私的図書館

本好き人の365日

山本弘 『MM9ーdestruction』(東京創元社)

2013-07-08 20:00:00 | SF

東海地方も梅雨明けしました。

それにしても暑いですね~

暑さと忙しさであまり本も読めていませんが、山本弘さんの新刊をようやく読むことができました。

 

『MM9ーdestruction』(東京創元社)

 

著者 : 山本弘
東京創元社
発売日 : 2013-05-30

 

 

特撮怪獣小説の第3弾。

ウルトラマンやゴジラを小説にしたらどうなるのか?

というコンセプトで書かれている本書。ウルトラマンこそ出てきませんが、怪獣の足元でウロチョロする人間の描写や、その背後での騒ぎなど、特撮作品のパロディやオマージュがふんだんに盛り込まれています。

今回は登場する怪獣の背景にスポットをあて、日本神話やギリシヤ神話に描かれている神話の謎解きをからめながら、「実は怪獣ってこんなにアリなんだよ」とさかのぼる形で存在証明をしています。

トンデモ学説がたくさん出てくるので、肝心の怪獣バトル、人間ドラマがかすんでしまうくらい(苦笑)

男性優位にするためにすりかえられた神話とか、改ざんされた女神たちとか。

いいたいことがあるのはわかるけど、エンターテイメントとしてはどうよ?(苦笑)

この人の小説に登場する女性や女性型アンドロイドは、たいてい状況や環境に運命を左右され、最後は恋愛でハッピーエンドというなんとも古臭い女性観で描かれることが多いので、自分の足で立って運命を切り開く女性が好きな私としてはすごく嫌なのですが、今回も女神の「処女性」が取り上げられていて、せっかくのスケールの大きさが、単なる子孫繁栄国防愛国小説になってしまったのは残念。しかもなぜかその部分だけが暗い。それまでのライトノベル的な展開が、いきなり戦時中の悲劇になってしまうチグハグさ。

なんていうのか、登場人物が急にきゅうくつになってしまうんですよね。

つじつまを合わせるために登場人物がいるんじゃなくて、登場人物が勝手に動き出すような物語が楽しいんですよ。そこでリアリティは求めてないから。

例えばスタートレックみたいに「宇宙の意思」とか「存在理由」という方向に行って欲しかったなぁ~

自分の知識欲だけを満足させるために怪獣を開発する女性マッドサイエンティストとかさ(笑)

ま、ともかく特撮ファンとしては、怪獣が街を壊すシーンとか、敵の攻撃に対抗したり弱点を探したりする人間の努力とか、そこだけ読んでも楽しめます♪

 

そういえば、先日作ったカレーが一昼夜、鍋のままレンジの上に置いておいたらダメになるという事件がありました。

冷蔵庫に入れておけばよかった~

食中毒の危ない季節ですからね。

皆さんもどうぞお気を付け下さい。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿