第4回声楽発声研究会終了

2019年06月30日 | 日記
今日は声楽発声研究会の日でした。熊本地震直後に第1回目を開催し、今年で4回目。お一人ずつご自分で曲の紹介をしてから暗譜で歌って頂き、ワンポイントレッスンをするという形です。1回目の終了時から「また来年もやって下さい」と言われ、場所を変えながら回を重ねてきました。今回は去年に引き続いて向山つくし庵を使わせて頂きましたが、ここはよく響くのでラクに歌えます。昨日からの大雨で、予定通り開催できるか案じられましたが、皆さん無事に参加して下さって何よりでした。今回は病欠の方が多く、最終的に参加者が11名だったので、当初の予定を変更して1部構成でやりました。
こういう会をする時にいつも幸せに思うのは、うちの生徒さん方の醸し出される雰囲気の良さです。どの方も向上心に溢れていています。それに加えて、他の方の歌にも心から耳を傾け、お互いに学び合おうとするおおらかな温かい心をお持ちです。そして、ちょっとしたアドヴァイスで声が変わっていく様子を、心から喜んで見守っておられます。この雰囲気に私がどれほど助けられているかわかりません。レスナーも日々迷いと学びの繰り返しで、後から振り返れば間違いだらけのレッスンをしていますから、いつも自信がないのです。それでも、こんな私について来て下さることに心から感謝です。
今日のレッスンには、一昨日のアレクサンダー・テクニークのレッスンと、先月のオイリュトミーのレッスンが生きました。無意識のムダな動きをやめてみること、見える身体を包んでいる見えない身体を意識すること、背骨の内側に息の道をイメージすること、そういうアプローチで一瞬にして声が変わっていきます。改めて声楽発声のデリケートさを実感しました。
今回初めて伴奏をお願いしたS先生が、控えめながらきめ細やかにサポートして下さって、お陰で約3時間の充実した時間になりました。
次は9月の発声セミナー、そして12月のクリスマス会です。あ、10月にはリサイタルもあるのでした。私も頑張らなくては。

追憶

2019年06月20日 | 日記
中1の時に担任をして頂いたM先生が、昨日、75年の生涯を終えられました。
人間の一生には何度かのターニングポイントがありますが、私の最初のターニングポイントは、中1の時にM先生のクラスになったことでした。このクラスにはなぜか音楽的な人が集まっていて、M先生も音楽好きでした。音楽の先生だった奥様の影響もあったのでしょうか、朝夕のホームルームの時間に「野ばら」や「歓喜の歌」をドイツ語で教えて下さったり、ロングホームルームの時間にミニ・コンサートを開いて下さったり。ヴァイオリンを能くするクラスメイトが2人いて、ピアノの名手もいたので、この3人がバッハのドッペルコンチェルトを演奏したのです。今思えば、これはなかなかすごいことです。コーラス部員も多く、校内合唱コンクールでも学年優勝しました。クラスで愛唱歌集を編集して、私は「1年4組の歌」という曲の作詞をし、ピアノのうまい友人がこれに曲をつけました。もっとも、歌集には載ったものの、結局誰も歌いはしませんでしたが(笑)。ともかく、1年間をこのクラスで過ごしたことで、私は音楽熱に取りつかれ、途中入部でコーラス部に入り、そのまま歌の道に進むことになったのです。M先生のクラスでなければ、私はおそらく別の道に進んだだろうと思います。我が家は特に音楽的な環境ではありませんでしたし、私自身もさほど歌の才能に恵まれていたわけでもありませんでしたから。
大人になってからも、断続的にM先生との関係は続きました。私が母校の中学校の音楽講師になったからです。M先生の末のお子さんのクラスを教える巡り合わせになったこともありました。それに、その後倫理学に転身して大学で教えるようになった時、定年退職されたM先生がその大学で講師として教鞭を取られていたというつながりもありました。奥様とも音楽関係で接触がありました。
6年前に不慮の事故で身体の自由を失われてからは、何度かお見舞いさせて頂きましたが、昨年の夏に同級生たちと病院を訪ねた時、行き違いで私だけ先生にお目にかかれなかったことが返す返すも残念です。奥様が「不自由な身体になっても自暴自棄になることはありませんでした」と仰っていましたが、最期まで頑張って生き抜いて下さったお姿こそ、残された私たちに対する無言の尊い教えでした。心からの感謝を先生の霊に捧げたいと思います。

日本の歌コンサート

2019年06月15日 | 日記
うちの教室の古参のYさんが、日本歌曲と昭和の歌謡曲で構成したリサイタルを開かれました。会場の国際交流会館ホールに溢れるほどのお客様で、大変な盛況でした。
父と2人で行き、会場で知人ご夫妻に会って4人で聴いたのですが、父たち世代に親しみやすく、クラシックになじみの無い方にも楽しめるコンサートで、父たちも「良いコンサートでしたね~」と言い合っておりました。
Yさんは私より年長の方です。演奏にも指導にもキャリアを積んでいらっしゃるのに、現状に満足せず、どこまでも道を求める心意気が素晴らしいと思います。「学ぶことに終わりはありません」とは作曲家シューマンの言葉ですが、頭ではそう思っても実際に学び続けることは至難の業。Yさんの勉強熱心には脱帽です。共演のアルトM先生の軽妙なトーク、伴奏のN先生の渋い味わいのピアノも、Yさんの歌を大いに引き立てていました。
演奏会で一番大事なのは、お客様に喜んでいただき、良い音楽を聴いて元気になっていただくこと。それには、演奏する側が心から音楽を楽しみ、味わい、溢れ出る喜びをお客様と分かち合うことが必須条件です。気持ちの良い時間を過ごせて幸せでした。

急告

2019年06月15日 | 日記
オイリュトミストのU先生が公演先のベルリンで倒れ、集中治療室に入っていらっしゃるとの報が届きました。驚いています。
とりあえず23日のクラスは中止とします。
ブログの読者の皆様、U先生のご回復を共に祈って下さい。どうぞよろしくお願い致します。

6月の予定

2019年06月07日 | 日記
今年度は授業準備にことのほか手間暇がかかり、なかなかブログの更新ができず、楽しみにして下さっている皆様には申し訳なく思っています。気が付けばもう1年も半分近く過ぎてしまいました。いやはや。
さて、今月は月末に行事が集中しています。
6月23日(日)18:00より向山つくし庵にて「歌う人のためのオイリュトミー・クラスvol.3」。前回好評で、継続開催が決まりました。
6月29日(土)13:30からと18:00からの2コマ、アレクサンダー・テクニークの講習会があります。場所は高平台コミュニティセンターの予定。
6月30日(日)午後、向山つくし庵にて「第4回声楽発声研究会」を開催します。生徒さん方にお一人1曲ずつ暗譜で歌って頂いて、ワンポイントレッスンをします。
参加ご希望の方はご一報ください。
最近感動したこと。6月2日にオハイエくまもとの10周年記念コンサートを聴きに行きました。都合で後半しか聴けませんでしたが、左手のピアニスト館野泉さんの演奏、圧倒的な浸透圧でした。ヤンネ館野さんの深くて自然な息づかいのヴァイオリン、月足さおりさんの清らかなピアノの音色も出色でした。近年、熊本のコンサートのレベルがとみに上がってきたことをとても嬉しく思います。裏で尽力されている方々の情熱の賜物ですね。感謝。