて来ましたから、余裕の到着です。ちなみにバスの時刻は15:30。15:24ころ。

今回、のんびりした計画でしたけれど、玉原高原を歩いてみて、今後につながる経験を積むことが出来ました。とりわけ、雪山の時季に通いたい場所ですね。


▲おまけ。翌朝の我が家のベランダ。幕営するといつも同様ですが、テントにシュラフなど、干すものが多くて大変です。


玉原高原を黄葉散策 3日目 1/2 ――― 玉原ダムから迦葉山へ

2015年11月11日 | ハイキング/谷川連峰

2015/10/14  夜明け前、まだ暗闇の中で、昨夜同様フクロウが鳴いていました。同じ個体だと思います。この周辺が縄張りなのでしょう。二度目で馴染みになっていますから、不気味な印象はなくなりました。愛着さえ感じます。
雨も夜のうちに上がり、木の葉から落ちる水滴の音はうるさいものの、今日の好天は約束されているようです。

5時にアラームが鳴りました。今日はテントを撤収し、すべての荷物を背負って迦葉山(かしょうざん)経由で下山します。


▲昨日の朝も食べたワカメラーメン。黒く見えるのがワカメです。最初から具が入っていると、山では便利ですね。昨晩の高野豆腐も半分残っていたので、食べました。6:24ころ。

 
▲お隣りのテントスペースです。キャンプ場はブナ林の中にありますから、ブナの実はそこらじゅうに落ちています。7:50ころ。


▲出発の準備が整いました。僕たちにしては早めの完了。7:52ころ。


▲キャンプ場を玉原湖へ向かって歩き始めました。8:08ころ。


▲車道を行くと、玉原ダムが見えて来ました。中央の山は昨日登った尼ヶ禿山です。8:38ころ。


▲玉原ダム脇の広場にはトイレがあります。ここは開いているはずと目星を付けていましたから、予想通り使用可。綺麗なトイレでした。8:44ころ。


▲玉原ダムの上を歩きます。風が吹き渡り、少し寒いくらい。尼ヶ禿山が。8:57ころ。


▲ダムから南の方角を眺めました。中央の山が迦葉山(かしょうざん)1322.4mです。9:07ころ。


▲中央に武尊山2158.0m、左に鹿俣山1636.7m。9:09ころ。


▲玉原湖畔の林道を進みます。9:12ころ。


▲昨日下山して来た場所から、今日は登ります。9:21ころ。


▲気持ちの良いブナ林の中を登って行きます。9:33ころ。


▲少し赤みが混ざる方がやっぱり秋の山らしくていいですね。9:51ころ。


▲昨日は右からここへ来たのですが、今日はここから左へ向かいます。9:52ころ。


▲ホコリタケです。味はありませんが、食用になります。食べたことはあるのですが、上手に料理しないと味もそっけもないですね。10:10ころ。


▲植生も変わってきました。植林も現われます。10:17ころ。


▲カエデですね。やはり紅葉の女王様! 10:28ころ。


▲ずうっと下って来て、しばらくは平坦な地が続きました。標高1170m前後です。このあたりもブナ林です。11:03ころ。


▲紅葉の美しい木がありました。ハゼの仲間なのでしょうか? よく分かりません。11:16ころ。


▲地図にも途中の標識にも「白樺湿原」と出ていますから、さぞかし美しい湿原なんだろうと期待していました。一ヶ所だけ湿原と言うか、沼地のような狭い場所がありました。藪の隙間からしか見えません。もしこれが白樺湿原なら完全に名前負けしていますね。11:17ころ。


▲綺麗な白樺湿原で休憩しようと、休まずに歩いていました。結局、おとぎの国の湖畔のような白樺湿原はありませんでしたから、道端で休憩。休憩後は迦葉山への登りが始まります。12:01ころ。


▲これもカエデですね。12:16ころ。


▲迦葉山1322.4m山頂到着です。狭い山頂です。12:18ころ。


▲山頂からの展望も思いのほか狭いものでした。子持山とその右奥に榛名山が見えるくらいです。12:22ころ。

僕は迦葉山に間違ったイメージを持ち続けていたようです。と言うのも、迦葉山の宣伝には数多く接していたので、多くのハイカーが訪れる人気の山だと思っていたのです。山頂は広々としていて、平日でもハイカーがたくさんいるような、そんな印象を抱いていたのです。
下山後には理解したのですが、迦葉山とはこの山のことではなく、迦葉山弥勒寺、つまり山麓のお寺のことなんですね。迦葉山弥勒寺の観光宣伝に僕は接していたわけで、僕が勝手に山へのハイキングの宣伝だと早とちりしていたと言うわけです。