ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

天覧山平日岩トレ№14 ――― HTさんにとって驚異の1日でした。最下部岩場10往復最速記録、鏡岩卒業、トラバース岩3往復成功!

2023年07月14日 | 岩登りトレーニング

曇りという天気予報でしたけれど、実際は薄曇りで、太陽も姿を現わし続ける、薄日も差し続ける1日でした。陽が照ってるんですから、晴れているも同然でした。気温も高くて、岩も冷たくなく、いいクライミング日和でした。

 

2023年2月7日 天覧山平日岩トレ№14

▲10:49。最下部岩場に到着すると、広場には点々と土の盛り上がりが。どうやらモグラのようです。モグラの地下通路に沿って、盛り土が並んでいました。

 

▲10:46。その盛り土のひとつを観察すると、地下通路に通じる穴が出て来ます。指を突っ込んで調べてみると、隣りの盛り土に向かって、穴が通じているのが分かります。500円硬貨とほぼ同サイズの穴ですね。

 

モグラ報告はこれくらいにして、HTさんのウォーミングアップの最下部岩場10往復です。

 

▲10:57。いつもと違う角度からパチリ!

 

▲11:01。写真の左端が左の折り返し場所です。

 

▲11:05。なんとなんと、20分27秒60! 1往復平均が2分2秒76です。

 

そしてもっと凄いのは、5往復ずつのラップタイムは計っていたのですが、前半の5往復は11分32秒34、1往復平均が2分18秒23でした。そのラップタイムを聞いて、HTさんは思ったのだそうです。「思いのほか速いな。後半はもうちょっと頑張ってみようかな」と。それで、少し頑張った結果が、後半5往復が8分55秒26、1往復平均が1分47秒05! 猛烈な速さですね! 最下部岩場のトラバースはウォーミングアップとの位置づけで速さは無視しているのですが、毎回繰り返しているので、少しずつ無駄な動きが削られて、流れるようなムーブに進化していっているんですね。

 

続いて、鏡岩に行きました。

 

▲11:23。まずはこの日の課題のひとつでもあったトップロープのセット。トップロープのセットでもっとも大切な点(=セルフビレイを取る)を確認してスタート。まだ時間はかかりますし、細かな点で自信のないことは多いですが、さほど問題なくセット出来ました。

 

いよいよ鏡岩5.7へのトライですが、この日のもうひとつの課題に挑戦です。それは鏡岩の登攀を完成させること。完成の基準として、僕は3度続けてノーテンションで登ることと、考えました。 もちろん、ザイルを強く張ることもしません。

 

▲11:44。ムーブは前回に完成させていましたから、今回はその通り登るだけ。頭の中にも体の中にもそのムーブが確立されているようで、実に精巧に登って行きます。

 

▲11:46。1回目、ノーテンで登攀成功し、2回目の前に、レストしつつムーブを再確認するHTさん。

 

▲11:50。HTさんは見事3連続で綺麗な登攀! これで鏡岩5.7を卒業です。

 

HTさんが鏡岩を初めて触ったのは、3ヶ月前の11月のことでした。この頃は最下部岩場のトラバース10往復もまだ出来ていませんでしたし、小ハングも登れていませんでした。急行レベルのスピードではありませんけれど、各駅停車の着実さで成長しています。素晴らしいですね!

 

続いて、暖かなトラバース岩へ。

 

▲12:16。この日の課題はトラバースの1往復半達成です。写真は1往復へ向かっての復路ですね。

 

▲12:27。これまた、問題なく達成! 1往復半の右端で数分間レストしました。その間に、前腕のストレッチも。

 

そのまま続けて2往復にチャレンジしてもらいました。でも、2往復直前、2歩手前で足が滑って落下。ほんのちょっとだけ気を抜いてしまったせいでの失敗でした。

 

ここで昼食。

 

▲13:10。昼食後、HTさんは再びトラバースに挑戦します。2往復直前でのケアレスミスが悔しかったのでしょうね。

 

▲13:11。パワー系ムーブの1ヶ所。右足をこの位置にピンポイントで決めなければ、足は滑り易く、バランスも悪くなります。

 

▲13:12。往路の成功、半往復は今では当り前な感じですね。

 

▲13:20。1往復成功です。

 

▲13:34。1往復半を達成し、2往復へと向かうパワー系ムーブの箇所ですね。

 

▲13:37。2往復成功!

 

▲13:54。2往復半も成功させて、3往復へと後わずか。失敗しないように、レストポイントではしっかりとレストします。

 

▲13:56。3往復成功です! 3往復半は成りませんでした。でも、凄い!

 

このトラバースは片道だけでも息が上がるほどの強度のある運動です。半往復ずつじっくりと休まないと、続けられません。腕や指への負担も大きいので目に見えて疲労が蓄積されていきます。でも、継続して続けて行くと、次第に息も上がらなくなりますし、腕や指も疲れなくなります。このトレーニングの効果が明瞭に自覚できるようになります。HTさんはこの日の3往復成功で、10往復達成に向けての自信を深めたようですね。次回は5往復、さらに次は7往復、そんな風に実現の可能性を感じているようでした。このトラバース岩10往復が今の最下部岩場10往復の代わりに、その日最初のウォーミングアップになる日も近いと思います。

 

最後に蛇岩へ行きました。HTさんはまだ蛇岩を登れていません。一番左の5.5の易しいルートも登れていません。トップロープのセットもHTさんにやってもらいました。今後は毎回HTさんにやってもらいます。

 

▲14:56。5.5のルートを最初に登ってもらいましたが、確かにぎこちないですね。半分ザイルにぶら下がってる感じです。ホールド(特に左手)の掴み方、そして体全体の体勢の取り方がまだよくありません。2度目は登れましたけれど、まだまだ綺麗な登り方ではありません。

 

▲15:06。続いて、その右隣りの膨らんだ岩のルート5.7にチャレンジしてもらいました。ここは5.5のルートの課題がよりシビアな形で出て来ます。5.5がまだ克服できていませんからこのルートは登れません。しかも、トラバース岩でかなり腕と指の筋力を使い果たしていますから、尚更です。何度もトライしましたが、この日は無理でした。

 

岩登りを始めた人の中には素質溢れる人がいます。僕の山仲間の中にも、現在5.13クライマーのY根君なんか、最初のころから5級ルートをリード出来ちゃってました。今5.14クライマーのH原君は最初は普通でしたね。基礎は修得していた時点で、僕と知り合ったのですが、その時は4級+をリードするのに、ものすごく緊張してました。彼の奥さんとなった女性は今は5.13クライマーですけれど、結婚する前に日和田で会った時は3級の岩場を怖がるような普通の女性で、岩登りが好きになるとは思いもよりませんでしたね。

こういう僕も岩登りセンスは極々普通でした。鏡岩の1歩目が立てず、両足がなかなか地面から離れませんでした。ただ、僕はザイルが必要な沢へ自分で行けるようになりたいという明確な目標がありましたから、人一倍努力したことだけは確かです。今の僕をYYDの皆さんが見て、過去の僕の姿を信じてもらいにくいと思います。でも、誰でもトレーニングを継続すれば、一人前のクライマーに成れるのです。沢登りで滝を登攀する登攀リーダーに成れるのです。この僕の信念はHTさんを見ていても強く裏打ちされる思いですね。N村さんを見ていてもそう思います。継続は力なり、です。

 

HTさんの継続に転機が訪れます。翌週の14日からS子の自宅介護がスタートするからです。これまでとはHTさんとの平日岩トレも実施の方法が変わると思います。回数も減ります。でも、継続したいと思っています。HTさんの意欲が続く限り。HTさんが独りで天覧山のトレーニングが出来るようになるまで。

『さっちゃん 空を飛ぶ』にS子の状況が記されています。興味ある方はご覧ください。

最後の介護トレーニングを済ませました。自宅への帰還に向けて動いています

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