骨盤底筋(承前)

2013年01月29日 | 日記
骨盤底筋を鍛えるエクササイズと声の関係について。高音域の発声について、以前W先生が「音程が階段状に上行する時は仙骨の下の縁を前方へ、跳躍音程の時は後方へ動かすようにすると出しやすい」とおっしゃったことがありました。当初はコツがなかなか飲み込めず、試行錯誤する中でやっと「これでいいのかな」と何となく思えるぐらいのところまでは来たのですが、今回「後ろの骨盤底筋を鍛えるには尻尾を内側へ巻き込むように、前の方を鍛えるには恥骨の奥からズボンのチャックを上げるように」という指示に従ってエクササイズをするうちに、これはひょっとしてW先生の仰る「仙骨を動かす」のと同じことではないかという気がしてきました。そこで実際に声を出しながらやってみると、ああ、これか!という手応えあり。ふと気付くと、それに併せて無意識に内転筋や足の拇指を一生懸命使っていました。筋肉は連動するのですね。
歌詞の付いた歌を歌いながら高音域で意識的に骨盤底筋を使ってみました。すると腹圧が上がって呼気の勢いが強くなるのがわかります。もちろん仙骨も同時に動きますから脳脊髄液の流れも促進されるのでしょう、抜けの良い高音が出ました。この時上半身や喉には何の感覚もありません。声が出ているのが不思議なくらい「何もしていない」感じなのです。見えない筋肉の働きがいかに発声を左右するか、改めて実感しました。
骨盤底筋エクササイズを始めてまだ数日ですが、ひどい冷え性の私が「あれ?足先がジンジンぽかぽかしている...」と一日に何度も思うようになりました。ひょっとして冷え性がなおりつつある?だとしたら骨盤底筋エクササイズはすごい威力です。冷え性にお悩みの方、どうぞお試しあれ。

骨盤底筋

2013年01月27日 | 日記
学年末の慌ただしさの中でブログを更新する時間が取れず、あっという間に数日が過ぎてしまいました。毎日のレッスンでは手応えを感じていますが、詳述する余裕がないのが残念です。最近特に思っていることをとりあえず一言で表現すれば「インナーマッスルがいかに大事か」ということです。先日TV番組で骨盤底筋の特集をやっていましたが、骨盤底筋と横隔膜は連動しているので、骨盤底筋を鍛えるエクササイズは発声にもそのまま役立ちます。うちの生徒さんの中に気功をやっている方がいますが、これは気功で言われることとも共通しているそうです。W先生は太極拳と発声が同じなので驚いたとおっしゃっていましたが、東洋の古武道や健康法と西洋の発声のメソッドが共通しているなんて面白いですね。
ともかく、発声の決め手の一つは下半身の筋力である、ということははっきり言えます。口の奥がしっかり開いてさえいれば、後は呼気を高速で上へと飛ばし続ける、つまり呼気の速度と方向とその維持の問題で、それは下半身の仕事だということです。骨盤底筋を鍛えるエクササイズは、1.尻尾を巻き込むようにして5秒キープ、そして脱力。2.ズボンのチャックを上げるようなイメージで恥骨の奥から上へ引き上げて5秒キープ、そして脱力。これを「息を吐きながら」やるのだそうです。脱力する時は息を吐くことをやめるだけて、吸わないこと。「吸わない」のがポイント、というのも発声と同じですね。
いずれまた続きを書きたいと思います。今日はこれにて失礼をば致します。

ウィーン関連(2)

2013年01月23日 | 日記
先日BSプレミアムで放送されたウィーン楽友協会合唱団によるモーツァルトの「レクイエム」の演奏のDVDを合唱団のメンバーの方が送って下さいました。昨年大阪で演奏されたもので、伴奏はオケではなくパイプオルガン、ソリストは全員日本人と話題性が高く、実際の演奏も素晴らしかったと洩れ聞いていました。
アマチュアの合唱団だそうですが、丸みを帯びた柔らかな肌触りの、とても温かい合唱です。「モツレクってこんな曲だったんだ」と再認識。パイプオルガンの伴奏というのも珍しいですが、これが不思議に合唱の音色と融合してえも言われぬ味わいを醸し出しています。日本人のソリスト4人も節度ある心のこもった歌いぶりで、指揮者の音楽的な動きも相俟って目も耳も釘付けになりました。バスのソリストは大学の同級生だった若林君。机を並べてラテン語の授業を受けたのがついこの間のような気がしますが、今や日本を代表する声楽家の一人となり、やせぎすだった往時と比べると随分貫録がついていました。過ぎた歳月の長さを実感したひとときでもありました。
レクイエムを聴くと人生について考えさせられますね。この世の無常をひしひしと痛感すると同時に、この世を超えた世界からのメッセージを受け取っているような気持ちになります。モツレクは数あるレクイエムの中でも特にシリアスな雰囲気が濃厚で、この曲に限ってはモーツァルト特有の軽やかな遊びの気分が全く感じられません。これが彼の絶筆だと知っているからかもしれませんが、こんな曲を書いてしまったらもう次はないだろうな、と思ってしまいます。しかし今回は聴き終わった後、心の奥底から一縷の希望と言うか信頼と言うか、何か肯定的なものが目覚めてくるような感覚がありました。救いのある演奏と言えばいいのでしょうか。やはり演奏というものは聴衆に希望や救いを仲介するものであってほしいですよね。良い演奏を聴かせてもらいました。送って下さったSさん、有難うございました。
ついでですが、私の一番好きなレクイエムはフォーレのレクイエムです。エリザベート・ブラッスール合唱団が歌うフォーレクのCDがうちにあったのですが、誰かに貸したきり戻ってきません。指揮はアンドレ・クリュイタンス、ソプラノソロがヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス、バスがフィッシャー=ディースカウという名盤でした。この合唱団がまた素晴らしく、心洗われるような清らかな響きでした。私の葬式には是非このCDを流してほしいと友人たちには公言していますが、肝心のCDが行方不明では...(笑)。



ウィーン関連

2013年01月21日 | 日記
3月24日の「オハイエくまもと とっておきの音楽祭」にうちの合唱団が出演エントリーしています。たまには明るくて華やかな曲をと思案の末、ズィーチェンスキーの「ウィーンわが夢の街」を第一候補にしました。もとはソロの曲ですが、以前混声4部に編曲して少し練習したことがあります。この曲はわりと有名だし、聴いて楽しい曲なので、私も去年の今頃だったか「歌で巡る世界の国」と題した小さなコンサートのプログラムに入れて歌いました。
ウィーンの音楽は洒脱ですよね。同じドイツ語圏でもドイツの重厚長大さとは趣が違います。ウィンナワルツはその最たるものでしょう。ヨハン・シュトラウスと親交の深かったブラームスが、サイン代わりにシュトラウスの曲の一節をサラサラっと書いて「残念ながらJ.ブラームスの作品にあらず」と添え書きをしたとか。ブラームスは重厚長大の代名詞ですから(笑)、自分には無いものを豊かに湛えたシュトラウスの音楽に心底惚れ込んでいたのでしょう。
一度やったことがあるので微かに記憶が残っていたのでしょうか、それとも親しみやすい曲想のお陰でしょうか、昨日の練習では、まだ音とりの段階ではありますが、なかなかいい感じに歌えていました。しかし言葉を付けるとリズムが崩れます。DNAの問題だと思いますが(笑)、もともと日本人は3拍子に乗るのが難しいのです。前指揮者のT先生のもとでこの曲の練習をした時、「これは騎馬民族のリズムですからね、田んぼを耕すリズムで歌っちゃダメですよ」と言われて皆で苦笑したことがありましたが、ウィーンで学ばれたT先生は本場のリズム感を体得していらしたでしょうから、私たちの3拍子感覚を「こりゃダメだ」と思われたに違いありません。もう一曲、レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」の中の有名な一曲、ダニロとハンナの二重唱「閉ざした唇に(Lippen schweigen)」も候補曲ですが、これまた3拍子。そもそも、大学のリトミックの授業でも卒業後のリトミック指導者講習会でも「あなたのステップは何だかビミョーに変だね」と言われた私が指揮をするのですから、はてさてどうなることやら。
しかし希望はあります。私は2月にウィーンへ行くのですから、現地でウィンナワルツやオペレッタに触れる機会もひょっとしたらあるかもしれませんし、ウィーンの街に身を置き、空気を吸うだけでもちょっとは違うかもしれません。私自身の3拍子感覚がどんなふうに変わるか、楽しみにしたいと思います。

砂糖断ち

2013年01月19日 | 日記
これから数週間、ウィーンへの演奏旅行の出発ギリギリまで、大学の学年末の試験問題を作ったり採点したり評定を出したり、来年度のシラバスを書いたりといった雑務が立て込みます。昨夏のぎっくり腰の悪夢を繰り返さないための体調管理をどのようにすべきか、思案のしどころです。
最近通い始めた整体の先生がおっしゃるには、自然治癒力を高めるには生活の基本を見直す必要があるとのこと。下着やパジャマは化繊でなく天然繊維のものにする。洗濯洗剤やシャンプー、リンスは香料を含まないものにする。身体を締めつける衣類や靴は避ける。電波時計、金属のアクセサリーなどはなるべく避ける。食事はなるべく玄米食にして、肉1に対して野菜を2、穀類を8という割合にする。そして甘いものはなるべく食べない。特に、化学的に合成した製品である白砂糖は本来食品ではなく、敢えて言えば毒物なのだから極力控える。乳製品も避ける。漢方薬やサプリメントなどにもあまり頼らないようにする。早寝早起きを心がける。適度な運動をする。歩くのが一番良いとのこと。
これらを全部実践すれば仙人に近づくような気がしないでもありません(笑)。しかし私の今年の抱負は身体を養うことですから、できるだけ実行に移そうと心に決め、早速綿の下着を注文。パジャマも綿100%にしました。アクセサリーや化粧はステージ以外ではしないので問題ありません。玄米は大好きですが、同居の父が銀シャリしか食べないので玄米食は諦めていました。しかし、自分用に玄米を炊いて小分けして冷凍庫に入れておき、食事の度に解凍して食べることに。早寝早起きに昼寝うたた寝も含め(笑)寝ることに関しては全く問題なし。私は不眠の悩みだけは全く無縁なのです(笑)。
問題は砂糖です。「甘いものはよく食べますか?」と訊かれ、「一日3回ぐらい食べてます」と答えたら苦笑されました。「腰痛と甘いものと何の関係があるのか、と言う人もいますが、砂糖の過剰摂取が自然治癒力を阻害するという意味では大いに関係があるのです。外国旅行を控えていらっしゃるのなら、せめてそれまでの間お菓子はやめてみてはいかがですか」と言われました。疲れると食べたくなるんです、と言うと、糖分で疲れが取れるというのは錯覚で、実は砂糖で神経をマヒさせているだけだという説もあるんですよ、と。
そういうわけで、この1週間ほど甘いものを極力控えています。付き合いもあるし、どうしても食べたい時もあるし、料理や飲み物に蜂蜜や黒砂糖を使ったりもしているので完全にシャットアウトはできていませんが。しかし玄米食のお陰か、思っていたほどの禁断症状は出ていません。一度、チョコレートコーティングした小さなおかきを食べたら、妙に胃もたれしたので驚きました。
さてしかし、ウィーンは有名なカフェ文化の街です。有名なザッハートルテやモーツァルトクーゲル(チョコボール)、それにウィンナコーヒー。日本で砂糖断ちして体調を整え、無事ウィーンに行ったとして、現地でケーキを食べてぎっくり腰になったりしたら目も当てられませんよね(笑)。とは言え、ウィーンに行ってカフェにも入らないというのも味気ない話です。悩ましいなあ。まあ、とりあえずもうしばらく砂糖断ちを続けてみたいと思います。