ゲバラ物は二冊目ですが「ゲバラ最期の時」を読みました。前に読んだのは三好徹著「チェ・ゲバラ伝」でしたが、読み物としては今回の方が読みやすくて面白いです。ゲバラ入門用かもしれません。ボリュームは三好氏の著作の方が多いので、両親の話とか船にギュウギュウ詰めに乗り込んでキューバの行った時の話とか侵攻していく状況とかは詳しいです。年表とか地図もついてますし。
ただしゲバラの人間的な魅力を伝えるのは今作の方が熱いかも。何よりその最期にフォーカスを当てて、最期に会った現地の女性の話を直接聞いたり、謀殺を暴いて報じたジャーナリストの話を聞いたりしてますし。
なんにしても、あらためて読んでみて「アメリカちゃん、そんなに共産主義が怖かったの?」という感がますます強くなりました。ソ連も中国も共産主義だけではいられなくなったのだし、キューバも革命が起こったとしてもいずれはアメリカとの取引で頭を下げてくる状態にもなったのでしょうけど。それでも一旦でも共産主義化することを許せなかったのは、よほど搾取している側が暴利を得ていたということでしょう。人間はお金の前では見にくいものです。
あとはアフリカで革命が成功しなかったことについては、搾取されている側の認識が高まっていなかったことと、革命後の主導権の取り方で妙な力関係が働いたこと。要するに資本家の搾取が終わっても、別の誰かが取って代わろうとしただけだったのでしょう。醜いことです。そしてボリビアでの革命が成功しなかったのは、アメリカの対抗が強かったこと。CIAが本気になるとやはり強いです。
今の世の中も相当きな臭いことになってますが、宗教とは関係なく一般の人民が幸福な生活が送れるようにと考えて行動したゲバラが生きていたら、どう考えたでしょうか?
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