ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

第10回山行μ――阿蘇の烏帽子岳をリベンジ登頂! ミヤマキリシマが満開でした!

2014年06月18日 | ハイキング/山行μや山行χ

昨年の7月7日に烏帽子岳に西麓の湯の谷温泉から登りました。でも、草千里に着いた時には雨。そこからバスで下山するしかありませんでした。
今回はそのリベンジです。ただ、同じコースからではつまらないですから、反対側の草千里東端からのルートを選択しました。
前回の記録は http://blog.goo.ne.jp/1940sachiko/d/20130720 を読んでみてください。

2014/5/21  豊肥本線の平成駅8:48の列車に乗ると、阿蘇駅に10:08到着。バスが10:15発ですから、連絡は最高でした。

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▲阿蘇駅前から阿蘇の中央火口丘が見渡せます。上の写真の右から杵島岳と往生岳が重なり合い、左端には中岳と高岳が見えています。下の写真の中央も同じですが、僕には中岳と高岳の区別はよく分かりませんね。いちばん左のゴツゴツした山は根子岳。この山には是非登ってみたいものです。10:15ころ。
往生岳以外は阿蘇五岳なのですが、もうひとつの阿蘇五岳である烏帽子岳は見えていません。その烏帽子岳が今日のターゲット。

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▲草千里の火山博物館のバス停のひとつ先で下車します。ヘリポート前バス停です。一面ガスに覆われていて、杵島岳も烏帽子岳もまったく見えません。10:58ころ。
二人をバス停に残して、僕は登山口を探しに行きました。

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▲バス停から200mほど草千里側へ戻ったところに登山口らしき道がありました。道路がカーブするあたりです。でも、標識などは全然ありません。上方を見上げてもガスがかかっているので、尾根の続き具合など目視での確認は出来ません。とはいえ、地図と照らし合わせると、この辺りの尾根沿いに登山道が付いているはず。11:03ころ。

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▲道はすぐに踏み跡程度になりましたが、高度を上げることなく続いていました。11:07ころ。

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▲踏み跡は山へ登ることなくずうっと先まで続いているようです。いくらなんでもこの道ではありません。11:08ころ。
とりあえずここで小休止。

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▲少し休んで、地図を見直したりしました。少しだけ元に戻り、写真のこの設備(何のためのものでしょう?)あたりから登ってみることにしました。この辺りが登山道が付いているはずの尾根の末端だからです。11:24ころ。

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▲十数分間は藪漕ぎでした。僕とS子にとっては慣れた藪漕ぎですからさほど大変ではなかったのですが、Mちゃんにとっては初体験! 灌木がまだらに生えた場所で登山道のないところを歩いたことはあるMちゃんですが、灌木を腕力で押し分けながら、体を木の隙間をくぐらせるようにしながらの本格的藪漕ぎは初めてです。
途中「もう帰ろ~ぉ!」と泣きも入りましたが、「すぐに登山道に出るから」と、なだめすかして引っ張ったというわけ。登山道がどこにあるのか定かではないせいで藪漕ぎしているわけですから、「すぐにある」と言うのは嘘八百ですけれど、まあ、一時間もこんな藪漕ぎが続くはずもないですしね。藪がうるさいだけで、危険はありませんし。
写真は藪漕ぎから脱出して登って来たMちゃんとS子。11:40ころ。
後ろにはバスで通った道路が見えています。

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▲登山道かどうかは分かりませんが、尾根沿いのしっかりした山道が出て来ました。11:42ころ。

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▲思いがけない出会いでした! ミヤマキリシマです! 11:48ころ。
かつて、九重山の大船山や阿蘇の仙酔尾根で季節外れのミヤマキリシマを僅かだけ見たことはありましたけれど、本当の旬の季節にこんなに満開のミヤマキリシマを見るのは初めてです。

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▲ハルリンドウも咲いていました。小さな可愛らしい花。11:51ころ。

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▲マイヅルソウです。小さくて可憐な花を舞う鶴に例えたのかと思いきや、そうではないそうです。葉の葉脈模様が舞う鶴のようなのだそうです。11:52ころ。

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▲ミヤマキリシマの中を登るMちゃんとS子。11:54ころ。

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▲再び、ハルリンドウです。ハルリンドウは1本の茎にひとつの花が咲くそうです。よく似ているフデリンドウは1本の茎に複数の花を付けますから、混みあった状況で咲くそうです。11:58ころ。

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▲ガスに覆われ、ミヤマキリシマに囲まれ、二人は登り続けます。12:03ころ。

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▲標識が初めて出現しました。昭文社の地図には出ていませんが、草千里からの登山道もあるようですね。12:05ころ。

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▲イワカガミも咲いていました。綺麗な淡いピンクです。マイヅルソウの葉っぱもありますね。12:19ころ。

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▲両サイドには途切れることなくミヤマキリシマが咲き誇っていました。12:21ころ。

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▲葉も茎も艶やかで美しいですね。12:29ころ。

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▲山頂から草千里が薄っすらと見えました。ふたつの池も確認出来ますし、火山博物館の建物も見えています。12:36ころ。

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▲草千里は2万7千年前の大噴火の噴火口だったのですね。詳しくは写真をクリックして拡大し、説明板を読んで下さい。12:37ころ。

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▲今日は小コッフェルとバーナーを持って来ていますから、お湯を沸かしてカップヌードルを食べるつもりです。12:52ころ。
ところで、これまで写真の顔を塗りつぶしたりして、個人が特定できないように、プライバシーを守る努力はして来ました。顔を塗り潰す色を色見本の中から選んでいたのです。ところが、写真画面の中から色を選択できることを今回初めて知ったのです。
このコッフェルにはマジックで僕の名前が書いてあったのですが、それを消す作業を加えています。初めて知った方法でやっているのですが、まったく分かりませんよね。
知っている方にとっては、笑ってしまうようなことでしょうけれど、僕にとっては進歩の大発見でした。

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▲もうひとつ説明板がありました。南側の外輪山はガスで見ることが出来ません。13:11ころ。

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▲烏帽子岳1337.2mでの記念写真。S子とMちゃん。13:12ころ。

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▲下り初めは急下降です。Mちゃんは何度も滑ります。そこを僕が待ち構えて、パチリ! 13:23ころ。

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▲ミヤマキリシマはところどころに咲いていますが、この下る道で優勢なのはススキ。
この辺りは山の高い傾斜地なので放牧地ではないと思います。春先の野焼きはしないでしょうから、ススキが思いきり伸びるのですね。昔なら屋根を葺くススキを採る茅場だったのかもしれません。13:26ころ。

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▲下る山道の左側はとても急な斜面でした。ミヤマキリシマがポツポツと咲いています。13:34ころ。

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▲草千里の端が見えました。池のひとつと火山博物館が見えています。13:36ころ。
少し前から「おかしいな?」と思い始めていました。昭文社の地図の通りだと、ずう~っと草千里が見えていても良さそうなのに、全然見えないからです。
おそらく正しい登山道は池と博物館手前に見えている尾根にあるのだと思います。そして、池に近づいた辺りで左へ方向転換し、垂玉温泉へと向かうのです。今日僕たちが歩いているこの尾根は烏帽子岳の西尾根なのだと思います。途中に1046m標高点を持っている尾根でしょう。
でも、しっかりした山道がありますし、登山道へ合流する方向へ延びていますから、大丈夫だと判断したのです。

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▲だいぶん下って来ました。振り返ると、烏帽子岳山頂付近のガスも消えかかっています。僕たちが下って来たのは、中央の顕著な谷も見えますから、烏帽子岳の西尾根に違いありません。14:12ころ。

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▲フジのような花が地面にたくさん落ちていたので、辺りを探すと、背丈の低い藤の花が咲いていました。高い灌木がないせいか、フジの木自体も低いようです。14:18ころ。

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▲正式な登山道へ出ました。右へ行くと、草千里の縁を経て烏帽子岳へ至るのです。左へ行くと、垂玉温泉。14:18ころ。
その後、じっくりと地図を見直しました。結論は昭文社の地図に記されている烏帽子岳から草千里の縁へ下る登山道は間違っています。二万五千図に記された登山道の方が正しいのだと思います。
つまり、こうです。烏帽子岳は小さな双耳峰のようになっていて、すぐ近くなのですがピークがふたつあるのです。二万五千図ではそのうち北東側のピークからまずは北へ、そしてすぐに北西へ登山道が出ています。一方、昭文社の地図では南西側のピークからまずは西へ、そして徐々に北を向くように登山道が記されているのです。その赤い線は昭文社の地図上でもあきらかに烏帽子岳の西尾根と外れており、急な谷筋に付けられた登山道のようです。
実際に昭文社に記されたコースに近い道を今回は歩きましたから、その間違いは確認できました。でも、二万五千図のコースを歩いたわけではありませんから、そちらが正しいとの確認は出来ていません。とは言えおそらく、二万五千図の方が正しいでしょうね。
一般的には、昭文社の地図の方が最新の登山道の状況を正確に反映していることの方が多いので、どちらかと言えば昭文社の地図を信頼することが多いのですが(二万五千図では地形の確認が主なので)、こういうことがあると、やはり帰省時の登山でも地形図は必携ですかね?
※最近になって昭文社の2014年版を見直してみました。烏帽子岳からの登山道は正しく訂正されていました。ちなみに、僕が持っていたのは2006年版。
今回はこの西尾根にしっかりした山道が付いており、見通しもきいてどの辺りに行くかが分かっていたので、安心感はあったのですが、そうでなければもう一度山頂へ登り返して、草千里へ至る山道を探すことになったと思います。

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▲僕はこういう花を見ると、なんの疑いもなくナルコユリ(鳴子百合)だと考えるのですが、調べてみると、アマドコロなのかもしれません。ふたつの花の違いはなかなか区別しづらいのだそうです。14:53ころ。
鳴子というのは時代劇などで侵入者の存在を知らせるあのカタカタと音がするやつです。2枚の板きれを一組に、それらを長い紐に幾つも吊るしておくのです。その板をこの白い花に見立てて、似ているのでそんな名前がついたのです。
アマドコロは茎や根に甘みがあるのだそうですね。

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▲途中、林道を横切りました。小さな池があったりします。15:06ころ。

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▲牧場の柵の外に咲いていた花です。茎が角張っています。キク科の花だとは分かるのですが・・・・ 15:15ころ。

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▲ウツギの仲間だということは分かるのですが、何ウツギでしょう? おそらくハコネウツギなのではないかと思います。15:16ころ。

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▲山道は牧場の柵の脇を通っています。阿蘇の赤牛が寝そべっていました。15:19ころ。

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▲マムシグサにしては全体が緑色なので、アオマムシグサなのだと思います。15:21ころ。

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▲こんな牧場脇を歩いています。御竈門(おかまど)山1152.5mも見えていました。15:22ころ。

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▲垂玉温泉側の登山口。15:46ころ。
垂玉温泉からタクシーを呼んで最寄駅まで行くことにしました。

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▲垂玉温泉の山口旅館です。15:48ころ。

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▲金龍の滝というのだそうです。写真の中央下に茶色の小滝が見えますが、ここが垂玉温泉の源泉。塀で囲まれたところは露天風呂なのでしょうか。15:50ころ。

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▲垂玉温泉の由来が書いてあります。関心のある方は写真をクリックし、拡大してから読んでみてくださいね。16:02ころ。

垂玉温泉でタクシーの電話番号を教えてもらおうとしました。すると、すぐに電話して呼んで下さいます。心遣い有難うございます。そんな訳で地元の美味しい牛乳を1本購入して飲みました。

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▲タクシーが連れて来てくれた駅がこれ。駅名は『阿蘇下田城ふれあい温泉駅』です。切符売り場も改札口も待合室も何にもありません。このホームに入って来るための入口もないのです。
「どこから入るのかって?」
この写真の建物の脇から自由に入れるのです。16:23ころ。
ちなみにお隣の駅の名前は『南阿蘇水の生まれる里 白水高原駅』なのです。鉄道の駅名としては最長なんだとか。

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▲この建物の裏側にホームがあるのです。この建物が駅舎と言えるのかどうか分かりませんが、ひとつ確かなことは中央の入口から入ってもホームには通じていないこと。この建物の手前と向こう側のどちらかの脇を回って行けばホームに入れるのです。16:23ころ。

途中、立野駅と肥後大津駅で乗り換え、平成駅ではMちゃんのママに車で出迎えていただきました。
昨年5月に亡くなった母の法事のおかげで、この時季の九州の山に登ることが出来ました。気候もちょうど良く、花も咲いているので、山歩きにはいい季節ですね。

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