あのお話の続きってどうなるんだろう?
昔読んだ本の続きが気になる時ってありませんか?
本だけに限らず、お気に入りのTVドラマや映画があると、その続きが気になってしかたがない。
フィクションなんだから、”つづき”なんてあるはずもないのに、自分だけでその後の物語を想像してみたり、新たな冒険の場面を考えてみたり。
「そして二人は、いつまでもいつまでも幸せに暮らしました…」
…でもいいけれど、やっぱり成長した主人公の姿も見てみたい☆
そんな思いはやっぱり世界中にあるらしくって、今回紹介するのも、そんな一冊。
1939年に出版されて以来、多くの原作ファンに支持されてきた、シャルル・トリッテンの『それからのハイジ』を、ご紹介します☆
原作はご存知「アルプスのハイジ」♪
原作者のヨハンナ・スピリが1901年に亡くなった後、どうしてもその続きが読みたかったんでしょうね、フランス版の翻訳者だったシャルル・トリッテンが書いてしまったんです。
”その後”のハイジを☆
十四歳になったハイジ!
足が良くなって、美しく成長したクララ!
背は高くなったけれど、相変わらずのペーター!
おじいさんに、モミの木に、ヤギにチーズにアルムの山々!!
物語は、ハイジが駅に降り立つところから始まります。
クララの卒業した都会の寮制の学校に入ることになったハイジですが、今回もやっぱりホームシックにかかってしまい、湖や山を見つめて寂しさを紛らわす日々。
幾つになっても変わらない山に対する愛情はやっぱりハイジ☆
だけど今度は友達もできて、バイオリンという慰めもあるので、なんとか乗り切れそうな雰囲気。
原作でおじいさんとして登場したおじいさんは、さらに歳をとってますますおじいさんになっています。(あたりまえか☆)
体力の衰えはどうしようもなく、ペーターも心配するほど沈み込むことが増えたおじいさん。
自分がいなくなったら、ハイジがまた一人ぼっちになってしまう。
そんなことを考えながらも、学校を卒業したハイジと暮らすひと時の幸せ。
今回は学校を卒業したハイジが先生になって、子供たちに裁縫や勉強を教えようと奮戦する姿が見どころなんですが、このおじいさんのハイジに対する思いと、ハイジの(そしてペーターの)、おじいさんに対する愛情がゆっくりと伝わってくるところがいい感じ♪
愛されないということは、食事をしてもしなくても、だれにも気づかってもらえないことだ。
目が赤いかどうか、気分が悪いかどうか、だれにもみてもらえないということだ。
~本文より~
子供たちへの愛情。
おじいさんや、ペーターへの愛情。
そして、山々や動物たち、自然界への愛情。
ハイジはいつも、まるで自分自身が子供たちであり、おじいさんであり、ペーターであり、山々であるかのように愛し、一緒に悲しみ、共に喜びます。
そんなハイジだからこそ、かたくなだったおじいさんの心を動かし、子供たちを惹きつけ、村人の気持ちさえ変えることができたのでしょう。
多くの原作ファンを納得させ、今もその魅力で読者の心をつかんで離さない”その後”のハイジ。
読み終わっても、まだまだ先が読みたい! と、思わず思ってしまいました。
なに? 続編がちゃんとある?
その後の”その後”の物語、題名も「ハイジのこどもたち」?
さすがはシャルル・トリッテン、誰よりもファンの心理がわかっていらっしゃる♪
でも、「ハイジのこどもたち」ってことはハイジが結婚してるってことに…
そのお話も、今回の『それからのハイジ』で語られます☆
その顛末も、読んでからのお楽しみ♪
ぜひ、ご自身の目で、確かめて下さい☆
シャルル・トリッテン 著
各務 三郎 訳
ブッキング
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