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映画「エヴェレスト 神々の山嶺」(ネタバレあり)

2016年03月13日 | 映画

 昨日から公開となった映画「エヴェレスト 神々の山嶺」を見てきました。夢枕獏氏のベストセラー小説ですが、映画化不可能といわれてきた作品です。ただし、私が原作を読んだのは昨年の夏で、そのときには既に文庫本のオビで映画になることを知ってました。

 この作品は角川映画40周年記念作品なのだとか。それこそ「読んでから見るか、見てから読むか」ということになりましょうか。出演は、伝説の登山家羽生が阿部寛、カメラマン深町が岡田准一、二人に絡む岸涼子に尾野真千子という豪華キャスト。友人でこの小説を読んでたのが二人いて、その二人とも「阿部寛は違うなぁ」と言ってたのですが、実際どうだったかというと…。以下ネタバレエリアなので、読みたくない方はご遠慮下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 映画の率直な感想としては凄く面白かったです。私も「あの長い話を2時間程度におさめるのは無理では?」と思ってたのですが、なんとかコンパクトにまとめてちゃんと見せ場も作って映画としても作品にできたのはアッパレです。

 実は私も阿部寛には疑問を持ってたのですが、結果的にオッケーでした。逆に言うとこの役をできる人は他には思いつかないかも。しいていてば江口洋介くらいでしょうか。永島敏行とか時任三郎だとちょっと年齢が行き過ぎだし、上川隆也とか西島秀俊ではごっつい肉体派は無理だし。

 映画としては、前半の方は説明臭いセリフが多かったので「結構苦労してるなぁ」と思ったのですが、後半は結末を知ってても結構ハラハラして見ることができたし、登山のシーンでは思わず足に力が入ったり迫力は十分でした。評価します。

 が、原作の大ファンだった人、特に実際に山登りしてるような人からはブーイングも多かろうと思います。私も「そこは無理があるんじゃないの?」と思ったポイントは多く、評価7割ブーイング3割くらいの比率。ストーリーを端折りすぎて無理があると思ったのは、
・羽生が7年間どういう思いで現地に潜伏してたのかが見えない
・羽生が無酸素単独登頂を狙っているのを深町があっさり見破ったこと
・深町が羽生を追いかけたくなった経緯
・深町と岸涼子が惹かれあうように至る理由
・深町がいきなり高地に行っても平気だったあたり
・羽生が登山のときにこまめにメモを取る人だという描写が不十分
などなど。

 登山の経験がまったくない私が原作を読んで知ったのは、酸素ボンベ無しで高い山に登るのが相当難しいということ、装備を増やすと当然荷物も増えるので軽くするには工夫が必要、冬のエベレストに登るには天候待ちが多くほんの数日しかチャンスはない、など。まぁ他にもいろいろあるんですが、原作読まないとわからない部分も多いので、映画を見て関心持った人は原作も読んでみるべきですね。で、原作読んで映画見るかどうか迷ってる人は見るべきだと思います。まずはいいもの見せて貰いました。私は満足ですが、世間一般の評価はどうなのでしょうか。