プログラムの最後はリストの「愛の夢」です。これってピアノ曲じゃないの?と思われる方が大半でしょうが、もともとは歌曲として作られたものなんです。3曲から成っていますが、第3曲が一番有名で、今回歌うのも第3番です。
O lieb, so lang du lieben kannst! おお 愛しうる限り愛せよ!
O lieb, so lang du lieben magst! おお 思うさま愛せよ!
Die Stunde kommt, die Stunde kommt, やがて時は来る
Wo du an Gräbern stehst und klagst! 墓の前に佇んで嘆く時が。
Und sorge, daß dein Herze glüht だから君の心が燃えるよう
Und Liebe hegt und Liebe trägt, 愛を抱き、愛を育むよう心を尽くすのだ、
So lang ihm noch ein ander Herz 彼の心が
In Liebe warm entgegenschlägt! 愛に満ちて暖かく脈打つ限り!
Und wer dir seine Brust erschließt, 君に心を開く人を
O tu ihm, was u kannst, zulieb! 能う限り愛せよ!
Und mach ihm jede Stunde froh, その人を常に喜ばせよ、
Und mach ihm keine Stunde trüb! 決してその人の心を曇らせてはならない!
Und hüte deine Zunge wohl, そして口を慎みたまえ、
Bald ist ein böses Wort gesagt! 心無い言葉は口をついて出るものだ、
O Gott, es war nicht bös gemeint おお 神よ 悪気はなかったのです(と言っても)
Der Andre aber geht und klagt. 人は嘆き、去ってゆくのだから。
歌詞はリストの友人フライリヒラートの作です。とてもきれいな曲ですが、粘り気の強いメロディなので、私のような薄くて軽い声帯にはちょっと負担が大きい。最高音はそんなに高くないのですが、高揚してくると全体のキーが高めで推移するので、体力的にかなりきついのです。でも、「愛の諸相」というテーマで展開してきたプログラムの掉尾を飾るには最適の曲かと思って選びました。この歌詞は、「愛とは何か」という大きな問いに対する一つの簡明な答えになっているように思われます。単なる好悪の情を超えて愛を育むには意志の力が必要です。相手を喜ばせること、不用意な言葉を慎むこと、覚悟を持って愛を貫くことを真っ向から直球で説く歌詞と、この上なく甘美なメロディの取り合わせが絶妙です(と思うのは私だけでしょうか)。私は、いわゆる男女の愛にはかなり疎いのすが、この世の全てを大きく包む愛との類比で、またヒューマニズムの極みとして、感謝と祈りをこめて歌いたいと思います。
これで楽曲解析は終わります。最後までお付き合い頂き、大変有難うございました。
O lieb, so lang du lieben kannst! おお 愛しうる限り愛せよ!
O lieb, so lang du lieben magst! おお 思うさま愛せよ!
Die Stunde kommt, die Stunde kommt, やがて時は来る
Wo du an Gräbern stehst und klagst! 墓の前に佇んで嘆く時が。
Und sorge, daß dein Herze glüht だから君の心が燃えるよう
Und Liebe hegt und Liebe trägt, 愛を抱き、愛を育むよう心を尽くすのだ、
So lang ihm noch ein ander Herz 彼の心が
In Liebe warm entgegenschlägt! 愛に満ちて暖かく脈打つ限り!
Und wer dir seine Brust erschließt, 君に心を開く人を
O tu ihm, was u kannst, zulieb! 能う限り愛せよ!
Und mach ihm jede Stunde froh, その人を常に喜ばせよ、
Und mach ihm keine Stunde trüb! 決してその人の心を曇らせてはならない!
Und hüte deine Zunge wohl, そして口を慎みたまえ、
Bald ist ein böses Wort gesagt! 心無い言葉は口をついて出るものだ、
O Gott, es war nicht bös gemeint おお 神よ 悪気はなかったのです(と言っても)
Der Andre aber geht und klagt. 人は嘆き、去ってゆくのだから。
歌詞はリストの友人フライリヒラートの作です。とてもきれいな曲ですが、粘り気の強いメロディなので、私のような薄くて軽い声帯にはちょっと負担が大きい。最高音はそんなに高くないのですが、高揚してくると全体のキーが高めで推移するので、体力的にかなりきついのです。でも、「愛の諸相」というテーマで展開してきたプログラムの掉尾を飾るには最適の曲かと思って選びました。この歌詞は、「愛とは何か」という大きな問いに対する一つの簡明な答えになっているように思われます。単なる好悪の情を超えて愛を育むには意志の力が必要です。相手を喜ばせること、不用意な言葉を慎むこと、覚悟を持って愛を貫くことを真っ向から直球で説く歌詞と、この上なく甘美なメロディの取り合わせが絶妙です(と思うのは私だけでしょうか)。私は、いわゆる男女の愛にはかなり疎いのすが、この世の全てを大きく包む愛との類比で、またヒューマニズムの極みとして、感謝と祈りをこめて歌いたいと思います。
これで楽曲解析は終わります。最後までお付き合い頂き、大変有難うございました。