「早春の南阿蘇」というタイトルにしようと思っていたのですが、20℃を越える暖かさでしたから、春たけなわというべきでしょうね。
3月27日、南阿蘇のカフェ・ティッペルさんにお邪魔してミニ・コンサートを開催しました。昨年に続き2度目です。今回はメゾソプラノのIさんは外遊中(笑)で、M先生と、M先生のお嬢さんのRさん、それに私の3人組でした。
今回はM先生のお知り合いのKさんの別荘に泊めて頂けることになっていたので、コンサート前日に父の運転で一路南阿蘇へ。余談ですが、うちの父は南阿蘇が大好きで、つい先日の日曜日にも、春休み中の孫たちを従えて南阿蘇までドライブ兼花見に行ったばかりでした。
行きがけにUさんのお宅に寄ってキーボードとギターを積み込み、いざ出発。夕方早めに着いたので、Kさんが近くの温泉に案内して下さり、その後はKさんの奥様の手料理をご馳走になり、ご夫妻とお喋りをしながら、木造りの素敵なお宅でゆっくりくつろがせて頂きました。一方、M先生とRさんは、今回は東京から大分へ、そしてレンタカーでKさんの別荘へおいでになることになっていました。ところが、Rさんが乗るはずの飛行機が欠航となり、次の便に切り替えて来られることに。予定が大幅にずれたRさんとM先生は、夜の山道を3時間も車を走らせ、夜11時ごろやっと到着されました。お疲れさま!(M先生曰く、「ソファに横になって2秒で前後不覚に眠り込んで、目が覚めたら朝だったわ」(爆))
そんなアクシデントもありながらのコンサート当日。午前中いっぱい、3人で合わせの練習をしました。M先生とは毎月お会いできるので、打ち合わせや練習もできましたが、Rさんのギターと合わせるのはこの時が初めてです。でも、何も心配なく歌えました。アンサンブルに天性の感覚をお持ちのようで、細かい所の確認だけで十分でした。
昼食後、いざ鎌倉。平日の昼間のミニ・コンサートにベストマッチの、のどかでうららかな日和でした。前回よりは若干少なめですが、お客様もぼちぼちご来場。驚いたことに、ここ数年レッスンをお休みしていらっしゃる県北の元生徒さんが突然現れました。まったく思いがけないご来聴でした。「ブログを読んでますから」と仰って下さって、感謝感激。
小さなカフェの空間がほどよく埋まり、定刻2時に開演。初めに「グリーン・スリーブス」、「埴生の宿」、「庭の千草」などのイギリス民謡を歌いました。古雅な調べが素朴なギターの音色とよく合います。次にRさんとM先生の演奏を挟んで、「野ばら」、「ローレライ」、「ムシデン」などドイツの民謡。またRさん&M先生コンビで、ゴスペル等。最後にブラームスの素朴な歌曲とイタリア歌曲、そして皆さんとご一緒に「早春賦」と「ふるさと」を歌って、1時間余りのコンサートは無事終了しました。
演奏の出来は定かではありませんが、雄大な山懐の瀟洒なカフェで、美味しいコーヒーと自家製本格バウムクーヘンと美しい音楽を味わう、こんな「プチ非日常」は、命の洗濯には最適ですね。私は演奏する側ですから、そう手放しに非日常を謳歌する立場ではないのですが、それでも、熊本市内から車で1時間もかからずに、これほど雄大な自然の懐に飛び込むことができる、という環境がどれぼど恵まれたものか、今回はしみじみと感じました。自然は時に暴威をふるいます。まだその傷跡が生々しく残る阿蘇ですが、それでもやはり、自然は私たちがいずれ還る魂のふるさとですから、自然に抱かれることは、魂の里帰りのようなものですね。帰りがけ、「ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらん」という紀友則の和歌と、「ねがはくは花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ」という西行の和歌がふと想起されました。雪道で斃れ、早春に逝かれた、山がお好きだった礒山先生の面影が心を去らないからでしょうか。
3月27日、南阿蘇のカフェ・ティッペルさんにお邪魔してミニ・コンサートを開催しました。昨年に続き2度目です。今回はメゾソプラノのIさんは外遊中(笑)で、M先生と、M先生のお嬢さんのRさん、それに私の3人組でした。
今回はM先生のお知り合いのKさんの別荘に泊めて頂けることになっていたので、コンサート前日に父の運転で一路南阿蘇へ。余談ですが、うちの父は南阿蘇が大好きで、つい先日の日曜日にも、春休み中の孫たちを従えて南阿蘇までドライブ兼花見に行ったばかりでした。
行きがけにUさんのお宅に寄ってキーボードとギターを積み込み、いざ出発。夕方早めに着いたので、Kさんが近くの温泉に案内して下さり、その後はKさんの奥様の手料理をご馳走になり、ご夫妻とお喋りをしながら、木造りの素敵なお宅でゆっくりくつろがせて頂きました。一方、M先生とRさんは、今回は東京から大分へ、そしてレンタカーでKさんの別荘へおいでになることになっていました。ところが、Rさんが乗るはずの飛行機が欠航となり、次の便に切り替えて来られることに。予定が大幅にずれたRさんとM先生は、夜の山道を3時間も車を走らせ、夜11時ごろやっと到着されました。お疲れさま!(M先生曰く、「ソファに横になって2秒で前後不覚に眠り込んで、目が覚めたら朝だったわ」(爆))
そんなアクシデントもありながらのコンサート当日。午前中いっぱい、3人で合わせの練習をしました。M先生とは毎月お会いできるので、打ち合わせや練習もできましたが、Rさんのギターと合わせるのはこの時が初めてです。でも、何も心配なく歌えました。アンサンブルに天性の感覚をお持ちのようで、細かい所の確認だけで十分でした。
昼食後、いざ鎌倉。平日の昼間のミニ・コンサートにベストマッチの、のどかでうららかな日和でした。前回よりは若干少なめですが、お客様もぼちぼちご来場。驚いたことに、ここ数年レッスンをお休みしていらっしゃる県北の元生徒さんが突然現れました。まったく思いがけないご来聴でした。「ブログを読んでますから」と仰って下さって、感謝感激。
小さなカフェの空間がほどよく埋まり、定刻2時に開演。初めに「グリーン・スリーブス」、「埴生の宿」、「庭の千草」などのイギリス民謡を歌いました。古雅な調べが素朴なギターの音色とよく合います。次にRさんとM先生の演奏を挟んで、「野ばら」、「ローレライ」、「ムシデン」などドイツの民謡。またRさん&M先生コンビで、ゴスペル等。最後にブラームスの素朴な歌曲とイタリア歌曲、そして皆さんとご一緒に「早春賦」と「ふるさと」を歌って、1時間余りのコンサートは無事終了しました。
演奏の出来は定かではありませんが、雄大な山懐の瀟洒なカフェで、美味しいコーヒーと自家製本格バウムクーヘンと美しい音楽を味わう、こんな「プチ非日常」は、命の洗濯には最適ですね。私は演奏する側ですから、そう手放しに非日常を謳歌する立場ではないのですが、それでも、熊本市内から車で1時間もかからずに、これほど雄大な自然の懐に飛び込むことができる、という環境がどれぼど恵まれたものか、今回はしみじみと感じました。自然は時に暴威をふるいます。まだその傷跡が生々しく残る阿蘇ですが、それでもやはり、自然は私たちがいずれ還る魂のふるさとですから、自然に抱かれることは、魂の里帰りのようなものですね。帰りがけ、「ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらん」という紀友則の和歌と、「ねがはくは花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ」という西行の和歌がふと想起されました。雪道で斃れ、早春に逝かれた、山がお好きだった礒山先生の面影が心を去らないからでしょうか。