出張レッスン

2013年02月01日 | 日記
昨日、県南に出張レッスンに行きました。この地域の合唱協議会に毎年ヴォイトレに呼んで頂いているご縁もあり、うちにレッスンに通って下さっている熱心な方が数名いらっしゃるのですが、皆さんお忙しい方たちだし、遠いし、時々でも私が行って差し上げられるといいなと前から思っていたのです。あちらでもそう思っていらしたようで、この度実現の運びとなりました。
午前中の用事を済ませ、JRで移動。午後1:30から1時間刻みで4人の方のレッスンをさせて頂きました。皆さん音大を出られ、演奏活動や指導者としての活動もなさっている方たちで、歌に対する真摯な姿勢と、年下のレスナーである私に学ぼうとされる謙虚さには脱帽の思いです。私も常日頃から、求めて来られるすべての方に自分の学んだものを精一杯提供させて頂きたいと思ってレッスンをしていますが、こういう方たちのレッスンはある意味ではとてもラクです。レッスンの経験が豊富なので(習うだけでなく、教えることも含め)、こちらが何を言いたいかを察知して下さるからです。
最初の方は会場提供者のNさん。毎年コンサートを開催していらっしゃいます。今年も6月になさるそうで、その時に歌われる曲から2曲をレッスンしました。イタリア語のオペラアリアはとてもよく歌えていらっしゃいました。もう1曲はドイツ語の歌でしたが、ドイツ語はメロディに歌詞を乗せるのが難しく、発音に気を取られると発声が崩れそうになります。でも、Nさんはドイツ歌曲がとても合っています。きっと素敵な歌になると思います。
次のUさんは最近のご縁です。長年歌から離れていたそうですが、最近また歌い始められた方です。若い頃は或る程度力任せに歌えばそれなりに歌えますが、長いブランクの後で歌を再開する時には若い頃の出し方では出せなくなっていることがあります(特に女性は)。ホルモンの関係で声帯の吸い付きが悪くなっているからです。更年期以降の女性は、声帯をくっつけるためにしっかり身体を使わなければなりません。そこで、身体の使い方を丁寧にレッスンしました。喉の力みが取れてラクに声が出るようになった様子です。
3番目のHさんは約1年ぶりのレッスンです。3月にコンサート出演を控え、何を歌おうかと迷っていらっしゃいました。「私は高音が出ないので、あまり高い音のない日本歌曲にしようと思います」とおっしゃいますが、Hさんの場合(誰でもそうですが)高音が出ないのは身体が十分に使えていないからなのです。そこで、仰向けになって両膝を立て、息を吐きながら背中の隙間をつぶして床にくっつくようにするエクササイズをして、その態勢のままで発声練習をすると3点ハ音までちゃんと出ました。立って壁に背中をくっつけて頂き、同じようにやってみたら、今度もちゃんとハイCが出ます。「高音域を恐れる必要はありませんよ」と言うと、ご本人もとても喜んで「先生に会いに来てよかった~」と言いながら帰って行かれました。
最後は、体調の関係でやはりこの1年ほどレッスンをお休みしていらしたJさんでした。しかし全くブランクを感じさせず、すぐに響きのよい明るい声が出るようになりました。よい発声が体にインプットされていれば、多少のブランクなどほとんど問題ないのだとわかり、嬉しくなりました。続けて4人のレッスンでさすがに少々疲れましたが、心は満ち足りて帰途に着きました。これから月1回のペースで通うことになりそうです。ここからまた輪が拡がっていくといいなと思っています。

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