私的図書館

本好き人の365日

映画「めがね」

2012-02-01 19:21:50 | 映画

火曜日がサービスデイで、レンタル半額だったので借りて来ました。

荻上直子監督。

小林聡美主演。

もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮、光石研出演。

 

「めがね」(2007年)

 

この映画、とっても感想が書きにくい(苦笑)

面白いとも言いづらいし、感動したとも言いづらい。

でも「いいなぁ~♪」と思える映画でした。

小林聡美演じる女性が、離島のひなびた宿に泊まって、のんびりしたり、ちょっとあせったり、食べたり飲んだり、たそがれたりする映画。

すごく個人的な感想を書くと、パラダイス映画。

天国ってこんなところかなぁ、みたいな☆

天国というと、雲の上で薄絹の衣を着てってイメージや、美男美女に囲まれてとか、それぞれのイメージってあると思うのですが、例えばディズニーランドのような天国だったら、何年かは楽しいと思うのですが、きっと飽きちゃうと思うんですよ。酒池肉林でも、それが毎日だとキツイ。人間が落ち着くことのできるのは、やっぱり慣れ親しんだ風景や感覚のはずだから、森や川や空は欲しいし、お腹が空いて、ご飯も食べたい(何万年もお腹が空かないなんてやっぱり嫌)

すると、よく考えてみると、天国って日常とそんなにかけ離れてちゃいけない気がするんです。

海に沈む夕日を眺めたり、みんなでバーベキュウをしたり、一人で考えたり、朝寝坊をしたり。

 

これから映画『めがね』をすごく勝手に解釈します。

 

もたいまさこ演じる謎の女性は神様。

いつやって来るのか、どこから来るのかは誰も知らないけれど、みんなが待ち望んでいる。

宿の主人は天使。

人間たちを天国に連れてくる役回りなんだけれど、門は狭く(看板がとっても小さい)、聖書や予言はどれもあいまいでわかりにくいので、普通の人はよく迷う(地図がとってもあいまい♪)

でも本人に悪気はなくて、「僕の書く地図はわかりにくいみたい。わかりやすく書いてるつもりなんだけどな」なんて言っている。

人間(小林聡美)はそこが天国とはわからずにとまどって、ニセモノの天国(新興宗教)にも行ってみるのだが(マリン・パレス♪)、そこではみんなで畑を耕したりしていて慌てて逃げ出す。

そこに助けに現れるのがやっぱり神様(もたいまさこ)

みんなやたらと、もたいまさこさんの自転車の後ろに乗りたがるしね(笑)

小林聡美が宿に戻る時、荷物を入れたスーツケースを置いて行くのも象徴的。

天国に持っていくものなんて体(精神)ひとつでいいんですよね。

「一度死んだら、二度と死なない」

ビールが飲めて、美味しい朝ご飯があって、自分の居場所があるって、ある意味天国だよなぁ~

私も神様の隣で台所仕事を手伝いたい。

この映画を見ている時、コタツに入ってもやしのヒゲを取りながらのんびり見ていたのですが、その時に「めがね」=「天国」という考えが浮かんできました。

本当はな~んにも考えずに見るのが一番の映画なんでしょうけどね。

いい時間を過ごせました☆