ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

阿弥陀南稜を登り、中央稜を下りました

2023年04月14日 | ハードハイク/八ヶ岳

朝はS上さんが3時半くらいから起き出して、朝ご飯を作ってくれていました。ゆっくりとカボチャのたくさん入ったおじやを食べました。各自のザックをまとめ、テントを畳みました。ゆっくりと作業し、6時には出発です。起きた時は満天の星でしたから、陽が昇ると無風快晴の最高の登山日和です。全員、1日目よりも数キロはザックが軽くなっています。水が減ったのが大きいですね。

 

2022年10月16日(日) 阿弥陀南稜(青ナギ~阿弥陀岳)~中央稜下降

▲4:13。これは誰だろう? 哲さんかな?

 

▲5:34。阿弥陀岳にまだ朝陽は差しません。

 

▲5:37。充分行動可能な明るさです。僕がパッキングしていますね。(撮影:S上)

 

▲5:51。いよいよスタート! 左からK野さん、S上さん、SS木さん、哲さん。ヘルメットも被って、ハーネスも装着しています。

 

▲5:55。青ナギを渡るSS木さん。その後ろには僕と哲さん。(撮影:K野)

 

▲6:04。P1への登り初めです。

 

▲6:22。P1に到着すると、一気に絶景が飛び込んで来ます。広大な阿弥陀南稜の尾根の中に、いるのは僕たちの5人パーティーだけ。この大自然を独占しています。(撮影:K野)

 

▲6:24。P1でも記念撮影。左から僕、SS木さん、K野さん、S上さん。(撮影:哲)

 

▲6:26。陽が当たると、心まで暖かく感じられますね。

 

▲6:27。阿弥陀南稜にも陽が当たります。

 

▲6:28。振り返ると、富士山が見えていました。

 

▲6:29。雲海も広がっています。

 

▲6:45。P4がP3の後ろに隠れましたね。眼前のP3からが核心部です。

 

▲6:45。最後尾を締めて歩いてくれている哲さん。

 

▲6:51。いよいよ本格的な岩稜帯に突入します。

 

▲7:00。先頭の二人、K野さんとS上さんは速い!

 

▲7:05。いよいよP3の直下にやって来ました。

 

▲7:08。P2をいつの間にか通過し、P3基部に到着しました。そのまま直進し、P3をザイルを出して登攀するルートもあるようですが、僕たちは左にトラバースし、回りこんだところにあるルンゼを登ります。

 

▲7:10。ルンゼへと下る直前で待ってくれています。SS木さんとS上さん。

 

▲7:14。このP3岩峰の直登も出来るようですが、まずは右下にトラバース気味に下って、ルンゼを登攀します。

 

▲7:25。K野さんがまだみんなより重いザックを背負って、このルンゼをリードします。確保するのはS上さん。

 

▲7:25。ここは出だしの3mほどの垂壁が3級で、ルンゼに入ると岩場はなだらかで2級です。軽やかに垂壁をリードして余裕のK野さん。

 

▲7:39。2番目にS上さん、3番目でSS木さん、4番目は哲さん、ラストが僕です。固定されたザイルにフリクションノットで登りました。

 

▲7:51。滑ると、何10mも墜落していきますから、トップを登るK野さんは緊張感ありますよね。途中でプロテクションもほとんど取れませんし。(撮影:哲)

 

▲8:02。僕はラストでザイルに確保された状態で登って行きました。

 

▲8:03。ラストで登って来ている僕です。(撮影:哲)

 

▲8:07。僕が登って行くと、K野さんよりも10m近く下でSS木さんと哲さんがセルフビレイを取って、居ました。50mザイルならここでギリギリ確保していた場所です。今回は60mザイルを持って来ていたので、もっと上でK野さんは確保しています。上にはK野さんとS上さんがいます。2名よりは多く、上では留まれないので、SS木さんと哲さんは待機していたそうです。

 

▲8:10。僕はSS木さんのところまで来ると、S上さんに指示を出します。「草付きに踏み跡があるはずだから、セルフビレイを外して、上まで歩いて行きな!」と。この写真は草付きを歩いて登り始めたS上さんが振り返って写したものです。(撮影:S上)

 

▲8:10。SS木さんも哲さんもプルージック結び等して、K野さんのところまで行きます。右のザックはSS木さん、中央に哲さん、ラストは僕です。(撮影:K野)

 

▲8:15。ここからはザイルからは離れて、草付きを登って行きます。その草付きも簡単ではありませんが、丁寧に歩を進めれば大丈夫。慣れてないメンバーがいれば、ザイルで確保したこともあります。昔は最初にSS木さんがいた場所までしかザイルは届きませんでした。(50mザイルなので) 皆、そこでザイルから離れて、少しルンゼを登り、草付きに取り掛かったんです。今回は60mザイルですから草付き直前のところまでザイルを伸ばせました。K野さんはラストの僕をまだ確保中。

 

▲8:15。僕は皆とは逆に(写真では左側へ)踏み跡を辿りました。K野さんはザイルをザックに仕舞っているところでしょう。反省点としては、皆がバラバラに登るのではなく、互いに確認できる距離を保ちながら登って行くべきでした。(撮影:哲)

 

▲8:21。稜線に出ると、昨日歩いた稜線や泊まった場所がよく見えました。

 

▲8:22。最後にK野さんが登って来ました。ご苦労様です。

 

▲8:34。草付きをけっこう長い距離登って稜線に出ると、全員は達成感に包まれました。このルンゼが阿弥陀南稜の核心部だからです。「まだこの上にも少し緊張する箇所があるから気を引き締めて行こうね!」と僕は声を掛けます。とは言え、実際はそれほどではありません。雪の時季なら、雪の状態次第で緊張する箇所はあるんですけれどね。写真のスカイラインは赤岳天狗尾根ですね。

 

▲8:35。富士山と雲海です。

 

▲8:35。南アルプスが雲の海に浮かんでいます。手前の左は権現岳、中央は編笠山でしょうね。

 

▲8:38。ハイマツの中を進みます。

 

▲8:38。哲さんも会心の笑顔。

 

▲8:43。最後の岩稜帯が始まります。それほど難しくはありませんが、気は抜けません。(撮影:哲)

 

▲8:45。僕が岩場を登っています。(撮影:哲)

 

▲8:48。山頂はもうすぐです。僕を待ってくれているS上さんとSS木さん。

 

▲8:53。最後の岩稜帯です。

 

▲8:57。右に阿弥陀岳へ登る登山者の姿が見えてくると、我がパーティーの女性陣がその登山者と声を交し合っています。阿弥陀岳山頂には登山者の姿があります。そして、僕も山頂の一員となりました。写真の左の3人はSS木さん、S上さん、K野さんですね。もう何やら食べ始めています。

 

▲8:57。最後に到着した僕と哲さん。本当に感謝しかありません。今回の4人のメンバーの助けを借りて、6年ぶりの阿弥陀南稜を完登することが出来ました。その感動を現わすかのように、360度のパノラマが広がっています。富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、蓼科山、天狗岳、硫黄岳、横岳、赤岳、権現岳。 (撮影:SS木)

 

▲8:58。阿弥陀様? お地蔵さま? この背中側が行者小屋へ下る登山道だと、目印にしていました。

 

▲9:00。横岳と硫黄岳。

 

▲9:00。天狗岳と蓼科山。

 

▲9:01。諏訪湖。

 

▲9:01。遠くに中央アルプス。

 

▲9:01。南アルプス。

 

▲9:02。富士山と権現岳。

 

▲9:03。赤岳とその右に赤岳天狗尾根。

 

▲9:11。僕も食事中。牛乳パックに仕舞ったロールパン。(撮影:哲)

 

▲9:12。最後に記念撮影。左から僕、SS木さん、K野さん、哲さん、S上さん。(撮影:S上)

 

▲9:25。阿弥陀岳からは御小屋根を少し下ります。まずは摩利支天を越えて行きます。写真中央にK野さんとS上さんが見えますね。

 

▲9:29。摩利支天を越えると、御小屋尾根と中央稜の分岐があります。

 

▲9:32。御小屋尾根を下降し、摩利支天の岩場を越えたあたりから中央稜が派生しています。少し迷いましたが、無事に中央稜の踏み跡に入りました。(撮影:S上)

 

▲9:36。ここはもう阿弥陀中央稜かな。

 

▲9:48。御小屋尾根からも離れました。

 

▲10:05。急な下りを緊張しながら下降し続けます。滑ったり、転んだりすると、勢い余って何10mも落下して行ってしまいそうです。ここは上部岩壁を巻き下っている箇所です。

 

▲10:08。上部岩壁を巻き下りました。

 

▲10:32。下部岩壁は左から巻き下ります。上部岩壁よりもずっと大きな岩壁です。

 

▲10:36。下部岩壁がまだまだ続きます。

 

▲10:50。上部岩壁を右から巻き、下部岩壁は左から巻きました。もっと下って、やっと急下降の緊張感から解放されました。(撮影:哲)

 

▲10:54。阿弥陀中央稜も穏やかな尾根になって来ました。僕の気持ちも穏やかになって来ます。

 

▲11:10。樹林の中の踏み跡は安心しながら歩けて平和な感情が湧いて来ます。平和と安心は一体の感情なんですね。

 

▲11:17。沢底へ降りる最後の急斜面手前で、最後の休憩です。

 

▲11:48。谷へ降りる最後の急斜面です。岩壁帯の急下降に比べると緊張感はありません。それまでは念のために付けていたハーネス等の装備も解除しました。

 

▲11:56。沢筋に出て、緑の絨毯のような平坦な道を歩きます。舟山十字路までは僅かでした。

 

▲12:02。カモシカなのに角はないのかな?

 

▲12:21。平和な下山。

 

▲12:51。舟山十字路到着です。お疲れさまでした。

 

▲13:43。その後、お風呂に入りました。

 

一路東京へ。高尾で解散ですが、S上さんは子供さんや仕事のためでしょうか? 先に帰ります。残った4人はSS木さんの馴染みのお店で反省会。テントでも歩きながらでも車内でも、どこででも山のことを喋り続けていましたけれど、最後にお店でまた山のことを喋りました。みんな本当に山が好きなんですね。


阿弥陀南稜初日は立場岳の先の青ナギまで

2023年04月09日 | ハードハイク/八ヶ岳

今回の山行で一番強く心に感じたことはYYDの山仲間への感謝です。そして、僕の取るべき姿勢は謙虚さと柔軟性であることも肝に銘じました。優しくて力のある若い山仲間に甘えてばかりでは駄目ですからね。助言や思いやりの言葉をきちんと受け止めて、今後に活かすことが大事だと思います。

今回の山行計画者は僕です。YYDの山行ではかつて岩稜歩きの伝統もあったようです。僕が入会した2016年以前には阿弥陀南稜の記録も散見されます。しかも、冬の雪山シーズンに登っています。ですから、そのような伝統を若いメンバーにも引き継いでもらいたいと思い、計画を立てました。もし可能なら、今後は雪山の阿弥陀南稜に活かしてもらいたいと思い、重荷を背負ってのテント山行にしました。

今回と同じコースを歩くのなら、土曜日に阿弥陀南稜取付きの河原にテントを張り、 翌日、暗い時間帯から空身で同じコースを歩けば、同じ時間に下山可能だと思います。でも、大きな山を想定して、重荷を背負い、標高の高い山のど真ん中で幕営することは、 より大きな感動を味わうことが出来ますし、より大きな山行にもつながると思うのです。

高齢者である自分にとっても、若い力あるメンバーに支えられて、自分にとって手に余るレベルの山行を達成でき、感謝です。テントも分担して背負うことも出来ませんし、水も最小限しか持てません。ただただ、経験と知識だけを持ち、提供させていただきました。この山行の登攀リーダーは当然ですが、K野さん。僕は判断し責任を取らせていただきます。

 

2022年10月15日(土) 舟山十字路~阿弥陀南稜取付~立場(たつば)岳~青ナギ

▲12:11。舟山十字路に車を停めて、T字路のどこへ進めばいいのか、ちょっと迷いました。Tの字で言えば、左から車で来たのですが、最初は下に行きかけました。でも、正しくは右だったのですね。

 

▲12:46。林道を進むと、やがて河原へ向かう分岐があります。その河原の対岸に阿弥陀南稜への登山道があります。

 

▲12:57。2016年10月に2泊3日でテン泊した河原から、阿弥陀南稜には取付きます。踏み跡はほぼ一般登山道レベルで付いています。

 

▲13:13。僕にとっては何年ぶりの重いザックでしょう? (撮影:哲)

 

▲13:30。こんな場所も出ては来ますが、ほとんどは普通の山道です。

 

▲14:04。樹々が黄葉しています。

 

▲14:22。こんな木札があちこちに置いてあります。令和4年7月16日とか令和4年9月17日とか読めますね。何のためのものなんでしょう?

 

▲14:37。少し傾斜も緩んで来たように思えます。

 

▲14:47。立場岳2370m山頂です。左からK野さん、S上さん、僕、哲さん、SS木さん。

 

▲15:04。舟山十字路からほぼ3時間青ナギに到着しました。

 

▲15:05。心地よさげに佇む僕。(撮影:S上)

 

▲15:16。阿弥陀岳山頂を覆い隠していたガスが晴れました!

 

▲15:16。皆一斉にカメラを向けます。(撮影:S上)

 

▲15:16。望遠で撮ってみました。

 

▲15:17。日没前に、一瞬阿弥陀岳の岩壁が輝きました。写真に歩くコースを赤い矢印で示しました。P3直下の破線部分が核心部です。

 

▲15:48。それからは延々と山談義が続きました。標高2360mの天場です。見渡すことが出来る範囲内で、人間は僕たち5名だけ。軽量化と標高が高いのでアルコールは少なめに、と厳命したにもかかわらず、豊富にある飲み物。ビールでの乾杯からスタートし、哲さんのつまみ、K野さんの惣菜を口に運びながら、宴会スタート!

 

▲16:33。僕はお馴染みのネパール風豚バラ肉カリー、家で作ったのを冷凍して持って来ています。冷凍庫から出して9時間は経っていますが、周りも全然融けていません。焦げ付きそうなので、少々お湯を加えて、中火で温めます。(撮影:哲)

 

▲16:43。SS木さんのもつ鍋は下準備が丁寧になされています。もつもとっても新鮮で味が良く、野菜もたっぷり入っているので、山飯としては最高の贅沢ですね。

 

▲17:03。SS木さんは酒には弱いですし、僕も赤岳天狗尾根での失敗以降、山でのアルコールは控えています。みんなに迷惑を掛けてしまいますからね。(二日酔いで歩けなくなりますから) 後の3人は飲みまくっています。実に強い3人です。

 

▲18:46。暗くなると、満天の星空でした。寝る直前までテントの外で飲み食いできました。風もなく、暖かな夜でした。もちろん吐く息は真っ白でしたけどね。

 

▲18:47。S上さんとK野さん。この二人は酒も強いし山も強い。

 

▲19:35。SS木さんと僕がテントに入ってからも、まだまだ飲み続けていました。それでも9時くらいには就寝したようですけれどね。(撮影:S上)

 

夜中からは半月が上ったようで、テントの外が明るく照らされていました。