ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

新年早々、三が日にも天覧山で岩トレ!

2023年07月04日 | 岩登りトレーニング

三が日のこの日は穏やかで暖かな天覧山でした。多くの市民(多分)の方々が老若男女区別なく天覧山を訪れていました。でも、さすがにクライミングに来ているのは僕たちだけ。

 

2023年1月3日(火) 天覧山岩トレ

▲9:57。天覧山の麓の公園の池に薄い氷が張っていました。昔は普通だった池の凍結も今は珍しいことになっています。

 

▲10:14。獅子岩の上からは純白の富士山が見えます。

 

▲10:44。W科さんが、まずは最下部岩場のトラバース10往復にとりかかります。

 

▲11:06。またまた驚異的な記録が生まれました。HTさんにせよ、W科さんにせよ、素晴らしいですね。

 

では、W科さんのこの日の記録です。

1往復目:2分34秒44

2往復目:2分37秒18

3往復目:2分44秒85

4往復目:2分32秒71

5往復目:2分14秒11

6往復目:2分05秒50

7往復目:2分06秒70

8往復目:2分02秒39

9往復目:1分58秒97

10往復目:1分48秒01

トータル22分44秒87、1往復平均2分16秒49。二人とも僕の最速タイムとほとんど変わらないですね。でも、何度も言いますが、これはタイムを競っている訳ではありません。あくまでもウォーミングアップ。ある程度の速さはウォーミングアップが順調に機能している証拠でもあります。

 

最下部岩場のトラバースが終わると、次は蛇岩です。

 

▲11:34。W科さんが「自分でトップロープをセットしたい」と言うので、そうしてもらいます。その前に「セットする際にいちばん大切なことは何だと思う?」と聞いてみました。W科さんはしばらく考えて、「セルフビレイ?」と答えます。正解です。セルフビレイを取って、本人の安全さえ確保していれば、たとえ上手くセット出来なくても大丈夫。手直しをすればいいだけですから。

 

▲11:45。でも、ほぼ完璧にトップロープのセットが出来ていました。

 

▲12:00。さっそく蛇岩を登ります。最初のルートは岩の膨らんだ部分を登る5.7のルート。ここでは岩の形状に合わせた登り方をマスターします。右上がりの斜めホールドがルートの左側に多くあります。そのホールドを主に左手で使います。斜めホールドを左手で掴み、左腕を伸ばし、身体を右に傾けると、比較的腕に負担なくバランスを維持できます。左腕を曲げたまま下に引いて持つと、力もいるし、バランスも保ちにくいのです。写真では斜めホールドの箇所を通過後、岩に正対して登る箇所になっていますね。

 

▲12:22。W科さんは1テンかかるかかからないか(1度ほどザイルにぶら下がるかぶら下がらないか)くらいで登れるのですが、納得できる楽な登り方がなかなか出来ません。何度も繰り返します。

 

たまに僕も登ります。意識的にゆっくりと登ります。W科さんが自分で納得できるクライミングが出来たか否かは明確ではありませんが、次のルートに移りました。

 

▲13:20。2本目はフェースの左側のルート5.8。左の膨らんだ岩を使ってもいいことにしています。最初の核心部は2mほど上のバンドに立ち込むまで。これが意外と難しいんです。でも、バンドから上のフェースを登るのがもちろんこのルートの核心部。スタンスをどこにするのか、決めるのも難しい。左側の膨らんだ岩を使ってもいいと言われても、思いのほか使いづらい。苦労して見つけて、何とか登るんですが、納得は出来ないようです。無理な姿勢でのクライミングが多いので、疲れてザイルにぶら下がってしまいます。

 

僕も登ってみますが、確かに登り辛い。

 

▲13:21。ただ、W科さんが使っているこの写真の右端のカンテは使わなくても登れることが分かりました。W科さんは腕が長くて遠いカンテにも届いてしまうんですね。彼女はなおも繰り返し登ります。

 

▲13:41。フェースに取りかかる前の、バンドに手を掛け、登ろうとしています。

 

ある程度、納得できるクライミングが出来たところで次のルートへ。

 

▲14:05。3つ目のルートはフェースの右を登ります。ただし、右のカンテを右手でホールドにすることは許しています。このルートは最初にF沢さんと登った時は5.9だと思いましたが、最近何度か登ってみて、5.8が妥当だと感じるようになりました。ポイントはフェースでの細かなスタンスです。ホールドは右のカンテを使えるので楽なんです(もちろん、それほど簡単ではありませんが)。このルートもほぼ納得できるクライミングができるようになったようですね。

 

最後に、暖かなトラバース岩へ行きました。W科さんはこのトラバース岩攻略に燃えているようです。僕が1往復する様子をまずはじっくりと観察しています。

 

▲15:07。左端をスタートして、何度かは落下しましたが、右端まで辿り着きました。

 

その後何度も何度も繰り返しトライ! 見た目はすぐにでも1往復できそうなんですが、ケアレスミスで落ちたり、力尽きて落ちたりの繰り返しです。このルートは意外と手強いんです! ルート全体としてのグレードは5.7くらいだと思います。何10回トライしたか分かりませんが、だんだんと成功への予感が高まって来ていました。

 

▲15:28。この写真は復路ですね。右から左へ進んでいます。ここからコーナーまでがパワームーブの続くエリアです。

 

このトラバースは左端からスタートしているのですが、スタートして確か後半だったと思います、落下しました。こんなところで、と思わせる残念な落下でした。「そこから続けてみて」と僕が言って、W科さんはそこから続けます。すると、右端から左への復路は落下せずに左端まで行けました。右から左への片道(復路)トラバースが完成したんです! 凄い!

 

「1往復完成させようよ!」と僕ははっぱをかけます。言われるまでもなく、W科さんは気力充実! 再トライすると、左から右への片道(往路)トラバースを成功させてしまいました。凄い! 余勢をかって、復路にもチャレンジしますが、力尽きて落下。そこからやり直して、左端まで行けましたが、1往復ならず、でした。結局、片道トラバースは往路、復路ともに成功させることは出来ましたが、1往復はまだ未完成。2度とも1フォールでした。

 

▲16:05。この写真もひとつ前の写真と同じ場所ですね。パワー系ムーブに入る瞬間ですね。

 

1往復に成功すれば、2往復を目指せます。2往復に成功すれば、3往復を目指せます。4、5、6と続き、10往復に繋がります。最下部岩場のトラバース10往復よりも、このトラバース岩10往復の方がより高レベルのクライミングにおける筋持久力が養成できるんです。この10往復がウォーミングアップになれるよう、頑張って欲しいと思います。このトラバースには様々なクライミング要素が入っています。細かなホールドで体勢を保持したり、足を踏み替えたり、滑り易いスタンスに注意したり、足をクロスさせたり、前傾壁で腕への負担に耐えたり、ピンポイントでスタンスを捉えたり、アンダーホールドを使ったり、いろいろあります。多様なムーブが連続する面白いトラバースなんです。

 

充実した1日を終え、この日も大衆酒場『あきちゃん』へ。ふたりで岩を語り、山を語り、雪や氷を語り、人生を(笑)語り合いました。30歳以上も歳が離れた者同士が岩や山を媒介として対等に語り合えるのは本当に嬉しいことです。

コメント
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