ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

天覧山平日岩トレ№12 ――― 記録ずくめのトラバースの一日でした

2023年07月05日 | 岩登りトレーニング

この日は平日にもかかわらず、W科さんと哲さんも参加してくださって、楽しく充実した一日になりました

 

2023年1月5日(木) 天覧山平日岩トレ№12

▲10:01。この日も気温は低く、麓の池には薄氷が張っていました。

 

4人をHT・僕とW科・哲に分けて、それぞれがトレーニングに勤しみます。

 

▲10:43。HTさんは最初にトラバース岩でのトラバース片道(往路)に挑戦。まだ筋肉疲労のない状態でチャレンジしてみました。するとすぐに驚きの出来事が。これまで怖くて僕の補助(と言っても、落ちても寸時に受け止める安心感だけの提供ですが)なしには出来なかったのに、「怖い!」と言う発言なしに、まったく問題なく第一関門を通過してしまいました。これには本人も吃驚したようです。もともと僕の補助は精神的なものでしかなく、実際は補助なしでも出来ていましたから、気持ちの持ちようだけだったのですけれどね。写真は第1関門と第2関門の中間です。第1関門では写真は撮れませんからね。

 

この勢いで片道トラバース成功かと思ったのですが、そうは簡単ではありません。何度トライしても1度は落下してしまいます。どうやら朝いちでトライすると、筋肉がまだ温まってなくて、急に負荷がかかってしまって、良くないみたいなんですね。次回は最下部岩場の10往復をしてから、トラバース岩をトライしてみようということになりました。

 

HTさんがトラバース岩をしている間、W科さんは最下部岩場の10往復にチャレンジ。またしても驚異的な記録が生まれました。前々日の3日22分44秒87というタイムを叩き出したばかりなのに、またしても凄いタイム! 何と! 20分48秒27! ラップタイムは以下の通り。

1往復目:2分17秒90

2往復目:2分35秒05

3往復目:2分20秒33

4往復目:2分21秒43

5往復目:2分11秒72

6往復目:2分06秒08

7往復目:1分49秒44

8往復目:1分43秒66

9往復目:1分41秒57

10往復目:1分41秒05

凄いです! 1分台が4往復も続くなんて凄すぎる! ラップタイムは哲さんが取ってくれました。

 

▲11:18。これがラップタイムの記録です。

 

HTさんも最下部岩場に降りて来て、10往復のトラバースをしました。

 

▲11:51。HTさんも最下部岩場に降りて来て、10往復トラバースにトライします。ここでまたまた凄い記録が!

 

ラップタイムを記しておきます。

1往復目:2分18秒01

2往復目:2分33秒87

3往復目:2分22秒59

4往復目:2分10秒82

5往復目:2分03秒29

6往復目:2分01秒96

7往復目:1分54秒51

8往復目:1分53秒45

9往復目:1分47秒96

10往復目:1分46秒24

凄い! HTさんも1分台が4往復も続きました! ラップタイムの往復回数を追っての傾向もW科さんとHTさんでは同じようですね。トータルでは20分52秒71でした。W科さんが4秒44速かったんですね。でも、これは差とは言えませんね。同じです。二人とも僕の2021年の最速タイムを超えてしまいました。ただし、W科さんは1回フォールしたんだそうです。HTさんはノーフォールですから、厳密に言えばW科さんのタイムは参考記録です。まあ、そんなことに意味はありませんけれどね。

僕としては、指や腕の筋持久力アップのためのこの最下部岩場トラバースを楽しんでもらえてるようで、嬉しいです。もうこれ以上のタイム短縮は意味がありませんから、時間を計ることはこの二人に関しては止めたいと思います。今後はウォーミングアップとして、30分かからない程度のスピードで行なえればいいと思っています。それにしてもこの二人のパフォーマンスは素晴らしかったですね。

 

HTさんが最下部岩場でトラバースしている間にW科さんと哲さんが鏡岩にトップロープをセットしてくれました。HTさんもそちらに合流します。W科さんと哲さんはこの鏡岩5.7は登れています。ですから、最初に1回ずつ登ってもらって、蛇岩のトップロープセットに行ってもらいました。

 

▲12:28。W科さんが良いバランスで鏡岩を登って行きます。

 

▲12:36。哲さんも問題なく登って行きます。上のW科さんの写真と同じ位置ですね。

 

▲13:17。この写真のHTさんの位置から右足を一歩上げれば、上のW科さんと哲さんの写真と同じ位置になります。そうなると、鏡岩の解決が半分以上見えて来るのです。HTさんは1度はノーテンションで登れたことがありますが、まだ安定的にはクリアできていません。

 

この日もHTさんは何回も何回も岩に取り付いて練習しました。より良いホールドを探し、足を上げるためのムーブや手順を考えます。この日も気温は低いですし、鏡岩のある場所は木陰ですから、陽も多くは当たりません。冷たい岩に指先も凍えるように感じられます。何10回トライしたでしょうか? 1度はノーテンションで登れたのですが、やっぱり安定的に常に登れるわけではありません。

 

蛇岩は左から5.5、膨らんだ岩5.7、フェース左5.8、フェース右5.8+(5.9はないし、左ルートよりは難しいのでこのグレードに落ち着きました)の4本設定しています。W科さんたちは右の3本にトライしていました。

 

▲13:29。鏡岩の左から写真を撮りました。W科さん確保で哲さんが登り終ったようですね。膨らんだ岩5.7を登ったのでしょうか。

 

▲13:54。鏡岩前の広場に降りて来て、W科さんと哲さんも遅い昼食タイム。

 

1時を大幅に過ぎ、2時に近づいています。昼食を挟んで、HTさんは再度鏡岩にトライしました。でも、状況は変わらず、この日の鏡岩は終了。

 

▲15:08。HTさんはやっぱり鏡岩が気になって、再度チャレンジ!

 

HTさんも蛇岩へ行きます。

僕が行った時にはフェース左ルートにW科さんがトライし始めていましたが、上手く登れないようです。前回は登れていたのに、登るムーブを忘れてしまっているのです。クライミングではよくあることですね。そのうち思い出して、まずまず登れるようになりました。

 

▲15:24。W科さんはフェースの左側ルート5.8に挑戦中!

 

▲15:29。膨らんだ岩ルート5.7でしょうね。HTさんがチャレンジしています。

 

▲15:35。HTさんは頑張り続けています。哲さんが確保、W科さんも見上げて応援しています。

 

最後にトラバース岩へ行きました。

 

▲16:06。4時にはHTさんはトラバース岩へ行きました。どうしても片道は完成させたいと強く思っているのでしょうが、なかなか相手は難敵です。1フォールではコンスタントに出来るのですが、ノーフォールではなかなか出来ません。端から見ている僕が思うにも、あれだけ鏡岩にへばり付き続けていましたから、腕や指の筋力はもうほとんどないはずなのに、ちゃんと出来ている方が不思議です。

 

そのうち、W科さんも上がって来ました。セットしたザイル等の回収は哲さんがやってくれています。

 

▲16:24。W科さんもトラバースにトライ。2日前往路と復路、それぞれは完成させていますから、この日はそれを1往復に繋げることが目標です。写真はHTさんにとっての第1関門へ移る直前です。

 

▲16:27。HTさんの第3関門のコーナーです。体を沈めて、左足を動かしているところですね。

 

▲16:28。最初のトライでまずは左から右への片道、出来ました! 右端でゆっくりと休息をとってもらって、筋肉を休めます。そして復路スタート。

 

▲16:30。復路の最初の関門、パワー系ムーブの箇所です。

 

▲16:30。ここも関門。コーナーの立ち込みです。写真の姿勢から左足を軸に立ち込み、左手で伸ばした位置にあるホールドを掴むんです。

 

▲16:32。これからが復路最後の関門です。

 

▲16:34。W科さんは復路の方が問題なさそう。左端まで到達して、1往復完成! 「まだ降りちゃ駄目だよ。1往復半にチャレンジしよう!」と僕は言います。写真は1往復成功の喜びに浸る間もなく1往復半へ向かうW科さん。

 

でも、半分を越えたあたりで落下、1往復半は見送りです。とは言え、凄いです! このトラバース岩は様々なムーブが含まれていますし、最下部岩場のトラバースよりも1段階上の筋持久力養成に役立ちます。これから往復回数を増やして行って、10往復できるようになって欲しいと思います。

 

▲16:41。表情には出しませんが、HTさんもW科さんの1往復完成を見て、対抗心メラメラのはず。写真は第3関門のコーナーです。左足をクロスさせて先のスタンスに置くところです。右手はすでに下ろしていますから、続いて左手も下ろして、体全体を下げながらコーナーを回らなければなりません。

 

▲16:42。体を下げて、コーナーを回るHTさん。日没時間も近づいています。夕方のトライでは新しい成果を上げることは出来ませんでした。でも、この努力は必ず報われるはずです。

 

この日も充実した練習が出来ました。日没後の薄暮の時間まで練習は続きました。暗い中、下山します。

 

『あきちゃん』はこの日はお休みなので、久し振りの『のんのん』へ行きました。ところがお店はお休み。飯能駅ビルの『○○農場』へ行き、3時間もの楽しい語らいの時を持ちました。

HTさんを見ていると「継続は力なり」という言葉が実感できます。着実に力を付けて行っています。W科さんはどこにあんな才能が隠れているんでしょうね? 素質のある方ですから、それを伸ばして行ってくれればと思います。哲さん、前日に鳳凰二山から戻ったばかりなのに、参加してくれました。たくさん手伝ってくれて、助かりました。クライミングの素質も素晴らしいので、地道な努力を続けて欲しいと思っています。

素質や才能がある人も継続して努力しなければ、宝の持ち腐れです。クライミングを楽しみ続けて欲しいと思います。僕やHTさんのように素質がとりわけなくても、素質のある人と遜色なく成長は出来ます。楽しく続けて行きさえすればそうなるんです。スタートした半年や1年間は素質ある人のことを羨ましく思ったりすることもありますけどね。