レッスンに来られた生徒さんから、昨日、今日と続けて「こんなに後ろなんですね」という言葉を聞きました。
レッスンではいつも、まず大きく伸びをしながら口の奥を開けて「ア~」とあくび声を出して頂きます。そこから発声を誘導していきますが、「口蓋垂の後ろが見えるように口を開ける」というのが最初のステップです。そして、上の一番奥の歯のさらに後ろを斜め上に引き上げるようにして軟口蓋を上げます。体があくびの時と同じように開くので、ここであくびが立て続けに出る方も結構いらっしゃいます。そうしておいて音程をつけて発声の練習をするのですが、いろいろな音型や音程で声を出しているうちにだんだん口の開きが甘くなってくるので、「もっと引き上げて下さい」とか「もっと奥行きを深くして下さい」と言いながら発声を続けます。すると「こんなに後ろなんですね!」と言われるわけなのです。後ろが開いている時とそうでない時の響きの違いはご本人にもよくわかるようです。「ああ、そうか」とか「これですね」とかおっしゃっていますから。
発声ではよく開くようになっても、歌になると言葉が付いて口形が変わるのでまた閉まってきます。それを「もっと後ろです!」と言いながら修正していきます。日本人は普段口の奥を開けていないので、相当意識し続けないとすぐに閉まってしまうのです。口に指を突っ込んで軟口蓋をマッサージしたり、拳を突っ込んだり、コルクをくわえたり、薄手のハンカチを棒状にして上唇の両端に引っ掛け、てこの原理で上あごを持ち上げたり、とにかくいろいろな手段を駆使して上あごを挙げ、口の奥を開けます。このフォームができていないと十分な共鳴が得られません。口の奥を開けることは、呼気流を高く上げることと並んで最も基本的で重要なことです。
跳躍音程を歌う時の「ジラーレ」は、息を後ろから上へ回す技法です。ジラーレを言葉で説明するのはなかなか難しいのです。「息を回して!」というのを中学生に説明するために自らでんぐり返りをしてみせた熱血先生の話を今日友人から聞きましたが、私は「息を口の奥の突き当りの方へ吸うように持っていってから上へ飛ばして!」などと非論理的なことを言いながら誘導しています。この時も生徒さんたちは「こんなに後ろなんですね」と言われます。口の奥が開いていないとジラーレはできないのです。発声の技術はすべてそうですが、実際に正しいフォームに誘導してから改めて言葉で説明して認識して頂くことで初めて納得でき、身に付くのですね。
レッスンではいつも、まず大きく伸びをしながら口の奥を開けて「ア~」とあくび声を出して頂きます。そこから発声を誘導していきますが、「口蓋垂の後ろが見えるように口を開ける」というのが最初のステップです。そして、上の一番奥の歯のさらに後ろを斜め上に引き上げるようにして軟口蓋を上げます。体があくびの時と同じように開くので、ここであくびが立て続けに出る方も結構いらっしゃいます。そうしておいて音程をつけて発声の練習をするのですが、いろいろな音型や音程で声を出しているうちにだんだん口の開きが甘くなってくるので、「もっと引き上げて下さい」とか「もっと奥行きを深くして下さい」と言いながら発声を続けます。すると「こんなに後ろなんですね!」と言われるわけなのです。後ろが開いている時とそうでない時の響きの違いはご本人にもよくわかるようです。「ああ、そうか」とか「これですね」とかおっしゃっていますから。
発声ではよく開くようになっても、歌になると言葉が付いて口形が変わるのでまた閉まってきます。それを「もっと後ろです!」と言いながら修正していきます。日本人は普段口の奥を開けていないので、相当意識し続けないとすぐに閉まってしまうのです。口に指を突っ込んで軟口蓋をマッサージしたり、拳を突っ込んだり、コルクをくわえたり、薄手のハンカチを棒状にして上唇の両端に引っ掛け、てこの原理で上あごを持ち上げたり、とにかくいろいろな手段を駆使して上あごを挙げ、口の奥を開けます。このフォームができていないと十分な共鳴が得られません。口の奥を開けることは、呼気流を高く上げることと並んで最も基本的で重要なことです。
跳躍音程を歌う時の「ジラーレ」は、息を後ろから上へ回す技法です。ジラーレを言葉で説明するのはなかなか難しいのです。「息を回して!」というのを中学生に説明するために自らでんぐり返りをしてみせた熱血先生の話を今日友人から聞きましたが、私は「息を口の奥の突き当りの方へ吸うように持っていってから上へ飛ばして!」などと非論理的なことを言いながら誘導しています。この時も生徒さんたちは「こんなに後ろなんですね」と言われます。口の奥が開いていないとジラーレはできないのです。発声の技術はすべてそうですが、実際に正しいフォームに誘導してから改めて言葉で説明して認識して頂くことで初めて納得でき、身に付くのですね。