第5回声楽発声研究会

2020年09月27日 | 日記
今年は研究会はできないかもしれない、と思いながら春から夏を過ごしました。コロナ禍でうちにレッスンに来られる生徒さんが減ったからです。でも、毎月泊まりがけで出張レッスンに行かせてもらっている県南では、生徒さんがコンスタントに来て下さっているので、今年はここでやろうと思い立ちました。幸いレッスン会場は旅館に併設されたホールなので、そのまま研究会の会場として使わせて頂きたいと女将さんにお願いし、ご快諾頂きました。お蔭様で、例年より3ヶ月遅れでしたが、先日、無事に第5回声楽発声研究会を開催できました。
県北からもお一人ご参加頂き、10名のソリストと1組のヴォーカルアンサンブルによる濃密な3時間余りを過ごしました。「長崎の鐘」や「アメイジング・グレイス」などのポピュラーソングから、カッチーニの「アヴェ・マリア」、ヘンデルの「ラルゴ」などスタンダードなイタリア歌曲、ドイツ歌曲、現代日本歌曲など、どれも素敵な曲ばかり。そして皆さんの熱心なこと。こちらもつい熱が入り、ほとんど公開レッスン状態になってしまいました。伴奏者の方も奮闘して下さいました。歌の伴奏は、一般に思われているよりかなり難しいものです。伴奏者自身が歌えないと呼吸が合いません。慣れも必要です。今回の伴奏者さん、これからも頑張って下さるのではないかと期待しています。
アンサンブルも素敵でした。「彼方の光」というとても美しい合唱曲を4人で歌って下さいましたが、リーダーが伴奏しながら自分も1パートを一人で歌うという離れ業。曲も素晴らしいし、4人のハーモニーも音色も素晴らしく、幸せな気持ちで聴かせて頂きました。
今年のような非常時でも、こうして学び合いの会ができたことが本当に有難かったです。願わくば、来年2月の発表会が無事開催できますように。


オンラインレクチャー

2020年09月15日 | 日記
合唱団の活動がストップして半年。このままではいけないということで、この際、普段はなかなか手の回らないことをやってみようということになりました。
うちはドイツ語の歌だけを歌う合唱団なので、ドイツ語のディクションについて一度体系的にレクチャーしておきたい、というのが指揮者としての私の動機でした。しかしそれだけでは無味乾燥なので、歌詞の意味とか、文法的な説明とか、韻律についてもお話したいし、せっかくだからもう少し視野を拡げて、そのテキスト(詩)や曲ができた背景などの「周辺事情」にもアプローチしたい、というわけで、「ドイツの歌に親しむ会」と銘打ってお話会をすることになりました。
オンライン環境が整っている方はご自宅で、そうでない方は会場で、ということになり、団長・副団長を中心に役付きの皆様がいろいろと頑張って下さって、第1回目のレクチャーを先日無事に終えることができました。
初回の題材には、うちの合唱団のテーマソングになっている「野ばら」を選びました。ご存知ゲーテの名詩です。うちの団ではウェルナーの作曲したものを4部合唱で歌っていますが、シューベルトをはじめ数多の作曲家が付曲しています。まずゲーテの話から始め、有名なフリーデリケ・ブリオンとの悲恋や、同時代の有名人たちとの関係などにも軽く触れ、韻律論や文法的な説明に入り、最後に発音です。今回は母音に特化して、日本語との構音の違いについて説明しました。
多少の通信トラブルが発生したものの、皆さんにサポートして頂きながら何とか90分のレクチャーを無事終えることができ、まずまずの滑り出しでした。これから月1回のペースで続きます。

ビリビリ発声法

2020年09月02日 | 日記
以前このブログでもご紹介した『うまく歌える「からだ」のつかいかた』という本に、紙をぐるぐる破りながら歌う、というエクササイズが載っていました。紙を「リンゴの皮をむくように」ぐるぐると破りながら歌っている写真が載っていて、「歌っている間中、両手を動かして破り続けます」と解説が書いてあります。最近ディクションを教わっているY氏も「合唱団の練習にこの方法を取り入れている」と仰っていて、私もやってみたら不思議とうまくレガートができました。自分ではレガートに歌っているつもりでも、ドイツ語は子音が多いので、録音して後で聴いてみると案外ゴツゴツしていることがよくあるのです。
紙を破りながら歌う時は、「ゆっくりと」、「一定のテンポで」、「止まらず」破り続けます。そうすると同じ緊張感が持続でき、息の流れも安定します。目下、レッスン室に広告用紙や不要になった印刷物などをストックしておいて、歌う時はビリビリ破りながら歌っています。皆様もどうぞお試しあれ。