私的図書館

本好き人の365日

国宝 源氏物語絵巻

2012-05-05 10:04:03 | 日々の出来事

ちょっと名古屋に行く用事があったので、ついでに前から行きたかった「徳川美術館」にも行って来ました♪

 

 

徳川家康の遺品を中心に、尾張徳川家に伝わる「大名道具」の数々、美術品、骨董、茶器に書画と、一万点以上の品々が収められています。

同じ敷地内に、尾張徳川家の旧蔵書を収めた「蓬左文庫」(蓬左は地名で名古屋のこと)、尾張徳川家二代藩主、徳川光友の隠居屋敷跡に造られた日本庭園「徳川園」などがあります。

はっきりいって、刀や鎧といったものに私は興味ありません。

千代姫の婚礼道具とか、石川五右衛門が豊臣秀吉の寝所に忍び込んだ際、香炉の千鳥が鳴いて知らせたという「青磁香炉銘千鳥」とかは、さすがに「へ~」と思って見ましたが、私の一番のお目当ては、なんといっても「国宝 源氏物語絵巻」!!

残念ながら本物は年に数回しか展示されないとのことで、印刷された模造品が展示されていましたが、それでもけっこう見ごたえがありました。

 

現存する最古の「源氏物語絵巻」は、紫式部が「源氏物語」を書いた百年後くらいに作られたものらしく、54帖ある「源氏物語」の内、絵巻として残っているのは十数点だとか。

「柏木」「橋姫」「宿木」「東屋」など、物語後半を描いた物が多く、物語の簡単な解説がビデオで視聴できるようになっていました。

…それにしても。

例えば「柏木」の場面。

光源氏の正妻「女三宮」と、彼女に心を寄せる男性「柏木」の間に生まれた男の子「薫」を抱き上げた光源氏が(この時点で「柏木」は不倫を苦に病死しています)、薫の顔に「柏木」の面影を見て、自分もかつて父親の恋人である藤壺との間に男児(冷泉帝)をもうけたことを投影して、怒りも失せて思わず涙する、というのですが…

いやいやいや、泣きたいのはあんたじゃなくて女子供の方でしょ!

光源氏も柏木もある意味自業自得じゃん!?

何で「いい話」みたいになってるの???

(笑)

GW(ゴールデンウィーク)で子供たちもたくさん見に来ていて、みんなが「ほ~」とありがたがって見ているので、思わずそんな不遜な考えが頭に浮かんでしまいました(苦笑)

いいの、みんなでこれ見て感心してて!?

何だかちょっと不思議な感じ。

実際、すごくいい体験になりました。

いや、ちゃんとした貴重な体験という意味で。

 

ちょうど尾張の豪商が集めた品々「岡谷家コレクション」というのと、江戸文学や浮世絵の研究家が寄贈した「尾崎久弥コレクション」というのが公開されていたんですが、そちらにはマンガ「NARUTO」(岸本斉史 著)でおなじみの、「自来也」「大蛇丸」「綱手」の登場する「自来也豪傑物語」(本当にあるんです)などが展示されていたりして(綱手って自来也の奥さんなんですね♪)、これもけっこう面白かったです。

浮世絵から洒落本、滑稽本に人情本などが展示されていたのですが、葛飾北斎の絵とかもありました。

あと圧倒的に多いのが、遊女や吉原を取り上げたもの。

中には、吉原の遊び方や、遊女の優劣、男を落とす手練手管について書かれている物もあって(さすがに展示ではそこまで触れていませんが)、知ってか知らずか、それを子供たちがたくさん見学して行くんですよね(苦笑)

いわゆるお金持ちの「吉原ハウツー本」みたいな感じ?

いいのかな、これ(笑)

いや、本当に貴重な品々だとは思いますよ。

当時の風俗を知る上では貴重な資料でしょうし、実際私も今回見ることができて、ちょっと感動しましたから☆

 

それから隣接する日本庭園「徳川園」も散策して来ました。

こちらはこちらで美術館とは別に入場料が必要となります。一般300円(中学生以下無料)

 

 

風が強くてかなり水面に波が立っていましたが、雨が降るようなことはなくて、なんとか一日天気がもってくれて良かったです。

名古屋まで出ることはめったにないので、これで見納めかな?

機会があったら、今度は本物が公開されている時に行ってみたいけど。

外に出てみると駐車場は長蛇の列。

GWでやっぱりお客さんが多かったです。

私は経費削減のため、駅から歩き(笑)

歩き続けだったのでけっこう疲れましたが、有意義な一日でした♪

あぁ、面白かった☆

 



最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
徳川美術館 (ナタリー)
2012-05-05 20:43:22
こんばんは。

面白そうなところですね、徳川美術館。
私も若いころは上野へいろいろ見に行きました。
そのうちに。。。
行きたいところがたくさんです(笑)
返信する
光源氏だからいいんです (yeastcake)
2012-05-05 22:47:12
ホークさん、こんにちは。
いい男は、許されるんです。

この前の記事にあった、「孤独の愉しみ方」を図書館で予約しました。楽しみですぅ。
返信する
源氏物語絵巻 (春庭)
2012-05-05 23:55:44
上野の芸大で源氏絵巻模写展を見たとき、源氏絵巻の模写を二部ずつ作り、一部は芸大が保存し、本物を貸してくれた五島美術館徳川美術館にも一部納入したと書いてありました。
だから、徳川美術館に芸大生の模写した絵があるはずなのに、印刷模写を見せるなんて、手抜きですね。もっとも最近のコピー技術の発達によって、模写以上のできあがりになるそうですが。
庭は別料金取り立てるとは、せこい。元大名は「太っ腹」じゃなくちゃね。

GW残り1日、たのしくすごせますように。
返信する
源氏物語絵巻 (たえこ)
2012-05-06 20:07:43
誰かが言ってました。光源氏はマザコンでロリコンの浮気者だって。けど、顔がかっこよくて、金持ちで血筋がいいって…。


最低男だけど無視できないこのキャラ設定…(笑)
返信する
ナタリーさん、ありがとう☆ (ホーク)
2012-05-07 00:07:58
いいですね~上野。
私は修学旅行で訪れたきりです。
都会にはそうした施設がたくさんあるんでしょうね。
私の田舎も箱物ばかり作らないで、ちょっとは芸術文化にも力をそそいで欲しいものです。
映画館に行くだけで一苦労ですから(苦笑)
行きたいところがたくさんあるって、これからの楽しみですね。
私もたくさんありますが、貧乏ヒマ無し。
なんとかついでを見つけてこうして回っています。
徳川美術館、面白かったです!
返信する
yeastcakeさん、ありがとう☆ (ホーク)
2012-05-07 00:17:35
コメントを読んで「これだからいい男はズルイ!」と叫びたくなりました(苦笑)
でも、やっぱり光源氏なら許せちゃうんでしょうね~
「孤独の愉しみ方」、うちの図書館にはまだ入っていませんでした。
いいなぁ~
なかなか最新刊が入らないんですよね。
この本はソローの著書からの抜粋なので、もともとの本も読んでみたくなりました♪
返信する
春庭さん、ありがとう☆ (ホーク)
2012-05-07 00:29:28
模写の方が見てみたかったです!
仕まい込まれているんでしょうか?
一般に公開してくれてもよさそうなのに…
美術館の中は例によって写真撮影禁止でした。
庭が別料金というには確かにせこいですよね。
私も実はそう思ったんです。
お金持ちはそういうところ太っ腹じゃなきゃね(苦笑)
ま、実際は財団とか市が所有しているんでしょうけれど。
印刷でしたが「源氏物語絵巻」が見れて良かったです。
とてもいい体験になりました。
返信する
たえこさん、ありがとう☆ (ホーク)
2012-05-07 00:54:38
そうなんです、見事に光源氏を言い表していますね(笑)
お金持ちで血筋がよくて、顔もカッコイイけれどマザコンでロリコンで浮気もの…♪
これは奥さんは苦労しそう(苦笑)
物語を読んでいる分には、TVドラマの要素がめいいっぱい詰まっているし、人間ドラマとしても面白いですけどね。
返信する

コメントを投稿