ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

クリスマスなのに、天覧山で岩トレ

2023年07月01日 | 岩登りトレーニング

クリスマスの日曜日、3人で岩トレを楽しんで来ました。2日前の金曜日と比べると、天国のような暖かさでした。金曜日よりも最高気温が5度ほど高かったとは言え、一番の違いは風向きです。金曜日は南西風が主力で、日曜日は北風。天覧山は冬の北風がいくら吹いても、南面の岩場なので影響ありません。金曜と日曜ともに、風速は5、6mくらいのようですが、金曜日は岩場では風が舞っていました。ドングリや木の葉やヒノキの葉が吹雪のように舞い落ちていました。でも、日曜日は一日中穏やか!

そんな中、N村さんは一足早く最下部岩場へ来て、トラバースを始めていました。久し振りのトラバースなので、なかなか調子が出なかったみたいですね。年末の仕事の多忙さや数多くの忘年会で肉体の切れもいまいちになっているのでしょうね。10往復はしましたが、何度もフォールして、時間もかかってしまったようです。でも、この10往復はウォーミングアップとして効果があると思いますから、今後も続けて欲しいと思います。この日は最下部岩場にもう1パーティー来ていました。3人パーティーです。彼らに挨拶をし、互いに譲り合って練習することになりました。

 

2022年12月25日(日) 天覧山岩トレ

▲10:08。空気も澄んでいて、純白の富士山も綺麗に見えています。富士山の裾の方まで見えるんですね。

 

▲10:43。W科さんが10往復にタイムトライアルします。彼女も久し振りですから、1往復や2往復目は3分30秒ペース。でも、繰り返すうちに体が流れるように動き始め、その時点での1往復あたりの平均タイムがどんどん短くなって来ます。ついに9往復目27分を切ってしまいましたから、最終的に1往復平均3分を切るのが確実になって来ました。

 

▲11:04。最終結果は29分7秒77、1往復平均は2分54秒78。素晴らしいです! 他パーティーの方を待つこともありましたから、実質2分50秒くらいでしょうね。HTさんに続いて、藁科さんも2分台に突入しました! まあ、タイムを競っている訳ではありませんが、短時間で良いウォーミングアップが出来ている目安にもなると思います。指や腕の筋持久力も養われていくと思います。

 

ここでN村さんの希望もあって、小ハングルート等は行なわずに、鏡岩へ行くことにしました。今後のことも考えて、鏡岩へのトップロープのセットの仕方をN村さんは知ろうとしています。次回はN村さんにセッティングしてもらいますね。

 

▲12:00。鏡岩は85度くらいのほぼ垂壁で、細かなホールドとスタンスを繋いで登って行きます。基本的なバランスの取り方が試されるルートです。W科さんは最初のチャレンジの時から素晴らしいバランスを見せていましたけれど、この日も同様でした。問題なく、上まで登ります。

 

▲13:07。N村さんは何かしら思うところがあるようで、これまでのように力に頼る登り方ではなく、バランス重視で登ろうとしています。地面から両足が離れる一歩目から丁寧に登ろうとしています。左足を地面から5cmほどの低い岩に乗せ、続いて右足を高いスタンスに運ぼうとします。勢いで飛び上がるように右足を運ぶのではなく、全身のバランスを保ちながら静かに右足を上げようとしています。僕やW科さんがそうしているように、N村さんも同じように登りたいのだそうです。ただ、これまでは出来ていたことが、違うやり方で登ろうとしていますから、なかなか出来ません。右足を最初のスタンスになかなか乗せることが出来ません。僕も昔、この鏡岩をやり始めた最初は自分の足を地面から離すことが出来なかったものです。N村さんのこの基本を洗い直すような新たな試みは正しいやり方だと思います。男性一般に言えることなんですが、力を頼りに登ってばかりいると、必ず限界にぶつかります。どこかでクライミングの基本であるバランスに立ち返る必要があるのです。

 

僕もザイルにぶら下がることなく登ることが出来ました。僕が30代のころ、この鏡岩をソロで登り、クライムダウンしていました。そのことを思い出し、W科さんに「クライムダウンしてみたら」と持ちかけます。もちろんトップロープのままですからチャレンジしてみることに。W科さん、出来ちゃいましたね! W科さんも「やれるものですね」と、僕の昔話に納得の様子。僕もクライムダウンしてみました。見えないスタンスの位置を教えてもらいながら、何とか出来ました。良かった! 嬉しい!

 

続いて、鏡岩の上の蛇岩へ移ります。遊歩道脇の鉄杭を利用してトップロープをセットします。横幅3~4mの蛇岩には左から4つのルートを設定しています。

左から説明すると・・・・

左端の5.5:膨らんだ岩ルートの左隣りです。4級+よりは難しいけれど、5.6はないかな?

膨らんだ岩ルート5.7:斜めのホールドとスタンスで微妙にバランスを工夫しながら登ります。

フェースの左側5.8:膨らんだ岩の右のフェースを登ります。膨らんだ岩を左手と左足で使うのは可。

フェースの右側5.9:膨らんだ岩は使いません。右のカンテは使用可、ただし右手でホールドとしてのみ。

最初に易しい方の左の2ルートを登りました。先日は僕は5.7ルートに苦労しました。でも、この日はテンションかかることなく登れました。嬉しい!

 

▲14:38。W科さんが5.5のルートを登っていますね。この後、隣りの5.7のルートも登ります。W科さんも最初ですから、バランスのとり方に苦しんでいましたが、繰り返しチャレンジするうちに、綺麗に登れるようになりました。2テンくらいだったかな?

 

▲14:57。N村さんも登ります。写真は5.5のルートですね。ここは登れたかと。

 

▲15:11。膨らんだ岩ルート5.7ですね。N村さんもW科さんのアドバイスを受けながら、何とか上へ。

 

この日の大まかなスケジュールでは蛇岩の次にトラバース岩へ行く予定でした。でも、蛇岩の2本にトライすると、残りの2本にもチャレンジしたくなってしまうようです。ですから、この日は蛇岩に最後までいることにしました。

続いて、右の難しい2ルートにチャレンジ。5.8ルートを僕は何とか登れました。上でザイルの振られ止めをセットします。5.9ルートはどのように登ったのか、自分では覚えていません。5.9ではなく5.8くらいに感じました。右のカンテをスタンスに使ったのかもしれませんね。

 

▲15:52。フェースの左側ルート5.8です。W科さんも苦労しましたが(やっぱり2テンくらい)、上まで行けました。このフェースは95度くらいあって、ちょっと前傾壁なんです。写真ではW科さんが右手で掴んでいる岩は膨らんだ岩の一部です。これ以降、だんだんと登り方のルールも明確になって来て、今は膨らんだ岩を左手と左足だけでしか使えないことにしました。

 

▲16:07。フェースの右側ルート5.9ですね。写真の右手はカンテを掴んでいます。右手だけはカンテ利用を許していますが、右足は駄目です。カンテのスタンスを使わずに登れるように、W科さんはフェース上の小さなスタンスを見つけてくれました。このフェースは1.5mくらいの高さにあるバンドから始まっているのですが、このバンドに立つのも結構嫌らしいんです。なかなかに難しい。僕は慣れていますし、W科さんは苦労することなく立ち込んでいました。

 

▲16:12。フェースの右側ルート5.9の上部を登るW科さん。

 

▲16:21。N村さんもまずはフェースの左側ルート5.8から。最初にバンドへと立ち込まなければならないのですが・・・・。N村さんは「あれっ? このバンドにどうやって立つの?」と、苦労しています。苦労するN村さんが普通で、簡単に登ってしまうW科さんの方が不思議ですね。

 

▲16:34。いつものことですが、日没まで登っていました。暗くなると危険なので、日没と同時に片付けに取りかかります。安全な遊歩道まで出て、僕は薄暮の中、トラバース岩の1往復をしてから、パッキング。暗い中、下山。

 

新規開拓中の居酒屋さんは大衆酒場『あきちゃん』へ。3人とも気にいったお店でした。安くて美味しい。お腹に溜まる系のメニューが少ないのがちょっと残念かな? 席数も少なくて、全席でも12、3席くらいだったかな?